JPS62729Y2

JPS62729Y2 -

Info

Publication number: JPS62729Y2
Application number: JP11158583U
Authority: JP
Priority date: 1983-07-20
Filing date: 1983-07-20
Publication date: 1987-01-09
Also published as: JPS6021312U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、飲料水等の浄水あるいは純水を得
るために用いる濾過用フイルター装置に関する。

一般に、水道設備のない場所において飲料水を
得るとか、あるいは、緊急災害時等において、海
水、河川等の水を利用して飲料水を得る場合、ま
たは、工場等における化学実験、精密工業に用い
る純水を得る場合などにおいては、種々の水処理
用の濾過フイルター装置が用いられている。

従来、かかる濾過用フイルター装置として、例
えば、複数個の独立した濾過器を直列に多段連結
して原水を多段的に濾過し、無機塩類、有機物、
含有気体等の夾雑物を除去して純粋な水を得るよ
うにしたものがある。しかしながら、従来のこの
ような個々に独立した複数個の濾過器を多段式に
連結して構成したものは、装置が大型化しスペー
ス的に問題があり、更には保守点検も煩雑である
などの欠点があつた。

そこで、本考案者は先に、この欠点を解消した
多段式濾過用フイルター装置、すなわち、本体外
壁を構成するケーシング内に、該ケーシングと同
心的に隔壁を配置して複数個の同心状の濾過室を
形成し、各濾過室にはそれぞれパイプ状フイルタ
ー素子を配設し、隣接する各濾過室間には、前段
の濾過室の濾過処理水を次段の濾過室内へ導くた
めの連絡導水路を設け、最外側に設けた濾過室に
原水を供給して、各濾過室で順次濾過処理を行な
い、中央濾過室より最終濾過処理水を導出するよ
うにし、コンパクトで保守点検の容易な濾過用フ
イルター装置を提案した。

ところが、この先に提案した濾過用フイルター
装置においては、原水の供給される初段の濾過室
内に配置されているフイルター素子は、原水中に
含まれる比較的大きなごみ、塵埃等を大量に除去
するものであるために、その汚損速度が速く、比
較的頻繁な交換を余儀なくされるものである。し
かし、初段の濾過室内のフイルター素子として
は、一般に活性炭等を用いた高価なフイルター素
子が用いられているため、それを頻繁に交換する
のは極めて不経済であるばかりでなく、その交換
操作も煩雑なものである。

本考案は、この問題点を解決すべくなされたも
ので、フイルター装置本体内に収納された複数の
フイルター素子全体を共通に蔽う如き、可洗式の
キヤツプ状カバーフイルターを着脱自在に配設
し、高価なフイルター素子の交換頻度を低減させ
るようにした濾過用フイルター装置を提供するこ
とを目的とするものである。

以下実施例に基づき本考案を詳細に説明する。
第１図は、本考案の濾過用フイルター装置の一実
施例の縦断面図で、第２図は、第１図のＡ−
A′線に沿つた横断面図である。図において、１
は本体外壁を構成する円筒状のケーシングで、２
は該ケーシングの蓋体である。３はケーシング１
の内部に設けた円筒状隔壁で、ケーシング１と同
心的に配置されている。そして、該隔壁３とケー
シング１の内壁との間で第１濾過室４を、隔壁３
の内部に第２濾過室５を形成している。隔壁３の
下端部には、第１濾過室４と第２濾過室５を連通
するための連絡導水路６が接続されていて、該導
水路６の先端６′は第２濾過室５の上部において
開口するように配設されている。

各濾過室４，５の各下方部には、濾過水通過用
開口７′，８′をそれぞれ複数個設けたフイルター
素子支持部材７，８が水密的に取付けられてお
り、該支持部材７，８上には、パイプ状フイルタ
ー素子９，９，……が、その内側中空部９′，
９′，……を、前記開口部７′，８′に取付られて
いる中空取付部材１０に嵌合させて、支持されて
いる。そして、支持部材７，８の下方には、円環
状の濾過水合流部１１，１２がそれぞれ形成され
ている。１３はフイルター素子９，９……の上端
面に、図示しないスプリング付押圧板等で、固定
された密閉板で、未処理水がフイルター素子９，
９……の中空部９′，９′……に直接浸入しないよ
うにするためのものである。１４は円筒状隔壁３
の上端部に取付けられた密閉蓋部で、第２濾過室
５を第１濾過室４から分離密閉するためのもので
ある。

１５はキヤツプ状のカバーフイルターで、第１
濾過室４内に配置された各フイルター素子９，９
……及び第２濾過室５を、全体的に共通に蔽うよ
うにして、第１濾過室４のフイルター素子支持部
材７上に着脱自在に載置されている。このカバー
フイルター１５は、金網や布織物等の洗浄可能な
もので構成されており、金網製のカバーフイルタ
ーの場合は、その支持体を必要としないが、布織
物で構成する場合は、パンチング金属板などを支
持体として用いる必要がある。なお、カバーフイ
ルター１５は、原水の水質により、金網製かある
いは布織物製かを適宜選択して使用するものであ
る。１６はケーシング１の上端外側部に設けられ
た、第１濾過室４に原水を導入するための導入口
であり、１７はケーシング１の下端外側部に取付
けられた、濾過処理水を取出すための導出口で、
第２濾過室１２と連通している。

