JPS627435B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圧力のかけられた流動媒体のための電
磁式球弁に関する。

球弁体で作業する電磁弁は多くの構造で公知で
ある。ノーマルクローズド弁においては電磁弁は
圧力側で閉じられ、ノーマルオープン弁において
は弁は圧力側で開かれる。しかしながら公知構造
においては技術的に次のような問題点がある。

(a) 調整作用を遮断する、つまりノーマル位置に
戻す場合に球弁体は圧力をかけられて他方の位
置に押されなければならない。この場合には動
的な動作性（切換周期）は圧力が減少するにつ
れて低下する。

(b) 調整の最後のところで一時的に逆向する電流
をコイルに生ぜしめるという回路技術的な手段
がとられたにも拘らず残留磁気を回避すること
はできない。この場合には球弁体を耐摩耗性
（硬度）に合わせて設計しなければならないと
いうことが問題となる。

しかも1.5気圧よりも小さい圧力ではノーマ
ルオープン弁においては開方が、ノーマルクロ
ーズド弁においては閉鎖が保証されなくなる。

上記(a)及び(b)の問題点は次のような公知のノー
マルクローズド弁にも当てはまる。すなわち、管
状のケーシングが設けられており、このケーシン
グは搬送しようとする媒体を側方に送出する接続
部を有している。このケーシングは球弁体のため
の弁座を有している。球弁体はこの弁座で電磁石
の内側に支承されている。従つて電流が流される
と球弁体が持上げられて弁が開く。電磁石と球弁
体と弁座とはプレートによつて覆われており、冷
却上の理由からこのプレートの周囲を媒体が流さ
れるようになつている（ドイツ連邦共和国特許出
願公告第1300749号明細書）。

また、(a)及び(b)の問題点は次のような公知のノ
ーマルオープン弁にもあてはまる。すなわち、電
磁的な材料から成るケーシングが設けられてお
り、このケーシングの一部分はコイルの巻かれた
電磁石の周壁と鉄心とを成す。この電磁石の鉄心
は接続管片を基点とする供給通路を有している。
この供給通路の開口部には電磁石の鉄心の内側に
閉鎖片を形成する球弁体のための弁座が設けられ
ている。球弁体は電磁石の周壁に合わされた、電
磁的な材料から成るカバーに設けられた室に配置
されている。このカバーはケーシングの第２の部
分を成す。この室は同時に球弁体を弁座の軸線に
沿つて確実に案内するので、球弁体の周囲には流
出通路が形成される。球弁体の後ろにはこの室に
ストツパが設けられている。電磁石のコイルに電
流が流されていない場合には供給通路を通つて流
入する媒体が球弁体をストツパに押付け、この球
弁体を通過して流出通路を通つてケーシングから
流出する。電磁石が励磁された場合には球弁体が
引付けられて弁座に押付けられる。磁化しようと
する所定の方向の電流インパルスによつては球弁
体は所定の閉鎖位置に引付けられ、減磁しようと
する反対方向の電流インパルスによつては球弁体
は開放位置に運動する（ドイツ連邦共和国特許出
願公告第1500223号明細書）。

それ故に本発明の課題は電磁式球弁である流過
する開閉弁をノーマルクローズド特性とノーマル
オープン特性の両方を備えしかも前述の(a)及び(b)
のような問題点を伴わないように構成することに
ある。

この課題は本発明によればスリーブ内で球弁体
が下側の磁極に設けられた弁座と上側の磁極に設
けられたストツパとの間でガイドで案内されて運
動させられるようになつており、下側の磁極の弁
座が下側の孔を介して一方の接続部に接続されて
おり、球弁体を取囲んで弁座の外側に形成された
室が上側の磁極に設けられた孔と上側の孔とを介
して他方の接続部に接続されており、スリーブ内
で上側の電磁コイルが上側の磁極を取囲むコイル
保持体に巻付けられており、下側の電磁コイルが
下側の磁極を取囲む下側のコイル保持体に巻付け
られており、これらの構成部材がスリーブの縁曲
げ部によつて保持されていることによつて解決さ
れた。

本発明による電磁式球弁を簡単に組立てかつ簡
単に組付けるためには室がシールリングによつて
磁極並びにコイル保持体に対してシールされてお
りかつスリーブの外周面の溝にシールリングが設
けられるように構成されている。

本発明によつて達成された利点は特に若干数の
種々異なる構成部材から電磁式球弁が簡単に組立
てられることにある。しかも電磁コイルが搬送し
ようとする媒体から確実に仕切られているために
火災発生の危険を考慮する必要がなくなつたこと
によつてこの電磁式球弁をどこにでも使用するこ
とができる。従つてこの電磁式球弁をノーマルク
ローズド弁としてもノーマルオープン弁としても
使用することができるようになつた。しかもその
ストツクは製造後でも使用に際しても僅かに維持
され得るので著しく経済的である。機能を変えて
使用したい場合には圧力側の接続部を変えるだけ
でよく、なんらかの付加的な変更または調節は必
要とされない。

