JPS595882B2 - 多面体回転鏡の面たおれ補正光学装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多面体回転鏡を光線の走査器として用いて光線
ラスターを発生せしめる装置において、多面体回転鏡の
製造上の誤差によつて鏡面が回転軸と正確に平行となら
ない場合に生ずる光線の走査むらを補正するための光学
部材を付加させた走査装置に関するものである。

従来のこの種多面体回転鏡の面たおれ補正光学装置とし
ては第１図に示した構造のものが知られている（例えば
１９７２年テレビジョン学会全国大会講演予稿集２５９
頁〜２６６頁に種田悌一氏らが報告している）。第１図
ａは光学系の平面図、同図ｂはこの光学系の側面図であ
る。先ずこの従来構造のものを図面によつて説明すると
、１はレーザ光線、２は円筒レンズであり、レーザ光線
１は第１図ｂに示すように垂直方向のみ鏡面３に集光さ
れる。水平方向には集束されず、平行のまま反射される
。鏡面３における反射光は簡便のために透過光のように
画いてある。鏡面が回転する事によつて第１図ａに示す
ように光線は径路４と５の間で偏向せしめられ、球面レ
ンズ６によつて偏向角を変えるとともに光線を所定の面
Ｔに集光するので光点走査が出来る。しかし鏡面が回転
軸と正確に平行でない場合は第１図ｂで示すように光線
は正しい径路８を通らずに鎖線で示す径路９を通るが、
球面レンズ６と円筒レンズ１０の作用により光線が所定
の面Ｔに達した時には径路８と径路９は同じ位置に集光
するので面たおれの補正が出来る。しかるに以上の方法
では多面体回転鏡によつて大きく偏向された光線を通過
させる場合、非常に大きい口径の球面レンズ６を必要と
し、且つ球面レンズ６は軸はずれ収差が僅少である必要
がある。また多面体回転鏡と所定の面１の中間に複数の
レンズ系を入れるのは応用上不便である。即ちレーザ記
録装置に応用する場合に面７に置かれた記録部材へ行く
光線とモニタースクリーンヘ行く光線を反射鏡で分割す
るための半透鏡などを置く場所に制限が生じたり、もう
一台の走査器を置いてラスターを作る場合も置く場所に
制限が生じたりする。そこで本発明者等は第２図に示す
如き改良を加え、前記欠点を無くする事を考えた。

改良構造のものを図面によつて説明すると、第２図ａの
レーザ光線１１の水平方向は円筒レンズ１３によつて所
定の面１７へ光点を形成するように集光されるが、鏡面
１４が回転する事によつて径路１６或は２０の如く光線
を偏向させるので、所定の面１７上を光点走査ができる
。しかし鏡面が回転軸と正確に平行でない場合は第２図
ｂで示すように円筒レンズ１２で鏡面１４に集光された
光線が正しい径路１８を通らずに鎖線で示す径路１９を
通るが、所定の面１７に光線が達した時は径路１８と径
路１９が円筒レンズ１５の作用により所定の面１７上で
同じ位置に集光するので面たおれの補正が出来る。第２
図に示した改良構造によれば光線が偏向される以前に二
度光線が集光作用を受けるのであるが、比較的小形のレ
ンズで良く、光線が偏向された以後に一枚の円筒レンズ
を使うだけで良いので第１図の装置の欠点は生じない。

また光線が偏向された以後に置かれる円筒レンズは光偏
向角が大きくても偏向角度と直接関係ない方向のみに集
光性をもたせた配置であるので、光偏向角度と円筒レン
ズ設定位置に応じた長さの円筒レンズで良く、装置の設
計がきわめて簡単である。しかしながら第１図及び第２
図に示した光学系において、共通した問題がある。

第２図のａにおいて鏡面１４と所定の面１７の間に置か
れた円筒レンズ１５の光線入射面と光線射出面に完全な
無反射コーテイングをほどこさない限り、光線入射面と
光線射出面で光線の往復が生じてこれが干渉作用で所定
の面１７上に達した光点強度に変化を生ずる。鏡面１４
が回転して光線ラスターを生ずる際は干渉条件がたえず
変化するので所定の面１７上には光点の強度むらを発生
する。

本発明はこのような問題点を解決するためになされたも
ので、その特徴とする多面体回転鏡の面たおれ補正光学
装置を図示の実施例によつて説明すれば下記の通りであ
る。

第３図において可干渉光線は円筒状凹面反射鏡２１によ
つて多面体回転鏡２３の鏡面上へ集光されて、実質的に
前記多面体回転鏡の回転軸２６と直角な線光源を生ずる
事となる。

ここで円筒状反射鏡２１は第２図で説明した如く円筒レ
ンズで代用する事も出来る。多面体回転鏡２３をはさん
で設置された円筒レンズ２２と円筒状凹面反射鏡２４は
光線走査をせんとする所定の面２５に可干渉光線を集束
して光点を形成せしめるので、多面体回転鏡２３が回転
すると第２図を引用して説明した如き走査光点の強度む
らを生ずる事なく、所定の面２５に光点を走査する事が
出来る。

換言すると、入射光の光束は円筒状凹面反射鏡２１によ
つて水平方向が集束され、多面体回転鏡２３の一面の上
に回転鏡の回転軸２６に直角の直線状光像を形成する。

その反射鏡はこの光像を線光源として発散するが、円筒
状凹面反射鏡２４により反射されて再び所定の面２５へ
集光される。一方、光束の垂直方向は円筒レンズ２２に
よつて、回転鏡２３及び円筒状凹面反射鏡２４を経て、
面２５に集光される。かくして点状に集光された光が面
２５を水平に走査する。本発明によれば多面体鏡を回転
シヤフトに取りつける際のたおれの如き周期的鏡面たお
れや多面体鏡を研磨加工する際の規則性の無い鏡面たお
れに起因する束査光点ならびの乱れを補正できる。

本発明によれば大口径のレンズや精密に設計された球面
レンズを使用しなくても良い。本発明によれば多面体回
転鏡と光線走査を行なおうとする所定の位置との間に干
渉効果による光点強度むらを生起する部材を用いないの
で、表面検査用レーザスキヤナ一、光学マーク読取用レ
ーザスキヤナ一、情報展示装置、情報記録装置などに本
発明の補正光学装置を用いれば効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多面体鏡の面たおれ補正光学装置の説明
を行なうための上面図と側面図、第２図は従来の装置の
改良をした本発明装置の説明を行なうための上面図と側
面図、第３図は本発明の実施例を示す概略図である。 ２１及び２４・・・・・・円筒状凹面反射鏡、２２・・
・・・・円筒レンズ、２３・・・・・・多面体回転鏡、
２５・・・・・・所定の面、２６・・・・・・回転軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多面体回転鏡と、 入射光線を該回転鏡の回転軸と平行な方向にのみ集束さ
   せて該回転鏡の鏡面上に該回転軸と垂直な線光源を形成
   する円筒状光学系と、該入射光線を前記回転軸と垂直な
   方向にのみ集束させて前記回転鏡の鏡面に入射させた後
   光線走査をする所定の位置に前記垂直方向に集束させる
   円筒レンズと、前記回転鏡の鏡面によつて偏向され前記
   平行方向に発散された光線を該平行方向にのみ集束させ
   て前記所定の位置に前記平行方向に集束させる凹面反射
   鏡とからなる多面体回転鏡の面たおれ補正光学装置。