JPS6310023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は各種住宅に用いる無化粧の格子天井
板にクロス布地を容易に貼着できるようにした格
子天井用格子枠に関するものである。

近年、建築デザインの多様化から天井板にクロ
ス布地を使用することが多くなつてきた。

ところが、この格子天井板にクロス布地を貼付
けするには、天井板の露出面に各布地を当て、縁
部をカツター等の工具で切断するのが普通の方法
である。然し、この場合は、天井板に張られたク
ロス布地の切裂縁と格子枠の接合面とに隙間がで
きたり、クロス布地が直線に切断されていない場
合には、仕上がりが見苦しい欠点がある。また、
従来のものでは、クロス布地の張り替えが面倒
で、奇麗に仕上がらないと云う欠点があつた。

そこで、この考案は上述の様な従来の欠点を改
良せしめたものであつて、格子天井板にクロス布
地を簡単敏速に張着できると共に、クロス布地の
取替等を適宜容易にできるようにしたものであ
る。そして、その主たる構成とする所は、硬質合
成樹脂製で長手方向に押出成型される格子枠には
内部に木製の芯体を挿入充填する。この格子枠に
は、上部の長手方向に凹条溝を設けた断面コ字状
の挾持部を形成してある。また、前記挾持部の下
部に連接して垂直な起立片を設け、この起立片を
境として表面側にクロス布地を差し込む挿入部を
裏面側に係合溝を各々形成せしめたものである。
従つて、この考案によると、格子天井板を無化粧
のまま張着しても後からクロス布地を美麗に張着
できると云う優れた効果と、クロス布地の外周縁
を天井板と格子枠の挿入部との間に差し込んで仕
上げるため、クロス布地の端縁が露出せずに仕上
がりが綺麗となる効果と、クロス布地の張り替え
が敏速容易にできる等の優れた効果がある。

次にこの考案の実施例を図面について説明する
と、天井の廻り縁内に列設する天井ユニツトＡ
は、木製、合板及び石膏等の構成材料よりなる方
形状の天井板Ｂ，Ｂ……を格子枠１，１……で枠
組して構成されている。この格子枠１，１は、硬
質合成樹脂製で長手方向に成型され、内部に木製
等よりなる芯体１０を挿入充填すると共に、表面
に木目等の図柄模様又は凹凸模様９を形成せしめ
てある。また、該格子枠１，１の長手方向の上部
には、断面コ字状の凹条溝３を設けた挾持部２を
形成すると共に、この挾持部２に天井板Ｂ，Ｂの
端縁を挿入せしめてある。前記挾持部２の下部に
連接して垂直な起立片４を形成し、この起立片４
を境として表面側に挿入部５を裏面側に係合溝１
１を各々形成せしめるものである。次に該格子枠
１，１の芯体１０を収納する中空部６は、裏面側
に開口部を設けた相対向する屈曲部７及び８を各
形成してある。この屈曲部７，８によつて内部に
充填された該芯体１０を強固に支持するものであ
る。また、該格子枠１，１の係合溝１１，１１を
嵌合吊持する接続受桟Ｃ，Ｃは、左右に嵌合部１
２，１２を設けた略断面を工型状に構成せしめて
ある。符号１３は、第３図、第４図に示す如く、
各天井板Ｂ，Ｂに貼着する各種構成材料よりなる
クロス布地を示したものである。

この考案は上述の如き構成からなり、今この考
案の使用法を説明すると、天井ユニツトＡは、天
井部分の廻り縁の内部に納められるものである
が、野縁受に並設された野縁１４に断面工型状の
接続受桟Ｃ，Ｃを取付し、この左右の嵌合部１
２，１２に格子枠１，１の凹条溝３，３に天井板
Ｂ，Ｂの外周を嵌着した天井ユニツトＡを順次挿
入して係吊状態に固定する。また、この天井板
Ｂ，Ｂの表面に各種材料からなるクロス布地１３
を貼着すると共に、そのクロス布地１３の外周縁
を挿入部５に挿入するようにして格子天井を構成
するものである。

この考案の天井用格子枠によれば、天井板を無
化粧に構成し、後から自由にクロス地の意匠を選
択して簡単確実に張着できる効果がある。また、
従来は天井板にクロス布地を張着するのに、天井
板と格子枠との角部にカツター等の工具で切断す
るため、隙間が生じたり、直線に切裂されない場
合があり、著しく美観と体裁が悪いと云う欠点
を、この考案はクロス布地の外周縁を格子枠の空
間部に挿入状態で張設するため、仕上がりが美し
くなると云う従来にない優れた効果がある。そし
て、格子枠は内部に木製等の芯体を挿入してある
ので、格子枠は非常に強靭化され、折曲を防止す
ると共に格子枠の枠組が容易で長期間安全に使用
できる効果がある。また、格子枠の上部長手方向
に形成した断面コ字状の凹条溝を設けた挾持部を
設けてあるので、天井板の外周縁を確実に嵌着せ
しめ、天井ユニツトを確実強固に製作できる効果
と、格子枠の挾持部によつて接続受桟に確実に係
吊保持される特性がある。更に、挾持部の下部に
連接して設けた起立片は、この起立片を境として
表面側に挿入部を設けてあるので、クロス布地の
外周縁の差し込みが容易にできるため、クロス布
地の天井板に張着するのが簡単にでき、且つクロ
ス布地の大小が一定でなくても適宜順応して貼着
できる効果がある。そして、起立片の裏面側に設
けた係合溝によつては、格子枠が接続受桟に順次
容易に係合吊張でき、釘打作業を不用として格子
天井を容易に施工できると云う実利的な効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は格子天井を下面から見た天井ユニツトの斜面
図、第２図は格子枠の斜面図、第３図は第１図Ａ
−Ａ線の断面図、第４図は要部の一部欠除した断
面図、第５図は接続受桟の斜面図である。 符号Ａは天井ユニツト、Ｂは天井板、Ｃは接続
受桟、１は格子枠、２は挾持部、３は凹条溝、４
は起立片、５は挿入部、６は中空部、７，８は屈
曲部、１０は芯体、１１は係合溝、１２は嵌合
部、１３はクロス布地である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬質合成樹脂製によつて長手方向に成型された
   格子枠は内部の中空部に木製等の芯体を挿入せし
   め、且つ該格子枠には上部の長手方向に凹条溝を
   設けた断面コ字状の挾持部を形成せしめ、前記挾
   持部の下部に連接して垂直な起立片を設け、起立
   片を境として表面側にクロス布地等を差し込む挿
   入部を裏面側に係合溝を各形成せしめた事を特徴
   とする格子天井用格子枠。