JPS6311169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空脱ガス槽へのチヨツパー屑冷材投
入装置に関するものである。

製鋼工場における真空脱ガス装置は、高度の真
空状態で溶鋼を脱ガス槽内に吸引し、還流させな
がら、溶鋼中の有害気体を除去するようになつて
いる。そして、脱ガス槽内の溶鋼表面は、ほとん
どスラグのない状態にあるので、溶鋼中に合金鉄
や冷材等を投入して溶融させ成分調整或いは温度
調整を行つている。

前記合金鉄や冷材等の投入手段として、真空中
で切出しを行うという技術的課題のため、通常は
ロータリーフイーダーが使用されている。このた
め、合金鉄や冷材は、ロータリーフイダーで切出
すことができる径が30mm以下の形状に加工しなけ
ればならない。加工に際し、合金鉄については、
比較的壊れやすい性状のため、製造工程中にクラ
ツシヤー等で容易に細かく砕くことができるが、
冷材については、鋼材を使用するため、その加工
に非常にコストがかかり採算があわないため、ボ
ルト、ナツト等の打抜き屑（通称ポンチ屑）を使
用している。しかしながら、加工時の油、塵埃等
の燃焼処理や運搬費用等が必要なため、通常スク
ラツプより価格が高いという問題があつた。

そこで本考案者は、冷間圧延及び熱間圧延工場
において発生するチヨツパー屑（厚さ１〜12mm、
巾１〜40mm、長さ５〜300mmの鉄板）を冷材とし
て使用することに着目し、冷材のコスト低減を計
り、且つ正確な温度調整を行うことができる真空
脱ガス槽へのチヨツパー屑冷材投入装置を提供す
るのが目的である。

本考案の構成を図面に示す実施例に基き詳細に
説明すると、取鍋１の上方に真空脱ガス槽２を設
置し、この真空脱ガス槽２の下面に取鍋１内に装
入する２本の循環用管３，３′を設ける。尚図面
では省略したが真空脱ガス槽２の上端部に真空ポ
ンプと連通する導管を設け、吸引作用により取鍋
１内の溶鋼を真空脱ガス槽２内に循環させて有害
気体を除去するようになつている。

真空脱ガス槽２の上面には２本の導入管４，
４′を突出するように固定し、夫々供給管５，
５′を傾斜させて取付けている。一方の供給管５
は上端に径を大きくした受入部６を設けて真空容
器７と連通させている。尚、供給管５の上端部に
はダンパー８を設け、真空容器７と供給管５とを
均圧管５″で接続している。

前記真空容器７は上面に受入口９を設け、蓋１
０で密閉するようになつており、内部に支持部１
１を水平に突設し、ロードセル１２を介して計量
ホツパー１３を支持している。又、計量ホツパー
１３の下面には振動フイダー１４を設置してい
る。

計量ホツパー１３は第１図に示すように、断面
が同一面積、又は、末広がり状に形成してホツパ
ー内のブリツジ現象を防止し、下端後面（反供給
側）に傾斜面１５を設けて流下を助け、上面外周
に係合部材１６を設け、この係合部材１６を前記
支持部１１上に設置したロードセル１２上に乗架
している。

ロードセル１２は第２図に示すように、外壁１
７の一部に設けるケーブル取付部１８と真空容器
７の外壁１９とをフレキシブルチユーブ２０で連
結し、このフレキシブルチユーブ２０内にケーブ
ル２１を通し、荷重の縁切り及びケーブルの真空
対策を行つている。

振動フイダー１４は第３図に示すように、計量
ホツパー１３にコイルスプリング２２，２２′を
介して取付けられ、搬送端を受入部６の上方（第
１図参照）に位置させており、ユーラスモータ２
３をカバー２４で包囲し、このカバー２４と真空
容器７の外壁１９とをフレキシブルホース２５で
連結し、このフレキシブルホース２５内にケーブ
ル２６を通して大気圧下におくようにし、更に、
カバー２４と外壁１９との間に空気供給用フレキ
シブルホース２７と空気排気用フレキシブルホー
ス２８とを連結し、カバー２４内に常時空気を供
給することによりユーラスモータ２３を冷却する
ようになつている。

