JPS627627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は撮影装置、複写機等に適用される原稿
等のシート給送装置に関する。

撮影装置、複写機等においては、多数のシート
状原稿を供給台に積み重ねておき、最上部の原稿
から順次１枚ずつ自動的に送り出す給送装置が設
けられている。

この種の給送装置においては、原稿は供給台に
傾斜した状態で載置され、最上部の原稿が供給台
の下流に置かれた送り出しローラに向つて自重で
移動して送り出しローラと接触することにより最
上部の原稿から順次送り出されるようになつてい
る。

しかしながら、供給台上の最下部の原稿は、供
給台の原稿載置面に接触しているので、載置面と
の摩擦抵抗が大きく、さらには静電気で原稿載置
面に付着するため、載置面の傾斜角度が小さいと
最下部近くの原稿が、送り出しローラに向つて自
重で移動しなくなる場合があり、このため、最下
部近くの原稿を自動的に送り出すことができない
欠点がある。これを防ぐには、原稿載置面を大き
な角度で傾斜させればよいが、載置面の傾斜を大
きくすると最上部近くの原稿の傾斜が大きくなり
過ぎて、最上部の原稿を送り出せなくなり、この
ため供給台に積載する原稿量を少なくしなければ
ならなかつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、シ
ートの最大積載量を少くすることなく、最下部の
シートまで確実に送り出すことができるシート給
送装置を提供することにある。

本考案は被送給部材として、ガード、用紙等の
シートを用いることができる。

以下、本考案を図面により説明する。

第１図は輪転式カメラに取り付けた給紙装置を
示すもので、１は原稿供給台、２は送り出しロー
ラ（ベルトを含む）、３は分離ローラ、４，５は
送給ローラである。ローラ３，４は狭い間隔で対
設されていて、供給台１の下流に配置されてい
る。原稿供給台１は傾斜した載置面１ａを有し、
多数の原稿６は積み重ねられて載置面１ａに載置
される。ローラ２，３は例えばゴム等の摩擦の大
きい物質で作られた摩擦ローラで、ローラ２の方
がローラ３より大きな摩擦抵抗をもち、原稿の先
端部付近に位置していて不図示の駆動源により矢
印方向に回転駆動される。送り出しローラ２は原
稿６を供給台１から送り出す方向に回転し、分離
ローラ３は原稿６を供給台１の方へもどす方向に
回転して原稿の重複送りを防止する。送り出しロ
ーラ２により最上部の原稿が順次１枚ずつ送り出
され、送り出された原稿６は送給ローラ４，５に
よつてカメラ（不図示）の撮影位置に送給され
る。

原稿供給台の載置面１ａに設けた穴１ｂからへ
の字形の原稿傾斜角度制御用ばね７が突き出てい
て、このばね７は最下部の原稿の背面（下面）の
一部分と接触する。ばね７は原稿束の重量に応じ
て上下方向に移動し、供給台に最大量の原稿が積
載されているときは下方に移動してばねの突部が
穴１ｂの中に位置し、このとき載置面１ａ上の最
上部の原稿は載置面に沿つて傾斜し、最上部の原
稿がその下の原稿面上を滑りながらローラ２，３
の間に自重で落下する。そして供給台上の原稿枚
数が少なくなると第１図に示したようにばね７の
突部が徐々に穴１ｂの上方に突き出て原稿束を持
ち上げ、これにより原稿束の傾斜角度が徐々に大
きくなり、最下部近くの原稿がローラ２，３の間
の送給位置に確実に滑り落ちる。このように原稿
束の重量に応じて原稿束の傾斜角度が変化する。
ばねとしては、板ばねや、弾性をもつ針金等を用
いることができる。原稿としては、原稿が部分的
に持上げられても原稿が彎曲しない程度の腰の強
さをもつ小切手、株券等のシートが用いられる。
また最下部のシートを確実に送り出すためには供
給台のシートが最後の１枚になつたときに、シー
ト下面の５割以上が載置面１ａに接触しないよう
にするのが好ましい。

