JPS6311225B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、容器蓋、更に詳しくは、筒状スカー
ト壁部、スカート壁部の上縁に連なる環状頂面壁
部及び環状頂面壁部の内周縁の一部から半径方向
内方へ延びる把持部を有する外蓋を含む容器蓋に
関する。

＜従来技術＞ 当業者には周知の如く、筒状スカート壁部、ス
カート壁部の上縁に連なる環状頂面壁部及び環状
頂面壁部の内周縁の一部から半径方向内方へ延び
る把持部を有する外蓋を含む種々の形態の容器蓋
が提案され実用に供されている。かような容器蓋
を開示している先行文献としては、実公昭39−
24383号公報、実公昭45−14476号公報、実公昭53
−30512号公報、実公昭53−30513号公報、実公昭
57−14203号公報、実公昭58−16512号公報、実公
昭58−33071号公報、実公昭58−33072号公報、特
開昭54−133987号公報及び実開昭59−30853号公
報等を挙げることができる。

而して、上記容器蓋における外蓋には、次の通
りの解決すべき問題が存在する。即ち、上記把持
部がその基部（即ち環状頂面壁部との連接部）を
中心として上方へ施回され、上記把持部の自由端
部が環状頂面壁部の上面を越えて上方へ突出する
傾向がある。そして、上記把持部の自由端部が環
状頂面壁部の上面を越えて上方へ突出すると、(イ)
容器の口頚部に容器蓋を装着するための自動容器
蓋装着装置に容器蓋を送給する容器蓋送給路にお
いて、上記把持部の自由端部が容器蓋送給路を規
定している部材に当接し、容器蓋の円滑な送給が
阻害されてしまう、(ロ)容器蓋が装着された容器を
搬送する際に、上記把持部の自由端部が異物に衝
突し、これによつて上記把持部に力が加えられ
て、例えば環状頂面壁部及びスカート壁部に形成
されている弱化線が偶発的に破断されてしまう、
等の不都合が発生する。

かような問題を解決するために提案されている
第１の方策は、上記把持部の基部に折曲部を形成
し、これによつて基部の剛性を増大せしめると共
に上記把持部を半径方向内方に向けて下方に傾斜
せしめることである。しかしながら、かような方
策を採用しても、上記問題を充分確実に回避する
ことはできず、外蓋に外力が作用した場合等に上
記把持部の自由端部が環状頂面壁部の上面を越え
て上方へ突出する恐れがある。

上記問題を解決するために提案されている第２
の方策は、上記把持部を比較的幅狭の付加的接続
部によつて環状頂面壁部に一体に接続することで
ある。かような第２の方策を採用すると、上記問
題は確実に回避される。しかしながら、次の通り
の別個の問題が発生する。即ち、容器の口頚部か
ら容器蓋を離脱せしめて容器の口頚部を開封する
際には、上記把持部の自由端部を上方へ移動せし
めて上記把持部に指をかけてこれを上方に引張る
ことができるようにせしめることが必要である
が、かくするには上記接続部を破断せしめること
が必要であり、かかる破断に相当な力を要し、従
つて容器の口頚部の開封が相当困難である。

＜発明の目的＞ 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであ
り、その主目的は、別個の問題を生ぜしめること
なく、上記把持部に関する上記問題が充分確実に
回避される、改良された容器蓋を提供することで
ある。

＜発明の構成＞ 本発明によれば、筒状スカート壁部、該スカー
ト壁部の上端に連なる環状頂面壁部及び該環状頂
面壁部の内周縁の一部から半径方向内方へ延びる
把持部を有する外蓋を含む容器蓋において； 該把持部には、半径方向外方へ延びてその先端
部が該環状頂面壁部の下側に位置付けられている
少なくとも１個の係止片が形成されている、或い
は、 該環状頂面壁部には、半径方向内方に延びてそ
の先端部が該把持部の上側に位置付けられている
少なくとも１個の係止片が形成されている、 ことを特徴とする容器蓋が提供される。

