JPS626804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は引き出し、差込み可能な回路しや断
器の引き出し装置に関するものである。

回路しや断器を引き出し可能な装置に組込み、
通電状態では回路しや断器を回路しや断器の外部
端子と外部回路につながる外部導体が接続される
位置で引き出し不能に鎖錠し、回路しや断器を引
き出す際には、回路しや断器を開路した後に鎖錠
を解いてこれを引き出し、しかる後に回路しや断
器の点検修理、取りかえ、負荷側機器の点検をす
れば、電源側の断路器が省略できて都合がよい。
従つて従来よりこのような引出形回路しや断器は
広く使用されている。

しかし、回路しや断器が閉路状態であやまつて
引き出された場合、負荷電流が流れていると、外
部導体と回路しや断器の外部端子が開離する際に
アークを発生し相間短絡、地絡といつた事故や、
回路しや断器の焼損あるいは人身事故に発展する
可能性が大きい。

そこで、従来からこのような引き出し形回路し
や断器には、引き出し時に自動的に回路しや断器
を開路する自動引きはずし装置が組込まれてい
る。

第１図乃至第４図は、従来の引き出し装置の一
例を示す図で、第１図は斜視図、第２図は正面
図、第３図は側面図、第４図は引き出し途中を示
す側面図である。図において、１は回路しや断
器、２は回路しや断器の両側に固定された一対の
可動枠、３は各可動枠２の側面にそれぞれ装着さ
れた一対のローラ、４，５，６は可動枠２に明け
られた穴である。７は各可動枠２を引き出し、挿
入可能に支持する固定枠、８は可動枠２を挾持す
るように配置され、各固定枠７の一部を構成する
一対の支持枠、９はこの支持枠８に設けられたガ
イドで、ローラ３を案内する。１０は支持枠８に
つくられたＵ形溝、１１は固定枠７を固定する取
付板、１２は固定枠７に取付けられ、外部回路
（図示せず）につながる外部導体、１３は回路し
や断器１の外部端子、１４は外部導体１２と外部
端子１３を接続および開離自在にする接触子、１
５は各可動枠２を固定枠７に外部導体１２と外部
端子１３が接合位置で移動不能にそれぞれ鎖錠す
る両側一対のロツクレバー、１６は支持ピンで、
可動枠２に固定され、上記ロツクレバー１５が回
転自在に装着されている。１７はロツクレバー１
５の一端に設けられた操作部、１８はロツクレバ
ー１５の他端に固定されたレバーピンで、Ｕ字形
溝１０に遊嵌するようになつている。そして可動
枠２と固定枠７を鎖錠する鎖錠装置は、上記Ｕ字
形溝１０、ロツクレバー１５、支持ピン１６、操
作部１７、レバーピン１８より構成されている。
すなわちロツクレバー１５の重心は支持ピン１６
に対してレバーピン１８側にあり、ロツクレバー
１５が常に時計方向に回転するモーメントをもつ
ため、レバーピン１８はＵ字形溝１０に嵌合して
おり鎖錠がおこなわれる。１９は両側一対の引き
はずしリンクであり、上端はレバーピン１８によ
りロツクレバー１５に回転自在に係合されてい
る。２０は双方の引きはずしリンク１９の下端に
装着された引きはずしロツドで、端部は長円形穴
５内を遊動する。２１は下端が引きはずしロツド
２０に結合され、上端が引きはずしピン２２に結
合されたＬ字形の引きはずしレバー、２３は回路
しや断器１に内蔵された共通引きはずし棒（トリ
ツプバー）である。そして上記ロツクレバー１５
乃至引きはずしレバー２２により自動引きはずし
装置が構成されている。

次に動作について説明する。上記のように構成
された装置において、通電時は第３図の状態にあ
り、回路しや断器１は外部端子１３、接触子１
４、外部導体１２を介して外部回路（図示しな
い）に接続されている。

