JPS626345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オートバイ等に使用される内拡式
ブレーキのブレーキレバーの戻し装置の改良に関
する。

内拡式ブレーキでは、ブレーキパネルに軸支さ
れたカム軸の先端にブレーキレバーが取着され、
このブレーキレバーを回動させてカム軸を回動
し、カムによつてブレーキシユーを押拡げてブレ
ーキシユーをブレーキドラムに押当てることによ
り制動するようになつている。そして、カム軸ま
たはブレーキパネルのカム軸のボスに挿入された
コイルスプリングの一端がブレーキパネルに掛止
めされ、他端がブレーキレバーに掛止めされて、
ブレーキレバーを戻り方向に付勢し、ブレーキレ
バーを回動させている力を弛めると、ブレーキレ
バーがコイルスプリングの弾力で元に戻るように
なつている。この場合、カム軸またはブレーキパ
ネルのカム軸のボスは、コイルスプリングを挿入
する長さ分だけ長く作らなければならず、外側に
突出する。またコイルスプリングの巻線部分は、
泥や埃が入ると取り難く、汚れて具合が悪い。

この考案は、かかる点に鑑みこれを改善したも
ので、以下図面に示す本考案の実施例について説
明する。

ブレーキパネル１には、ボス２が設けられてい
て、カム軸３を回動自在に軸支している。カム軸
３の先端には、ブレーキレバー４が取着される。
このブレーキレバー４は、ボーデンワイヤ５で回
動され、カム軸３を回動して、カム軸３の内端の
カムで、ブレーキシユーを外側に押拡げる。

しかして本考案においては、中央に孔６が設け
られ、側縁を内側に折曲げて掛止部７を設けた保
持片８が設けられる。そして、保持片８の一側
に、バネ線９の一端が固着される。図示実施例に
おいては、保持片８はＵ字状に折曲げて二枚重ね
とされ、その折曲げ部にバネ線９の一端がカシメ
つけられるようにしてある。また保持片８は、カ
ム軸３に挿入され、掛止部７をブレーキパネル１
のボス２の端に掛止めている。カム軸３には、そ
の外側にブレーキレバー４が固定されるので、保
持片８は外れなくなる。バネ線９の他端には、折
曲げ部１０が設けられ、バネ線９を撓ませて蓄勢
し、ブレーキレバー４に掛止される。

つぎに作用について説明する。

ボーデンワイヤ５でブレーキレバー４を回動さ
せると、カム軸３によつてブレーキシユーが押拡
げられ、ブレーキドラムに押当つて制動される。
ボーデンワイヤ５を弛めると、ブレーキレバー４
は、バネ線９の弾力で元に戻る。バネ線９は、保
持片８に一端が固着され、保持片８は、カム軸３
に挿通されているので、カム軸３は、保持片８の
厚さ分だけでよく、突出長さを少なくすることが
できる。したがつて、ブレーキレバー４の位置
も、従来より内側に位置させることができるの
で、全体にコンパクトにできる。

以上説明したように、この考案は、中央に孔を
設けると共に側縁にカム軸のボスに係合する掛止
部を設けた保持片の一側にバネ線の一端を固着
し、保持片の孔をカム軸に挿通してボスに掛止部
を掛止めし、カムの先端に取着したブレーキレバ
ーに、バネ線の先端の折曲げ部を掛止めるように
したので、カム軸は、保持片の厚さ分だけあれ
ば、保持片が挿通できて、外側に突出する長さを
短くすることができる。また、これに伴つて、ブ
レーキレバーも内側に取付けることができ、全体
にコンパクトにできる。特にオートバイのよう
に、近くにミツシヨンやチエンケース等がある場
合、スペース的にゆとりができることは非常に利
益である。さらにバネ線も短くてよく、掃除も容
易にできるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は側面図、
第２図は要部拡大側面図、第３図は同平面図、第
４図は保持片の側面図、第５図は同底面図であ
る。 ２……ボス、３……カム軸、４……ブレーキレ
バー、６……孔、７……掛止部、８……保持片、
９……バネ線、１０……折曲げ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に孔を設けると共に側縁にカム軸のボスに
   係合する掛止部を設けた保持片の一側にバネ線の
   一端を固着し、保持片の孔をカム軸に挿通してボ
   スに掛止部を掛止めし、カム軸の先端に取着した
   ブレーキレバーに、バネ線の先端の折曲げ部を掛
   止めるようにしたことを特徴とするブレーキレバ
   ーの戻し装置。