JPS625829B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車体左右夫々に３個以上の車輪を配
設するとともに、それら各車輪を強制駆動すべく
構成した多輪型運搬車に関する。

上記の運搬車は、車輪の接地圧が小さくかつ全
輪駆動故に、軟弱地での走行に適するが、不整地
において、車輪が凸部に乗り上げた時や凹部を通
過する時に、一部の車輪が一時的に非接地状態に
なつて空転し、一時的に推進力が低下すると共
に、次の車輪接地によつて変速装置に衝撃的な無
理な力がかかり、かつ、車体の上下動が大となつ
て乗り心地が悪くなると共に、車輪接地圧が大き
くなるために軟弱不整地において車体の沈み込み
が生じていた。

本発明は、上記した実情に鑑み、たとえ不整地
に乗り入れても、全車輪を接地状態にできて、上
記した走行トラブルを回避できるようにする事を
目的とする。

次に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

左右夫々に４個の車輪１を前後方向に並設した
走行装置２を備えた車体上に、その前部側に位置
させた原動部３及び搭乗運転部４、並びに、それ
らの後方に位置させたダンプ荷台５を夫々設けて
ある。

前記走行装置２を構成するに、前記車輪のうち
車体左右方向において相対向する一対のものを左
右両側に各別に軸架させた車輪取付ケース６の４
個を、車体フレームを構成させてある車体前後方
向の伝動ケース７に車体前後方向に並設してあ
る。

そして、前記走行装置２に対する伝動機構を構
成するに、前記原動部３にそのエンジンＥに連動
させた変速装置８を設けると共に、この変速装置
８の出力軸８ａに連動させた回転伝動軸９を、前
記伝動ケース７内に設け、前記車輪取付ケース６
夫々の内部に、差動機構１０と、この差動機構１
０の左右一対の出力軸１０ａ，１０ａを左右車軸
１１，１１に各別に連動させたギア連動機構とか
ら成る車輪連動機構１２を設けると共に、これら
車輪連動機構１２夫々の入力軸１２ａを、前記伝
動軸９にチエーンＣを利用した動力伝達機構を介
して連動させてあり、左右の車輪群を夫々一体駆
動するようにしてある。

前記車輪連動機構１２夫々に、左右車輪１，１
に各別に作用させる左右一対の操向クラツチ１
３，１４を設けると共に、左車輪群における４個
の操向クラツチ１３………に対して、それらの同
方向への連係操作を可能に連係させた操作具１
５、及び、右車輪群における４個の操向クラツチ
１４………に対して、それらの同方向への連係操
作を可能に連係させた操作具１６を、前記運転部
４に設けて、操向操作機構を構成してあり、前記
両操作具１５，１６により、左右の車輪群を独立
的に駆動停止させて、車体の旋回操作を行うよう
にしてある。

前記車輪取付ケース６夫々を、その左右中央に
おいて前記伝動ケース７に対して車体前後方向の
前記入力軸１２ａの軸芯周りで揺動自在に取付け
ると共に、車体を構成させてある荷台フレーム１
７と車輪取付ケース６の間に、車輪１を下降付勢
する左右一対の弾機の一例としてのコイルスプリ
ング１８，１８を介装してある。もつて、走行地
面に凹凸があつても、それに応じて車輪対夫々に
おいてその左右車輪１，１が車体に対して前記入
力軸１２ａ軸芯周りで互に逆方向に昇降して、全
車輪１が接地状態に維持されるようにすると共
に、たとえ各車輪対が各別に昇降しても、前記コ
イルスプリング１８の作用により車体と車輪１と
の相対位置がほぼ一定に維持されて、車体がほぼ
水平に維持されるようにしてある。

前記差動機構１０夫々を、差動可能状態と差動
不能状態とに切換可能に構成すると共に、差動機
構１０夫々の作動状態切換具２０に対して、それ
らの同方向への連係操作を可能にワイヤ連係させ
た操作具１９を、前記運転部４に設けてあり、片
輪がスリツプした場合、前記操作具１９により各
差動機構１０を差動不能状態にして脱出し易くで
きるようにしてある。

尚、左右車輪群夫々の車輪１が３個及び５個以
上の運搬車にも適用できる。

以上要するに、本発明は、冒記した運搬車にお
いて、機体前後方向に沿う回転伝動軸を内装した
車体フレーム兼用の伝動ケースの下側に、左右両
側に駆動車輪を軸架した車輪取付ケースを、機体
前後方向に適当間隔を隔てて複数個配設し、その
各車輪取付ケースの夫々を、前記伝動ケースに対
して車輪取付ケースの入力軸軸芯周りでローリン
グ可能に枢支連結し、その車輪取付ケースの各入
力軸に対して前記回転伝動軸の動力を伝達する動
力伝達機構を設け、さらに、車体と前記各車輪取
付ケースとの間には、車輪と車体との相対位置を
ほぼ一定に維持すべく作用する弾機を設けてあ
る。事を特徴とする。

つまり、車体左右方向において相対向する一対
の車輪夫々を、車体に対して夫々ローリング可能
に取付けた車輪取付ケースに軸架したこと、及
び、その車輪取付ケースを、その車輪取付ケース
の入力軸軸芯周りでローリング可能に構成したこ
とによつて、左右車輪に動力を伝達し乍ら走行面
に凹凸があつても、それに応じて各車輪対が各別
に対車体昇降して、全車輪が接地状態になるの
で、軟弱地や不整地での走行時でも、冒記した車
輪浮上に起因するトラブルの発生を回避できた。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る多輪型運搬車の実施例を示
し、第１図は一部切欠全体側面図、第２図は第１
図の−断面矢視図である。 １……車輪、６……車輪取付ケース、７……伝
動ケース、９……回転伝動軸、１２ａ……入力
軸、１８……弾機、Ｃ……動力伝達機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体左右夫々に３個以上の車輪１………を配
   設するとともに、それら各車輪１………を強制駆
   動すべく構成した多輪型運搬車において、機体前
   後方向に沿う回転伝動軸９を内装した車体フレー
   ム兼用の伝動ケース７の下側に、左右両側に駆動
   車輪１，１を軸架した車輪取付ケース６を、機体
   前後方向に適当間隔を隔てて複数個配設し、その
   各車輪取付ケース６の夫々を、前記伝動ケース７
   に対して車輪取付ケース６の入力軸１２ａ軸芯周
   りでローリング可能に枢支連結し、その車輪取付
   ケース６の各入力軸１２ａに対して前記回転伝動
   軸９の動力を伝達する動力伝達機構Ｃを設け、さ
   らに、車体と前記各車輪取付ケース６との間に
   は、車輪１と車体との相対位置をほぼ一定に維持
   すべく作用する弾機１８，１８を設けてあること
   を特徴とする多輪型運搬車。