JPS625531Y2 - - Google Patents
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- JPS625531Y2 JPS625531Y2 JP1981177151U JP17715181U JPS625531Y2 JP S625531 Y2 JPS625531 Y2 JP S625531Y2 JP 1981177151 U JP1981177151 U JP 1981177151U JP 17715181 U JP17715181 U JP 17715181U JP S625531 Y2 JPS625531 Y2 JP S625531Y2
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Landscapes
- Furnace Details (AREA)
- Gas Burners (AREA)
Description
本考案は空〓内にて燃料の燃焼を行なわしめる
ことを可能とした多孔質耐火物に関するものであ
る。 従来、多孔質耐火物は例えば製鋼炉等において
は炉壁の一部に組込み、その空〓を利用して吹錬
ガス等を外部から鋼浴中に吹込む手段等として用
いられていたが、近年にあつてはこれとは別に、
例えば加熱炉において多孔質耐火物を炉壁の一部
に組込み、その空〓を利用して燃料を炉内に吹き
込み、これを炉内側の多孔質耐火物表面にて燃焼
させ、この燃焼熱によつて多孔質耐火物を赤熱さ
せ、多孔質耐火物を赤外線輻射熱源として利用す
ることが考えられている。 一般に燃料を燃焼させてその燃焼熱により物体
を加熱する場合、加熱炉が用いられるが、従来の
加熱炉は炉内に臨ませたバーナにて燃料を燃焼さ
せ、その火炎によつて直接物体を加熱し、或いは
燃焼熱によつて耐火物を加熱し、この耐火物によ
り間接的に物体を加熱するようになつている。こ
の場合における物体と火炎、或いは耐火物との間
の熱伝達量は両者の温度差によつて決まるが、鋼
材用加熱炉等においては通常物体と火炎、或いは
耐火物との間の熱伝達量比率は30:70とされ、火
炎からの熱伝達量は耐火物からのものに比較して
極めて低い。上述した多孔質耐火物を赤外線輻射
熱源として利用する考えは熱伝達量の低い火炎に
よる直接的加熱に代えて耐火物による間接的な輻
射加熱をより効率よく行なわんとする考え方に沿
うものであるが、従来のこの種多孔質耐火物は燃
料の通流を出来るだけ均一にするため、空〓自体
も可及的に均一に分布するよう製造されている。
このため上述の如くこのような従来の多孔質耐火
物をそのまま赤外線輻射熱源に用いると次のよう
な不都合があつた。 (1) 燃料の通流方向と直交する面に占める空〓の
割合、即ち空〓率が通流燃料体積に比較して大
きい多孔質耐火物を用いると、空〓内を通流す
る燃料の通流速度が火炎伝播速度以下となるこ
とがあつて、燃料を多孔質耐火物の空〓内で燃
焼せしめることが可能となるが、燃焼位置が空
〓内に留まらず、燃料供給系に逆行する、所謂
逆火現象を引きおこす。 (2) 逆に空〓率が通流燃料体積に比較して小さい
多孔質耐火物を用いると、空〓内を通流する燃
料の通流速度が火炎伝播速度以上となりがち
で、燃料が多孔質耐火物から流出した位置で燃
焼することとなり、多孔質耐火物に対する加熱
効率が低くなつてしまう。 (3) 従つて、多孔質耐火物の空〓率に応じた通流
燃料体積を設定すれば空〓内での燃料燃焼は可
能ではあるが、これでは通流燃料体積を変更す
る都度、多孔質耐火物を交換しなければなら
ず、実用に適さない。 本考案者は赤外線輻射熱源としての多孔質耐火
物の熱効率を高めるための実験研究を行つた結
果、燃料通流速度がその燃料の火炎伝播速度より
も大きい領域と、燃料通流速度がその燃料の火炎
伝播速度よりも小さい領域とを共に備えることに
よつて、空〓中を通流する燃料をその空〓内にて
安定して燃焼せしめ得、耐火物自体を効率よく加
熱せしめ、しかも逆火も効果的に抑制し得ること
を知見した。 本考案はかかる事情に鑑みなされたものであつ
て、その目的とするところは燃料の通流可能な空
〓を有する多孔質耐火物において、燃料の供給側
