JPS6291518A - 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物 - Google Patents

高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物

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JPS6291518A
JPS6291518A JP22985885A JP22985885A JPS6291518A JP S6291518 A JPS6291518 A JP S6291518A JP 22985885 A JP22985885 A JP 22985885A JP 22985885 A JP22985885 A JP 22985885A JP S6291518 A JPS6291518 A JP S6291518A
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styrenic
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
重合体、またはさらにポリスチレン、α−メチルスチレ
ン重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体から選ばれた一種
以上の改質材から構成され、エンジニアリングプラスチ
ック基みの高度な耐衝撃性を有しかつエンジニアリング
プラスチックよりはるかに安価な熱可塑性樹脂成形物に
関するものである。
従来の技術 スチレン−ブタジェンブロック共重合体で代表されるス
チレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体は、熱
可塑性エラストマーとして、あるいは透明耐衝撃性ポリ
スチレンとして一般に広く用いられている。このスチレ
ン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体としては、
放射状枝分かれ型ブロック構造のものや線状ブロック構
造のもの等種々のものが知られており、一般にスチレン
系炭化水素含有率が多くなるに従いゴム質状から樹脂状
に変化する。この様なスチレン系炭化水素−共役ジエン
ブロック共重合体の成形物は剛性、耐熱性等の実用物性
において他のスチレン系樹脂の成形物よりも一般に劣る
という欠点があり、耐衝撃性も他の高耐衝撃性の熱可塑
性樹脂成形物に比べると低い。
従来は、剛性や耐熱性を改善するために、スチレン系炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材としてポ
リスチレン、あるいはα−メチルスチレン重合体、ある
いはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体、あるい
はスチレン−アクリロニトリル共重合体を配合してトラ
イブレンドを行ない、必要に応じて単軸押出機あるいは
二軸押出機で溶融ブレンド後ペレット化し、これをイン
ラインスクリュー型射出成形機に仕込んで溶融樹脂を水
冷金型内に射出して成形物を得ることが行なわれている
。スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に
改質材を配合する改質法の具体例としては、特公昭13
0−28429号公報があり、改質材としてスチレン−
メタクリル酸エステル共重合体を用いた場合には剛性や
耐熱性の他に1TFt衝撃性も改善できるとされている
。しかしながら、この場合に得られる成形物の耐衝撃性
は実用上なお不十分であり、更に高度な耐衝撃性が望ま
れていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、上記の様な観点から、スチレン系炭化水
素−共役ジエンブロック共重合体をもとに検討を行ない
、■ノツチ付アイゾツト衝幣値が10kg * ctm
/ cta以上、最高では130kg Φcm/ cm
を越える値を有するエンジニアリングプラスチック基み
の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物を製造することを目
的とした。
問題点を解決するための手段 本発明の構成は、スチレン系炭化水素重合体の含有率が
50〜85wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエン
ブロック共重合体で、スチレン系炭化水素よりなる重合
体ブロックの凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロ
ックの凝集層とがそれぞれ0.01〜0.05gmの層
厚で交互に規則正しく直線的に積層した構造で、Vノツ
チ付アイゾツト衝撃値が10kg * cm/ cm以
上の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物、および前記スチ
レン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体50wt
、%(重量%)以上と、改質材のポリスチレン、α−メ
チルスチレン重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、またはスチレン−アクリロニトリル共重合体
から選ばれた一種以上が50wt、%以下からなり、ス
チレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の相は
スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝集層と
共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層とがそれ
ぞれ0.01〜G、05JLIlの層厚で交互に規則正
しく積層した構造で、改質材の25マol。
%(体積%)以上は形状の乱れが少ない直径0.1〜1
.07t■の粒状に分散している構造で、Vノツチ付ア
イゾツト衝撃値が10kg e cta/ c■以上の