このように構成された濾過用フイルター装置に
おいて、原水の濾過処理を行なうには、まず、導
入口１６より処理すべき原水を第１濾過室４に導
入する。第１濾過室４に導入された原水は、カバ
ーフイルター１５によつて、比較的大きな形状の
ごみ、塵埃等が取り除かれたのち、第１濾過室内
に配置されている各フイルター素子９，９……の
外周部に供給される。そして、各フイルター素子
９，９……の外周部から、その中空部９′，９′…
…に向けて透過して濾過され、その濾過処理水は
中空部９′，９′……から合流部１１へ集められ
る。

次いで、第１濾過室４で濾過されて合流部１１
に集められた１次処理水は、連絡導水路６を通つ
て第２濾過室５の上部へ導かれる。第２濾過室５
においては、１次処理水は、同室内に配置されて
いるフイルター素子９，９……により、第１濾過
室４における工程と同様な工程で再度濾過され
て、第２濾過室合流部１２に集められる。そし
て、この２次処理水は導出口１７より取出され、
使用に供されるようになつている。

このように本考案においては、導入口１６より
導入された原水は、まずカバーフイルター１５で
形状の大きな塵埃が除去されたのち、第１及び第
２濾過室４，５に配置されているパイプ状フイル
ター素子９，９……に順次供給され、原水に含ま
れている微細な無機塩類、有機物等の夾雑物が除
去されるように構成されているので、濾過室内に
配置されている高価なパイプ状フイルター素子
は、原水中に含まれている、形状の比較的大きな
塵埃等で汚損されることがない。したがつて、フ
イルター素子９の寿命を長く保持させ、頻繁な交
換作業を回避することができる。

また、キヤツプ状のカバーフイルター１５は、
洗浄可能なものであり、且つフイルター素子９全
体を蔽うように被せて設置するものであるから、
塵埃等で汚損した場合には、簡単に取外して洗浄
することができ、洗浄後も簡単な操作で装着して
再使用することができる。

また、一般に、濾過用フイルター装置には、そ
の前段にヘアキヤツチヤーが挿入されるものであ
るが、本考案におけるカバーフイルターは、この
ヘアキヤツチヤーの機能も備えているので、前段
に別個のヘアキヤツチヤーを設ける必要がなくな
る。

なお、上記実施例では、２つの濾過室を備えた
２段式のフイルター装置に、カバーフイルターを
設けたものを示したが、本考案はこれに限らず、
濾過室が１個のもの又は３個以上設けた多段式の
ものにも、同様に適用できるものであり、その場
合においても、上記と同様な作用効果が得られる
ものである。

また、上記実施例では、カバーフイルターを第
１濾過室内に配置したものを示したが、カバーフ
イルターは第１濾過室内のみならず、第２濾過室
内にも配置することができ、この場合は、第２濾
過室内のパイプ状フイルター素子の寿命を更に増
大させることができ、有用なものである。

以上実施例に基づき詳細に説明したように、本
考案は、フイルター装置本体内に収納されている
複数本のパイプ状フイルター素子を共通に蔽う如
き、可洗式のキヤツプ状カバーフイルターを着脱
自在に配設して濾過用フイルター装置を構成した
ので、高価な活性炭等を用いたパイプ状フイルタ
ー素子を頻繁に交換する必要がなくなり、保守費
用の少ない経済的なフイルター装置を提供するこ
とができる。

また、カバーフイルターは、低廉で且つ構成の
簡単な可洗式のものなので、汚損した場合、洗浄
交換作業をきわめて容易に行うことができ、ま
た、ヘアキヤツチヤーの機能も有するので、別個
のヘアキヤツチヤーを省略することができる等の
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の濾過用フイルター装置の一
実施例の縦断面図、第２図は、第１図のＡ−
A′線に沿つた横断面図である。図において、１はケーシング、３は隔壁、４は
第１濾過室、５は第２濾過室、６は連絡導水路、
７，８はフイルター素子支持部材、９はフイルタ
ー素子、１１，１２は合流部、１２はキヤツプ状
カバーフイルター、１６は導入口、１７は導出口
を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

本体外壁を構成するケーシング内に、中空部を
有するパイプ状フイルター素子を複数個収納し、
該フイルター素子の中空部の一端は密閉して、他
端は共通接続し、前記各フイルター素子の外周部
に原水を供給して中空部より濾過処理水を導出す
るようにした濾過用フイルター装置において、前
記複数個のパイプ状フイルター素子を共通に蔽う
ように形成した可洗式のキヤツプ状カバーフイル
ターを、前記パイプ状フイルター素子に着脱自在
に被嵌させたことを特徴とする濾過用フイルター
装置。