JPS6257837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は駆動源の駆動と無関係に液体の早送り
が二方向にできるぜん動ポンプに関する。

ぜん動ポンプは、駆動軸の回転に従動して公転
し、おのおのが弾性チユーブに接触するローラを
駆動軸の回りに配設することにより、弾性チユー
ブの押しつぶしと解放を順次行なつて弾性チユー
ブ内の液体を一方向に送給する型式のもの、ある
いは駆動軸に取付けたスプロケツトホイルと他の
ホイルにより周行駆動されるチエーンにローラを
取付けて弾性チユーブの押しつぶしと解放を行な
う型式のものなどがある。

従来、この種のぜん動ポンプに低速回転のモー
タを連結すれば微量の液体が送給できることが知
られているが、送給開始時には液体が液体貯蔵源
より弾性チユーブの全長を移動して送給されるの
で、モータが低速回転の場合は送給に時間がかか
る欠点があつた。

この欠点を改良するため、出願人はさきに駆動
軸に駆動源と連係するオーバーラン型一方向クラ
ツチを取付けたぜん動ポンプを提案した。（特公
昭55−8677号公報）このぜん動ポンプでは駆動源
の駆動と無関係に送給開始時の液体の早送りがで
きるが、一方向クラツチを用いているため早送り
が弾性チユーブの一方向のみに限定される。しか
し、分析の分野などではポンプを一方向に回転し
て第１液を吸入し、次にポンプを逆転して第２液
を吐出側から吸入し、最初に第２液を吐出してか
ら第１液を連続して供給する場合などにいずれの
方向にも早送りしたいという要求があり、一方向
クラツチを使つたものではこの要求を満たせない
問題がある。

したがつて、本発明の目的は弾性チユーブのい
ずれの方向にも液体の早送りができるぜん動ポン
プを得ることにある。

この目的は、(A)液体を導く弾性チユーブと、こ
のチユーブの押しつぶしと解放を順次行なう押し
具とからなる押圧装置を設け、(B)押圧装置にはこ
の装置を動かす中空の駆動軸を設置し、(C)駆動軸
の一端側内に駆動源に連係するクラツチを摺動自
在に取りつけると共に、駆動軸のクラツチを取り
つけた側とは反対の側にこの駆動軸を回転させる
操作部を形成し、(D)クラツチには操作部に形成し
た孔から駆動軸内に挿入したクラツチ操作具を結
合してなるぜん動ポンプにより達成される。

本発明を以下、図面により説明する。

第１図において、中空の駆動軸１に駆動軸１と
ともに回転する回転板２を取付け、回転板２に駆
動軸１と同心円上に複数個の軸３を設けて、軸３
にローラ４を取付けてある。回転板２は基台５に
設けた円形の凹み６に納めてあり駆動軸１は基台
５の凹み６の中心に設けた貫通孔７に挿通させて
ある。８は基台５に固定した軸受である。基台５
には駆動軸１の同心円上に位置し、ローラ４に沿
う円弧状ガイド部９を連設してあり、第１図にそ
の断面が示してある。ガイド部９とローラ４との
間にローラ４により押しつぶしと解放が行なわれ
る弾性チユーブ１０を挿通してある。１１はふた
である。基台５のローラ４が位置する側とは反対
の側に、筒状スペーサー体１３′を介して貫通孔
７に連通する孔１２を形成したフランジ１３を取
付けてあり、孔１２の内面に設けたねじ溝１４に
低速回転モータ１５をねじ止めしてある。駆動軸
１の軸受８側の内部には筒状のかみ合いクラツチ
１６を取付けてあり、クラツチ１６はこのクラツ
チ１６に設けたキー溝１７に駆動軸１に設けたキ
ー１８を嵌合して駆動軸１の長手方向に摺動自在
となし、かつモータ１５の軸１９に着脱自在にほ
ぞ継ぎ連結してある。駆動軸１のクラツチ１６を
取付けた側とは反対の側に駆動源とは無関係にこ
の駆動軸１を回転させる操作部２０を固着してあ
り、操作部２０には駆動軸１の中空部分と連通す
る貫通孔２１を形成してある。操作部２０の貫通
孔２１から駆動軸１内にクラツチ操作棒２２を挿
入し、クラツチ操作棒２２にクラツチ１６を結合
してある。２３はクラツチ操作棒２２に固着した
つまみである。