高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物にある。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明に使用するブロック共重合体は、放射状枝分かれ
型、線状のいずれのものでも使用でき、放射状枝分かれ
型ブロック共重合体の場合一般式X(−B−5)Il 
、また線状ブロック共重合体の場合一般式SB−5)n
 B−SあるいはSB−5矢n Bで示される。
ここで、Sは、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロ
ックである−nBは共役ジエンを主とする重合体ブロッ
クであって、共役ジエン重合体あるいは共役ジエン−ス
チレン系炭化水素ランダム共重合体であっても良い、X
は放射状枝分かれ型重合体の形成に使用される多官能性
カップリング剤からすべての官能基を除いた部分を表わ
し1例えば、ポリエポキシド類、ポリイソシアネート類
ポリアルデヒド類、ポリケトン類、ポリアミン類、テト
ラ7リル錫やフッ化第二錫の様な錫化合物、ハロゲン化
珪素などの三官能性以上のカップリング剤から誘導され
る放射状枝分かれ型ブロック共重合体の中心原子あるい
は中心原子団である。Iはこの多官能性カシプリング剤
の官能基の数を示し、放射状枝分かれ型ブロック共重合
体が放射状枝分かれ型となるために必要な少なくとも3
以上の整数である。nは連続単位の数を示す整。
数である。
本発明に使用するブロック共重合体は、固体状態で、ス
チレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝集層と共
役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層とが交互に
秩序良く積層したミクロ相分離構造をとれることが必要
で、そのためには、ブロック共重合体のスチレン系炭化
水素含有量は、Bブロー、り中に共重合したスチレン系
炭化水素及びスチレン系炭化水素゛重合体ブロックを含
めて、50〜85wt、%が望ましい、このようにした
場合に、本発明に使用するスチレン系炭化水素−共役ジ
エンブロック共重合体のミクロ形態が上記のような交互
層状になりやすく、耐衝撃性の改良効果が十分に得られ
やすい。
本発明のブロック共重合体は、アニオンリビング重合法
等によって製造することができる。製造条件は、放射状
枝分かれ型ブロック構造、線状ブロック構造のいずれの
場合についても、従来公知の如何なる条件であってもよ
い。
本発明のブロック共重合体を構成するスチレン系炭化水
素は、例えば、スチレン、0−あるいはm−あるいはp
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチ
レン等のスチレン誘導体であって、これらの一種あるい
は二種以上の混合物が使用される。
本発明で言う共役ジエンは、例えば、1.3−ブタジェ
ン、2−メチル−1,3−ブタジェン(イソプレン)、
2.3−ジメチル−1,3−ブタジェン、l、3−ペン
タジェン、1.3−へキサジエン等でありl、3−シタ
ジエン及びイソプレンが好適に使用される。これらは一
種だけでなく二種以上の混合物であってもよい。
次に、本発明で改質材として使用するポリスチレンは、
カチオン重合法、あるいはアニオン重合法、あるいはラ
ジカル重合法によって製造することができるが、これら
のうちラジカル重合法が最も一般的である。いずれの重
合法で行う場合でも、従来公知の如何なる製造条件を用
いてもよいが、ブレンド及び成形の容易な重合物を得る
ために、数平均分子量が1万から50万の範囲に入るよ
う調節する必要がある0本発明に使用するα−メチルス
チレン重合体もポリスチレンの場合と同様の方法で製造
できるが、実用上数平均分子量が1万から50万の笥囲
に入るよう調節する必要がある。
本発明で改質材として使用するスチレン−メタクリル酸
エステル共重合体は、スチレン含有率が40wt、5以
上とメタクリル酸エステル、好ましくはメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルから選
ばれた一種あるいは二種以上130wt、%以下との共
重合体で、カチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル
重合法のいずれによっても製造することができる。特公
昭80−26429号公報に記載されているように、ス
チレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体とスチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体の組合せとして光
屈折率の近接したものを選ぶことにより、高い透明性を
得ることができる。しかし、光屈折率が異なった組合せ
でも、本発明の改良効果は十分に得ることができる。
本発明で改質材として使用するスチレン−アクリロニト
リル共重合体は、スチレン含有率が40wt、5以上と
アクリロニトリル[10wt、%以下との共重合体で、
カチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法のい
ずれによっても製造することができる。
そして、これらの改質材は前記のいずれかの添加により
効果が認められるが、併せて添加しても同様の効果を奏
することができる。
本発明において、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体に改質材をブレンドする方法としては従来
公知のさまざまのブレンド方法が可能であるが、スチレ
ン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の連続相に
改質材の25マat、5以上を直径0.1 ”1.0 
gmの粒状に分散させる必要からトライブレンドのみで
は不可で、溶融ブレンド(従来の一般的なブレンド方法
)、あるいは溶゛ 液ブレンドが好ましい、いずれにせ
よ、改質材の25マ010%以上を直径0.1〜1.0