又、真空容器７の上方には計量ホツパー１３と
同様に形成した大容量の貯溜ホツパー２９を設置
して振動フイーダー３０で供給できるように形成
している。そして、貯溜ホツパー２９にはクレー
ン３１で運搬する運搬バツク３２からチヨツパー
屑を供給するようになつている。

尚、供給管５のダンパー８よりも下流側には、
数個所に流下管３３，３３′を連結させている。
流下管３３，３３′は夫々公知のロータリーフイ
ーダー３４，３４′を介してシールホツパー３５，
３５′と連通している。尚、図中３６，３６′は従
来の合金鉄又は冷材を貯溜する貯溜ホツパーであ
る。又、他方の供給管５′にも同様に流下管３
３″，３３を連結し、ロータリーフイダ３４″，
３４を介してシールホツパー３５″，３５と
連通させ、貯溜ホツパー３６″，３６から、従
来と同様に合金鉄及び冷材を供給するようになつ
ている。

本実施例は前記のように構成したもので、チヨ
ツパー屑は運搬バツク３２からクレーン３１等で
貯溜ホツパー２９内に供給される。尚、供給管５
のダンパー８はチヨツパー屑が流下しないように
通常は閉止している。そして、必要に応じて真空
容器７の蓋１０を開いて受入口９を開口し、振動
フイーダー３０を駆動してチヨツパー屑を計量ホ
ツパー１３内に落下させる。この状態でロードセ
ル１２により計量ホツパー１３とチヨツパー屑及
び振動フイダ１４の重量を計測し、満杯を検出し
て蓋１０を閉じ密閉する。真空処理がはじまる
と、均圧管５″及びバルブ８のすきまより、空気
が吸引され、真空容器７内は真空になる。

真空脱ガス槽２内へチヨツパー屑を供給する際
には、ダンパー８を開放する。この開放により真
空脱ガス槽２と真空容器７とは連通状態になる。
そして、振動フイダー１４を駆動することにより
計量ホツパー１３内のチヨツパー屑が切出され、
供給管５を通り真空脱ガス槽２内に投入される。
このチヨツパー屑の切出しに伴いロードセル１２
での計測値が低下することにより、低下値よりチ
ヨツパー屑の供給量を測定して必要量の供給が完
了した時に振動フイダー１４の駆動を停止させダ
ンパー８を閉じ処理を終了する。

真空脱ガス槽２内に投入されたチヨツパー屑は
循環する溶鋼により溶融し、溶鋼を冷却する。

尚、チヨツパー屑は前記したように、厚さ１〜
12mm、巾１〜40mm、長さ５〜300mmの鉄板である
が、計量ホツパー１３は断面が、同一面積又は、
末広がり状に形成され、振動フイーダー１４を使
用しているので、ブリツジ現象を起すことなく切
出され、真空容器７内においてはバラバラにして
供給管５に流下させる。

本考案は前記実施例のような構成、作用を有す
るから、チヨツパー屑を必要量確実に計量ホツパ
ー１３から切出すことができる。

又、計量ホツパー１３は真空容器７内において
ロードセル１２上に設置して計測を行うようにな
つているので、真空状態においても計測を行うこ
とができ、正確な測定を行うことができるので温
度調整を正確に行うことができる。

更に冷材としてチヨツパー屑を用いることがで
きるので、冷材コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る真空脱ガス槽へのチヨツ
パー屑冷材投入装置の一実施例を示す概略図、第
２図は、ロードセル部分を示す斜視図、第３図は
振動フイバーを示す一部を切欠いた背面図を夫々
示す。 尚、図中２は真空脱ガス槽、５は供給管、７は
真空容器、９は受入口、１０は蓋、１１は支持
部、１２はロードセル、１３は計量ホツパー、１
４は振動フイーダーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にチヨツパー屑を受入れる蓋１０を有する
   受入口９を設け、下面を真空脱ガス槽２と連通し
   た供給管５と連通し、内部に支持部１１を突設し
   た真空容器７と、下面を大きく開口し上端を支持
   部１１上に設置したロードセル１２上に乗架させ
   た計量ホツパー１３と、計量ホツパー１３の下面
   に搬送端を供給管５上方に位置するように設置し
   た振動フイダー１４とから成る真空脱ガス槽への
   チヨツパー屑冷材投入装置。