JPS6254231B2 - - Google Patents
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- JPS6254231B2 JPS6254231B2 JP53055314A JP5531478A JPS6254231B2 JP S6254231 B2 JPS6254231 B2 JP S6254231B2 JP 53055314 A JP53055314 A JP 53055314A JP 5531478 A JP5531478 A JP 5531478A JP S6254231 B2 JPS6254231 B2 JP S6254231B2
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Landscapes
- Discharge Lamp (AREA)
- Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)
Description
本発明は、発光管容囲器内にナトリウム、水銀
などの緩衝ガスおよび始動補助用希ガスを封入し
た高圧ナトリウムランプに関するものである。 高温、高圧のアルカリ蒸気に耐える透光性アル
ミナ管が開発されて、それを発光管容囲器に用い
た高圧ナトリウムランプが実用化されている。こ
のランプは、従来の高圧水銀ランプに比べて約2
倍の高効率を示し、また暖かみのある好ましい発
光色からして屋外照明はもとより工場、体育館な
どの屋内照明の一部にも適用でき、今後高圧水銀
灯に代る省エネルギー光源として注目されてい
る。 しかるに、このランプが高圧水銀ランプに比べ
て劣る実用上の点として、その始動電圧が高いこ
とから点灯用の安定器の設計が複雑で高価となる
ことや、管灯回路に高耐圧配線が必要となること
があげられる。つまり、通常の高圧ナトリウムラ
ンプには、効率を最大とするために始動補助用希
ガスとして発光管の熱伝導損失の少ないキセノン
が約20Torr封入されており、この結果ランプの
始動電圧は高圧水銀ランプの180V以下に対して
約2〜2.5KVと高くなる。したがつて、高圧水銀
ランプが200V電源電圧そのもので始動して簡単
なシングルチヨーク形安定器で点灯できるのに対
して、高圧ナトリウムの点灯には通常始動時に動
作する始動装置を内蔵した専用の安定器が用いら
れている。他方、最近になつて始動補助用希ガス
としてキセノンに代りネオン主体のペニングガス
を封入することによつて、始動電圧を高圧水銀ラ
ンプと同じように約180V以下まで低下させたい
わゆる低電圧始動形の高圧ナトリウムランプも開
発されている。しかし、この形のランプには発光
管の熱伝導損失がキセノンに比べて増加するネオ
ンを封入しているために、ランプ効率がキセノン
封入ランプに比べて10〜15%低下するという欠点
がある。さらに、キセノンの封入圧力を通常の約
20Torrから350Torrまで増大させることによりラ
ンプ効率をより上昇せしめ、併せてランプ外管内
に特殊な始動装置を付設することによつて外部始
動装置を必要としないいわゆる高圧水銀ランプと
同じようなシングルチヨーク形位定器で点灯でき
るランプも開発されている。しかし、このランプ
とても、ランプそのものの始動電圧は通常のキセ
ノンを約20Torr封入したランプの約2〜2.5KVに
対して約3.5〜4.0KVと上昇するために、その始
動には実用上5〜7KVの電圧印加が必要となる。
本発明者の検討では、このような高圧の電圧印加
は、とくにランプ不良時において安定器や管灯回
路の電気絶縁を破壊するので好ましくないといえ
る。 本発明の目的は、まず従来のキセノン封入ラン
プで得られていたランプ効率をあまり低下させる
ことなく始動電圧を従来ランプに比べて大巾に低
下せしめたランプを提供し、これを用いることに
よつて上記のごとき欠点を除去した信頼性の高い
始動機構をランプ自体に備え、高圧水銀ランプと
同じようなシングルチヨーク形安定器でも安全に
点灯できる高圧ナトリウムランプを提供すること
にある。 本発明者は、高圧ナトリウムランプの始動電圧
を低下させる目的をもつてとくに始動用希ガスの
組成に関して詳細な検討を行つた。その結果、キ
セノンに比較的少量のクリプトンを混合すること
によつてランプの始動電圧がキセノン単体のとき
に比べて大巾に低下するという特異な新しい現象
を見いだした。この現象を応用することによつ
て、従来のキセノン封入ランプに比べて、ランプ
効率があまり低くならずに始動電圧が大巾に低下
することが明らかとなつて、たとえばキセノン封