μmの範囲内の粒状に分散させるために、ブレンド条件
の制御と最適ブレンド条件の決定は十分に注意して行な
わなければならない。
溶融ブレンドに使用する練り機は、ロール、パンバリミ
キサー、各種ミル、スクリュ一式押出機、そのほかのミ
キサーまたはブレンダーで、付備されたヒーターにより
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体と改
質材を可塑化しつつ、機械的に練り合わせればよい、直
接の溶融ブレンドが困難な場合、例えば、溶融、可塑化
温度が数十度以上差のある場合や、溶融粘度が著しく異
なる場合などは溶液ブレンドを用いる。即ち、前もって
分散媒中に混合分散してブレンドし、その分散状態を損
うことなくブレンド物を分散媒から分離すればよい。
なお、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
体に改質材をブレンドしない場合は、成形の前にあらか
じめ練り機を通さず、練りプロセスを省略してもよい、
なぜなら、練り機を通さず直接成形加工しても、成形物
の物性にはほとんど差がないからである。
本発明において、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ー、り共重合体に改質材をブレンドした樹脂組成物、あ
るいは改質材を含まないスチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体を成形する方法としては、成形時に
溶融樹脂に加わる剪断歪みや成形物の残留内部歪みを低
く抑えることさえできれば、押出成形、射出成形(従来
の一般的成形方法)、圧縮成形、スタンピング・モール
ディングなど樹脂の成形に用いられるすべての成形方法
が可能であるが、成形時の剪断歪みや成形物の残留内部
歪みを非常に少なくするには、圧縮成形法やスタンピン
グ令モールディング法が最も好ましい。
スタンピング・モールディング法は、溶融樹脂を、押出
機のグイから溶融状態のままlバッチに相当する量だけ
プレス金型内に供給し、金型内で加圧された樹脂が冷却
固化する間に1次の1バツチに相当する量の樹脂を押出
機内で可塑化ブレンドし、金型を開いて成形物を取り出
してから溶融樹脂を再び金型内に供給する、というサイ
クルを繰り返す方法である。
いずれの成形方法を用いる場合でも、スチレン系炭化水
素−共役ジエンブロック共重合体相中の交互積層状態の
乱雑性や交互層の不連続部分の発生、改質材粒子の形状
の乱れを可能な限り低く抑えるために、成形条件の制御
と最適成形条件の決定は十分に注意して行わなければな
らない。
本発明でスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体に改質材をブレンドしない場合。
ブロック共重合体相中の交互積層状態の乱雑性が可能な
限り低くなるよう、成形時に溶融樹脂に加わる剪断歪み
や成形物の残留内部歪みを可能な限り抑えなければなら
ず、そのためには成形方法と成形条件のうち少なくとも
一方を工夫することが必要である。なぜなら、このよう
にして得たもののフイゾット衝撃値は、従来の加工プロ
セスに従い成形したスチレン系炭化水素−共役ジエンブ
ロック共重合体の成形物のフイゾット衝撃値に比べて数
倍〜20倍以上であり、少なくとも15kg@c鳳/C
■以上、最高では50kg m am/ amを越える
高い値を示すからである。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に改
質材を含む場合1本発明で使用するブロック共重合体の
配合割合は50wt、5以上であり、一方散質材として
使用するポリスチレン、α−メチルスチレン重合体、ス
チレン−メタクリル酸エステル共重合体、あるいはスチ
レン−アクリロニトリル共重合体から選ばれた一種ある
いは二種以上は50wt、%以下であることが必要であ
る。
このように限定した理由は、スチレン系炭化水素−共役
ジエンブロック共重合体の相が連続相を形成しなければ
、成形物のフイゾット衝撃値がlokg拳c■/C膳以
上とならず改良効果がほとんど得られないからである。
また、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
体に改質材を含む場合、上記配合割合の配合物を、ブロ
ック共重合体相中の交互積層状態の乱雑性や改質材粒子
の形状と分散状態の乱雑性が可能な限り低くなるように
、ブレンド方法とブレンド条件のうち少なくとも一方と
、成形方法と成形条件のうち少なくとも一方を工夫する
ことが必要である。なぜなら、このように工夫して得た
もののフイゾット衝撃値が、従来の加工プロセスに従い
改質した成形物のフイゾット衝撃値に比べて数倍〜lO
倍以上であり、少なくとも10に8・017cm以上、
最高では80kg * am/ c■を越える高い値を
示すからである。
本発明者らは、改質したスチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体を使った成形物について200〜5
00オングストロームの厚さの超薄切片を作製し、共役
ジエン部分を四酸化オスミウムで黒く染色した後透過型
電子顕微鏡を用いて構造解析を行なった。
その結果、改質した成形物の耐衝撃性が向上するのは、
改質した成形物の構造が以下の■と■の両方の条件を満
たす場合に起こることを見出した。
■スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の
相は、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝
集層と共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層と
がそれぞれ0.01〜0.051L鵬の層厚で交互に積
層した構造をとっていること。
■スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の
相が連続相を形成し、この連続相に改質材の25マo1
.5以上が直径0.1〜1.0終■の粒状に分散してい
ること。
