JPS6256723B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、気体絶縁してある高電圧導体、特
に、気体を封入した外管で導電材を絶縁した構造
の高電圧導体とその製造方法に関する。

米国特許第2428051号公報は、一つの導電材が
外管に配設してあり、この外管の内部で放射状に
向けた同一平面内にある３個の絶縁体によつて同
心状に支持されている高電圧導体を開示してい
る。この絶縁体は、導電材にネジ止めされてい
る。外管の内面に面する各絶縁体の端部には、そ
の絶縁体を外管内の位置に保持するバネ状部材が
ある。絶縁体を導電材と一緒に外管に挿入すると
き、絶縁体の端部と外管の摩擦は、外管から擦り
取れる金属粒又は金属片を発生させる。このよう
な望ましくない金属片は、外管内に留まり、取り
除くことが殆ど不可能である。

西独特許公告第2147787号公報（米国特許第
3786174号公報に対応する）は、導電材が外管内
に配置してあり、放射状に向いた３個の絶縁体に
よつて保持されている。絶縁体の内の２個は、導
電材を取り巻く１個の絶縁スリーブに固設してあ
る。一方、第３の絶縁体の足に似た形にしてあ
り、この足の半径方向の長さはバネに対して圧力
を加えて短くできる。導電材は絶縁体と一緒に組
み立て、架台によつて外管に挿入される。この組
立架台は、この導電材と絶縁体を外管の中に挿入
する間、絶縁体と外管が接触しないように、半径
方向に縮めた位置で絶縁の足を保持する。外管の
内で軸の位置が正しい位置になると、組立架台
は、引き出され、短くしてあつた絶縁の足のバネ
が外管の内面に足を押し付けるため、導電材と絶
縁体の位置を外管内に固定する。しかしながら、
この配置は、かなり複雑で、絶縁体の各組の位置
決めをする組立架台をひんぱんに使用する必要が
ある。

それ故、この発明の主要な課題は、放射状に向
けた一つ又はそれ以上の組の絶縁体によつて取り
囲まれ、導電材を外管の中で同心に配置してある
導電材を有し、この導電材と絶縁体とを外管の中
にかなり簡単に挿入でき、しかも絶縁体を外管の
間で摩擦なしに、また外管の内壁から金属片が削
り出されない、改良された絶縁気体封止型高電圧
導体を提供することにある。

この発明の他の課題は、中心に設置した導電材
の半径方向の熱膨張に対して余裕のある、改良さ
れた絶縁気体封止型高電圧導体を提供することに
ある。

更に、この発明の課題は、外管の内部に導電材
と半径方向に向けた一つ又はそれ以上の組の絶縁
体を簡単に挿入する方法とその道具を提供するこ
とにある。

更に、この発明の課題は、放射状に向けた一つ
又はそれ以上の組の絶縁体で取り囲んだ導電材を
有し、導電材が外管の中で中心に設置されている
改良された絶縁気体封止高電圧導体、及び上記絶
縁体と導電材を外管の内部に簡単に挿入できる工
具を提供することにある。その際、高電圧導体と
工具とも単純な構造でなくてはならない。

この発明による絶縁気体封止型高電圧導体は、
外管の中に同心状に配設した円筒状導電材であ
る。複数の絶縁体は、この導電材の回りに配置し
てある。バネ状部材は、各絶縁体と上記導電材の
間に配設してある。バネ部材は、この絶縁体を放
射状に外向きに押し付けている。この絶縁体は、
外管に対してこの管の長手方向の軸に沿つて可動
する。

この発明による高電圧導体を組み立てる方法に
は、少なくとも２組の放射状に向けた絶縁体を高
電圧導体の導電材上に取り付ける作業段階があ
る。各絶縁体は導電材と絶縁体の間に設置してあ
る反撥部材を有する。全ての絶縁体は、同時に半
径方向で下向きに導電材に向けて押し付けられ、
各絶縁体の外側端部と高電圧導体の外管の内面間
に余裕を作つている。そのようにすると、導電材
と絶縁体は、絶縁体の第１の組を所望の軸位置に
置くまで、外管の内面に移動させられる。全ての
絶縁体が解放されると、導電材と第１組の絶縁体
の間に設置した反撥バネが第１組の絶縁体を放射
状の向きに押し付け、外管の内面に結合させる。
第２組の絶縁体は、このとき噛み合わせて、導電
材の方に向け放射状に下向きに押し付られてい
る。そうすると、導電材と第２組の絶縁体は、第
２組の絶縁体が所望の軸位置に移動するまで、外
管の内部に更に移動する。次いで、第２組の絶縁
体は、外され、導電材と第２組の絶縁体の間にあ
る反撥部材が第２組の絶縁体を放射状に外向きに
押し付け、外管の内面に嵌め合される。

