JPS625482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吊り戸における施錠装置に関するもの
で、その目的は、戸の閉鎖時のみ施錠可能となし
他の場合は施錠不能とする事により、戸の開放時
に誤まつて施錠された状態で戸が閉鎖され、施錠
装置を破損させる事がなく、又構造が簡単で安価
に製作でき、組立てにも適した吊り戸の施錠装置
を提供する事にあり、その構成は、上端を左右の
側柱間の上部にもうけた戸の取付部材に、スライ
ド自在に取りつけられた吊り戸において、戸の閉
鎖側の少なくとも表裏何れか一方に、施錠操作部
をもうけ、さらに戸の閉鎖側の端面が上下にわた
つて開口し、この開口部分に緩衝部材がとりつけ
られる補強枠の内部に、前記施錠操作部に連動し
て上下動するロツトバーを設け、かつロツトバー
の上端を戸の閉鎖時においてのみ上方に移動可能
として施錠せしめ、戸の閉鎖途中においてはロツ
トバーの上端が下面に当接して施錠不能とするス
トツパーを、前記戸の取付材と兼用した事を特徴
とするものである。

以下本考案を図面に依拠して説する。

第１図において１は壁面の開口部端面に取りつ
けられた側柱で、左右一対よりなつている。２は
左右側柱１の上部にとりつけられた取付部材であ
る。２１は上記取付部材の水平状態及びその取付
高さを調節する高さ調節装置である。２２は、上
記取付部材２の適宜個所に取りつけられたスライ
ド装置であり、該スライド装置２２は第２図に示
す如く、断面ほぼコ字形で上下両側辺部が円弧状
に湾曲した長尺の固定枠２３と、この固定枠２３
よりも高さの低い断面ほぼコ字形で上下両側辺部
が内側に凹曲した摺動枠２４と、複数個のボール
２５とリテーナ２６を具備し、固定枠２３内に摺
動枠２４を、互いの上下両側辺部間にボール２５
を装備した状態で嵌装せしめる事により、該摺動
枠２４を長さ方向に沿つて摺動し得るように構成
している。２６′は固定枠２３の外面に嵌着した
補強枠である。

上記の如く構成されたスライド装置２２の摺動
枠２４の外面には支持金具２７が取りつけられて
おり該支持金具２７に吊り金具２８を介して戸３
を吊り下げる事により、該戸３を左右に開閉自在
に支持せしめている。

４は戸の先端面にとりつけられた、三角形状凸
面を有する中空状のゴム材より形成された緩衝部
材であり、５は側柱１の端面に取りつけられた、
円弧状凹面を有する中空状のゴム材より形成され
た緩衝部材である。

６は戸３の先端側に構成された施錠装置であ
る。施錠装置６は、施錠操作部６１と、施錠操作
部６１と１体となつている錠前部６２と、クラン
ク片７と、ロツトバー６３等より構成されてい
る。施錠操作部６１及び錠前部６２は、市販され
ている、いわゆるシリンダー本締錠を使用してい
る。

戸３の閉鎖側端面には、上記緩衝材４の取付用
の折曲片３２，３２を有する補強枠３１が戸の閉
鎖側の端面を上下にわたつて開口してもうけられ
ており、該補強枠６２が挿入される取付孔３４
が、該取付孔３４の内方上下に錠前部取付片３５
がもうけられている。そして、これに対応する戸
３の表裏両面に、施錠操作部取付孔３６が構成さ
れている。

錠前部６２には、施錠操作部６１に連動して、
戸３の閉鎖側に出入自在となる出入片６４が構成
され、該出入片６４には、クランク片７の一端部
を支持するクランク片受座６５の取付螺孔６６が
もうけられている。

クランク片７は略Ｌ字形となし、両端部にゴム
ローラー７１，７２を突出せしめ、中央部をクラ
ンク座３に枢止せしめている。クランク座７３は
前記補強枠３１の内面に取りつけられる。

ロツトバー６３は、下端部が前記クランク片７
のゴムローラー７２に外嵌して回転可能に取りつ
けられ、上端部は、前記補強枠３１の内面上部に
とりつけられた合成樹脂製ロツトバーガイド６７
内を貫通して、上端を戸３の上方に突出せしめて
いる。

一方、前記取付部材２には、戸３が閉鎖された
状態で施錠されたおり、ロツトバー６３の上端が
係合する係合孔６８をもうけている。

上記の如く構成された施錠装置６は次の様に作
動して吊り戸３の動きを阻止する。

まず吊り戸３が閉鎖された状態で施錠操作部６
１を施錠状態に作動せしめると、錠前部６２の出
入片６４が戸３の閉鎖方向に移動する。これにと
もない出入片６４にとりつけられたクランク受座
６５内に位置するクランク片７のゴムローラー７
１も戸３の閉鎖方向に移動する。これによつて、
クランク座７３に枢止されたクランク片は、本考
案の図において、時計まわりに回転する。すなわ
ちクランク片７の他端のゴムローラ７２が上方に
移動する。これによつてゴムローラー７２に下端
部が回転自在に外嵌されているロツトバー６３
は、ロツトバガイド６７に沿つて上方に移動し、
上端が取付部材２の係止孔６８に係合する。よつ
て戸３は開放方向に移動する事はない。又これを
解錠する場合は上記と逆の操作となる。

一方、戸３が完全に閉鎖されていない状態で誤
まつて施錠操作部６１が施錠する様に操作されて
も、ロツトバー６３の上端が取付部材２の下端面
２９に当接しストツパーの役目をなし、それ以
上、上方に移動しない、つまり施錠操作部６１の
操作が阻止されるので確実に戸３が閉鎖された状
態でのみ施錠され、また、ストツパーと戸の取付
部材を兼用せしめる様にしたので安価に製作で
き、しかも新らためてストツパーを取りつける必
要がなく、さらに補強枠の戸の閉鎖側の端面を開
口しているので、施錠装置の組み立てをを極めて
簡単に行う事が出来、また補強枠に緩衝部材をと
りつけるだけで、施錠装置を簡単に隠蔽する事が
出来る等の実用的効果が大なる考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は本考案を
取りつけた吊り戸の要部正面図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第３図は本考案の要部分解斜
視図、第４図は要部縦断面図、第５図は第４図の
Ｂ−Ｂ線断面図である。 １……側柱、２……取付部材、２９……ストツ
パー、３……戸、６……施錠操作部、６３……ロ
ツトバー、６４……出入片、７……クランク片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端を左右の側柱間の上部にもうけた戸の取付
   部材に、スライド自在に取りつけられた吊り戸に
   おいて、戸の閉鎖側の少なくとも表裏何れか一方
   に、施錠操作部をもうけ、さらに戸の閉鎖側の端
   面が上下にわたつて開口し、この開口部分に緩衝
   部材がとりつけられる補強枠の内部に、前記施錠
   操作部に連動して上下動するロツトバーをもう
   け、かつロツトバーの上端を戸の閉鎖時において
   のみ上方に移動可能として施錠せしめ、戸の閉鎖
   途中においては、ロツトバーの上端が下面に当接
   して施錠不能とするストツパーを、前記戸の取付
   材と兼用した事を特徴とする吊り戸における施錠
   装置。