■と■の両方の条件を満たす相構造には、衝撃が加えら
れた際、クレーズ発生から破断に通じるクラックの伝播
を阻止する働きがあることがわかった0本発明者らは、
構造解析した改質物中に見られる上記の交互積層状態の
乱雑性や改質材粒子の形状と分散状態の乱雑性を改善し
てより整った形態にすることにより耐衝撃性を更に引上
げることが可能なばかりでなく、スチレン系炭化水素−
共役ジエンブロック共重合体に改質材をブレンドしない
場合でも、交互積層状態の乱雑性を改善して規則正しく
直線的な積層状態にすれば耐衝撃性が上昇するのではな
いかと考え、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
共重合体に改質材をブレンドしない場合には成形方法、
成形条件の検討と得られた成形物の構造解析を行ない、
さらに改質材を含む場合にはスチレン系炭化水素−共役
ジエンブロー2り共重合体と改質材のブレンド比率、ブ
レンド方法、ブレンド条件、成形方法、成形条件の検討
と、成形前のブレンドペレットや得られた成形物の構造
解析を行った。
構造解析は、ペレットや成形物の一部について200〜
500オングストロームの厚さの超薄切片を作製し、共
役ジエン部分を四酸化オスミウムで黒く染色した後透過
型電子lII微鏡を用いて行なった。
その結果、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
重合体に改質材をブレンドしない場合には、成形物中に
見られる前記■の構造の成否は成形方法と成形条件の両
方に支配され、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロッ
ク共重合体の交互積層状態の乱雑性は、成形方法と成形
条件のうち少なくとも一方を工夫すれば規則正しく直線
的な積層状態に改善できることがわかり、スチレン系炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材を含む場
合には、成形物中に見られる前記■、■の構造の成否は
ブレンド比率、ブレンド方法、ブレンド条件、成形方法
、成形条件のいずれにも大きく支配され、スチレン系炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体の交互積層状態の
乱雑性や改質材粒子の形状と分散状態の乱雑性は、ブレ
ンド方法とブレンド条件のうち少なくとも一方と、成形
方法と成形条件のうち少なくとも一方を工夫すればより
整った形態に改善できることがわかった。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に改
質材をブレンドしない場合、本発明者らは成形方法と成
形条件についてさらに検討を続け、成形方法と成形条件
のうち少なくとも一方を工夫して、成形時に溶融樹脂に
加わる剪断歪みや成形物の残留内部歪みを可能な限り抑
えた場合に、成形物は前記■の構造を備え、しかも成形
物中に見られるスチレン系炭化水素−共役ジエンブロッ
ク共重合体相中の交互積層状態の乱雑性が、従来の加工
プロセスに従い改質した成形物のものに比べ著しく改善
されて規則正しく直線的な積層状態となり、相内の秩序
が非常に良くなることを見出した。
また、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
体に改質材を含む場合には1本発明者らはブレンド比率
、ブレンド方法、ブレンド条件。
成形方法、成形条件についてさらに検討を続け、スチレ
ン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体50wt、
5以上と、改質材のポリスチレン、α−メチルスチレン
重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ま
たはスチレン−アクリロニトリル共重合体から選ばれた
一種以上が50wt.%以下からなる配合物を用い、ス
チレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の連続
相に改質材の25マo1.5以上が直径0.1〜!、0
p−taの粒状に分散するまでブレンドを行い、かつ成
形時に溶融樹脂に加わる剪断歪みや成形物の残留内部歪
みを可能な限り抑えた場合に、成形物は前記■、■の両
方の条件を満たす構造を備え、しかも成形物中に見られ
るスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体相
中の交互a層状態の乱雑性や改質材粒子の形状と分散状
態の乱雑性が、従来の加工プロセスに従い改質した成形
物のものに比べ著しく改善されてより整った形態となり
、相構造の秩序が非常に良くなることを見出した。
次に、本発明者らは、これらの乱雑性の程度とアイゾツ
ト衝撃値の高さとの相関について調べ、スチレン系炭化
水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材をブレンド
しないものではブロック共重合体相中の交互層の入り組
みや弯曲が少ないほど成形物のアイゾツト衝撃値が高く
、またスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
体に改質材を含むものでは、交互層の入り組みや弯曲が
少なく、改質材粒子の介入や成形時の剪断力などで生じ
た交互層の不連続部分が少なく、さらに改質材粒子の形
状の乱れが少なく分散状態が良好なほどアイゾツト衝!
lが高いことを見出した。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に改
質材をブレンドしない場合、ブロック共重合体相中の交
互層の入り組みや弯曲が非常に少ない成形物のアイゾツ
ト衝撃値は15〜50kg e cmlcmもの高い値
を示し、従来の加工プロセスにより得たブロック共重合
体の成形物のアイゾツト衝撃値(2kg拳c■/C11
前後)の数倍〜20倍以上にも上昇することから、スチ
レン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の交互積