かような本発明の容器蓋においては、上記係止
片によつて、上記把持部の自由端部が上方へ突出
することが確実に防止される。他方、容器の口頚
部から容器蓋を離脱せしめて容器の口頚部を開封
する際に、上記把持部の自由端部を上方へ移動せ
しめる時には、上記係止片を破断する必要はなく
上記係止片を変形せしめさえすればよく、それ故
に、充分容易に開封操作を遂行することができ
る。

＜発明の好適具体例＞ 以下、添付図面を参照して、本発明に従つて改
良された容器蓋の好適具体例について詳細に説明
する。

第１図を参照して説明すると、図示の容器蓋
は、外蓋２と内蓋４とを含んでいる。

アルミニウム基合金薄板又はクロム酸処理鋼薄
板の如き適宜の金属製薄板から一体に形成されて
いるのが好都合である外蓋２は、略円筒状スカー
ト壁部６、スカート壁部６の上端に連なる円環状
頂面壁部８、及び頂面壁部８の内周縁の一部から
半径方向内方へ延びる把持部１０を有する。図示
の把持部１０は、頂面壁部８の内周縁の一部に連
なる帯状連接部１２と、この連接部１２に連なる
円形リング形状部１４とを有する。頂面壁部８の
内周縁部には、把持部１０のリング形状部１４に
沿つて延びる弧状突条１６が形成されている。把
持部１０の上記連接部１２は、その剛性を増大せ
しめるための一対の平行突条１８が形成されてい
る。更に、頂面壁部８及びスカート壁部６には、
把持部１０の上記連接部１２の両側縁に引続いて
延びる一対の弱化線２０が形成されている。かか
る一対の弱化線２０は、所謂ミシン目或いは材料
厚さを低減せしめることによつて形成される所謂
スコアでよい。

外蓋２と同様に適宜の金属製薄板から形成され
ているのが好都合である内蓋４は、円形天面壁部
２２とこの天面壁部２２の周縁から垂下する略円
筒状スカート壁部２４とを有する。天面壁部２２
の中心部には円形凸部２６が形成されている。ス
カート壁部２４の下部は、金属製薄板を内側に折
返すことによつて２重壁構造にせしめられている
（第２図も参照されたい）。スカート壁部２４には
周方向に間隔を置いて軸線方向に延びる複数本の
切溝２８が形成されており、かかる切溝２８によ
つてスカート壁部２４は複数個の弧状部３０に区
画されている。第２図に図示する如く、天面壁部
２２の内面には、例えば厚紙と金属箔の積層体か
ら形成することができる円板状パツキン部材３２
が配設されている。

第１図及び第２図を参照して説明すると、上記
外蓋２及び内蓋４から成る容器蓋は、第２図に図
示する通りの口頚部３４を有する容器に適用され
る。適宜の金属製薄板から形成されている容器の
口頚部３４は、上方に突出した円錐台形状の首部
３６と、金属製薄板を外方に湾曲せしめることに
よつて略円形の断面形状にせしめられた開口端縁
３８とを有する。かような口頚部３４を容器蓋に
よつて封印閉塞するには、最初に、口頚部３４上
に内蓋４を被嵌して下方へ強制する。かくする
と、第２図に図示する如く、内蓋４のスカート壁
部２４における弧状部３０が口頚部３４の開口端
縁３８に弾性的に係合せしめられ、かくして口頚
部３４に内蓋４が装着される。次いで、内蓋４に
外蓋２を被嵌し、しかる後に、外蓋２のスカート
壁部６の下端部を半径方向内側に折曲げて、第２
図に図示する如く、内蓋４のスカート壁部２４の
下端に係止せしめる。かくすると、内蓋４のスカ
ート壁部２４における弧状部３０が弾性的に半径
方向外方へ変位することが阻止され、従つて内蓋
４及び外蓋２が口頚部３４から離脱することが阻
止され、かくして所謂封印が達成される。

