JPS6280382A - 主蒸気隔離弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、原子力発電プラント等の主蒸気配管に配設さ
れる主蒸気隔離弁に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 一般に、主蒸気隔離弁は原子力発電プラントの原子炉ま
たは蒸気発生器で発生する蒸気を流通する主蒸気配管に
配設され、事故発生時等にこの蒸気を遮断するために用
いられる。

第３図は、このような原子力発電プラントの主蒸気配管
に介装された従来の主蒸気隔離弁を示すもので、図にお
いて符号１は弁箱を示している。

この弁箱１は、隔壁２によって主蒸気流路３と、加圧室
４とに分割されており、この隔壁２を貫通し、軸方向に
移動自在とされ、スプリング５によって主蒸気流路３側
に付勢された主蒸気流路閉鎖用ピストン６が装着されて
いる。この主蒸気流路閉鎖用ピストン６の加圧室４側の
端部は、加圧室４の内壁と密着する形状とされ、この主
蒸気流路閉鎖用ピストン６の端部により加圧室４は、上
部加圧室４ａと下部加圧室４ｂとに区切られている。

この上部加圧室４ａには、主蒸気流路３およびプラント
起動時の弁開放のための外部駆動源（図示せず）に接続
された導入流路７に介装されたダブルチェック弁８に一
端を接続された閉鎖用蒸気導入流路９が接続され、この
閉鎖用蒸気導入流路９から分岐した開放用蒸気導入流路
１０が下部加圧ｕ４ｂに接続されている。この閉鎖用蒸
気導入流路９の開放用蒸気導入流路１０分岐点下流側に
は、閉鎖用蒸気導入電磁弁１１、オリフィス１２が介装
され、開放用蒸気導入流路１０には開放用蒸気導入電磁
弁１３、オリフィス１４、逆止弁１５が介装されている
。また、上部加圧室４ａには閉鎖用蒸気排出電磁弁１６
を介装された閉鎖用蒸気排出流路１７が接続され、下部
加圧室４ｂには、開放用蒸気排出電磁弁１８を介装され
た開放用蒸気排出流路１９が接続されている。

このように構成された主蒸気隔離弁では、プラントの通
常運転時には、第３図に示されるように、閉鎖用蒸気導
入電磁弁１１、開放用蒸気導入ｉｒａ弁１３が閉、閉鎖
用蒸気排出電磁弁１６、開放用蒸気排出電磁弁１８が開
とされ、上部加圧室４ａ、下部加圧室４ｂとも大気圧と
され、主蒸気流路３は開状態とされている。

ここで事故などが発生し、主蒸気流路３を閉鎖するため
には、第４図に示すように閉鎖用蒸気導入電磁弁１１、
開放用蒸気排出電磁弁１８を開、開放用蒸気導入電磁弁
１３、閉鎖用蒸気排出電磁弁１６を閉として、主蒸気流
路３内の主蒸気を加圧室４ａに導入して主蒸気流路閉鎖
用ピストン６を駆動する。

第５図のグラフは、このときの上部加圧室４ａ内の圧力
と、主蒸気流路閉鎖用ピストン６の位置を示すもので、
縦軸は主蒸気流路閉鎖用ピストン６の位置および上部加
圧室４ａ内の圧力を示し、横軸は各電磁弁作動からの経
過時間を示しており、実線Ａ１は主蒸気流路閉鎖用ピス
トン６の位置、点線Ａ２は加圧室４ａ内の圧力を示して
いる。

このグラフに示されるように、各電磁弁を操作し、上部
加圧室４ａ内に閉鎖用蒸気が導入されると、上部加圧室
４ａ内の圧力が上昇し、臨界圧力ＰＣとなると、主蒸気
流路閉鎖用ピストン６か駆動を始め、主蒸気流路３は閉
鎖される。なおここで臨界圧力Ｐｃは、主蒸気の状態に
よって主蒸気流路閉鎖用ピストン６に加わる加重によっ
て変化する。

しかしながらこのように構成された主蒸気隔離弁では、
プラントの通常運転時に閉鎖用蒸気導入電磁弁１１が開
とされるような誤動作が発生すると、上部加圧室４ａに
蒸気が流入を始める。この時閉鎖用蒸気排出電磁弁１６
は開とされているため、この閉鎖用蒸気排出流路１７か
ら蒸気が排出されるが、主蒸気の状態により、主蒸気流
路３と加圧室４ａとの圧力差から流入量が排出四を上回
り上部加圧室４ａ内が臨界圧力ＰＣとなり、主蒸気流路
閉鎖用ピストン６が駆動され、主蒸気流路３が閉鎖され
るという事故が発生し、原子炉がスクラムされてしまう
可能性がある。またこのような事故を防ぐためには、オ
リフィス１２により閉鎖用蒸気流量を減少させればよい
が、閉鎖用蒸気流量が減少すると、主蒸気流路３閉鎖に
時間がかかることになり、主蒸気の流通を速やかに遮断
し、主蒸気の流出を防止する必要が生じた場合に問題と
なる。