層状態の乱雑性を低く抑えるだけでも耐衝撃性を著しく
改善できることが明らかとなった。
また1本発明者らは、スチレン系炭化水素−共役ジエン
ブロック共重合体に改質材を含む場合について、成形物
の超薄切片の透過型電子顕微鏡写真から成形物の切断面
に現われた改質材粒子の断面径の分布関数を求め、これ
らから実粒子の粒径分布を算出した結果、直径が0.1
〜1.0μm 、特に0.1〜0.3gmの範囲にある
改質材粒子が単位体積中に多く存在する成形物はどアイ
ゾツト衝撃値が高いことを見出した。この原因について
成形物の衝撃破断面を透過型電子顕微鏡、走査型電子顕
微鏡で解析し、成形物が衝撃を受けたとき、直径が前記
の範囲内にある改質材粒子は、ブロック共重合体相との
界面で剥離して衝撃エネルギーを効果的に吸収すること
を見出した。このことから、スチレン系炭化水素−共役
ジエンブロック共重合体に改質材を含む場合、成形物の
フィシシト衝撃値が10kg・cm/c■以上となるた
めの必要条件として、成形物に含まれる改質材の25マ
o1.%以上が直径0.1〜1.0 IL諺の粒子状と
なってブロック共重合体の連続相中に分散していなけれ
ばならないことがわかった。
以上のように、ミクロ構造の乱雑性を非常に低く抑えた
ブロック共重合体の成形物、及びブロック共重合体に改
質材を含む成形物はエンジニアリングプラスチック並み
の極めて優れた耐衝撃性を備えていることを見出し、本
発明を完成した。
本発明では1以上に述べた乱雑性の程度を実測して具体
的な数値で表現することが非常に困難なため、成形物の
アイゾツト衝撃値を、乱雑性の程度を間接的に示す尺度
とした。即ち、ASTMのD−256に準拠したVノツ
チ付アイゾツト衝撃値が10kg a cm/ cm以
上の成形物を、ブロック共重合体相中の交互積層状態の
乱雑性や改質材粒子の形状と分散状態の乱雑性が低く相
構造の秩序が非常に良いものと規定し1本発明による熱
可塑性樹脂成形物とした。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
実施例 以下の実施例1〜5には、スチレン系炭化水素−共役ジ
エンブロック共重合体50wt.%未満を含む成形物、
及びスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体
を全く含まない改質材のみの成形物についての結果も比
較例として記載しであるが、これらは本発明の範囲に含
まない。
実施例1 スチレン含有率?4.5wt、%の放射状枝分かれスチ
レン−ブタジェンブロック共重合体であるに一しジンK
RO−S米フィリップス社製、商品名)とスチレン含有
率?8wt、%のスチレン−メタクリル酸メチル共重合
体であるエスチレンMS−200(新日鐵化学製、商品
名)とを第1表に示す割合で配合し、これを容量110
ccのローラー形ミルを用いて180℃、70rp+s
でローラーの回転トルクが一定となるまでブレンドした
この操作を繰り返して必要量をブレンドのあと、得られ
たブレンド物を200℃、圧力50〜70kg/cm2
で約10分間圧縮成形してから数分間で約50℃にまで
冷却し、150mm X15mmX3mm 、 150
mm X150mm X4膳m 、 150g+s X
150ss X8++n (F)平板を得た。に−レジ
ンにRO−5単独、エスチレンMS−200単独の場合
も、上記のに一しジンKRO−5とエスチレンMS−2
00のブレンド成形品と全く同じ加工プロセスで平板を
得た。
これからそれぞれ引張り試験片、アイゾツト衝撃試験片
、曲げ試験片(熱変形温度の試験片と共用)を切出し、
それぞれASTMのD−638,D−258、D−79
0(熱変形温度はD−848)に従い各物性を測定した
。に−レジン相中の各層の厚みは、成形物の透過型電子
顕微鏡写真(10万倍の倍率で撮影)から実測した。ま
た、 MS−200実粒子の平均直径は、成形物の透過
型電子顕微鏡写真(成形物の切断面)に見られる)IS
−2(10粒子の断面径の分布を画像処理装置と統計計
算用ミニコンピユータ−により求め、これらの断面径分
布関数にステレオロジー理論を適用して算出した。
K−レジンを70wt、5以上含む成形物では、改’R
材n子)ia径ハ、O,t 〜1.0μm ノ[囲に、
90マo1.5以上が入っていた。ただし、K−レジン
が50wt、%の成形物では、K−レジン相内に分散し
たMS−200粒子のうち特に近接した粒子が一部数珠
状に連結しているため、長径と短径との比が非常に大き
く画像処理装置が粒子状と判断できない細長い形状のド
メインは除外して計算した。この場合でも、改質材粒子
の直径としては、0.1〜1、OILmの範囲に約50
vol。%が存在していた。
また、比較例のに一レジン25wt、%の成形物でほに
S−200の相が連続相となるため算出することができ
なかった。結果を第1表に示す、成形物の透過型電子顕
微鏡写真のうち、K−レジン単独の場合とに一レジンが
70wt、%の場合の例をそれぞれ第1図、第2図に示
す。
比較例1 実施例1で用いたに一しジンKRO−5とエスチレンM
S−200との配合物について、従来の加工プロセスに
より得た成形物の各物性及びに−レジン相中の各層の厚
みを測定した。用いた加工プロセスは次のようであった
。即ち、K−レジンKRO−5とエスチレンMS−20
0とを第2表に示す割合で配合し、スクリュー径29騰
腸φ、スクリュー有効長さとスクリュー径の比(L/D
)が17の完全噛合型同方向回転式2軸押出機を用いて
220℃でブレンド、ペレット化の後、3オンスのイン
ラインスクリュー型射出成形機に仕込んで210℃で射
出して試験片を作成したが、このプロセスではブレンド
条件、成形条件を特に工夫しなかった。に−レジンKR
O−5単独、エスチレンにS−200単独の場合も同様
の加工プロセスで試験片を作成した。
これらの射出成形試験片を用い、実施例1と同様の試験
方法で各物性を測定した。また、K−レジン相中の各層
の厚みは、成形物の透過型電子顕微鏡写真(io万倍の
倍率で撮影)から実測した。
MS−200実粒子の平均直径は、第2表に示したいず
れの成形物の場合でも算出できなかった。に−レジン?