に位置し、燃料の通流速度をその燃料の火炎伝播
速度よりも大とする空〓率を有する第1の領域
と、この第1の領域に連ねてこれと一体的に形成
され、内部に燃料の通流方向に延在し、燃焼側の
面に開口する複数の凹状をなす燃焼孔を備え、燃
料の通流速度をその燃料の火炎伝播速度よりも小
とする空〓率を有する第2の領域とを具備するこ
とにより、第1の領域を通じて送られてきた燃料
を第2の領域、特にその大径孔内に導入して孔内
で燃焼せしめ、その燃焼熱を効率よく輻射熱に変
換せしめ得るようにした多孔質耐火物を提供する
にある。 以下本考案をその実施例を示す図面に基いて具
体的に説明する。第1図は本考案に係る多孔質耐
火物(以下本案品という)を一部断面にして示す
模式図であり、図中1aは多孔質耐火物1におけ
る燃料供給面、1bは同じく発熱面、1cは同じ
く凹孔状をなす燃焼孔を示している。多孔質耐火
物1は耐熱性に優れた素材、例えばAl2O3等を用
いて燃焼孔1cを除く全方向に所要の空〓率φ0
を有するようブロツク状に形成され、コークス炉
ガス等の燃料を前記供給面1aから流入させ、内
部の空〓を通じて発熱面1b側に通流せしめるよ
うにしてある。また燃焼孔1cは断面円形であつ
て、前記発熱面1bに開口し、この発熱面1bか
ら供給面1a側に向けて多孔質耐火物1の全厚の
略1/3程度の深さで発熱面1bの略全面にわたつ
て一様な分布状態で開口せしめられており、前記
供給面1a側から給送されてくる燃料はその殆ん
どが燃焼孔1c内に流入してここで燃焼せしめら
れ、一部が燃焼孔1cを経ることなく、直接発熱
面1b側に噴射されてここで燃焼せしめられる。
空〓率φ0は供給面1aから前記燃焼孔1cの内
奥壁に至る領域、即ち第1の領域たる燃料供給領
域11においては、燃料を燃焼せしめることな
く、しかも逆火を生ぜしめることなく、発熱面1
b又は燃焼孔1c側に向けて給送し得るよう、少
なくとも燃料の通流方向において空〓中を通流す
る燃料の通流速度がその燃料の火炎伝播速度より
も大となり得るよう設定されている。そして燃焼
孔1cの内奥壁から発熱面1bに至る領域、即ち
第2の領域たる燃焼領域12においては少なくと
も燃焼孔1c内に流出した燃料を燃焼孔1c内に
て燃焼せしめ得るよう燃料の通流方向と直交する
方向の断面において、燃焼孔1cを含む全体の空
〓率φsを燃焼孔1c内を発熱面1b側に向けて
通流する燃料の通流速度がその燃料の火炎伝播速
度よりも小となり得るよう設定されている。 燃料供給領域11、燃焼領域12の各空〓率は
具体的には次のようにして決定される。空〓率は
上述した如く燃料の火炎伝播速度と密接な関係に
あるが、この火炎伝播速度は燃料の種類によつて
夫々に異なるものであり(例えば常温における都
市ガス(5000kcal/m3):96cm/秒、メタン:38
cm/秒、プロパン:40cm/秒、ブタン:51cm/
秒)、使用する燃料の火炎伝播速度をV(m/
秒)とすると、多孔質耐火物1の供給面1a、発
熱面1bの面積を等しいものとしてこれらの面
積、換言すれば多孔質耐火物1における燃料供給
方向と直交する方向の断面積をS(m2)、単位時
間当りの燃料供給量をQ(m2)として燃焼孔1c
を含まない部分の空〓率φ0(燃料供給領域11
の空〓率と等しい)は下記(1)式で与えられる。 φ0=Q/K・V・S …(1) 但しK:係数(=2以上) また、燃焼領域12における燃料供給方向と直
交する方向の断面(燃焼孔を含む)の空〓率φs
は下記(2)式で与えられる。 φs=φ0・S+ns(1−φ0)/S …(2) 但し n:燃焼孔1cの孔数 s:燃焼孔1cの孔の平均断面積(m2) 而して上式中使用燃料によつて火炎伝播速度V
が定まり、また加熱炉等適用対象の必要熱量が与
えられると燃料供給量Qが定まり、更に多孔質耐
火物の断面積Sも加熱炉等の設計時に定まるから
各領域11,12の空〓率φ0,φsが定まる。
なお、上述の実施例では空〓率が燃料供給領域1
1と燃焼領域12との界面でφ0からφsに急変
せしめた構成について説明したが、両領域の間に
空〓率がφ0からφsに漸増し、或いは段階的に
増大する状態としてもよく、このための構成とし
て、例えば燃焼孔1cをその孔底側から発熱面1