入圧を350Torrまで封入したランプであつても始
動電圧をキセノン単体のときの3.5〜4.0KVに比
べて2.0〜2.5KVと低下せしめて、ランプ外管内
に信頼性の高い始動機構を備えてシングルチヨー
ク形安定器でも安全に点灯できる高圧ナトリウム
ランプを実現するのに成功した。 以下本発明を図面に示す実施例にもとづいて詳
細に説明する。 第1図は本発明の検討に用いたランプの発光管
構造を示す。1は、多結晶体アルミナセラミツク
管あるいは単結晶アルミナ管からなる透光性発光
管であり、その管両端にはアルミナセラミツクか
らなるエンドキヤツプ2,3がセラミツクセメン
トで封着されており、さらにエンドキヤツプ2,
3には電流導入体としてのニオブ管4,5がそれ
ぞれ封着されている。ニオブ管4,5の先端には
電子放射物質を充填したタングステンコイル電極
6,7が保持されている。管内には発光物質であ
るナトリウムのほかに、緩衝用ガスとして動作す
る水銀と始動補助用希ガスとが封入されている。
ランプとしてはかかる発光管が真空に排気した外
管内に保持される。なお、本発明者の検討では、
管内径が4.8〜11.5mmで電極間距離が55〜190mmの
範囲にある異なる管寸法をもつた種々の発光管を
用い、管内にはナトリウム約4.5mgと、水銀10〜
30mgを封入した。 本発明者は、第1図の発光管を用いてキセノン
を母体として他のアルゴン、クリプトンなどを混
合したガスを始動補助用希ガスとして封入したと
きの発光管の始動特性を詳細に調べた。その結
果、アルゴンなどに比べてクリプトンがとくに少
量混合したときでも、始動電圧を低下させるに大
きい効果を示すことを見いだした。つまり、第1
表に実験結果を示すように、わずかに5%組成の
クリプトンの混合によつても発光管の始動電圧が
キセノン単体に比べて大巾に低下することがわか
る。各希ガス単体を封入した発光管の始動電圧
は、キセノン、クリプトン、アルゴンついでネオ
ンの順に低下することはすでによく知られてお
り、これからすればキセノンにアルゴンを混合し
たときの始動電圧が、クリプトン混合よりも低く
なることが当然予測された。しかし、予測に反し
て実際にはクリプトン混合ガスにおいて始動電圧
はアルゴン混合よりも低くなり、さらに留意すべ
きことはわずか少量のクリプトンの混合によつて
始動電圧がこのように大巾に低下するのは、キセ
ノンとクリプトンガスの間には始動現象に関して
特有の相互作用があることを示している。
などの緩衝ガスおよび始動補助用希ガスを封入し
た高圧ナトリウムランプに関するものである。 高温、高圧のアルカリ蒸気に耐える透光性アル
ミナ管が開発されて、それを発光管容囲器に用い
た高圧ナトリウムランプが実用化されている。こ
のランプは、従来の高圧水銀ランプに比べて約2
倍の高効率を示し、また暖かみのある好ましい発
光色からして屋外照明はもとより工場、体育館な
どの屋内照明の一部にも適用でき、今後高圧水銀
灯に代る省エネルギー光源として注目されてい
る。 しかるに、このランプが高圧水銀ランプに比べ
て劣る実用上の点として、その始動電圧が高いこ
とから点灯用の安定器の設計が複雑で高価となる
ことや、管灯回路に高耐圧配線が必要となること
があげられる。つまり、通常の高圧ナトリウムラ
ンプには、効率を最大とするために始動補助用希
ガスとして発光管の熱伝導損失の少ないキセノン
が約20Torr封入されており、この結果ランプの
始動電圧は高圧水銀ランプの180V以下に対して
約2〜2.5KVと高くなる。したがつて、高圧水銀
ランプが200V電源電圧そのもので始動して簡単
なシングルチヨーク形安定器で点灯できるのに対
して、高圧ナトリウムの点灯には通常始動時に動
作する始動装置を内蔵した専用の安定器が用いら
れている。他方、最近になつて始動補助用希ガス
としてキセノンに代りネオン主体のペニングガス
を封入することによつて、始動電圧を高圧水銀ラ
ンプと同じように約180V以下まで低下させたい
わゆる低電圧始動形の高圧ナトリウムランプも開
発されている。しかし、この形のランプには発光
管の熱伝導損失がキセノンに比べて増加するネオ
ンを封入しているために、ランプ効率がキセノン
封入ランプに比べて10〜15%低下するという欠点
がある。さらに、キセノンの封入圧力を通常の約
20Torrから350Torrまで増大させることによりラ
ンプ効率をより上昇せしめ、併せてランプ外管内
に特殊な始動装置を付設することによつて外部始
動装置を必要としないいわゆる高圧水銀ランプと
同じようなシングルチヨーク形位定器で点灯でき
るランプも開発されている。しかし、このランプ