次に回路しや断器を点検等の目的で、第３図に
示す矢印Ｎ方向に引き出す必要が生じた時、操作
員は手２４を可動枠２の角形穴４に入れて回路し
や断器１を可動枠２と共に固定枠７から引き出す
準備をすると同時にロツクレバー１５の操作部１
７を押し下げロツクレバー１５のレバーピン１８
を上方向に運動させＵ形溝１０からはずして鎖錠
を解き、回路しや断器１を引き出せる状態にす
る。

一方レバーピン１８の上方向への運動はこれに
係合されている引きはずしリンク１９を上方向へ
移動させ、この引きはずしリンク１９に装着され
た引きはずしロツド２０も上方向へ移動される。
従つて第２図に示される引きはずしロツド２０に
結合された引きはずしレバー２１、引きはずしピ
ン２２は上方向に動いて、共通引きはずし棒２３
を回転させ、回路しや断器１が未だ引きはずされ
ていない場合は自動的に引きはずされる。

このような状態にして可動枠２を操作員が、引
き出せば第４図に示されるようにローラ３がガイ
ド９に案内され、回転するので、容易に回路しや
断器１が引き出せる。従つて回路しや断器１が、
投入状態でしかも通電中に引き出したとしても、
外部導体１２と回路しや断器１の外部端子１３が
開離する前に回路しや断器１が自動的に引きはず
され前述したような短絡、接地事故、あるいはこ
れにともなう回路しや断器１の焼損事故、ひいて
は人身事故に発展するおそれはない。

このように、回路しや断器の引き出し装置にお
ける自動引きはずし装置は必要不可欠な機能であ
り、その信頼性はより高いものが要求される。

従来の自動引きはずし装置は可動枠２の左右に
装着されたロツクレバー１５、レバーピン１８が
左右共Ｕ字形溝１０からはずれると確実に共通引
きはずし棒２３を回転するようになされている
が、左右どちらか一方だけはずれた場合は、引き
はずしレバー２１が引きはずしロツド２０の中央
に係合しているため、引きはずしレバー２１の引
きはずしストロークは、レバーピン１８が左右共
はずれた場合にくらべ1/2になる（第５図参照）。
したがつて、このとき共通引きはずし棒２３は回
転せず、しや断器１は引きはずされない。

もし、このような状態でしや断器の引き出し操
作が行なわれたならば、第６図のようにしや断器
１は、レバーピン１８がはずれた側が引き出さ
れ、外部導体１２から接触子１４および外部端子
１３が離れ、回路しや断器が閉成状態にある場合
はアークが発生し、地絡、短絡事故に発展する。
また一方のレバーピン１８がはずれたら共通引き
はずし棒２３を回転させるようにした場合は、両
方のレバーピン１８がはずれた時に共通引きはず
し棒２３を押しすぎ共通引きはずし棒２３が破損
するおそれがある。

この考案は上記のような従来の自動引きはずし
機構の欠点を改良したもので、一方のみのレバー
ピン１８の動きによる引きはずしストロークと両
方のレバーピン１８の動きによる引きはずしスト
ロークを同一にし、しかも、最適な引きはずしス
トロークが得られるよう調整可能にしたより信頼
性の高い引き出し装置の自動引きはずし装置を提
供することを目的としている。

以下この考案の実施例を図面について説明す
る。第７図はこの考案の一実施例を示す正面図
で、第８図は要部斜視図である。従来装置と同一
の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
第７図において、ロツクレバー１５、レバーピン
１８、引きはずしリンク１９は従来方式と同じで
ある。２５は一端が上記引きはずしリンク１９と
回転自在に係合し、他端に長円形穴２９を有する
両側一対のＵ字形の作動レバー、２６は上記引き
はずしリンク１９と作動レバー２５を回転自在に
係合させる連結ピン、２７は上記各Ｕ字形作動レ
バー２５の底部を上記可動枠２に回転転自在に支
持する支持ロツド、２８は上記引きはずしレバー
２１に装置され、上記作動レバー２５の長円形穴
２９と係合する連結ロツド、３０，３１は引きは
ずしレバー２１の動作ストローク調整のために上
記作動レバー２５に設けられた穴で、上記連結ピ
ン２６により上記引きはずしリンク１９と連結す
る。また上記引きはずしレバー２１、引きはずし
ピン２２、共通引きはずし棒２３は従来方式と同
じである。