口頚部３４を開封する際には、最初に、外蓋２
の把持部１０におけるリング形状部１４に指をか
けてこれを上方へ移動せしめ、次いでリング形状
部１４を引張つて一対の弱化線２０を破断せし
め、かくして外蓋２の頂面壁部８及びスカート壁
部６を少なくとも部分的に破断して、外蓋２を離
脱せしめる。次いで、内蓋４の天面壁部２２の中
心部に形成されている凸部２６を指で押圧して凹
状に変形せしめる。かくすると、内蓋４のスカー
ト壁部２４における弧状部３０が半径方向外方へ
変位され、かくして弧状部３０と口頚部３４の開
口端縁３８との係合が解除される。しかる後に、
口頚部３４から内蓋４を離脱せしめる。

而して、図示の容器蓋における上述した通りの
構成及び作用は、既に公知のものであり、本発明
に従つて改良される容器蓋の一例を示すにすぎな
い。

図示の容器蓋における外蓋２には、本発明に従
つて次の通りの改良が加えられている。第１図と
共に第３図を参照して説明すると、把持部１０の
リング形状部１４は、少なくとも１個、図示の場
合には周方向に適宜の間隔を置いて２個の係止片
４０が形成されている。かかる係止片４０は、リ
ング形状部１０から半径方向外方へ延びて、その
先端部は頂面壁部８の下側に位置付けられてい
る。図示の具体例における係止片４０は、リング
形状部１４の下面から半径方向外方へ延びている
が、かような係止片４０は、次の通りにして好都
合に形成することができる。即ち、外蓋用素材即
ち金属製薄板から外蓋２を形成するために金属製
薄板に打抜き加工を施す際に、リング形状部形成
用円環状部の所定部位においては、第４図に図示
する如く、半径方向内方に突出した舌状部４２を
残留せしめる。そして、上記円環状部にカーリン
グ加工を施してリング形状部にせしめる時或いは
その前又は後に、上記舌状部４２を下方及び半径
方向外方に湾曲せしめ、かくして、第５図に図示
する如く、リング形状部１４の下面から半径方向
外方へ延びるようにせしめて上記係止片４０を形
成する。

上述した通りの改良が加えられた外蓋２におい
ては、上記係止片４０の先端部が頂面壁部８の下
側に位置せしめられている故に、係止片４０が上
方へ変位することが阻止され、それ故に、容器の
口頚部３４を開封する際に意図的にリング形状部
１４を上方へ移動せしめる時以外に、リング形状
部１４が第２図に２点鎖線で示す如く上方へ変位
して頂面壁部８の上面を越えて上方へ突出するこ
とが確実に阻止される。他方、容器の口頚部３４
を開封するために意図的にリング形状部１４を上
方へ移動せしめる時には、上記係止片４０を破断
せしめる必要はなく、リング形状部１４に指をか
けてこれを上方へ持上げ、かくすることによつて
上記係止片４０を第３図に２点鎖線で示す如く幾
分下方に湾曲せしめさえすれば、上記係止片４０
の先端部は頂面壁部８の干渉から解除され、それ
故に、充分容易にリング形状部１４を上方へ移動
せしめて開封操作を遂行することができる。

第６図及び第７図は、本発明に従つて改良され
た容器蓋における外蓋の変形例を図示している。
この変形例においては、把持部１０ではなくて頂
面壁部８に、少なくとも１個、図示の場合には周
方向に適宜の間隔を置いて２個の係止片４４が形
成されている。かかる係止片４４は、頂面壁部８
から半径方向内方に延びて、その先端部は把持部
１０のリング形状部１４の上方に位置付けられて
いる。変形例における係止片４４は、次の通りに
して好都合に形成することができる。即ち、外蓋
用素材即ち金属製薄板から外蓋２を形成するため
に金属製薄板に打抜き加工を施す際に、頂面壁部
８にせしめられる部分の所定部位に、第８図に図
示する如く、所要形状のスリツト４６を形成して
舌状部４８を区画する。そして、かかる舌状部４
８を上方及び半径方向内方に湾曲せしめ、かくし
て、第９図に図示する如く、頂面壁部８から半径
方向内方へ延びるようにせしめて上記係止片４４
を形成する。