bの開口端側に向けてその断面積を漸増、或いは
段階的に増大せしめることとしてもよい。更に上
述の実施例においては燃焼孔1cの断面形状を円
形とした構成を示したが、例えば楕円形、三角
形、その他多角形としてもよいことは勿論であ
る。 上述の如き多孔質耐火物の製造方法については
特に限定するものではなく、球体或いは不規則形
状の立体を所定の空〓率を有するよう一体的に集
合せしめる方法、或いは高温でガス化する素材を
用いて球体、多角形を形成し、これをガス化した
時、所定の空〓率が達成されるよう配列して耐火
物で包み焼成する方法、その他従来知られている
方法を適宜、組合せて用いればよい。 上述の如く構成された本案品にあつては燃料供
給面1aから空〓を通して燃料供給領域11内に
給送された燃料はこの燃料供給領域11内の空〓
中では火炎伝播速度よりも大きい速度で通流して
燃焼領域12の空〓中に入り、そして燃焼領域1
2内の燃焼孔1c中では燃料は火炎伝播速度より
も小さい速度で通流して発熱面1bに至ることと
なる。いま発熱面1b側において通流されてきた
燃料に点火すると、燃料の通流速度が火炎伝播速
度よりも遅いため、火炎が燃料供給側に向けて逆
行し、燃焼領域12中の燃焼孔1c内に至る。し
かし燃料供給領域11内の空〓中では燃料の通流
速度が火炎伝播速度よりも大きいため火炎は燃料
供給領域11の空〓中には及ばず、所謂逆火が防
止され、火炎は燃焼領域12内に留まり該領域1
2内の空〓中で燃焼が継続されることとなる。こ
の燃焼熱によつて多孔質耐火物1、特にその燃料
領域12の部分が高温に加熱され、赤熱化して赤
外線輻射熱源として機能することとなる。燃料が
燃焼領域12内の燃焼孔1c中にて燃焼するた
め、多孔質耐火物1に対する加熱効率が著しく高
められる。 次に本案品をスラブの加熱炉に適用した場合に
つき説明する。第2図は本案品を用いた加熱炉の
縦断面図、第3図は第2図の−線による拡大
断面図であり、図中2はスラブ、3は加熱炉本体
を示している。加熱炉本体3は長尺の中空直方体
形に形成されており、長手方向の一端部にはスラ
ブ2の装入口3aが、また他端部に抽出口3bが
夫々下縁を炉床と同じレベルとした状態で開口せ
しめられ、スラブ2は装入口3aから加熱炉本体
3内に装入されて所定温度に迄、加熱され、加熱
を終了すると図示しないプツシヤ等によつて抽出
口3b側に押し出され、後工程に向け送出されて
ゆくようになつている。加熱炉本体3の炉床には
これを構成する耐火物31に装入口3aから抽出
口3bにわたつて一定間隔で炉の幅方向に延びる
溝を設け、この溝内にローラ32がその上部周面
が耐火物31のレベルよりも僅かに高くなるよう
にして水平に軸架されており、スラブ2はこのロ
ーラ32上を移送されてゆくようにしてある。加
熱炉本体3の左、右側壁は耐火物33,33及び
この耐火物33,33上に配した別の耐火物3
4,34にて構成され、また天井壁は耐火物3
4,34の内側上部に形成した段部34a,34
a間に耐火物35と、既述した如き本案品たる多
孔質耐火物1とを装入口3a側から抽出口3b側
にわたり交互に配設して構成されている。多孔質
耐火物1は幅寸法が炉の左、右側壁間の寸法より
も若干大きくした略直方体形状に形成されてお
り、これには燃焼領域12側の面である発熱面1
bを除く四周面及び燃料供給領域11側の面であ
る燃料供給面1aの全面を覆う如くに鉄板製のハ
ウジング36に内嵌せしめられ、取付具37によ
つてハウジング36内に吊垂せしめられている。
ことを可能とした多孔質耐火物に関するものであ
る。 従来、多孔質耐火物は例えば製鋼炉等において
は炉壁の一部に組込み、その空〓を利用して吹錬
ガス等を外部から鋼浴中に吹込む手段等として用
いられていたが、近年にあつてはこれとは別に、
例えば加熱炉において多孔質耐火物を炉壁の一部
に組込み、その空〓を利用して燃料を炉内に吹き
込み、これを炉内側の多孔質耐火物表面にて燃焼
させ、この燃焼熱によつて多孔質耐火物を赤熱さ
せ、多孔質耐火物を赤外線輻射熱源として利用す
ることが考えられている。 一般に燃料を燃焼させてその燃焼熱により物体
を加熱する場合、加熱炉が用いられるが、従来の