Owt、%のものでは、MS−200粒子の形状が乱雑
で長径と短径との比が非常に大きく細長い回転楕円体形
あるいは不定形となり、またに−レジン50賛t1%、
 25wt、%のものではもはやMS−200相が分散
相とならないからである。得られた結果を第2表に示す
、また、成形物の透過型電子顕微鏡写真のうち、K−レ
ジン単独の場合とに−レジンが70wt、%の場合の例
をそれぞれ第3図、第4図に示す。
実施例2 スチレン含有率70%+1.%の線状スチレン−ブタジ
ェンブロック共重合体であるアサフレックス810 (
脂化成製、商品名)とエスチレンMS−200とを第3
表に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法で試験片
を製作し、各物性を゛測定した。アサフレックス810
相中の各層の厚み、MS−200実粒子の平均直径は、
成形物の透過型電子顕微鏡写真(10万倍の倍率で撮影
)から実施例1と同様にして求めた。
アサフレックス810が50wt、%の成形物では、ア
サフレックス810相中に分散したMS−200粒子の
うち特に近接した粒子が一部数珠状に連結しているため
、長径と短径との比が非常に大きく画像処理装置が粒子
状と判断できない細長い形状のドメインは除外して平均
直径を計算した。
また、比較例のアサフレックス810が25wt、%の
成形物では[9−200の相が連続相となるため平均直
径を算出することができなかった。結果を第3表に示す
、改質材粒子の直径は、実施例1と同様の傾向で分布し
ていた。
比較例2 実施例2で用いたアサフレックス810とエスチレンM
S−200との配合物について、比較例1と同様の加工
プロセスにより得た成形物の各物性値を第4表に示す、
アサフレックス810が70wt、%。
50wt、%の成形物のアイゾツト衝撃値は10kg@
cm/cm以上であるが、アサフレックス810相中の
ポリブタジェン凝集層とポリスチレン凝集層はいずれも
層厚が0.01gm未満であり、しかもアサフレックス
810相中のポリブタジェン凝集層とポリスチレン凝集
層の間に層厚の数倍〜lO倍程度の直径を持つMS−2
00粒子が数多く介在しているためアサフレックス81
0相は交互積層構造とならず、3次元網目構造となって
いる。この様なアサフレックス810の構造は、本発明
の範囲には含まれない。
アサフレックス810相中の各層の厚みは、成形物の透
過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で撮影)から実測し
た。 MJ−200実粒子の平均直径は、第4表に示し
たいずれの成形物の場合でも算出で、きなかった、アサ
フレックス810が70wt。
%、 50wt、%の成形物ではl5−200粒子の形
状が乱雑で粒子界面とアサフレックス810相の網目構
造とが互いに激しく入り組みあっており、またアサフレ
ックス810が25wt、%のものではもはやにS−2
00相が分散相とならないからである。これらの結果も
第4表に示す。
実施例3 スチレン含有率78wt、%線上スチレン−ブタジェン
ブロック共重合体(ブタジェンブロックは単一のポリブ
タジェンではなく、スチレン−ブタジェンランダム共重
合体)であるクリアレン730−L(電気化学製、商品
名)とエスチレンMS−200とを第5表に示す割合で
配合し、実施例1と同様の方法でアイゾツト衝撃試験片
を製作し、アイゾツト衝撃値を測定した。クリアレン7
30−L相中の各層の厚みとMS−200実粒子の平均
直径は、成形物の透過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率
で撮影)から実施例1と同様にして求めた。結果を第5
表に示す。
改質材を30wt、%含んだ場合では、改質材粒子の直
径は、95va1.5以上が0.1〜1.04mの範囲
内であった。
比較例3 実施例3で用いたクリアレン730−Lとエスチレンン
MS−200との配合物について、比較例1と同様の加
工プロセスにより得た成形物の各物性値を第6表に示す
、クリアレン730− L相中のスチレンよりなる重合
体ブロックの凝集層とブタジェンを主とする重合体ブロ
ックの凝集層は交互積層構造をとるが、両層の不連続部
分が非常に多く交互層の多くは断片状である。各層の厚
みは、成形物の透過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で
撮影)から実測し、これらの結果も第6表に示す。
MS−200実粒子の平均直径は、第6表に示したいず
れの成形物の場合でも算出できなかった。クリアL/7
730−Lが70wt、%、  50wt、%の成形物
ではMS−200相はクリアレン相内に分散しているが
両相の界面が不明確なうえに互いに激しく入り組みあっ
ており、またクリアレン25wt、%のものではもはや
MS−200相が分散相とならないからである。
上記第1表〜第6表から明らかなように、実施例1〜3
で得たスチレン−ブタジェンブロック共重合体、および
スチレン−ブタジェンブロック共重合体50wL、5以
上を含む成形物のアイゾツト衝撃値は10kg m a
m/ am以上、最高ではEIOkg m cm/ a
mを越える非常に高い値を示し、従来の加工プロセスに
より得た比較例1〜3の成形物のアイゾツト衝撃値の数
倍から10倍以上に改良されている。
本発明者らは、実施例1〜3、比較例1〜3で得た成形
物の一部について構造解析を行い、従来の加工プロセス
により得た成形物と本発明により得た成形物の相構造を
比較した。その結果、スチレン−ブタジェンブロック共
重合体単独の場合では、従来の加工プロセスにより得た
成形物の構造は前述の■の条件を満たしているが交互積
層状態が乱雑であるのに対し、本発明により得た成形物
の相構造はその乱雑性が大幅に改善され、整然とした直
線的な交互積層状態であった。
また、スチレン−ブタジェンブロック共重合体に改質材
を含む場合には、従来の加工プロセスにより得た成形物
の相構造は、前述の■と■の両方の条件を満たしている
がブロック共重合体相中の交互積層状態や改質材粒子の
形状と分散状態が乱雑であるのに対し、本発明により得
た成形物の相構造はその乱雑性が大幅に改善され、整然
とした交互積層状態や、良好な改質材粒子の形状と分散
状態であった。
アイゾツト衝撃値が非常に高い値を示すのは、この様な
相構造の秩序性の上昇がアイゾツト衝撃値の上昇に寄与
しているからである。更に、衝撃エネルギーの吸収機構
を解析し、本発明により得た成形物の中で、直径が0.