上記変形例においても、上記係止片４４の先端
部が把持部１０のリング形状部１４の上側に位置
せしめられている故に、容器の口頚部３４を開封
する際に意図的にリング形状部１４を上方へ移動
せしめる時以外に、リング形状部１４が上方へ変
位して頂面壁部８の上面を越えて上方へ突出する
ことが確実に阻止される。他方、容器の口頚部３
４を開封するために意図的にリング形状部１４を
上方へ移動せしめる時には、上記係止片４４を破
断せしめる必要はなく、リング形状部１４に指を
かけてこれを上方へ持上げ、かくすることによつ
て上記係止片４４を第７図に２点鎖線で示す如く
幾分上方に湾曲せしめさえすれば、リング形状部
１４に対する上記係止片４４の先端部の干渉が解
除され、それ故に、充分容易にリング形状部１４
を上方へ移動せしめて開封操作を遂行することが
できる。

以上、添付図面を参照して本発明に従つて改良
された容器蓋の具体例について詳細に説明した
が、本発明はかかる具体例に限定されるものでは
なく、本発明の範囲から逸脱することなく種々の
変形乃至修正が可能であることは多言を要しな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従つて改良された容器蓋の
一具体例を示す分解斜面図。第２図は、第１図に
図示する容器蓋によつて容器の口頚部を封印閉塞
した状態を示す断面図。第３図は、第１図に図示
する容器蓋における外蓋の一部を示す部分断面
図。第４図及び第５図は、第１図に図示する容器
蓋における外蓋の係止片を形成する方法を説明す
るための部分斜面図。第６図は、本発明に従つて
改良された容器蓋における外蓋の変形例を示す斜
面図。第７図は、第６図に図示する外蓋の一部を
示す部分断面図。第８図及び第９図は、第６図に
図示する外蓋の係止片を形成する方法を説明する
ための部分斜面図。 ２……外蓋、６……外蓋のスカート壁部、８…
…外蓋の頂面壁部、１０……外蓋の把持部、１２
……把持部の連接部、１４……把持部のリング形
状部、４０及び４４……係止片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状スカート壁部、該スカート壁部の上端に
   連なる環状頂面壁部及び該環状頂面壁部の内周縁
   の一部から半径方向内方へ延びる把持部を有する
   外蓋を含む容器蓋において； 該把持部には、半径方向外方へ延びてその先端
   部が該環状頂面壁部の下側に位置付けられている
   少なくとも１個の係止片が形成されている、こと
   を特徴とする容器蓋。 ２ 該外蓋は金属製薄板から一体に形成されてい
   る、特許請求の範囲第１項記載の容器蓋。 ３ 該把持部は該環状頂面壁部の内周縁の一部に
   連なる連接部と該連接部に連なるリング形状部と
   を有し、該係止片は該リング形状部から延びる、
   特許請求の範囲第１項又は第２項記載の容器蓋。 ４ 筒状スカート壁部、該スカート壁部の上端に
   連なる環状頂面壁部及び該環状頂面壁部の内周縁
   の一部から半径方向内方へ延びる把持部を有する
   外蓋を含む容器蓋において； 該環状頂面壁部には、半径方向内方に延びてそ
   の先端部が該把持部の上側に位置付けられている
   少なくとも１個の係止片が形成されている、こと
   を特徴とする容器蓋。 ５ 該外蓋は金属製薄板から一体に形成されてい
   る、特許請求の範囲第４項記載の容器蓋。 ６ 該把持部は該環状頂面壁部の内周縁の一部に
   連なる連接部と該連接部に連なるリング形状部と
   を有し、該係止片の先端部は該リング形状部の上
   側に位置付けられている、特許請求の範囲第４項
   又は第５項記載の容器蓋。