加熱炉は炉内に臨ませたバーナにて燃料を燃焼さ
せ、その火炎によつて直接物体を加熱し、或いは
燃焼熱によつて耐火物を加熱し、この耐火物によ
り間接的に物体を加熱するようになつている。こ
の場合における物体と火炎、或いは耐火物との間
の熱伝達量は両者の温度差によつて決まるが、鋼
材用加熱炉等においては通常物体と火炎、或いは
耐火物との間の熱伝達量比率は30:70とされ、火
炎からの熱伝達量は耐火物からのものに比較して
極めて低い。上述した多孔質耐火物を赤外線輻射
熱源として利用する考えは熱伝達量の低い火炎に
よる直接的加熱に代えて耐火物による間接的な輻
射加熱をより効率よく行なわんとする考え方に沿
うものであるが、従来のこの種多孔質耐火物は燃
料の通流を出来るだけ均一にするため、空〓自体
も可及的に均一に分布するよう製造されている。
このため上述の如くこのような従来の多孔質耐火
物をそのまま赤外線輻射熱源に用いると次のよう
な不都合があつた。 (1) 燃料の通流方向と直交する面に占める空〓の
割合、即ち空〓率が通流燃料体積に比較して大
きい多孔質耐火物を用いると、空〓内を通流す
る燃料の通流速度が火炎伝播速度以下となるこ
とがあつて、燃料を多孔質耐火物の空〓内で燃
焼せしめることが可能となるが、燃焼位置が空
〓内に留まらず、燃料供給系に逆行する、所謂
逆火現象を引きおこす。 (2) 逆に空〓率が通流燃料体積に比較して小さい
多孔質耐火物を用いると、空〓内を通流する燃
料の通流速度が火炎伝播速度以上となりがち
で、燃料が多孔質耐火物から流出した位置で燃
焼することとなり、多孔質耐火物に対する加熱
効率が低くなつてしまう。 (3) 従つて、多孔質耐火物の空〓率に応じた通流
燃料体積を設定すれば空〓内での燃料燃焼は可
能ではあるが、これでは通流燃料体積を変更す
る都度、多孔質耐火物を交換しなければなら
ず、実用に適さない。 本考案者は赤外線輻射熱源としての多孔質耐火
物の熱効率を高めるための実験研究を行つた結
果、燃料通流速度がその燃料の火炎伝播速度より
も大きい領域と、燃料通流速度がその燃料の火炎
伝播速度よりも小さい領域とを共に備えることに
よつて、空〓中を通流する燃料をその空〓内にて
安定して燃焼せしめ得、耐火物自体を効率よく加
熱せしめ、しかも逆火も効果的に抑制し得ること
を知見した。 本考案はかかる事情に鑑みなされたものであつ
て、その目的とするところは燃料の通流可能な空
〓を有する多孔質耐火物において、燃料の供給側
に位置し、燃料の通流速度をその燃料の火炎伝播
速度よりも大とする空〓率を有する第1の領域
と、この第1の領域に連ねてこれと一体的に形成
され、内部に燃料の通流方向に延在し、燃焼側の
面に開口する複数の凹状をなす燃焼孔を備え、燃
料の通流速度をその燃料の火炎伝播速度よりも小
とする空〓率を有する第2の領域とを具備するこ
とにより、第1の領域を通じて送られてきた燃料
を第2の領域、特にその大径孔内に導入して孔内
で燃焼せしめ、その燃焼熱を効率よく輻射熱に変
換せしめ得るようにした多孔質耐火物を提供する
にある。 以下本考案をその実施例を示す図面に基いて具
体的に説明する。第1図は本考案に係る多孔質耐
火物(以下本案品という)を一部断面にして示す
模式図であり、図中1aは多孔質耐火物1におけ
る燃料供給面、1bは同じく発熱面、1cは同じ
く凹孔状をなす燃焼孔を示している。多孔質耐火
物1は耐熱性に優れた素材、例えばAl2O3等を用
いて燃焼孔1cを除く全方向に所要の空〓率φ0
を有するようブロツク状に形成され、コークス炉
ガス等の燃料を前記供給面1aから流入させ、内
部の空〓を通じて発熱面1b側に通流せしめるよ
うにしてある。また燃焼孔1cは断面円形であつ
て、前記発熱面1bに開口し、この発熱面1bか
ら供給面1a側に向けて多孔質耐火物1の全厚の
略1/3程度の深さで発熱面1bの略全面にわたつ
て一様な分布状態で開口せしめられており、前記
供給面1a側から給送されてくる燃料はその殆ん
どが燃焼孔1c内に流入してここで燃焼せしめら
れ、一部が燃焼孔1cを経ることなく、直接発熱
面1b側に噴射されてここで燃焼せしめられる。
空〓率φ0は供給面1aから前記燃焼孔1cの内
