JPS6260307B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 車両下部構造上に取り外し自在に装架された
ボデーを具え、前記ボデーはバンカーと壁構造体
とを具備してなり、前記壁構造体はその外側面の
周囲においてバンカーとの接合部近傍に配置した
ガーダーを有するとともにコークス装入用シユー
トを担持してなる、白熱したコークスをコークス
室から冷却領域へ輸送するためのコークス運搬車
であつて、バンカー６にはバンカー上端部の周囲
において壁構造体３のガーダー８と摺動自在に接
触するよう配置したたガーダー１２が設けてあつ
て、壁構造体３は前記バンカー６上に着脱自在に
装架されていて、もつて、白熱したコークスから
の熱の作用によつて線膨張し得るようになつてい
ることを特徴とするコークス運搬車。

２ ガーダー８，１２が相互に不整列となるのを
防止するため、ガーダー８，１２の一方はＬ形断
面形状のものとしたことを特徴とする請求の範囲
第１項記載のコークス運搬車。

３ ガーダー８，１２の一方はその全長にわたつ
て延長するみぞ１３を有し、他方のガーダーは前
記みぞ１３内に支承されていることを特徴とする
請求の範囲第１項記載のコークス運搬車。

４ 双方のガーダー８，１２はそれらを所定位置
に保持するためのボルト１４およびナツト１５に
よつて連結されていることを特徴とする請求の範
囲第２項又は第３項記載のコークス運搬車。

「技術分野」 本発明はコークス製造プラントの処理装置に係
り、より詳しくは、コークス室から冷却領域へと
白熱したコークスを輸送するための運搬車（冷却
車ともいう）に関する。本発明はコークスの乾式
冷却が専ら行なわれるような工場において最も有
利に利用することができる。

「背景技術」 コークス製造プラントにおいては、白熱したコ
ークスはレール上を走行し得るようになつた運搬
車によつてコークス室から冷却領域へと輸送され
る（テプリツキイ他「乾留消火コークス」、1971
年メタラギア出版、モスクワ、53頁参照）。かか
る運搬車は車両下部構造上に着脱自在に取り付け
た、すべて溶接によつて形成されたボデーを具え
てなり、このボデーはバンカーと壁構造体とから
なる。この壁構造体はその外側面に沿つてバンカ
ーとの接合部に配置したガーダーを有するととも
に、コークス装入用シユートを有する。

従来の運搬車のボデーは金属板で内張りされて
いる。

従前の運搬車においては、白熱したコークスの
熱の作用によつてバンカーと壁構造体との接合部
に金属の不均一な膨脹が起り、このため、接合部
に構造上の欠陥が生じて運搬車の寿命が減縮して
いた。

「発明の開示」 本発明の目的は、バンカーと壁構造体との間の
相対関係を変化自在とすることによつてバンカー
と壁構造体との間の接合部におけるボデーの欠陥
を解消したことを特徴とする、長い寿命を有する
白熱コークス運搬車を提供することである。

このため、本発明が提供するコークス運搬車は
車両下部構造上に取り外し自在に装架されたボデ
ーを具えてなり、このボデーはバンカーと壁構造
体とを有していて、この壁構造体はその外側面の
まわりにおいてバンカーとの接合部近傍に配置し
たガーダーを有するとともにコークス装入用シユ
ートを具えており、本発明に従えば、バンカーに
はバンカー上端部のまわりにおいて壁構造体のガ
ーダーと摺動自在に接触し得るように配置したガ
ーダーが設けてあつて、壁構造体はこのバンカー
上に着脱自在に装架されていて、白熱したコーク
スからの熱の作用によつて線膨脹し得るようにな
つている。

バンカーと壁構造体とは線膨脹可能に装架され
ていて互いに締め付け合うことは無いので、すな
わち、接合部における壁構造体とバンカーの内部
の熱ひずみによる影響（これは従来ウイークポイ
ントを形成する原因となつていた）は除去される
ので、本発明の運搬車は前述した従前のものに比
して長い寿命を有する。

運搬車は操業中は様々な動力学的荷重を受ける
ので、バンカーのガーダーと壁構造体のガーダー
との間の不整列を防止するための手段を設けるの
が好ましい。このため、本発明は種々の態様で具
体化することができる。

すなわち、一方のガーダーをＬ形又はみぞ形断
面のものとなし、他方のガーダーをみぞ内に支承
することができる。また、これらのガーダーは、
両者を互いに所定位置に保持することの可能なボ
ルト・ナツト機構を用いて連結してもよい。