球弁体を取囲む室を外に向かう中央接続部とし
て開放するようにスリーブを簡単に変更しかつ上
側の磁極を下側の形式の別の磁極と交換するとい
うことによつては切換え弁が得られる。

次に本発明の１実施例を図面について詳細に説
明する。

スリーブ１内にはガイド２が形成されている。
このガイド２内では球弁体３が案内されている。
この球弁体３はストツパ５を有する上側の磁極４
と弁座７を有する下側の磁極６との間で運動させ
られる。上側の磁極４のストツパ５は軸方向の上
側の孔８を介してかつ下側の磁極６の弁座７は同
じく軸方向の下側の孔９を介して、搬送しようと
する媒体に接続される。上側の磁極４は上側の孔
８を室１１に接続させる孔１０を有している。こ
の室１１は孔１３を介して接続された室部分１２
によつて構成されている。従つて球弁体３が弁座
７に載着して下側の磁極６が密に閉鎖されている
間は上側の磁極４は常に流過可能である。

上側の電磁コイル１４は上側のコイル保持体１
５にかつ下側の電磁コイル１６は下側のコイル保
持体１７に巻付けられている。電磁コイル１４，
１６に対する電気的な接続導線１８は上側のコイ
ル保持体１５を介して導入される。この接続導線
１８は絶縁性の管１９を通して下側のコイル保持
体１７に接続される。

これらの構成部材、つまり球弁体３と電磁コイ
ル１４，１６を有するコイル保持体１５，１７と
磁極４，６とはスリーブ１内に縁曲げ部２０によ
つて保持されている。

搬送しようとする媒体で満たされた室１１はシ
ールリング２１，２２，２３，２４によつて電磁
コイル１４，１６から仕切られる。

シールリング２５，２６はスリーブ１の溝２７
に嵌合わされて球弁体３の組込みを確実にする。

従つてこの球弁体３は本発明によればノーマル
クローズド弁としてもノーマルオープン弁として
も利用することができる。上側の孔８を介する圧
力側の接続によつてはこの球弁はノーマルクロー
ズド弁として用いられ、下側の孔９を介する圧力
側の接続によつてはノーマルオープン弁として用
いられる。

電磁コイル１４，１６はどのような場合にも弁
座７またはストツパ５の上での球弁体３の確実な
終端位置が得られるように回路によつて制御され
て、場合によつて存在する残存磁気は確実に消さ
れるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の電磁式球弁を示した図である。 １……スリーブ、２……ガイド、３……球弁
体、４……磁極、５……ストツパ、６……磁極、
７……弁座、８，９，１０……孔、１１……室、
１２……室部分、１３……孔、１４……電磁コイ
ル、１５……コイル保持体、１６……電磁コイ
ル、１７……コイル保持体、１８……接続導線、
１９……管、２０……縁曲げ部、２１，２２，２
３，２４，２５，２６……シールリング、２７…
…溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧力のかけられた流動媒体のための電磁式球
   弁であつて、可動子として構成された球弁体を有
   し、この球弁体がスリーブ状のケーシングのガイ
   ドに行程運動可能に保持されている形式のものに
   おいて、 (イ) 球弁体３が中央の孔９を介して一方の接続口
   と接続されている下方の磁極体６における弁座
   ７と上方の磁極体４におけるストツパ５との間
   で移動可能であり、 (ロ) 球弁体３を弁座７の外で取囲む室１１が孔１
   ０と上方の磁極体４における中央の孔８とを介
   して他方の接続口と接続されており、 (ハ) スリーブ状のケーシング１内に上方の磁極体
   ４を取囲んで上方のコイル保持体１５に保持さ
   れた上方の電磁コイル１４が配置されかつ下方
   の磁極体６を取囲んで下方のコイル保持体１７
   に保持された下方の電磁コイル１６が配置され
   ており、 (ニ) スリーブ状のケーシング１内に配置された弁
   構成部分と駆動装置構成部分とがケーシング端
   部の縁曲げ部２０によつて保持されていること
   を特徴とする電磁式球弁。 ２ 球弁体３を取囲む室１１がシールリング２
   １，２２，２３，２４によつて磁極体４，６とコ
   イル保持体１５，１７とに対してシールされてい
   る、特許請求の範囲第１項記載の電磁式球弁。 ３ スリーブ状のケーシング１が外周の溝２７内
   に配置されたシールリング２５，２６を有してい
   る、特許請求の範囲第２項記載の電磁式球弁。