JPS6260233B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、放射性物質や有害微生物など人手
で直接触れることのできない物質を遮へい体を通
して遠隔操作により取扱うために使用されるマニ
ピユレーターに関するものであつて、サンプリン
グ容器を外部より受け取り、これをサンプリング
用ニードルに押しつけてサンプリングを行うボー
ルソケツト式マニピユレーターの爪先に係るもの
である。

ボールソケツト式マニピユレーターは、第３図
に示すように遮へい体イに嵌込まれたボールソケ
ツトと呼ばれる球体ロを貫通してマニピユレータ
ーのロツドハが設けられ、この球体を軸としてロ
ツドの前後動作及び回転動作を手動で行うように
なつており、したがつてロツド先端の爪先部分を
所要の平面、例えばサンプリング用ニードルニを
突設した壁面ホに対し、直角方向に作動させるに
は、ロツドハが球体ロとサンプリング用ニードル
ニを結ぶ直線に一致した状態以外では行えず、し
たがつて、爪先部分で別におかれたサンプリング
容器をつかみ、次いで、これを壁面の各所に突設
したサンプリング用ニードルにまつすぐに対向さ
せることはできない。このためマニピユレーター
として、第４図に示すように球面継手ヘを介して
爪先部分トがあおり動作、ねじり動作を行える構
造の屈折型マニピユレーターを用いることが行わ
れているが、この場合も、サンプリング容器をサ
ンプリング用ニードルに対向させることはできて
も、これをサンプリング用ニードルにまつすぐ押
し込むようなことは非常に難しい。つまり、押し
込む際にはロツドハをボールソケツトロに対して
押出すと同時に爪先部分トがニードルｂに対して
常に一直線に保たれるように、ボールソケツトを
中心としてロツドを回転しながら、かつ爪先部ト
のロツドハに対する屈折角を変化させるという同
時操作を必要とする。

これに対し、この発明は、主体部分をロツドに
取付ける接合部とその先端に連なる爪先部とで形
成し、これらを、先端がサンプリング容器の後端
面に当接すべき球面状突面、後端が接合部に接続
される球面継手に形成された棒状の継手部材を介
して屈折自在に接続するとともに、この関接機構
を囲んで爪先部と接合部のそれぞれの姿勢を常に
ロツドの延長線上に保持すべき弾発部材を介設
し、また主体の先端である爪先部は、サンプリン
グ容器を抱持する中空容器状とし、さらにサンプ
リング用ニードルを有する対象物には、このニー
ドルを囲んで予め上記爪先部が適合する漏斗状の
案内筒を付成したことにより、サンプリング容器
をサンプリング用ニードルに対し容易に直角方向
に押し込めるようにしたものである。

この発明の実施例を第１図について説明する
と、１はロツド先端に接続すべき接合部であつ
て、ロツド先端に嵌装することにより、ボールロ
ツク２を介して固定される。次に３は爪先部であ
つて、外周面を後方に拡がる円錐面４とした筒容
器状に形成され、内部に嵌合した内筒５内にサン
プリング容器ａを収容するようになつている。６
は爪先部を対象物の漏斗状の案内筒b′に固定する
ためのボールロツク、また７はサンプリング容器
ａの抜止め用ストツパーである。

この爪先部３は、接合部１に後端が球面継手
８、先端である一端が球面状突面９に各形成され
た棒状の継手部材を介して屈折回動自在に接続さ
れており、かつ上記球面状突面９は、つば状に張
り出して内筒５の二重底内に嵌合され、サンプリ
ング容器ａを押送するようになつている。また爪
先部３と接合部１の間にはコイルバネよりなる弾
発部材１０が圧縮状態に介装されており、爪先部
３と接合部１の中心線を同一線上に保持してい
る。そして図示の状態では、この弾発力により内
筒５は球面継手側に引かれた状態となつている。

また、ｂは対象物に水平に突設されたサンプリ
ング用ニードルであつて、このニードルを囲んで
内面を前記爪先部３の円錐斜面に適合する形状と
した漏斗状の案内筒b′が付成されている。

この発明は上記の構成であつて、接合部１をマ
ニピユレーター本体であるロツドの先端に嵌装取
付し、爪先部３を対象物に設けられた案内筒b′に
向けて押し込み、さらに押圧を続けることにより
第２図のように、ニードルｂがサンプリング容器
ａの口部のゴム栓に刺し通され、予め真空に保た
れたサンプリング容器内にこのニードルｂを介し
て所要のサンプル液を吸い上げサンプリングを行
うものである。この発明のマニピユレーターのサ
ンプリング用爪先においては接合部１と爪先部３
は、球面継手からなる関節機構を介して屈折自在
であるとともに、これらにわたつて設けられた弾
発部材１０により常に一直線に保とうとする力が
作用し、爪先部３を案内筒b′の口部にあてがい、
そのまま押し込めばこの爪先部３と案内筒b′の口
部とが若干ずれていても、爪先部３はその円錐面
４を案内筒b′の内面に誘導されて案内筒b′内に係
合挿入され、この場合、接合部１とサンプリング
容器ａとの一直線状態は若干狂つて、前記継手部
材はやや傾斜状態となるが、サンプリング容器の
後面は、内筒５底部を介して継手部材の球面状突
面９により球面斜面である広い面で平均して押送
されているから弾発部材１０の弾発力を介してロ
ツドを経て加えられた押送力はそのままニードル
ｂの先端に伝えられる。こうして従来の単なる屈
折のみを行ない復元力を有しない装置に比べて確
実に操作させることができる。

なお、弾発部材１０はコイルバネに限らず例え
ば充分の弾性を有する金属ベローズであつてもよ
い。いずれにしても、この弾発部材１０は、一直
線に近い状態を保持し、しかも爪先部の自重にも
よるが通常バネ定数が0.1Kg／mm程度であれば充
分である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の装置の側面図、第２図はサ
ンプリング状態における断面図、第３図は従来の
ボールソケツト式マニピユレーターの説明図、第
４図は同じく従来の屈折型マニピユレーターの一
例を示す側面図である。 １…接合部、３…爪先部、４…円錐面、５…内
筒、８…球面継手、９…球面状突面、１０…弾発
部材、ａ…サンプリング容器、ｂ…サンプリング
用ニードル、b′…案内筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ボールソケツトで中間を支持したロツドの先
   端に取りつけられる接合部と、先端にサンプリン
   グ容器を収容した円筒を前方に摺動可能に抱持す
   る爪先部とを、一端を上記サンプリング容器の後
   面に対接する球面状突面、他端を接合部の前部に
   嵌合する球面継手とした棒状の継手部材を介して
   屈接回動自在に接続するとともに、これらにわた
   つて上記爪先部の姿勢を常にロツドの延長線上に
   保持すべきコイル状の弾発部材を介装し、かつ爪
   先部の周面を後方に拡大する円錐周面に形成した
   マニピユレーター主体と、この爪先部と対向すべ
   きサンプリング用ニードルを有する対象物からな
   り、この対象物にはニードルを囲んで内面を上記
   円錐周面に適合する漏斗状とした案内筒が突設さ
   れているボールソケツト式マニピユレーターのサ
   ンプリング用ハンド。