ざらに、このように主蒸気の流通を速やかに遮断し、主
蒸気の流出を防止する必要が生じた場合に、閉鎖用蒸気
導入電磁弁１１が、開状態とならないような故障が発生
した場合には、主蒸気流路閉鎖用ピストン６を駆動し、
主蒸気流路３を閉鎖することはできないという事態が発
生する可能性もある。

このように従来の主蒸気隔離弁では、主蒸気隔離弁の閉
鎖用蒸気導入電磁弁１１の故障の発生により、原子炉が
スクラムされてしまう、あるいは主蒸気の流出を防止す
ることができない等の大事故につながる危険性があり、
プラントの健全性および信頼性を損うという問題がある
。

［発明の目的］ 本発明は、かかる従来の事情に対処してなされたもので
、従来に比べて誤作動による閉鎖発生の可能性を大幅に
減少し、かつ、閉鎖作動の確実性を向上させることによ
り、プラントの健全性および信頼性の向上を図ることの
できる主蒸気隔離弁を提供しようとするものである。

［発明の概要］ すなわち本発明の主蒸気隔離弁は、隔壁によって主蒸気
流路と加圧室とに分割された弁箱と、前記隔壁を貫通し
て配設された主蒸気流路開鎖用ピストンと、この主蒸気
流路閉鎖用ピストンの一端を抑圧駆動して前記主蒸気流
路を閉鎖するための閉鎖用蒸気を主蒸気配管から前記加
圧室に導入する開閉自在の閉鎖用蒸気導入流路と、前記
加圧室から前記閉鎖用蒸気を排出する開閉自在の閉鎖用
蒸気排出流路とを備えた主蒸気隔離弁において、前記閉
鎖用蒸気導入流路を複数の並列な閉鎖用蒸気導入流路に
分割し、かつ、それぞれの閉鎖用蒸気導入流路に開閉機
構と、流ｍ制限機構とを配設したことにより、誤作動に
よる閉鎖発生の可能性を減少し、閉鎖作動の確実性を向
上させてプラントの健全性および信頼性の向上を図るこ
とのできるようにしたものでおる。

［発明の実施例］ 以下、本発明の詳細を図面に示す一実施例について説明
する。

第１図は、本発明の一実施例の主蒸気隔離弁を示すもの
で、この実施例の主蒸気隔離弁では、閉鎖用蒸気導入流
路が閉鎖用蒸気導入流路９ａと、閉鎖用蒸気導入流路９
ｂとの並列な２本の流路に分割されており、この閉鎖用
蒸気導入流路９ａ、９ｂには、それぞれ閉鎖用蒸気導入
電磁弁１１ａ、１１ｂとオリフィス１２ａ、１２ｂが介
装されている。またこのオリフィス１２ａ、１２ｂは第
３図に示される従来の主蒸気隔離弁のオリフィス１２に
対してその径がほぼ１／ｆ２にされており、このオリフ
ィス’１２ａと、１２ｂとを流通する閉鎖用蒸気の流量
の和が、従来の主蒸気隔離弁のオリフィス１２を流通す
る閉鎖用蒸気の流量とほぼ等しくなるように設定されて
いる。なお以上の点を除いては、第３図に示す従来の主
蒸気隔離弁と同様であるため、同一部分には同一符号を
付して重複した説明は省略する。

第２図は、この実施例の主蒸気隔離弁の各電磁弁が作動
してからの経過時間と、上部加圧’Ｊ４ａ内の圧力、主
蒸気流路閉鎖用ピストン６の位置関係を示すグラフで、
縦軸は上部加圧室４ａ内の圧力および主蒸気流路閉鎖用
ピストン６の位置を示し、横軸は各電磁弁が作動してか
らの経過時間を示し、実線８＋　、Ｃ＋　、Ｄ＋は、そ
れぞれ０８導入電磁弁１１ａ、１１ｂが正常作動、片側
のみ作動、片側が誤動作により開とされた場合の主蒸気
流路閉鎖用ピストン６の位置を示し、点線Ｂ２、Ｃ２、
Ｄ２はそれぞれ閉鎖用蒸気導入電磁弁１１ａ、１１ｂが
正常作動、片側のみ作動、片側が誤動作により開とされ
た場合の上部加圧室４ａ内の圧力を示している。

このグラフかられかるように、この実施例の主蒸気隔離
弁では、プラントに異常が発生し、主蒸気隔離弁を閉鎖
する必要が生じ、主蒸気隔離弁が正常に作動した場合に
は、閉鎖用蒸気導入電磁弁１１ａ、１１ｂが同時に開と
され、上部加圧室４ａ内に閉鎖用蒸気が導入される。こ
のときオリフィス１２ａとオリフィス１２ｂとを流通す
る閉鎖用蒸気の流量の和は、第３図および第４図に示す
従来の主蒸気隔離弁のオリフィス１２を流通する閉鎖用
蒸気の流Ｍとほぼ等しくなっているため、第２図のグラ
フにおける実線Ｅ３＋、点線Ｂ２で示されるように、従
来の主蒸気隔離弁と同様な閉鎖時間で主蒸気流路３は閉
鎖される。