1〜1.0ルm、特に0.1〜0.37部mの範囲にあ
る改質材粒子が単位体積中に多く存在する成形物はどア
イゾツト衝撃値が高いことを見出した。成形物が衝撃を
受けた時、直径が前記の範囲内にある改質材粒子は、ブ
ロック共重合体相との界面で剥離して衝撃エネルギーを
効果的に吸収するためである。
剛性(引張り特性1曲げ特性)や耐熱性に関しては、ス
チレン−ブタジェンブロック共重合体とエスチレンMS
−200とのブレンド比率に対応した加成性のみが認め
られた。
実施例1〜3の成形物の剛性(引張り特性、曲げ特性)
や耐熱性は、従来の加工プロセスにより得た成形物のも
のより低下する。これは、次の理由によるものと考えら
れる。
(a)従来の加工プロセスにより得た成形物では、スチ
レン−ブタジェンブロック共重合体のポリブタジェン層
とポリスチレン層とが改質材粒子とともに互いに入組ん
だ乱雑な積層構造をとるため、変形時に、ブロック共重
合体の堅いポリスチレン層が周辺のポリブタジェン層や
改質材粒子の動きを抑制し繋ぎとめる役割を果たす。
層が乱雑な方が高剛性になることは、K−レジンKRO
−5単独の場合でも、従来の加工プロセスにより得た成
形物の方が本発明により得た成形物より高剛性になる事
実(第1表、第2表)から理解できる。
(b)従来の加工プロセスにより得た成形物では、改質
材粒子の多くが適当に連結してその高剛性が外部に良く
反映される。
実施例4 に−レジンKRO−5及びアサフレックス810とエス
チレンMS−200とをそれぞれ第7表、第8表に示す
割合で配合し、スクリュー径29m■φ、スクリュー有
効長さとスクリュー径の比(L/D)が17の完全噛合
型同方向回転式2軸押出機を用いて220℃でブレンド
後、ペレット化した。押出機のL/Dが小さく押出機を
1回通しただけではブレンド効果が不十分と考え、に−
レジンKRO−5とエスチレンMS−200のブレンド
系に限り、押出機を1回通して得たペレットの1部を再
度同じ押出機に仕込み、押出機を2回通して得たペレッ
トも準備した。
これらを実施例1と同様の方法で圧縮成形して平板を得
、試験片を製作し、各物性を測定した。
ブロック共重合体相中の各層の厚みは成形物の透過型電
子顕微鏡写真(10万倍の倍率で撮影)から実Δ11 
した、 MS−200¥粒子の平均直径は、押出機を1
回通して圧縮成形したものでは MS−200粒子の多
くがブロック共重合体相中に様々な形状で分散している
ため、画像処理装置が粒子状と判断できない形状のドメ
インは除外して計算した。この場合でも、改質材粒子の
直径は、0.1〜1.0gmの範囲内に30マo1.%
〜80マof、%が存在していた。
押出機を2回通して圧縮成形したものでは、粒子形状が
実施例1の成形物のものに近いため実施例1と同様にし
て求めることができた。後者の場合、ブロック共重合体
が50wt、%の成形物ではMS−200粒子の中で特
に近接した粒子が一部数珠状に連結しているため、長径
と短径との比が非常に大きく画像処理装置が粒子状と判
断できない細長い形状のドメインは除外して平均直径を
計算した。この場合には、改質材が微細に分散し、に−
レジンを7011t、%以上含む成形物では、改質材粒
子の直径が0.1〜1.07部mの範囲に907of、
%以上が入っていた。なお、に−レジン50wt、%を
含む成形物では改質材粒子の直径は、0.1〜1.0 
JLllの範囲内に約50マo1.%が存在していた。
また比較例のブロック共重合体25wt、%の成形物で
は MS−200の相が連続相となるため平均直径を算
出することができなかった。押出機を1回通して得た結
果を第7表、第8表に示す、また、K−レジンKRO−
5とエスチレンMS−200のブレンド系について、押
出機を2回通して得た結果を第9表に示す。
K−レジンKRO−5とエスチレンMS−200のブレ
ンド系について第2表、第7表、第9表の各表、アサフ
レックス810とエスチレンMS−200のブレンド系
については第4表と第8表をそれぞれ比較すると明らか
なように、アイゾツト衝撃値は、従来の加工プロセスに
より得た成形物く押出機を1回通して圧縮成形したちの
く押出機を2回通して圧縮成形したものの順に著しく上
昇する。
これは、この順に従って相構造の秩序性が上昇するとい
う構造解析の結果と良く対応する。
実施例5 に−レジンKRO−5とスチレン含有率90wt、%の
スチレン−メタクリル醜メチル共重合体であるエスチレ
ンMS−100(新日鐵化学製、商品名)とを第10表
に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法で試験片を
製作し、各物性を測定した。に−レジン相中の各層の厚
み、MS−100実粒子の平均直径は、成形物の透過型
電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で撮影)から実施例1と
同様にして求めた。改質材粒子は、実施例1の場合より
も小さな直径のものが多く、粒子直径としては0.1〜
1.Oμmの範囲にほぼ100マ010%入っていた。
K−レジンが50wt、%の成形物では、K−レジン相
内に分散したMS−100粒子のうち特に近接した粒子
が一部連結しているため、長径と短径との比が非常に大
きく画像処理装置が粒子状と判断できない細長い形状の
ドメインや非常に複雑な形のドメインは除外して平均直
径を計算した。この場合でも、改質材粒子の直径として
は、0.1〜1.0μmの範囲に約70マo1.%が存
在していた。
また比較例のに一レジン25wt、%の成形物ではMS
−100の相が連続相となるため平均直径を算出するこ
とができなかった。結果を第10表に示す。
(以下余白) 発明の効果 以上の実施例及び比較例から明らかなように、低価格の
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体、あ
るいはこれに改質材をブレンドして得られる熱可塑性樹
脂組成物のミクロ構造の制御を行ない、かつそれらのミ
クロ構造の乱雑性を低く抑えれば、成形物の、ASTに
のD−258に準拠したVノツチ付アイゾツト衝撃値が
少なくとも10kg畳c■/C−以上、最高では80k
