JPS627953Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、排気用天蓋の有孔遮蔽板構造に関
するものである。

従来、レストラン等の料理場天井部分に排気用
天蓋を設けているが、同天蓋には排気に含まれて
いる油脂分を除去するためグリスフイルターが取
付けられている。

しかし、従来の天蓋のグリスフイルターでの排
気中の油脂分の除去は充分でなく、排気中にはグ
リスフイルターでの油脂分除去後も、残留の油脂
分を含んでいるものであつた。

この考案では、天蓋のダクト入口部に、小孔周
縁の立上り縁がテーパー状の有孔遮蔽板を取付け
ることにより、排気中の油脂分をグリスフイルタ
ーで除去後、残留の油脂分を含んだ排気流通空間
での排気を、ダクト入口部にて有孔遮蔽板の小孔
の流通過程で残留の油脂分を円滑に除去せんとす
る排気用天蓋の有孔遮蔽板構造を提供せんとする
ものである。

この考案の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、１は天蓋であり、レストラン等の厨房の天井
部分に下方へ向けて末広がり状に開口せしめたも
のである。

同天蓋１の中央には、開口部２が設けられ、同
開口部２には通常、傾斜したスライドダンパー３
が閉塞状態に設けられ必要により開口され、ダク
ト８入口部に設けられた防火風量調節兼用ダンパ
ー７を調節できるように構成している。

天蓋１の周側壁の可及的下方部分には、グリス
フイルター４が設けられており、天蓋下方の調理
場の火元に可及的近接した位置にグリスフイルタ
ー４を臨ませておくものであり、排気の吸入効率
を良好にして天蓋内部より、天蓋下端周縁外方へ
逃げる排気をなくすものである。

天蓋１の中央上方で、外装枠５により形成され
た流通空間Ｓ中には、有孔遮蔽板６が筒状に形成
され、同遮蔽板６には、小孔６−１を所定間隔に
多数穿設し、同小孔６−１周縁の立上り縁６−２
は先端に向つてテーパー形状に形成しておく。

実際の立上り縁形成のための製造過程ではフラ
ツトのフイルター板にポンチ等で小孔を穿設する
際、打抜き時のバーリングを立上り縁とすること
もできる。

なお有孔遮蔽板６の筒状上端開口部には、排気
ダクト８が連通しており、１０は天井部分であ
る。

天蓋１の周壁下端には、油受け樋９が設けられ
ており、同樋９は天蓋１の上方を覆つて排気流通
空間Ｓを形成すべき外装枠５下端に一体として連
設されている。

同油受け樋９中には、油分解液９−１が収容さ
れ、同樋９には、油流出用バルブ９−２を連設し
ている。

この考案の実施例は、上記のように構成されて
いるものであり、周壁に排気流出孔を有した天蓋
１と、その外側方の外装枠との間に排気流通空間
Ｓを形成し、同排気流通空間上方中央部のダクト
入口部に有孔遮蔽板６を設けることにより排気中
に含まれる油脂分の除去過程は次のとおりであ
る。

すなわち、天蓋１下方で料理されて生起する煙
は、天蓋１の内部に吸入されていき、天蓋内部の
頂部にまで上昇した煙は、天蓋内周面の傾斜を伝
つて降下しつつ、その中途にあるグリスフイルタ
ー４で吸入ろ過され、油脂分の第一次除去を行
い、次いで、グリスフイルター４を通過した排気
は天蓋１と外装枠５との間に形成された流通空間
Ｓに至り、ここで一たん貯溜されながら、有孔遮
蔽板６の孔に吸入されて排気ダクト８に至り、こ
のとき有孔遮蔽板６の孔で吸入される際に、油脂
分の第二次除去が行われるものであり、天蓋１内
部から、排気ダクト８に至る排気流通過程が蛇行
状態で中途に二回の油除去操作がなされることに
よつて有孔な油脂分除去機能を果す。有孔遮蔽板
６の小孔６−１より排気が侵入する際、排気は小
孔６−１の立上り縁６−２のテーパー形状によつ
て流速が加速され、小孔６−１通過後、再び排気
の流速は減速される流通過程で、排気中の残留油
脂分は除去されるものである。

とくに排気が侵入する小孔６−１が多数設けら
れているため、排気の侵入は円滑であり、排気中
の残留油脂分の除去は、より円滑になされるもの
である。

この考案によれば、天蓋内部から排気ダクトに
至る排気の流通過程でグリスフイルターや有孔遮
蔽板があるため、排気中の油脂分の除去効率がよ
く、また、除去された油脂分は天蓋の外側面をつ
たつて下方へ流下あるいは天蓋外側方へ飛散する
ものの、天蓋の外周側方を外装枠が囲繞している
ために、外装枠より外側には飛散せず、従つて天
蓋下方の料理場に漏下するおそれがなく衛生的で
ある。また、天蓋の外側面にたまる塵・ほこりに
ついても同様のことが言えるものである。更に
は、排気流通過程で、グリスフイルターや遮蔽板
の孔によつて、排気流通速度に強弱が繰り返し付
加されるので、排気の蛇行流通とあいまつて、油
脂分の除去効率を更に向上できる効果を有する。
また、有孔遮蔽板の多数の小孔の立上り縁がテー
パー形状のために、排気の流通過程で残留油脂分
を効率よく、円滑に除去できるものであり、火災
予防の点からも大いに効果を発揮することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の有孔遮蔽板の使用状態を示す説
明図、第２図は第１図−線の拡大断面図。 １：天蓋、４：グリスフイルター、５：外装
枠、６：有孔遮蔽板、６−１：小孔、６−２：立
上り縁、８：排気ダクト、１０：天井、Ｓ：流通
空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の外装枠５の内部に、下方に向つて漸次拡
   開した略錐状の天蓋１を収納し、外装枠５の下端
   周縁部と天蓋１の下端周縁部とを閉塞状態とし、
   外装枠５と天蓋１との間の空間を排気の流通する
   流通空間Ｓとし、天蓋１の周壁面には、周壁を一
   部切欠して、グリスフイルター４を装着し、天蓋
   １の上端中央部上方には、外周に多数の小孔を突
   設した円筒状の有孔遮蔽板６を連設し、有孔遮蔽
   板６の上端開口部を排気ダクト８に連通連設し、
   しかも、有孔遮蔽板６の小孔６−１の周縁には先
   端に向つて狭窄状の立上り縁６−２を突設してな
   る排気用天蓋の有孔遮蔽板構造。