JPS628015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は光学的走査装置に関し、特に走査ビ
ームを反射するために回転多面鏡等を用いた光ビ
ーム走査装置における回転多面鏡の回転軸の偏心
や軸心に対する鏡面の平行度誤差に起因する走査
線の偏位を光学的に補正する手段を備えた光ビー
ム走査装置に関する。

回転多面鏡等を用いた光ビーム走査装置は、走
査ビームの分解能力が高く、比較的高速の走査速
度が得られること等から、フイルム録画装置、レ
ーザプリンタ、テレビジヨン画像表示装置、フア
クシミリ装置などの様な種々の公知の装置に広く
用いられている。

かかる光ビーム走査装置においては、画像の品
位から走査線に垂直な方向のスポツト運動は走査
線ピツチの±５％〜±10％程度であることが必要
とされる。このため、回転多面鏡の軸心に対する
鏡面の平行度誤差および回転軸の偏心誤差の合計
が±数秒以下であることが要請される。±数秒の
平行度誤差は多面鏡の現在の加工技術の限界値で
あり、非常に高価な多面鏡となる上、多面鏡の回
転軸の偏心誤差を加算すると許容誤差を越えてし
まう。このような困難を排除するためにいくつか
の補正装置が提案されている。それらのうち、光
学的に補正を行なう方法は、例えば特開昭48−
49315及び特開昭48−98844に見られるが、これら
に開示された装置においては、補正用の円筒レン
ズに入射する光ビームは光軸にほぼ平行でなけれ
ばならないという制約がある。これは、円筒レン
ズに光ビームが光軸に対して斜入射すると光ビー
ムによる円筒レンズの切線は円ではなく楕円とな
るために非点収差を生じ、結果として円筒レンズ
の像面の湾曲が生じ、集束レンズの像面と一致し
なくなり、したがつて所望の集束径が得られなく
なるためである。このため回転多面鏡の反射ビー
ムが直接に円筒レンズに入射する構成の場合は、
回転多面鏡の反射ビームの振れ角は、非常に小さ
くなり、したがつて走査線長を長くとれないとい
う欠点があつた。又、回転多面鏡の反射ビームを
集束レンズを介して円筒レンズに入射する構成の
場合は集束レンズの出射光は光軸にほぼ平行でな
くてはならず、したがつて走査線長を長くしよう
とすれば集束レンズ及び円筒レンズの口径を走査
長程度に大きくしなければならない。この様な大
口径の集束レンズは非常に高価であり実質的に製
造は困難であるという欠点があつた。

この考案の目的は、上述の従来装置の欠点を除
去した、通常容易に得られる安価なレンズの組合
わせで走査線の偏位を光学的に補正する手段を備
え、長尺の走査線長を達成する光ビーム走査装置
を提供することにある。

この考案によれば、光ビーム発生装置と、入射
する光ビームを受取つて反射する光ビームを走査
的に移動せしめる反射装置と、上記光ビーム発生
装置から入射する光ビームを走査面で所望される
スポツトサイズ１／ｍに等しいスポツトサイズに
集束する第一の集束装置と、入射する光ビームを
上記反射装置の光ビーム走査方向と垂直な方向に
集束する一方向集束性を有する第二の集束装置
と、入射する光ビームを入射角θに対してＫ・θ
（Ｋは定数）の像高の位置に、走査面で所望され
るスポツトサイズの１／ｍに等しいスポツトサイ
ズに集束するほぼテレセントリツクな第三の集束
装置と、入射する光ビームをｍ倍に拡大して走査
面上に集束する拡大装置とを含み、上記第二の集
束装置と第三の集束装置とを、上記第一の集束装
置から入射する光ビームを上記反射装置の反射点
上において上記反射装置の光ビーム走査方向と垂
直な方向には集束し上記反射装置の光ビーム走査
方向にはコリメートする様に配置し、上記反射装
置で反射された光ビームを前記の様に配置された
第二の集束装置と第三の集束装置とを通過せしめ
た後前記拡大装置で走査面上に集束することを特
徴とする光ビーム走査装置が得られる。