このように構成した運搬車は維持が容易となり
かつその寿命が延長するようにさらに改良に付す
ることが可能である。すなわち、この目的のため
には、コークス装入用シユートや、側壁の構成部
品や、壁構造体を構成する追加的部品のような部
材は交換可能なユニツト化した部品となし、これ
らを壁構造体の基部の上に装着して運搬車を組立
ることができる。そうすれば、これらのユニツト
部品の在庫を貯えておいて部品交換によつて運搬
車を修理したりボデーの組立てを完結したりする
ことができる。また、コークス炉の容量に応じて
ボデーの寸法をたとえば41.6m³から32.3m³に増減
させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のコークス運搬車の正面図、第
２図はコークス運搬車のボデーの分解斜視図、第
３図は所定の積載量（たとえば、41.6m³）を有す
るコークス運搬車のボデーの側面図、第４図は積
載量の異なる（たとえば、32.3m³）コークス運搬
車のボデーの側面図、第５図、第６図および第７
図はバンカーのガーダーならびに側壁構造の変形
態様を示す。

「発明を実施するための最良の形態」 本発明の運搬車は車両下部構造２上に取り外し
自在に装架したボデー１を有し、この下部構造２
はレール（図示せず）上を走行して白熱したコー
クスをコークス室から冷却領域へと輸送し得るよ
うになつている。ボデー１は壁構造体３とバンカ
ー６を備えてなり、この壁構造体３は一般に端壁
４と外壁５とからなり、バンカー６は底部ゲート
７によつて通常は閉鎖された放出口を有する。壁
構造体３にはその下端部に沿つてバンカー６と壁
構造体３との接合部においてガーダー８が設けて
ある。この壁構造体３はコークス装入シユート９
を支持している。下部構造２にはボデー１をリフ
トするための周知の手段、たとえばガイド１０と
ロツド１１が設けてある。

本発明に従えば、壁構造体３はバンカー６に着
脱自在に装架されている。この目的のため、バン
カー６にはその上端部に沿つてかつガーダー８と
接触させてガーダー１２が配置してある（第５
図）。すなわち、壁構造体３は、白熱したコーク
スの熱が作用した時に壁構造体３のガーダー８と
バンカー６のガーダー１２とが夫々線膨脹し得る
ように、バンカー６上に装架されているわけであ
る。

第６図および第７図に示したように、ガーダー
８とガーダー１２とは、それら両者間、ひいては
壁構造体３とバンカー６との間に不整列が生じ得
ないように成形されている。第６図の例において
はガーダー１２はＬ形断面形状を有する。一方、
第７図の例においてはガーダー１２はその全長に
わたつて延長するみぞ１３を有していて、ガーダ
ー８はこのみぞ１３内に収蔵されている。みぞ１
３を有するガーダー１２はみぞ形鋼、Ｈ形鋼、Ｉ
ビームその他の圧延形鋼で形成することができ
る。ガーダー１２を第６図又は第７図のように成
形すれば、互いに隣接する両ガーダーの鉛直方向
面相互間にすきまａが残されるので、ガーダー８
は自由に膨脹することができる。運搬車の使用条
件により壁構造体３とバンカー６とをより確実に
連結したい場合には、ボルト１４とナツト１５、
又はガーダー８とガーダー１２とを所定位置に保
持することの可能な他の任意の適当な保持手段、
を用いてこれを行うことができる。第５図に示し
たボルト１４とナツト１５がガーダー８，１２を
整列保持し得るとともにこれらのガーダーおよび
ボデー１の他の構成部材の熱膨脹を許容し得るこ
とは当業者の容易に理解し得るところである。

ゲート７やバンカー６の内張りや金属構造体の
ような摩耗し易い部品が故障した場合には、それ
らを取り外して在庫のスペア部品と交換する。運
搬車製作領域または使用領域のいずれかにおいて
端壁４、側壁５およびコークス装入シユート９を
撤去し又は装着することによつて運搬車の設計変
更を行えば（第２図および第４図参照）、ボデー
１の定格寸法は用いるコークス炉（41.6m³および
32.3m³）に合わせて変更することができる。

運搬車製作領域において壁構造体３の高さｈ
（第３図）を変えれば、他のすべての構成部材は
変更しないでも、容量50m³のコークス炉用にボデ
ーを改造することができる。