この発明による導電材の上部に設置した少なく
とも一列の絶縁体を有する導電材を外管内に挿入
するための、この明細書中で締付チヤツクと呼ば
れる装置は、少なくとも一列の絶縁体を導電材の
方に放射状に内向きに噛み合わせ、押し付ける最
狭部を有する少なくとも一個の長手方向部材を保
有している。

第１図に、この発明による絶縁気体封止型高電
圧導体が示してある。この導体は、円筒状導電材
１を有し、この導電材１は外管２の内側に配設し
てある。保持リング５の長さは、導電材１の長さ
より圧倒的に短いが、この保持リング５は、導電
材１の長手方向の軸に沿つて複数の作業場で導電
材１を取り囲んでいる（第３図参照）。放射状に
向けた３個の絶縁体３は各保持リング５の上に配
設してあり、バネ状部材４が各絶縁体３と保持リ
ング５の間に配置してある。バネ状部材４は、前
記保持リング５の上に設置してある。絶縁体３
は、どれも大体同じで、導電材２の長手方向の軸
の周りに大体等角度にして配設してある。各絶縁
体３は、傾斜接触面３′を有し、この接触面３′
は、バネ状部材４を押し下げるように噛み合わせ
ることができる。従つて、絶縁体３と外管２の内
面間に隙間を作る。

この発明による絶縁体を外管２の中で導電材１
の長手方向に沿つて前記した間隔で設置する道具
は、三方に飛び出した締付チヤツク６を有する。
この締付チヤツク６は、平行で等角度にされた横
長な３個の部材である。この横長な部材は、それ
ぞれフオーク状を呈し、この端面は絶縁体３の接
触面３′に大体適合させてある。締付チヤツク６
は、導電材１の上を滑動した後、フオーク状の顎
６′が絶縁の接触面３′に噛み合い、そのためバネ
状部材４を押し下げる働きをするように寸法が決
めてある。バネ状部材４の圧縮が、絶縁体３と外
管２の内面間の隙間を作るので、締付チヤツクを
使用すると、導電材１と絶縁体３を外管２の中に
入れることができる。

締付チヤツク６を使用し絶縁体３の接触面３′
を押し下げると、導電材１を外管２の中で高電圧
導体の軸方向に簡単に移動させることができ、外
管及び／又は絶縁体３を傷付けない。また摩擦音
も出ないし、外管の内部での軸方向の動きは比較
的容易に行われる。

第２図には、導電材１及び絶縁体３を一度外管
２に挿入し、絶縁体３を所定の軸位置に置いた
ら、締付チヤツク６のフオーク状顎６′、絶縁体
３の接触面３′から外し、バネ状部材４が絶縁体
を放射状に外向きに押し付ける。このようにし
て、バネ状部材４は、絶縁体３を外管の内面に押
し付け、外管２に対する絶縁体３の軸位置を定め
る。

第３図は、この発明による締付チヤツクで高電
圧導体を作製する過程を示している。放射状に向
けた３組の絶縁体３は、第３図に示すように、導
電材１を外管２の中で吊るすために使用されてい
る。第３図は、絶縁体３を保持リング５に接続し
ているバネ部材４及び保持リング５の断面を示し
ている。同じように、絶縁体３の接触領域３′も
示してある。注目すべきことは、絶縁体３が回転
対称であることである。第３図には、締付チヤツ
ク６のフオーク状顎６′の断面及び締付チヤツク
に駆動を伝達する電動制御部６′の断面も示して
ある。

第３図を参照すると、この発明による高電圧導
体の組み立ては、バネ状部材４を用いて絶縁体３
を保持リング５に接続する作業段階から始まる。
そして、保持リング５を導電材１の端部に押し付
け、締付チヤツク６のフオーク状顎６′で圧縮す
る。第３図には、締付チヤツク６で圧縮してある
中央と右側の組の絶縁体３のみ示してある。