このように構成された回路しや断器引き出し装
置の自動引きはずし機構において、回路しや断器
１を引き出す目的で、レバーピン１８をＵ字形溝
１０からはずすと、引きはずしリンク１９が第８
図矢印Ｐ方向に動き、Ｕ字形作動レバー２５に支
持ロツド２７を中心に第８図矢印Ｑ方向に回転す
る。そして引きはずしレバー２１、引きはずしピ
ン２２が第８図矢印Ｒ方向に動き、共通引きはず
し棒２３を回転させ回路しや断器を引きはずす。
したがつて、引きはずしレバー２１の動作ストロ
ークは一方の引きはずしリンクで決まり、一方だ
け動いた場合と、両方の引きはずしレバー２１が
動いた場合とで動作ストロークの変化はなく同一
となる。また作動レバー２５に設けられた穴３
０、または３１に引きはずしリンク１９を連結ピ
ン２６で装着すれば、引きはずしレバー２１の動
作ストロークの増減が可能である。

このような自動引きはずし機構にすれば、左右
いずれのロツクレバーが動いても常に一定の引き
はずしストロークが得られ、しかも最適な引きは
ずしストロークとなるよう調整できるより信頼性
の高い自動引きはずし装置を備えた回路しや断器
の引き出し装置を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回路しや断器引き出し装置を示
す斜視図、第２図はその正面図、第３図はその側
面図、第４図はその装置の引き出し途中を示す側
面図、第５図はロツクレバーのレバーピンが一方
のみはずした場合の引きはずしレバーおよび引き
はずしピンの動きを示す要部拡大正面図、第６図
はその状態でしや断器が引き出された場合の要部
拡大平面図、第７図はこの考案の一実施例を示す
正面図、第８図はこの考案の自動引きはずし装置
の要部拡大斜視図である。 図中、１は回路しや断器、２は可動枠、７は固
定枠、１０はＵ字形溝、１５はロツクレバー、１
８はレバーピン、１９は引きはずしリンク、２１
は引きはずしレバー、２２は引きはずしピン、２
３は共通引きはずし棒、２５はＵ字形作動レバ
ー、２７は支持ロツドである。尚図中同一符号は
同一又は相当する部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外部導体、この外部導体に接続される外部端
   子を有する回路しや断器、この回路しや断器の
   両側にそれぞれ固定された可動枠、これらの可
   動枠を引き出し可能に支持した固定枠、上記可
   動枠を上記固定枠からの引き出し動作によつて
   引きはずしピンが上昇され、上記外部導体と上
   記外部端子の開離前に、上記回路しや断器を自
   動的に引きはずす自動引きはずし装置を備えた
   回路しや断器の引き出し装置において、上記各
   可動枠にそれぞれ設けられた両側一対のロツク
   レバー、一端が上記各ロツクレバーとそれぞれ
   係合した一対の引きはずしリンク、一端が上記
   各引きはずしリンクの他端にそれぞれ係合した
   両側一対のＵ字形の作動レバー、これらの作動
   レバーの底部を上記双方の可動枠に回転可能に
   支持する支持ピン、下端が上記各作動レバーの
   他端と係合し、上端に上記引きはずしピンが結
   合された引きはずしレバーから構成されたこと
   を特徴とする回路しや断器の引き出し装置。 (2) 一対のＵ字形の作動レバーは、上記引きはず
   しリンクとの係合面に複数の係合箇所を有し、
   その係合箇所を変更することにより上記引きは
   ずしレバーの引きはずしストロークを調整可能
   にした実用新案登録請求の範囲第１項記載の回
   路しや断器引き出し装置。