今、電源を供給してモータ１５を駆動すると、
モータ軸１９の回転がクラツチ１６、駆動軸１に
伝達され、回転板２と操作部２０とクラツチ操作
棒２２とつまみ２３が回転する。回転板２に取付
けたローラ４は駆動軸１の回りを公転し、公転す
るローラ４は弾性チユーブ１０を一定の間隔ごと
に押しつぶしと解放を順次行ないながら自転す
る。そして、弾性チユーブ１０内の液体が一定量
一方向に供給される。

液体の送給開始時に、つまみ２３を操作してク
ラツチ操作棒２２を図面の左方向に動かすと、ク
ラツチ１６とモータ軸１９とのかみ合いが解除す
る。引き続き、操作部２０を所望の方向にモータ
１５の回転速度よりも早く回転させると、モータ
軸１９に対しクラツチ１６が空転するので、操作
部２０の回転が駆動軸１から回転板２に伝達され
てローラ４が公転し、モータ１５の駆動とは無関
係に弾性チユーブ１０の押しつぶしと解放が行な
われる。これにより弾性チユーブ１０の吸入端よ
り液体を吸入し、弾性チユーブ１０の吐出端より
モータ１５で定められる流速より早い流速で吐出
させて、弾性チユーブ１０内に液体を充満させ
る。引き続き、つまみ２３を操作してクラツチ操
作棒２２を図面の右方向に動かすと、クラツチ１
６はモータ軸１９とかみ合い、液体は再たびモー
タ１５で定められる流速で送給される。

このように、クラツチ１６をクラツチ操作棒２
２によりモータ軸１９との連係を解いて、操作部
２０を操作することにより弾性チユーブ１０のい
ずれの方向にも液体の早送りが可能となる。

上記実施例において、クラツチ１６にはキー１
８が併用されるものと説明したが、駆動軸と一直
線上にあるモータ軸と接離し、モータ軸から駆動
軸に動力を断続して伝え得る装置であればいずれ
でもよい。例えば異形内面の駆動軸に、その内面
と同形な外面のクラツチを挿入してもよい。第２
図と第３図には駆動軸１の内面を平面と曲面とか
らなるものとし、この内面に同形の外面のクラツ
チ１６を挿入した以外は第１図に示したのと同じ
構造のぜん動ポンプを示してある。

また、第４は磁石クラツチ１６′を用い、これ
をモータ軸１９′に取りつけた磁石２４に吸引さ
せておき、クラツチ操作棒２２′により磁石２４
と接離させる以外は第３図に示したのと同じ構造
のクラツチを示してある。このようにしてもクラ
ツチ１６′、クラツチ操作棒２２′によりモータ軸
１９との連係を解いて、操作部２０を操作すれ
ば、弾性チユーブ１０のいずれの方向にも液体の
早送りが可能となる。

クラツチ１６と結合し、操作部２０と駆動軸１
を挿通したクラツチ操作具２２，２２′は、駆動
軸１を重心方向に向けてポンプが使用される場
合、棒の代りにひもを用いてもよく、このような
操作具はクラツチが磁石であるものと組合せるの
が好適である。また操作部２０はつまみのほか、
スパナかけやハンドルなど適当な形にすることが
できる。

本発明は以上のように、弾性チユーブのいずれ
の方向にも液体の早送りができるぜん動ポンプが
得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のぜん動ポンプの断面図、第２
図はぜん動ポンプの他の実施例を示す断面図、第
３図は第２図のぜん動ポンプのクラツチを示す断
面図、第４図はクラツチの変形例を示す断面図で
ある。 １……駆動軸、４……ローラ、１０……弾性チ
ユーブ、１６……クラツチ、２０……操作部、２
２……クラツチ操作具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (A) 液体を導く弾性チユーブ１０と、このチ
   ユーブの押しつぶしと解放を順次行う押し具４
   とからなる押圧装置を設け、 (B) 押圧装置にはこの装置を動かす中空の駆動軸
   １を設置し、 (C) 駆動軸の一端側内に駆動源に連係するクラツ
   チ１６を摺動自在に取りつけると共に、駆動軸
   のクラツチを取りつけた側とは反対の側にこの
   駆動軸を回転させる操作部２０を形成し、 (D) クラツチには操作部に形成した孔から駆動軸
   内に挿入したクラツチ操作具２２を結合してな
   る、ぜん動ポンプ。