組立過程の次の作業段階は、絶縁体３と導電材
１を締付チヤツク６で第３図の矢印の向きである
左から右に外管の中に移動させることである。左
側の組の絶縁体３が外管２の中で適切な位置に来
ると、バネ状部材４で生じたバネ力により外管の
中で安定位置に達する。締付チヤツク６は外した
状態でも、保持リング５の長さに応じた一定の距
離ほど右に移動させられる。締付チヤツクの次の
圧縮では、中央とその右に位置している二組の絶
縁体３のみが、締付チヤツク６の顎６′で圧縮さ
れ、更にこの締付チヤツクで右に移動させられ
る。一方、左側の組に絶縁体３は外管内で一定の
位置に留まつている。注意すべきことは、締付チ
ヤツク６の顎６′は左側の組の絶縁体３に最早圧
力を加えないので、左側の組の絶縁体の保持リン
グ５と導電材１との間の摩擦接触は充分低減す
る。従つて、締付チヤツク６が、残りの二組の絶
縁体３を更に右に移動させるにしたがい、左端の
組の絶縁体３の保持リング５によつて導電材１を
容易に引き動かすことができる。絶縁体の最終位
置が第３図に示してある。上に述べた作業段階
は、こうして中央と右端の組の絶縁体３が外管内
で適切な位置になるよう繰り返される。

第４図を参照すると、この発明にいる絶縁体、
バネ部及び保持リングの好適具体例には、商品名
「アラルダイト」として市販されているエポキシ
樹脂から作製された絶縁体３がある。この絶縁体
３は、その上部に、主にアルミニユームで作製さ
れている接触部７を有している。

この発明による具体例では、保持リング５は加
圧鋳造されたアルミニユームで作製されている。
保持リング５とこのリング５の乗つている導電材
１との間には、二つのリング８が配設してある。
このリング８は、摩擦ベアリングとして働き、例
えばポリテトラフロロエチレンで形成されてい
る。

バネ本体又はバネ部材９は、絶縁体３を放射状
に外向きに圧迫するが、このバネ部材９用の漏斗
状組付案内ユニツト１０の中に配設されている。
この漏斗状組付案内ユニツト１０は、保持リング
５に隣接した絶縁体３の底部の近くに配設されて
いる。この漏斗状組付案内ユニツト１０は、例え
ばアルミニユームで形成され、保持リング５に対
して絶縁体３を大体放射状の向きに維持する滑動
案内配置にしてある。

接触体１１は、上記の漏斗状組付案内ユニツト
１０の台に設けてある穴の中に配設してある。こ
の接触体１１は、上記案内ユニツト１０の台にあ
る穴から、保持リング５の開口部を通り抜け導電
材１に接触している。上記漏斗状組付案内ユニツ
ト１０の穴の中にあるスプリング１２は、接触体
１１を放射状に下向きに導電材１に向けて押し付
けている。

この発明による導電材１及び高電圧導体の外管
はアルミニユームの円管から作製できる。

第５ａ及び第５ｂ図では、各絶縁体が湾曲抵抗
分離器９として形成されたバネ状部材によつて支
持されていて、内側に摩擦ベアリング８を有す
る。上記の分離器は、湾曲抵抗特性があり、絶縁
体３は保持リング５に対して大体半径方向の向き
を維持する傾向がある。この湾曲抵抗分離器９
は、両端で止め金、つまり保持リング５の窪み１
３及び漏斗状組付案内ユニツト１０の窪み１４に
取り付けてあり、螺旋状の長方形バネとして形成
されている。

内部導電材１と絶縁体３を組み立てるには、各
保持リング５のまわりに放射状に配置した絶縁体
を締付チヤツク６でバネ状分離器９の力に逆らつ
て半径方向に内向きに押し圧し、外管の中に挿入
する（第５ａ図）。一つに保持リング５に属する
絶縁体３が外管の所定の位置に達すると、直ぐ締
付チヤツク６を外す。それに伴つて、この外管と
保持リング５又は内部導電材１の間にある解放さ
れている分離器９の力によつて絶縁体が固定され
る（第５ｂ図）。この場合、上記分離器が湾曲抵
抗体として形成されていると有利である。何故な
ら、上記で見たように、圧力を加える時、又は圧
力を外す時、絶縁体３を特別なガイドなしで半径
方向に移動させることができるからである（例え
ば、第３図を参照）。従つて、滑動ガイドがなく
ても、絶縁体３に圧力を加える時、又は圧力を外
す時生じる望ましくないガイドの引つ掛かりを阻
止できる。

この発明は、導電材とそれに付属する絶縁体を
締付チヤツクを使用して、比較的楽に外管の内部
に挿入でき、絶縁体と外管の内面との間に摩擦接
触がないので有利である。それ故、絶縁体を傷付
けることが防止され、外管の内面から金属片が削
り出されることもない。

この発明は、高電圧導体の導電材が半径方向の
熱膨張を比較的低減するのでも有利である。

この発明の利点は、更に導電材と保持リングの
間の摩擦力を低減する。

この発明の利点は、更に導電材と絶縁体の間に
配置してある接触体を使用して、導電材とバネの
間の電位を一様化が行なえる。

この発明の利点は、更に締付チヤツクを使用し
て、外管の長さに沿つて連続した場所で導電材上
のに取り付けた１組以上の絶縁体と噛み合わせと
位置決めを同時に行なえることにもある。