この考案によつて、小口径のレンズの組み合せ
で、走査線の垂直方向の偏位を補正する機能を有
し、かつ長尺の走査線長を走査できる光ビーム走
査装置が得られる。

次に、図面を参照してこの考案を詳細に説明す
る。

図ａ及びｂは、各々この考案の光ビーム走査装
置の実施例を示す平面図及び正面図である。図に
おいて、光ビーム発生装置１の発生する光ビーム
は、第一の集束装置２によつて、一方向集束性を
有する第二の集束装置４の焦点上に、走査面８上
で所望されるスポツトサイズ１／ｍ（ｍは拡大装
置７の倍率）のスポツト系に集束される。第一の
集束装置からの光ビームは光路ミラー３により第
二の集束装置４を経て、さらに前側焦点を第二の
集束装置の焦点に一致させ後側焦点を回転多面鏡
６の反射点に一致させるように配置された第三の
集束装置５により、回転多面鏡６の反射点上にお
いて、回転多面鏡６の光ビーム走査方向にはコリ
メートされ、回転多面鏡６の光ビーム走査方向に
垂直な方向には集束して回転多面鏡６に入射して
走査的に反射される。回転多面鏡６の反射ビーム
は、第三の集束装置５及び第二の集束装置４を通
過して、第三の集束装置５の焦点面すなわち、第
二の集束装置４の焦点に集束し、第二の集束装置
４の焦点面と走査面８との間で拡大系を構成する
拡大装置７によつて走査面８上に集束され回転多
面鏡６の回転に伴つて走査面８を走査する。本考
案の光ビーム走査装置においては、第三の集束装
置は、入射する光ビームを入射角θに対してＫ・
θ（Ｋは定数）の像高位置に集束するほぼテレセ
ントリツクな集束装置であるから、一方向集束性
を有する。例えば円筒レンズである第二の集束装
置４に入射する光ビームは光軸にほぼ平行であ
り、像面の湾曲は生じない。又本考案において
は、拡大装置７によつて第二の集束装置４の像面
をｍ倍に拡大して走査面８を構成しているので、
第二の集束装置４、第三の集束装置５及び拡大装
置７の口径は走査線長のほぼ１／ｍですみ、極め
て小口径の集束装置の組み合わせでよい。さら
に、本考案においては、光ビームを第二の集束装
置４を二度通過せしめる構成をとつており、従来
一組の一方向集束装置が必要であつたものが一個
の一方向集束装置ですみ、光学系の調整も容易と
なる。図ｂの正面図には、光ビーム発生装置１、
第一の集束装置２及び光路ミラー３は省略してあ
る。図ｂの正面図には、走査線の偏位の補正を説
明するために、回転多面鏡６の反射面が回転軸に
対して傾いた場合の光ビームの光路を点線で、又
第二の集束装置４、第三の集束装置５及び拡大装
置７の位置関係を説明するために間隔を記入して
ある。図において、f²，f³，f⁴及びｍは各々第二
の集束装置４の焦点距離、第三の集束装置５の焦
点距離、拡大装置７の焦点距離及び拡大装置７の
倍率を表わす。図ｂで明らかな様に、回転多面鏡
６の反射ビームは回転多面鏡６の反射面の傾きに
よらず、第二の集束装置４の焦点上に集束するの
で、走査面８上には、走査線の偏位は生じない。

【図面の簡単な説明】

図ａ，ｂは各々この考案の第一の実施例を示す
平面図及び正面図である。図において、１は光ビ
ーム発生装置、２は第一の集束装置、４は第二の
集束装置、５は第三の集束装置、６は回転多面
鏡、７は拡大装置、８は走査面を各々表わす。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光ビーム発生装置と、入射する光ビームを受取
   つて反射する光ビームを走査的に移動せしめる反
   射装置と、上記光ビーム発生装置から入射する光
   ビームを走査面で所望されるスポツトサイズの
   １／ｍに等しいスポツトサイズに集束する第一の
   集束装置と、入射する光ビームを上記反射装置の
   光ビーム走査方向と垂直な方向に集束する一方向
   集束性を有する第二の集束装置と、入射する光ビ
   ームを入射角Θに対してＫ・Θ（Ｋは定数）の像
   高の位置に、走査面で所望されるスポツトサイズ
   の１／ｍに等しいスポツトサイズに集束するほぼ
   テレセントリツクな第三の集束装置と、入射する
   光ビームをｍ倍に拡大して走査面上に集束する拡
   大装置とを含み、上記第二の束装置と第三の集束
   装置とを、上記第一の集束装置から入射する光ビ
   ームを上記反射装置の反射点上において上記反射
   装置の光ビーム走査方向と垂直な方向には集束し
   上記反射装置の光ビーム走査方向にはコリメート
   する様に配置し、上記反射装置で反射された光ビ
   ームを前記の様に配置された第二の集束装置と第
   三の集束装置とを通過せしめた後、前記拡大装置
   で走査面上に集束することを特徴とする光ビーム
   走査装置。