JPS628717B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は太陽熱などの熱エネルギーを蓄熱し、
給湯、暖房などに用いられる蓄熱装置に関するも
のである。

近年、不安定な太陽熱、深夜電力等のエネルギ
ーの有効利用および高密度貯蔵の観点から無機、
有機水和塩等の潜熱型蓄熱材利用に関する研究が
盛んである。ところが、実用に際しては蓄熱材固
有の多くの解決すべき問題点があつた（過冷却、
相分離、固相の低い熱伝導率等）。

従来の蓄熱装置としては第１図に示すようなも
のがある。これは、蒸気空間Ａと固相１液相用空
間Ｂを含む閉鎖装置１内で、蓄熱材２を前記蓄熱
材に対してほとんど不溶解性であるとともに、前
記蓄熱材の液相の密度と等しいか、それより高い
密度を有する伝熱媒体３とを直接接触させ、前記
蓄熱材より受熱して前記蒸気空間Ａへ蒸発した前
記伝熱体蒸気を前記閉鎖装置内で凝縮させて凝縮
液を蓄熱材に戻すようにしたものである。この方
式は前述した蓄熱材固有の問題点を改善したすぐ
れたものである。しかしながら、空間部放熱器で
凝縮し滴下した伝熱媒体凝縮液は蓄熱材融液中を
沈降する途中で受熱して気体となるため伝熱媒体
はほとんど蓄熱材の上部、すなわち蓄熱材と蒸気
空間の界面Ｃに位置するようになる。そして、伝
熱媒体の一部が蒸気空間に蒸発するため前記界面
Ｃでは温度低下をきたし、界面に蓄熱材固相が析
出、固着して伝熱媒体の蒸発を阻害するようにな
る。そのため、ポンプまたはコンプレツサー等を
用いて伝熱媒体の対流を円滑にして界面での蓄熱
材の固着を防止することにより放熱特性を改善し
ているのが実情である。いずれにしても空間部放
熱器管壁への蓄熱材融液の飛散・付着が起りそこ
で蓄熱材融液が固化して放熱特性の低下を引き起
こす。それを回避するためには前記界面と空間部
放熱器との距離を大きくする必要がありその結果
空間部の体積、すなわち、デツドスペースが増え
蓄熱材利用のメリツト（高蓄熱密度貯蔵）が失な
われる。

本発明の目的は、限られた空間を有効に利用す
るとともに前記界面での温度低下を防止し空間部
放熱器による伝熱特性を大幅に改善した蓄熱装置
を提供することにある。

本発明は上記目的を達成するために空間部放熱
器の形状を渦巻き状とするとともに伝熱媒体凝縮
液を蓄熱材と空間部との界面の一部より蓄熱材中
に還流させたものである。

上記構成によつて空間部放熱器を小形にすると
ともに熱交換効率を向上させることができる。

以下、本発明の一実施例を第２図を用いて説明
する。なお、第２図において第１図と同一物につ
いては同一番号で示す。蓄熱槽容器１の内部に酢
酸ソーダ・３水塩２、フロン−113 ３が空間Ａを
残して封入されている。空間部Ａには渦巻き状の
放熱器５を設けている。蓄熱終了時、蓄熱槽１内
は蓄熱材融液２と気・液体から成る伝熱媒体３の
飽和蒸気で満たされている。放熱は放熱器５中を
熱交換媒体として、例えば、冷水が通過すること
により行なわれる。すると、空間部Ａに存在する
伝熱媒体３の蒸気が冷却され、放熱器５の管壁で
凝縮・滴下する。その時、放出される蒸発潜熱に
より冷水は加温される。伝熱媒体凝縮液は垂直に
別の放熱器５の一部に触れることなく滴下する。
こうして、常に裸の放熱器管壁で凝縮することで
放熱特性は約２倍に向上した。

放熱器の他の実施例を第３図に示す。

第４図は伝熱媒体凝縮液の還流経路を形成す
る。受器６を設け、かつ、その導入管７を螺旋状
としたものである。その結果、蓄熱材融液の放熱
器５への飛散・付着を防ぐとともに蓄熱材２中に
図に示すような対流を起こし界面Ｃでの温度低下
を防止し安定した出湯特性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の蓄熱装置の断面図、第２図、第
４図は本発明の一実施例による潜熱型蓄熱装置の
断面図、第３図は本発明による他の実施例の放熱
器の要部正面図である。 １……閉鎖装置、２……蓄熱材、３……伝熱媒
体、５……放熱器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器内部に潜熱型蓄熱材および前記蓄熱材に
   対してほとんど不相溶性であり熱吸収時に液体か
   ら気体に、熱放出時に気体から液体になる伝熱媒
   体とを上方に空間部を残して封入し、少なくとも
   前記空間部に放熱器を設け、前記空間部放熱器の
   形状がテーパ状の渦巻き状である潜熱型蓄熱装
   置。 ２ 伝熱媒体の空間部に至る連通を残し伝熱媒体
   凝縮液を蓄熱材の空間部との界面の一部より蓄熱
   材中に還流させる装置を具備した特許請求の範囲
   第１項記載の潜熱型蓄熱装置。