この発明の利点は、更に締付チヤツクのフオー
ク状顎が締付チヤツクによつて噛み合わせた絶縁
体に対して必要な支持を提供し、絶縁体を異常な
又は複雑な形状にする必要がないことにある。

この発明の動作の原理、具体化及び様式は、前
述の明細中で記述されている。しかし、ここで保
護しようとするこの発明は、提示した形状に限定
するものではない。それ等は、制約的と言うより
模式的な提示と見做すべきであるからである。当
業者は、この発明の変形又は変更をその原理から
外れないで実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、締付チヤツクが導電材を取り巻いて
い保持リング上に配設した絶縁体の接触面に噛み
合つているときの、この発明による高電圧導体の
断面図、第２図は、締付チヤツクが絶縁体の接触
面に噛み合つていないときの、この発明による高
電圧導体の断面図、第３図は、組み立て作業工程
を説明する第１図及び第２図に示した高電圧導体
の一部の縦断面図、第４図は、この発明による一
組の絶縁体の実施例の断面図、第５ａ図は、組み
立て前のバネ部材の一部のこの発明による高電圧
導体の縦断面図、第５ｂ図は、組み立て後の第５
ａ図と同じ部分の縦断面図である。 図中引用記号：１……導電材、２……外管、３
……絶縁体、４……バネ状部材、５……保持リン
グ、６……締付チヤツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内面を有する外管と、 この外管内に同心状に配設した導電材と、 上記導電材の外周に配置した複数の絶縁体と、 上記絶縁体の各々を放射状に外向きに押し付
   け、前記外管の内面に接触させるために上記絶縁
   体と上記導電材との間に配置したバネ手段とを備
   え、 前記バネ手段は、内径が上記導電材の外径とほ
   ぼ等しく、上記導電材を取り囲み、上部に上記絶
   縁体を設置している少なくとも１個の保持リング
   と、上記導電材と各絶縁体との間に前記保持リン
   グを介して設置してある複数の反撥バネ状部材と
   から成り、 上記絶縁体は、外管に対してこの外管の軸方向
   に相対的に可動する ことを特徴とする絶縁気体封止型高電圧導体。 ２ 少なくとも１個の保持リングは、この保持リ
   ングの内面と上記導電材の外面の間に配設した少
   なくとも１個の摩擦ベアリングを有する特許請求
   の範囲第１項記載の高電圧導体。 ３ 前記バネ手段は、前記導電材とこのバネ手段
   の間を同電位にする手段を有し、各絶縁体は外側
   端部に配置した接触体を有する特許請求の範囲第
   １項記載の高電圧導体。 ４ 上記バネ手段は、湾曲抵抗分離器から成り、
   この分離器は第１端部を１個の絶縁体に、また第
   ２端部を保持リングに接続している特許請求の範
   囲第１項記載の高電圧導体。 ５ 湾曲抵抗分離器は、螺旋状の長方形バネを有
   し、保持リングの窪みと上記絶縁体に接続してい
   る漏斗状組付案内ユニツトとに配設されている特
   許請求の範囲第４項記載の高電圧導体。 ６ 導電材上に放射状に向けた絶縁体の少なくと
   も第１組及び第２組の絶縁体を取り付け、各絶縁
   体は導電材と絶縁体の間に配設した反撥部材を有
   し、 同時に導電材上に取り付けた全ての絶縁体をこ
   れ等の絶縁体に向け下方に放射状に押し付け、各
   絶縁体の外側端部と外管の内面との間に隙間を設
   け、 上記導電材と少なくとも第１組及び第２の組の
   絶縁体を外管の内部に入れ、 第１組の絶縁体が第１位置に移動したとき、全
   ての絶縁体を外し、導電材と第１組の絶縁体との
   間に配設した反撥部材が第１組の絶縁体を放射状
   に外向きに押し付け、上記外管の内面に嵌め込
   み、 同時に第２組の絶縁体の中の全ての絶縁体を上
   記導電材の方に放射状で下向きに噛み合わせて、
   押し付け、第２組の絶縁体の各々の外側端部と、
   上記外管の内面との間に隙間を設け、 上記導電材と第２組の絶縁体を外管の内部に更
   に移動させ、 第２組の絶縁体を第２位置に移動させた時、全
   ての第２組の絶縁体の全ての絶縁体を外し、導電
   材と第２組の絶縁体との間に配設した反撥部材が
   第２組の絶縁体を放射状に外向きに押し付け、上
   記外管の内面に嵌め込む、 作業段階を踏む絶縁気体封止型高電圧導体の製
   造方法。