奥壁に至る領域、即ち第1の領域たる燃料供給領
域11においては、燃料を燃焼せしめることな
く、しかも逆火を生ぜしめることなく、発熱面1
b又は燃焼孔1c側に向けて給送し得るよう、少
なくとも燃料の通流方向において空〓中を通流す
る燃料の通流速度がその燃料の火炎伝播速度より
も大となり得るよう設定されている。そして燃焼
孔1cの内奥壁から発熱面1bに至る領域、即ち
第2の領域たる燃焼領域12においては少なくと
も燃焼孔1c内に流出した燃料を燃焼孔1c内に
て燃焼せしめ得るよう燃料の通流方向と直交する
方向の断面において、燃焼孔1cを含む全体の空
〓率φsを燃焼孔1c内を発熱面1b側に向けて
通流する燃料の通流速度がその燃料の火炎伝播速
度よりも小となり得るよう設定されている。 燃料供給領域11、燃焼領域12の各空〓率は
具体的には次のようにして決定される。空〓率は
上述した如く燃料の火炎伝播速度と密接な関係に
あるが、この火炎伝播速度は燃料の種類によつて
夫々に異なるものであり(例えば常温における都
市ガス(5000kcal/m3):96cm/秒、メタン:38
cm/秒、プロパン:40cm/秒、ブタン:51cm/
秒)、使用する燃料の火炎伝播速度をV(m/
秒)とすると、多孔質耐火物1の供給面1a、発
熱面1bの面積を等しいものとしてこれらの面
積、換言すれば多孔質耐火物1における燃料供給
方向と直交する方向の断面積をS(m2)、単位時
間当りの燃料供給量をQ(m2)として燃焼孔1c
を含まない部分の空〓率φ0(燃料供給領域11
の空〓率と等しい)は下記(1)式で与えられる。 φ0=Q/K・V・S …(1) 但しK:係数(=2以上) また、燃焼領域12における燃料供給方向と直
交する方向の断面(燃焼孔を含む)の空〓率φs
は下記(2)式で与えられる。 φs=φ0・S+ns(1−φ0)/S …(2) 但し n:燃焼孔1cの孔数 s:燃焼孔1cの孔の平均断面積(m2) 而して上式中使用燃料によつて火炎伝播速度V
が定まり、また加熱炉等適用対象の必要熱量が与
えられると燃料供給量Qが定まり、更に多孔質耐
火物の断面積Sも加熱炉等の設計時に定まるから
各領域11,12の空〓率φ0,φsが定まる。
なお、上述の実施例では空〓率が燃料供給領域1
1と燃焼領域12との界面でφ0からφsに急変
せしめた構成について説明したが、両領域の間に
空〓率がφ0からφsに漸増し、或いは段階的に
増大する状態としてもよく、このための構成とし
て、例えば燃焼孔1cをその孔底側から発熱面1
bの開口端側に向けてその断面積を漸増、或いは
段階的に増大せしめることとしてもよい。更に上
述の実施例においては燃焼孔1cの断面形状を円
形とした構成を示したが、例えば楕円形、三角
形、その他多角形としてもよいことは勿論であ
る。 上述の如き多孔質耐火物の製造方法については
特に限定するものではなく、球体或いは不規則形
状の立体を所定の空〓率を有するよう一体的に集
合せしめる方法、或いは高温でガス化する素材を
用いて球体、多角形を形成し、これをガス化した
時、所定の空〓率が達成されるよう配列して耐火
物で包み焼成する方法、その他従来知られている
方法を適宜、組合せて用いればよい。 上述の如く構成された本案品にあつては燃料供
給面1aから空〓を通して燃料供給領域11内に
給送された燃料はこの燃料供給領域11内の空〓
中では火炎伝播速度よりも大きい速度で通流して
燃焼領域12の空〓中に入り、そして燃焼領域1
2内の燃焼孔1c中では燃料は火炎伝播速度より
も小さい速度で通流して発熱面1bに至ることと
なる。いま発熱面1b側において通流されてきた
燃料に点火すると、燃料の通流速度が火炎伝播速
度よりも遅いため、火炎が燃料供給側に向けて逆
行し、燃焼領域12中の燃焼孔1c内に至る。し
かし燃料供給領域11内の空〓中では燃料の通流
速度が火炎伝播速度よりも大きいため火炎は燃料
供給領域11の空〓中には及ばず、所謂逆火が防
止され、火炎は燃焼領域12内に留まり該領域1
2内の空〓中で燃焼が継続されることとなる。こ
の燃焼熱によつて多孔質耐火物1、特にその燃料
領域12の部分が高温に加熱され、赤熱化して赤
外線輻射熱源として機能することとなる。燃料が