次に上記装置の動作を説明する。原稿供給台１
に多数の原稿６を積み重ねて載置すると、ばね７
が原稿の重みで下方に移動して最下部の原稿全面
が載置面１ａに接触する。載置面が設定された適
切な角度で傾斜していることにより最上部の原稿
が自重でローラ２，３の間の送給位置に向つて移
動し、原稿の先端部の上面が送り出しローラ２と
接触する。そしてローラ２，３を所定の方向に回
転させると最上部の原稿が送り出しローラ２によ
つて送り出される。最上部の原稿が供給台１から
送り出されると、次に最上部に位置する原稿が同
様にローラ２，３の間に移動して送り出される。
そして、最上部の原稿が１枚ずつ逐次送り出され
ると供給台１に積載される原稿の枚数が少なくな
るが、原稿が少なくなるに従つてばね７が上昇
し、これにより原稿６が載置面より大きな角度で
傾斜するため、原稿６は自重によりその下の原稿
面に沿つて滑べりながらローラ２，３の間に移動
して順次送り出される。そして最下部の原稿のみ
になつたとき、すなわち供給台１の原稿が最後の
１枚になつたとき、この原稿は原稿送り出し方向
に関し最も大きな角度で傾斜し、かつ載置面とほ
とんど面接触していないので載置面に停滞するこ
となく、自重でローラ２，３の間に移動し、送り
出しローラ２によつて送り出される。したがつて
多数の原稿を最後のものまで確実に送り出すこと
ができる。

第２図及び第３図は本考案の他の実施例を示す
もので、第２図において、傾斜角度制御部材は最
下部の原稿の背面に接触する押上ローラ１０と、
押上ローラ１０を回転自在に支持し、ローラ１０
を上方に付勢する板ばね１１とから構成されてい
る。押上ローラ１０は供給台１に最大量の原稿が
積載されている状態では下方に移動してその周面
が載置面１ａと同一面に位置し、原稿枚数が少な
くなるに従つて板ばね１１の作用により穴１ｂか
ら突き出て載置面１ａの上方に移動し、原稿６を
載置面から持ち上げて原稿の傾斜角度を大きくす
るように働く。なお、ばねにより押上ローラ１０
を上方に引張るようにしてもよい。

第３図において、傾斜角度制御部材は弾性を有
するへの字形の針金２０からなり、この針金の先
端は第４図に示すように載置面１ａの穴１ｃに掛
けられている。針金２０は最下部の原稿背面と接
触し、積み重ねられた原稿の重量に応じて変形し
て原稿の傾斜角度を変化させる。針金２０は穴１
ｃに着脱自在であり、原稿の幅及び長さに応じて
任意の穴１ｃに掛けられる。２１は原稿の側部を
位置決めするガイド板で、原稿の送り出し方向と
直角方向に摺動可能に構成されている。２２は送
り出しローラ２を支持する駆動軸である。

この実施例では、シート傾斜角度制御部材がシ
ート送り出し方向と直角方向に移動可能に構成さ
れているから、シートの幅、材質等に応じて該部
材の位置を変えることにより、幅、材質等の異な
る種々のシートを確実に１枚ずつ給送することが
できる。

以上説明したように、本考案によるとシートの
傾斜角度がシートの重量に応じて変化するので、
積み重ねたシートを最後のシートまで確実に送り
出しローラの送給位置に移動することができ、こ
れにより大量の原稿を確実に送り出すことができ
る。また、載置面の傾斜角度を小さくすることが
できるから、供給台に大量のシートを積載しても
最上部のシートから確実に送り出すことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す給紙装置の断
面図、第２図、第３図は他の実施例を示す断面
図、第４図は第３図の給紙装置の正面図である。 １……供給台、２……送り出しローラ、３……
分離ローラ、７……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給台に傾斜した状態で積み重ねて載置された
   複数枚のシートを供給台の下流に置かれた給送ロ
   ーラにより最上部のシートから順次送り出す装置
   において、供給台のシート載置面に載置された最
   下部のシートと接触する弾性部材を設け、この弾
   性部材がシートの重量に応じてシートの傾斜角度
   を載置面より大きくする方向に変化させることを
   特徴とするシート給送装置。