JPS627057B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内側に押し込んで簡単に開けられる押
込蓋に関し、特に炭酸飲料を入れたカンの端部に
適する型の再密封可能な押込蓋に関する。

特開昭54−40783号、米国特許第4105134号及び
第4155480号の明細書の記載が本明細書において
参照されており、その中には炭酸飲料用の缶の端
部の特性を改善するように設計された再密封可能
な各種の圧力解放型の押込蓋が記載されている。
蓋は、指によつて加えた押込力が無くなつた時に
圧力解放用のタブが開口を再密封して、缶内の圧
力を徐々に減少することができる。即ち、缶内の
圧力が短時間で減少して缶の中味が吹き出すよう
なことを防止している。上記明細書に記載の蓋は
缶端部を取巻く部分との組合せにおいて構成され
ており、蓋と缶端との結合部の金属の降伏点を越
えて蓋が変形されることを防ぎ、押込力が解放さ
れた時にタブがほぼ密封位置にその弾性によつて
はね戻る。

上記明細書中、特に特開昭54−40783号の第１
７図、第１８図、及び米国特許第4155480号の第
５図、第６図に記載の再密封可能な圧力解放用の
タブに設計変更を加えることによつて、蓋の再密
封特性を大幅に改善することができると同時に、
蓋の市場的魅力を維持する設計上の特徴を保持す
ることが出来る。

本発明の目的は蓋の優れた再密封特性即ちタブ
の優れたはね戻り特性を有する開放容易な押込蓋
を得ることである。

上記明細書に述べられたものの多くは、圧力解
放用のタブは非常に丈夫であり、指で加えられる
力によるタブの撓みが主として蓋と缶端との結合
部に集中している。本発明の目的は、押込力から
生じるタブの撓みがタブと缶端との結合部の所に
集中せずタブが優れた再密封特性を有する押込蓋
を得ることである。

本発明による開放容易な押込蓋は、開口を有す
る容器部材と、この容器部材と一体に形成されて
前記開口を閉じる押込み式の圧力解放用の再密封
可能なタブとを有し、このタブは少なくとも前記
開口の周縁の大部分にわたつて延在する弱め線に
よつて画定されており、タブは結合部によつて容
器部材に結合されており、タブは押込み力が指に
よつて加えられる操作部を有し、この押込み力が
除去された時には再密封が可能になつており、結
合部に隣接するタブの一部と、結合部に隣接して
結合部から見てタブ部分の反対側の容器部材の一
部と、結合部自身の少なくとも一部とが実質的に
同じ高さになつており、これによつて、解放操作
中にタブが結合部付近で永久的に変形される傾向
を減少している。

第１の改善では、前記タブは少なくともその結
合部に近い領域で、ほぼ一様に撓むように形成さ
れる。

理想的には、タブはその全長に沿つてほぼ一様
に撓むようになつており、タブに押込力が加えら
れる時に起る応力がタブに沿つて一様に分布さ
れ、応力が一様に分布された梁と同等になつてい
る。しかし、この事はタブが結合部から延びるほ
ぼ放物線形をなしていることが必要であり、これ
は押込力が加えられる端部が不適当な幅を持つこ
ととなる。従つて、実際的なタブを作るために、
タブに通常の高くなつたボタンを形成出来るよう
に修正されねばならない。然しながら、結合部の
幅をタブに近い部分よりも増加し、それによつて
結合部からある距離だけはほぼ一様な撓みが起る
ようにして前述の問題を緩和することもできる。
このようにして、結合部はも早タブの最弱点では
なく、タブは一度開けられた後における再密封の
ために必要な十分なはね戻り特性を持つことにな
る。

缶端を製造するに適した金属板の多くは、冷間
加工をしてその厚さを減少することによつてその
耐力を増加し、材料のはね戻り特性を改善出来る
ことが知られている。

上述の冷間加工は、容器部材が作られる金属板
の一部又は全部に行うことが可能であり、タブを
成形する前、タブの成形中又はそのあと等何れの
場合にもこれを行うことができる。所望の冷間加
工を行う具体的方法の一つはタブを圧印加工によ
つて形成することであり、この圧印加工により、
タブの均一な撓みを可能にするに必要な材料の耐
力を増加することができる。例えば圧印加工を前
述の放物線型の領域に行つておけばタブを所望の
形に形成することが可能であり、所望の領域の金
属の耐力の大きさを自由に選択してタブがその長
さに沿つて一様に撓むようにすることができる。

公開公報並びに米国特許明細書記載の蓋におい
て、圧力解放用のタブは親金属から切断されタブ
を作るために加工される缶端は残りの部分の下方
に重なつている。然しながら、タブが缶端の下に
あるので、必然的にタブと缶端との結合部で金属
に段が生じる（例えば特開昭54−40783号の第１
８図の符号８３及び米国特許第4155480号の第６
図に示されているように）。結合部における金属
板のこの傾向はタブが優れた再密封特性を得るの
に必要な撓みを可能にしないばかりか、タブがこ
の結合部において極度に曲がつてしまうことが助
長されてしまう。