また、ここで閉鎖用蒸気導入電磁弁１１ａ、１１ｂのど
ちらか一方が開とならないような故障が発生した場合で
も、残る一方の閉鎖用蒸気導入電磁弁が開とされること
により、第２図のグラフにおける実線Ｃ１、点線Ｃ２に
示されるように、多少時間は要するが、上部加圧室４ａ
内が臨界圧力Ｐｃとなり、主蒸気流路３を閉鎖すること
ができる。

さらにプラントの通常運転時に閉鎖用蒸気導入電磁弁１
１ａ、１１ｂのどちらか一方が開となるような誤動作が
起きた場合には、オリフィス１２ａ、１２ｂにより従来
の主蒸気隔離弁のオリフィス１２に比べて閉鎖用蒸気流
１がほぼ１／２に減少されるため、閉鎖用蒸気排出流路
から閉鎖用蒸気が排出され、第２図のグラフにおける実
線Ｄ１、点線Ｄ２に示されるように、上部加圧室４ａ内
の圧力は臨界圧力ＰＣに至ることはなく、主蒸気流路３
は閉鎖されるには至らない。

このように、この実施例の主蒸気隔離弁では、並列な２
つの閉鎖用蒸気導入流路９ａ、９ｂを配設し、それぞれ
に閉鎖用蒸気導入電磁弁１１ａ、１１ｂおよびオリフィ
ス１２ａ、１２ｂを配設したので、閉鎖用蒸気導入流路
９ａ、９ｂのうちどちらか一方が誤動作により開とされ
ても主蒸気流路３が閉鎖されて、原子炉がスクラムされ
るような事態を生じることはなく、また、主蒸気流路３
を閉鎖して主蒸気を遮断する必要が生じた場合に、閉鎖
用蒸気導入流路９ａ、９ｂのどちらか一方が開とならな
いような故障が発生した場合でも、主蒸気流路３を閉鎖
することができる。したがって従来の主蒸気隔離弁に比
べてその作動信頼性を大幅に向上することができ、プラ
ントの健全性および信頼性の大幅な向上を図ることがで
きる。

なおこの実施例では、閉鎖用蒸気導入流路を２本の並列
な閉鎖用蒸気導入流路９ａ、９ｂとしたが、本発明はか
かる実施例に限定されるものではなく、たとえばこの閉
鎖用蒸気導入流路を並列な３．４・・・ｎとしてもよい
ことはもちろんである。

またこの場合、オリフィスの径を従来のオリフィスに比
べてほぼ１／Ｊ自とすれば、正常作動時には、従来の主
蒸気隔離弁と同様な閉鎖時間で主蒸気流路を閉鎖するこ
とができる。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明の主蒸気隔離弁では、誤作動に
よる閉鎖発生の可能性を従来に比べて大幅に減少し、か
つ閉鎖作動の確実性を大幅に向上させたので、プラント
の健全性および信頼性の大幅な向上を図ることができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の主蒸気隔離弁を示す縦断面
図、第２図は第１図に示す主蒸気隔離弁の各電磁弁作動
からの経過時間と上部加圧室内の圧力および主蒸気流路
閉鎖用ピストンの位置の関係を示すグラフ、第３図およ
び第４図は従来の主蒸気隔離弁を示す縦断面図、第５図
は従来の主蒸気隔離弁の各電磁弁作動からの経過時間と
上部加圧室内の圧力および主蒸気流路閉鎖用ピストンの
位置の関係を示すグラフである。 １・・・・・・・・・弁　箱 ２・・・・・・・・・隔　壁 ３・・・・・・・・・主蒸気流路 ４・・・・・・・・・加圧室 ６・・・・・・・・・主蒸気流路閉鎖用ピストン９ａ、
９ｂ・・・・・・閉鎖用蒸気導入流路１１ａ、１１ｂ・
・・閉鎖用蒸気導入電磁弁１２ａ、１２ｂ・・・オリフ
ィス １６・・・・・・・・・閉鎖用蒸気排出電磁弁１７・・
・・・・・・・閉鎖用蒸気排出流路出願人　日本原子力
事業株式会社 出願人　　　　　株式会社　東芝 代理人弁理士　　須　山　佐　− 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）隔壁によって主蒸気流路と加圧室とに分割された
   弁箱と、前記隔壁を貫通して配設された主蒸気流路閉鎖
   用ピストンと、この主蒸気流路閉鎖用ピストンの一端を
   押圧駆動して前記主蒸気流路を閉鎖するための閉鎖用蒸
   気を主蒸気配管から前記加圧室に導入する開閉自在の閉
   鎖用蒸気導入流路と、前記加圧室から前記閉鎖用蒸気を
   排出する開閉自在の閉鎖用蒸気排出流路とを備えた主蒸
   気隔離弁において、前記閉鎖用蒸気導入流路を複数の並
   列な閉鎖用蒸気導入流路に分割し、かつ、それぞれの閉
   鎖用蒸気導入流路に開閉機構と、流量制限機構とを配設
   したことを特徴とする主蒸気隔離弁。