gac禦/C■を越えるという、高価格のエンジニアリ
ングプラスチック並みの極めて優れた耐衝撃性を有する
成形物が得られ、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体の用途拡大に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、スチレン系炭化水素−共役ジエンブ
ロック共重合体を使った成形物の一部から超薄切片を作
成し、共役ジエン部分を四酸化オスミウムにより選択的
に黒く染色した試料の透過型電子顕微鏡写真である。 第1図はスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体単独、第2図はさらに改質材を含む本発明の成形物
の場合である。 第3図、第4図は、従来法によって得られたスチレン系
炭化水素−共役ジエンブロック共重合体単独、およびさ
らに改質材を含む成形物の場合である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)スチレン系炭化水素重合体の含有率が50〜85
    wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
    重合体で、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロック
    の凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集
    層とがそれぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に
    規則正しく直線的に積層した構造で、Vノッチ付アイゾ
    ット衝撃値が10kg・cm/cm以上であることを特
    徴とする高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物。
  2. (2)スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
    体が、放射状枝分かれ型あるいは線状スチレン系炭化水
    素−共役ジエンブロック共重合体で、放射状枝分かれ型
    ブロック共重合体は一般式X−(B−S)_m、また線
    状ブロック共重合体は一般式S−(B−S)−_nB−
    SあるいはS−(B−S)−_nB(式中、Sは、スチ
    レン系炭化水素よりなる重合体ブロック、Bは共役ジエ
    ンを主とする重合体ブロック、Xは放射状枝分かれ型重
    合体の形成に使用される多官能性カップリング剤からす
    べての官能基を除いた部分即ちカップリング剤の中心原
    子あるいは中心原子団を表わし、mはこの多官能性カッ
    プリング剤の官能基の数を示す3以上の整数であり、n
    は連続単位の数を示す整数である。)で表わされる特許
    請求の範囲第(1)項記載の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂
    成形物。
  3. (3)スチレン系炭化水素重合体の含有率が50〜85
    wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
    重合体50wt.%以上と、改質材のポリスチレン、α
    −メチルスチレン重合体、スチレン−メタクリル酸エス
    テル共重合体、またはスチレン−アクリロニトリル共重
    合体から選ばれた一種以上が50wt.%以下からなり
    、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の
    相はスチレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝集
    層と共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層とが
    それぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に規則正
    しく積層した構造で、改質材の25vol.%以上が直
    径0.1〜1.0μmの粒状に分散している構造で、V
    ノッチ付アイゾット衝撃値が10kg・cm/cm以上
    であることを特徴とする高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形
    物。
  4. (4)スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合
    体が、放射状枝分かれ型あるいは線状スチレン系炭化水
    素−共役ジエンブロック共重合体で、放射状枝分かれ型
    ブロック共重合体は一般式X−(B−S)_m、また線
    状ブロック共重合体は一般式S−(B−S)−_nB−
    SあるいはS−(B−S)−_nB(式中、Sは、スチ
    レン系炭化水素よりなる重合体ブロック、Bは共役ジエ
    ンを主とする重合体ブロック、Xは放射状枝分かれ型重
    合体の形成に使用される多官能性カップリング剤からす
    べての官能基を除いた部分即ちカップリング剤の中心原
    子あるいは中心原子団を表わし、mはこの多官能性カッ
    プリング剤の官能基の数を示す3以上の整数であり、n
    は連続単位の数を示す整数である。)で表わされ、改質
    材のポリスチレン及びα−メチルスチレン重合体はいず
    れも数平均分子量が1万〜50万のものであり、スチレ
    ン−メタクリル酸エステル共重合体及びスチレン−アク
    リロニトリル共重合体はいずれもスチレン含有率が40
    wt.%以上のものである特許請求の範囲第(3)項記
    載の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物。
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