第２の改善では、本発明による開放容易な押込
蓋は、開口を有する容器部材と、この容器部材と
の結合部を経て容器部材と一体に形成されて、開
口を閉じるため容器部材の下方に重なつている押
込式の圧力解放用の再密封可能なタブとを有し、
容器部材との結合部は容器部材のこのタブに隣接
する部分とほぼ同じ高さになつている。

これは、結合部のすぐ後の容器部材の一部を下
方に押し下げて、結合部とその隣接部分との金属
がほぼ平らになるようにすることによつて可能に
なる。このようにすることによつて、タブのはね
戻り特性を相当に改善することが見出されてお
り、指で押込力を加えた時に結合部の所でタブが
永久変形をしてしまうことを防止している。

第３の改善では、前述の公開公報又は米国特許
に記載されているか、又は前記又は後記改善の一
つによる形状を有する圧力解放用のタブは、タブ
と容器部材との結合部が形成される領域に圧印加
工が行われている。この圧印加工はタブの形成の
前、タブの形成中又はその後で行つてよいが、タ
ブの結合部が前述のように段付きの場合には、こ
の結合部の形成後に圧印加工をすることはあまり
実際的でない。

好適には、金属板は厚さが25％−30％減少する
ように圧印加工される。例えば0.3mm厚さの板は
局部的に約0.20−0.23mm減少される。切断線の端
部を結ぶ線の中央を中心とする直径約５mmの領域
で前述の厚さの減少が行われるように圧印加工す
ることによつて前述の結果が得られる。

第４の改善では、前述の公開公報又は米国特許
に述べられているもの又は前記又は後記改善の一
つによる形状の圧力解放用のタブにして、その長
さに沿つて、少なくともタブの結合から容器部材
に部分的に延びるリブ又は突起が形成されてい
る。突起又はリブを形成することによつてこの領
域におけるタブの断面係数が増加され、結合部又
はその近くの金属の曲げに対する抵抗が大となつ
ている。

上述の改善の好適実施例を添附図面を参照して
説明する。

先ず第１図乃至第３図を参照すると、先に説明
した第２の改善が詳しく示されている。この実施
例では、圧力解放用のタブ２０は切断線２１で画
定され、この線は終点２２になつており、その間
に結合部２３を形成している。タブ２０は軸部２
４と大きな頭部とを有し、この頭部は指によつて
押込力を加えるためにその中央に突出したボタン
２５が形成されている。結合部２３の真後の領域
２６はタブ２０と同一面となるよう下向きに押し
下げられている。下方に傾斜する肩部２７がこの
押し下げられた領域２６と缶端の残りの部分との
間に形成されている。図示の実施例では、領域２
６は約３mmだけ結合部２３の後に延びている。し
かしながら、領域２６の長さはあまり重要ではな
く、約１mmの長さでも十分である。

第３図は前述の結果を得るための１対のパンチ
ーダイを示している。図の右側は切断線を行うパ
ンチーダイの形を示し、図の左側は、結合部２３
が破れずに残るようこの領域内の金属を押し下げ
るために切断線の端部に隣接部分が丸くなつてい
るパンチとダイとを示している。

上述の第４の改善の実施例が第４図、第５図に
示されている。ここには特開昭54−40783号の第
１７図又は米国特許第4155480号の第６図に関し
て述べられた型の圧力解放用のタブ３０が示され
ており、結合部３２から離れる方向に延びる端部
の金属板と同じ高さに上向きに突出した玉縁３１
が形成されている。玉縁３１を形成することによ
つて結合部３２をかなり強化し、使用時において
経験する指による最大の押込力に対してこの結合
部３２における金属板の曲げを防止している。

第６図及び、第７図に示す実施例では、缶端は
圧力解放用のタブ４０と、注ぎ口用のタブ５０と
が形成されている。しかしながら、圧力解放用の
タブ４０は前述の第２、第３の改善をも組入れて
いる。

タブ４０は切断線４１で画定され、この切断線
４１は結合部４３を画定するよう終点４２で終つ
ている。タブ４０は突出したボタン４４を有し、
このボタン４４を介して指によつて押込力がタブ
４０に加えられる。結合部４３とボタン４４との
間の切断線４１は直線であり、使用時に出会う条
件下でこの領域内の缶端の構造的一体性を確保し
ている。結合部４３のすぐ後の端部の領域４５は
第２図に示すものと同様に下方に押し下げられて
おり、結合部４３の後方の金属板はタブ４０の軸
部の金属板と同一平面になつている。更に、タブ
４０は、少なくともボタン４４と領域４５との間
の領域４６に圧印加工されており、この領域内の
金属の耐力を増加し、それによつてタブ４０のは
ね戻り特性が改善されている。タブ４０のボタン
４４を取巻く領域は領域４６が圧印されるときに
これと同時に圧印されて、切断線４１で画定され
る開口の周囲の金属板にタブ４０が重なるように
なつている。圧力解放用のタブ４０をこのように
形成することによつて、開放容易な缶端を作るに
適したすべての金属板に優れた再密封性を付与
し、商業的に受け入れられる押込蓋を作ることが
できる。