燃焼領域12内の燃焼孔1c中にて燃焼するた
め、多孔質耐火物1に対する加熱効率が著しく高
められる。 次に本案品をスラブの加熱炉に適用した場合に
つき説明する。第2図は本案品を用いた加熱炉の
縦断面図、第3図は第2図の−線による拡大
断面図であり、図中2はスラブ、3は加熱炉本体
を示している。加熱炉本体3は長尺の中空直方体
形に形成されており、長手方向の一端部にはスラ
ブ2の装入口3aが、また他端部に抽出口3bが
夫々下縁を炉床と同じレベルとした状態で開口せ
しめられ、スラブ2は装入口3aから加熱炉本体
3内に装入されて所定温度に迄、加熱され、加熱
を終了すると図示しないプツシヤ等によつて抽出
口3b側に押し出され、後工程に向け送出されて
ゆくようになつている。加熱炉本体3の炉床には
これを構成する耐火物31に装入口3aから抽出
口3bにわたつて一定間隔で炉の幅方向に延びる
溝を設け、この溝内にローラ32がその上部周面
が耐火物31のレベルよりも僅かに高くなるよう
にして水平に軸架されており、スラブ2はこのロ
ーラ32上を移送されてゆくようにしてある。加
熱炉本体3の左、右側壁は耐火物33,33及び
この耐火物33,33上に配した別の耐火物3
4,34にて構成され、また天井壁は耐火物3
4,34の内側上部に形成した段部34a,34
a間に耐火物35と、既述した如き本案品たる多
孔質耐火物1とを装入口3a側から抽出口3b側
にわたり交互に配設して構成されている。多孔質
耐火物1は幅寸法が炉の左、右側壁間の寸法より
も若干大きくした略直方体形状に形成されてお
り、これには燃焼領域12側の面である発熱面1
bを除く四周面及び燃料供給領域11側の面であ
る燃料供給面1aの全面を覆う如くに鉄板製のハ
ウジング36に内嵌せしめられ、取付具37によ
つてハウジング36内に吊垂せしめられている。
【表】
【表】
加熱炉本体3の各部寸法仕様は表2に示す通り
である。 表 2 長さ、幅、高さ(mm) 20000,1500,500 内容積(m3) 15 多孔質耐火物の長さ、幅、厚さ(mm)
1800,670,200 燃料供給領域厚さ(mm)、空〓率(%)
150,11%(但しK:2) 燃料領域厚さ(mm)空〓率(%) 50,60% 燃焼孔1cの孔形状 1辺4mmの正六角形 燃焼孔1cの孔個数 8000個 上述の条件による操業の結果、多孔質耐火物1
はその燃焼領域12の温度を1800℃程度に高め得
た。これは従来の炉壁温度が1300℃であることと
比較すると、輻射伝熱の理論から容易に推定し得
ることであるが、輻射熱量は1.78倍向上したこと
を意味している。また上述の加熱炉と同様の処理
能力をもつ従来の加熱炉(ガスバーナを用いたも
の)との炉内容積をみると約80%程度縮少可能、
即ちコンパクト化が可能であることが確認され
た。 以上の如く本案品にあつては、第1の領域、第
2の領域は一体的に形成するから、製作が容易と
なり、しかも第2の領域の空〓率は燃焼孔の形成
によつて適宜に設定し得るため空〓率の設定が比
較的容易に行い得、また燃焼孔によつて燃料は流
動抵抗の小さい燃焼孔側に流れるため、燃料の流
動方向を或る程度誘導出来、必要領域での確実な
燃焼、加熱を行い得て熱効率の向上が図れ、更に
全体の構成も簡略化されてコンパクト化出来るな
ど本考案は優れた効果を奏するものである。
である。 表 2 長さ、幅、高さ(mm) 20000,1500,500 内容積(m3) 15 多孔質耐火物の長さ、幅、厚さ(mm)
1800,670,200 燃料供給領域厚さ(mm)、空〓率(%)
150,11%(但しK:2) 燃料領域厚さ(mm)空〓率(%) 50,60% 燃焼孔1cの孔形状 1辺4mmの正六角形 燃焼孔1cの孔個数 8000個 上述の条件による操業の結果、多孔質耐火物1
はその燃焼領域12の温度を1800℃程度に高め得
た。これは従来の炉壁温度が1300℃であることと
比較すると、輻射伝熱の理論から容易に推定し得
ることであるが、輻射熱量は1.78倍向上したこと
を意味している。また上述の加熱炉と同様の処理
能力をもつ従来の加熱炉(ガスバーナを用いたも
の)との炉内容積をみると約80%程度縮少可能、
即ちコンパクト化が可能であることが確認され
