JPS626509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、供試体の切欠部などの微少量の変位
を測定するクリツプゲージの改良に関するもので
ある。

第１図には従来のクリツプゲージをWOL型の
試験片３に取り付けた状態を示してある。

試験片３はその中央部に切欠き３ａを有してお
り、その両側に開口するピン穴３ｂを図示省略の
プルロツドと結合することによつて、切欠き３ａ
よりき裂を発生させられる。

クリツプゲージは上記試験片３の切欠き３ａの
開口量を計測するものであつて、脚部１ａ，１ｂ
同志を結合する湾曲した金属薄板１と、同薄板１
の湾曲頂部に貼布される歪ゲージ２ａ，２ｂとか
らなるもので、脚部１ａ，１ｂが試験片３の切欠
き３ａの内面と当接している。

試験片３に引張荷重が負荷され、切欠き３ａの
間隔が拡大すると、金属薄板１の弾性力によつて
その脚部１ａ，１ｂも追述して広がる。

この広がり、すなわち金属薄板１の変形量の変
化を歪ゲージ２ａ，２ｂで電気的に求めることに
よつて、切欠き３ａの開口量が測定される。

なお、金属薄板１の変形量と歪ゲージ２ａ，２
ｂの出力との関係は、あらかじめ較正しておくこ
とは言うまでもない。

従つて、試験片３の微少の変位量を測定する際
に、測定雰囲気温度が室温の場合にはあらかじめ
室温で較正した開口量と歪ゲージ２ａ，２ｂの出
力の関係線図がそのまま使用出来て問題ないが、
測定雰囲気温度が例えば−50℃あるいは−100℃
と極低温の場合は常温で較正された上記関係線図
が使用出来ず、仮にそのまま使つたとすると温度
ドリフト等の誤差を含み測定精度が低下する。

又、上記のような温度条件の較正を行うために
は、特殊な較正装置を準備し、夫々の温度で較正
しておく必要があり、非常に高額な支出と労力が
必要になる不具合がある。

本考案はこれらの欠点を排除するものであつ
て、一対の脚部と、同脚部同志を結合する湾曲し
た金属薄板と、同金属薄板の湾曲した頂部に貼布
される歪ゲージとからなり、上記脚部の開口量を
測定するようにしたクリツプゲージにおいて、上
記金属薄板の歪ゲージ貼布位置の両側の温度を調
整する温度調節する手段と、上記歪ゲージ貼布位
置近傍の金属薄板の温度を測定する手段と、同温
度を測定する手段の出力を受け上記温度調節手段
を制御する手段とを具備したことを特徴とし、そ
の目的とするところは、あらかじめ室温で較正し
た微少変位量と歪ゲージとの出力の関係線図を雰
囲気温度に関係なく使用可能で、高精度の計測が
できるクリツプゲージを提供するものである。

たとえば冷却液槽内にあつて、冷却されている
試験片の温度とは無関係にクリツプゲージの温度
を独自に制御し、較正時の温度と同じ温度で使用
出来るように、歪ゲージが貼着された湾曲した金
属薄板の曲頂部の両側を温度調整手段により加熱
すると共に、同温度調整手段と歪ゲージの間に配
設した熱電対で金属薄板の温度を測り、制御手段
によつて上記温度調整手段を制御することができ
る。

すなわち、金属薄板を加熱し室温まで昇温させ
ることによつて歪ゲージも室温にするので、あら
かじめ作成した関係線図を用いることが出来るこ
とになる。

以下本考案を第２図に示す一実施例のクリツプ
ゲージについて説明するが、符号１ないし３を付
したものの構造・作用は第１図のものと同一であ
るので説明を省く。

４は温度調整手段の１つであるヒータであつ
て、金属薄板１の頂部に貼布した歪ゲージ２ａ・
２ｂの両側に夫々貼布されており、コントローラ
５によつて発熱量が制御される。

６はヒータ４と歪ゲージ２ａとの間の金属薄板
１の温度を計る熱電対であつて、その出力は上記
コントローラ５に入力される。

さてWOL型の試験片３の切欠き３ａに装着さ
れたままクリツプゲージは冷却槽内に入れられ、
試験片３には引張荷重が作用させられる。この時
金属薄板１および歪ゲージ２ａ，２ｂも冷却され
るので、ヒータ４に通電し発熱させる。

ヒータ４の発熱によつて歪ゲージ２ａ，２ｂは
暖ためられるが、熱電対６により歪ゲージ２ａ近
傍の温度は常に測定されており、コントローラ５
を介してヒータ４の発熱量が調整されるので、歪
ゲージ２ａ，２ｂを室温に維持することが可能で
ある。

従つて、冷却槽内で冷却された試験片３の温度
とは無関係に、室温にて較正した開口量と歪ゲー
ジとの関係線図が使用出来るので、開口量の計測
精度が向上する。

またクリツプゲージの較正は、室温の較正のみ
で良いことになり、従来のように試験温度を再現
して較正する必要がないため、計測費用が従来に
比べて著しく節減できる。

なお、上記実施例では、温度調整手段としてヒ
ータ４を用いて加熱したが、種々の加熱あるいは
冷却手段を用いることができることはいうまでも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクリツプゲージの図、第２図は
本考案の一実施例を示すクリツプゲージの図であ
る。 １……金属薄板、１ａ，１ｂ……脚部、２ａ，
２ｂ……歪ゲージ、４……ヒータ、５……コント
ローラ、６……熱電対。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の脚部と、同脚部同志を結合する湾曲した
   金属薄板と、同金属薄板の湾曲した頂部に貼布さ
   れる歪ゲージとからなり、上記脚部の開口量を測
   定するようにしたクリツプゲージにおいて、上記
   金属薄板の歪ゲージ貼布位置の両側の温度を調整
   する温度調整手段と、上記歪ゲージ貼布位置近傍
   の金属薄板の温度を測定する手段と、同温度を測
   定する手段の出力を受け上記温度調整手段を制御
   する手段とを具備したことを特徴とするクリツプ
   ゲージ。