切断線４１はタブ４０がその長さに沿つて一様
に撓む能力を部分的に増すために結合部４３とボ
タン４４との間で滑らかにくびれるようにするこ
ともできる。この配置はタブの構造的一体性を減
少して市場性僅かに低下はするが、この問題に打
勝つことは可能であり、前述の第１の改善を部分
的に採用によつて撓みの一様性を増加することが
可能である。

結合部における金属のはね戻り特性を改善する
他に、前述の各種の改善によつて、例えば注ぎ口
用のタブ５０を開く時にこれが変形して破損する
傾向を減少することとなる。

上記いくつかの改善は圧力解放用の再密封可能
なタブの再密封特性を改善するために使用出来る
ことは明らかである。更に、圧力開放用のタブを
密封するためにこのタブには密封剤が使用される
が、この密封剤も再密封能力を助けるようなもの
を選ぶべきである。例えば、破壊される前に伸長
するような密封剤を選ぶことによつて、圧力解放
用のタブの側部に沿つて一様に残り、タブの再密
封性が助長される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による圧力解放用のタブを使用
した缶端の平面図、第２図は第１図のタブの缶端
との結合部を示す長手方向の拡大断面図、第３図
は第１図、第２図のタブを形成する１対のパンチ
ーダイの一例を示す断面図、第４図は本発明の他
の実施例による圧力解放用のタブを使用した缶端
の平面図、第５図は第４図のタブを示す第２図同
様の断面図、第６図は更に他の実施例による圧力
解放用の再密封可能なタブと注ぎ口用のタブとの
組合体を使用した缶端の平面図、第７図は第６図
の線７ー７における断面図である。 ２０……タブ、２１……切断線、２２……終
点、２３……結合部、２４……軸部、２５……ボ
タン、２６……領域、２７……肩部、３０……タ
ブ、３１……玉縁、３２……結合部、４０……タ
ブ、４１……切断線、４２……終点、４３……結
合部、４４……ボタン、４５，４６……領域、５
０……タブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口を有する容器部材と、この容器部材と一
   体に形成されて前記開口を閉じる押込み式の圧力
   開放用の再密封可能なタブ部分２０，３０，４０
   とを有し、このタブ部分２０，３０，４０は少な
   くとも前記開口の周縁の大部分にわたつて延在す
   る弱め線２１，４１によつて画定されており、該
   タブ部分は結合部２３，３２，４３によつて前記
   容器部材に結合されており、該タブ部分は押込み
   力が指によつて加えられる操作部２５，４４を有
   し、この押込み力が除去された時には再密封が可
   能になつている開放容易な押込蓋において、前記
   結合部２３，３２，４３に隣接するタブ部分２
   ０，３０，４０の一部２４，３１，４６と、前記
   結合部に隣接して結合部から見てタブ部分の反対
   側の容器部材の一部２６，４５と、結合部２３，
   ３２，４３の自身の少なくとも一部とが実質的に
   同じ高さになつており、これによつて、開放操作
   中に前記タブ部分が結合部付近で永久的に変形さ
   れる傾向を減少して蓋の再密封性を向上している
   押込蓋。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の押込蓋におい
   て、前記タブ部分３０，４０は少なくとも前記結
   合部においてこの結合部からタブ部分３０，４０
   の自由端に向かつた放物線型に形成されている押
   込蓋。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項のいずれ
   か１項に記載の押込蓋において、前記蓋は、少な
   くとも前記結合部３２，４３を含みかつ前記タブ
   部分３０，４０の中に延びている部分が冷間加工
   によつて厚さが減少されている押込蓋。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載の押込蓋におい
   て、前記冷間加工によつて金属板の厚さが25％−
   30％減少させている押込蓋。 ５ 特許請求の範囲第３項または第４項のいずれ
   か１項に記載の押込蓋において、前記冷間加工は
   前記結合部２３，３２，４３を横切つて延びてい
   る部分から前記操作部に隣接する部分まで行われ
   ている押込蓋。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項までのいず
   れか１項に記載の押込蓋において、前記容器部材
   の結合部の真後ろの部分が前記結合部２３，４３
   に隣接してタブ部分２０，４０を形成している材
   料と実質的に同じ高さまで下向きに押し下げられ
   ており、それによつて、結合部２３，４３を横切
   る金属材料がほぼ平らになつている押込蓋。 ７ 特許請求の範囲第１項に記載の押込蓋におい
   て、タブ部分の前記一部は少なくとも部分的に前
   記結合部３２からタブ部分３０まで延びている高
   くなつたボタン部３１に成つている押込蓋。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載の押込蓋におい
   て、前記高くなつたボタン部３１は前記結合部３
   ２から離れる方向に延びている容器部材の金属板
   と同じ高さになつている押込蓋。 ９ 特許請求の範囲第１項から第８項までのいず
   れか１項に記載の押込蓋において、前記タブ部分
   ２０，３０，４０は前記開口を閉じるように前記
   容器部材の下側に重なつている押込蓋。