た。 以上の如く本案品にあつては、第1の領域、第
2の領域は一体的に形成するから、製作が容易と
なり、しかも第2の領域の空〓率は燃焼孔の形成
によつて適宜に設定し得るため空〓率の設定が比
較的容易に行い得、また燃焼孔によつて燃料は流
動抵抗の小さい燃焼孔側に流れるため、燃料の流
動方向を或る程度誘導出来、必要領域での確実な
燃焼、加熱を行い得て熱効率の向上が図れ、更に
全体の構成も簡略化されてコンパクト化出来るな
ど本考案は優れた効果を奏するものである。
第1図は本案品を一部切欠して示す模式図、第
2図は本案品を用いた加熱炉の縦断面図、第3図
は同じく第2図の−線による拡大断面図であ
る。 1……多孔質耐火物、1a……供給面、1b…
…発熱面、1c……燃焼孔、2……スラブ、3…
…加熱炉本体、11……燃料供給領域、12……
燃焼領域、31……耐火物、32……ローラ、3
3,34,35……耐火物、36……ハウジン
グ、37……取付具。
2図は本案品を用いた加熱炉の縦断面図、第3図
は同じく第2図の−線による拡大断面図であ
る。 1……多孔質耐火物、1a……供給面、1b…
…発熱面、1c……燃焼孔、2……スラブ、3…
…加熱炉本体、11……燃料供給領域、12……
燃焼領域、31……耐火物、32……ローラ、3
3,34,35……耐火物、36……ハウジン
グ、37……取付具。
Claims (1)
- 燃料の通流可能な空隙を有する多孔質耐火物に
おいて、燃料の供給側に位置し、燃料の通流速度
をその燃料の火炎伝播速度よりも大とする空隙率
を有する第1の領域と、この第1の領域に連ねて
これと一体的に形成され、内部に燃料の通流方向
に延在し、燃焼側の面に開口する複数の凹状をな
す燃焼孔を備え、燃料の通流速度をその燃料の火
炎伝播速度よりも小とする空隙率を有する第2の
領域とを具備することを特徴とする多孔質耐火
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17715181U JPS5883624U (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 多孔質耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17715181U JPS5883624U (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 多孔質耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5883624U JPS5883624U (ja) | 1983-06-06 |
JPS625531Y2 true JPS625531Y2 (ja) | 1987-02-07 |
Family
ID=29970774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17715181U Granted JPS5883624U (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 多孔質耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5883624U (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4327273Y1 (ja) * | 1966-01-17 | 1968-11-11 |
-
1981
- 1981-11-27 JP JP17715181U patent/JPS5883624U/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4327273Y1 (ja) * | 1966-01-17 | 1968-11-11 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5883624U (ja) | 1983-06-06 |
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