とても、ランプそのものの始動電圧は通常のキセ
ノンを約20Torr封入したランプの約2〜2.5KVに
対して約3.5〜4.0KVと上昇するために、その始
動には実用上5〜7KVの電圧印加が必要となる。
本発明者の検討では、このような高圧の電圧印加
は、とくにランプ不良時において安定器や管灯回
路の電気絶縁を破壊するので好ましくないといえ
る。 本発明の目的は、まず従来のキセノン封入ラン
プで得られていたランプ効率をあまり低下させる
ことなく始動電圧を従来ランプに比べて大巾に低
下せしめたランプを提供し、これを用いることに
よつて上記のごとき欠点を除去した信頼性の高い
始動機構をランプ自体に備え、高圧水銀ランプと
同じようなシングルチヨーク形安定器でも安全に
点灯できる高圧ナトリウムランプを提供すること
にある。 本発明者は、高圧ナトリウムランプの始動電圧
を低下させる目的をもつてとくに始動用希ガスの
組成に関して詳細な検討を行つた。その結果、キ
セノンに比較的少量のクリプトンを混合すること
によつてランプの始動電圧がキセノン単体のとき
に比べて大巾に低下するという特異な新しい現象
を見いだした。この現象を応用することによつ
て、従来のキセノン封入ランプに比べて、ランプ
効率があまり低くならずに始動電圧が大巾に低下
することが明らかとなつて、たとえばキセノン封
入圧を350Torrまで封入したランプであつても始
動電圧をキセノン単体のときの3.5〜4.0KVに比
べて2.0〜2.5KVと低下せしめて、ランプ外管内
に信頼性の高い始動機構を備えてシングルチヨー
ク形安定器でも安全に点灯できる高圧ナトリウム
ランプを実現するのに成功した。 以下本発明を図面に示す実施例にもとづいて詳
細に説明する。 第1図は本発明の検討に用いたランプの発光管
構造を示す。1は、多結晶体アルミナセラミツク
管あるいは単結晶アルミナ管からなる透光性発光
管であり、その管両端にはアルミナセラミツクか
らなるエンドキヤツプ2,3がセラミツクセメン
トで封着されており、さらにエンドキヤツプ2,
3には電流導入体としてのニオブ管4,5がそれ
ぞれ封着されている。ニオブ管4,5の先端には
電子放射物質を充填したタングステンコイル電極
6,7が保持されている。管内には発光物質であ
るナトリウムのほかに、緩衝用ガスとして動作す
る水銀と始動補助用希ガスとが封入されている。
ランプとしてはかかる発光管が真空に排気した外
管内に保持される。なお、本発明者の検討では、
管内径が4.8〜11.5mmで電極間距離が55〜190mmの
範囲にある異なる管寸法をもつた種々の発光管を
用い、管内にはナトリウム約4.5mgと、水銀10〜
30mgを封入した。 本発明者は、第1図の発光管を用いてキセノン
を母体として他のアルゴン、クリプトンなどを混
合したガスを始動補助用希ガスとして封入したと
きの発光管の始動特性を詳細に調べた。その結
果、アルゴンなどに比べてクリプトンがとくに少
量混合したときでも、始動電圧を低下させるに大
きい効果を示すことを見いだした。つまり、第1
表に実験結果を示すように、わずかに5%組成の
クリプトンの混合によつても発光管の始動電圧が
キセノン単体に比べて大巾に低下することがわか
る。各希ガス単体を封入した発光管の始動電圧
は、キセノン、クリプトン、アルゴンついでネオ
ンの順に低下することはすでによく知られてお
り、これからすればキセノンにアルゴンを混合し
たときの始動電圧が、クリプトン混合よりも低く
なることが当然予測された。しかし、予測に反し
て実際にはクリプトン混合ガスにおいて始動電圧
はアルゴン混合よりも低くなり、さらに留意すべ
きことはわずか少量のクリプトンの混合によつて
始動電圧がこのように大巾に低下するのは、キセ
ノンとクリプトンガスの間には始動現象に関して
特有の相互作用があることを示している。
【表】
以上のようにキセノンに比較的少量のクリプト
ンを混合することによつて始動電圧が特有の現象
によつて低下することが判明した。この場合、本
発明の目的とするランプ、つまり効率をキセノン
単体封入に比べてあまり低下させずに始動電圧を
大巾に低下させたランプを実現するには、キセノ
ンに対するクリプトンの混合組成としては5〜30
%の範囲が好ましい。つまり第1表に始動電圧を
ランプ効率と併せて示すように、5%未満では始
動電圧の低下が少なく、他方30%を越えると始動
電圧が5〜30%のときに比べてあまり変わらない
のにランプ効率の低下が大きくなることがわか
る。 ついで本発明にかかる上記の新しい現象を応用
して実施したランプを説明する。 実施例 1 管内径7.4mmで電極間距離83mmのアルミナセラ
ミツク発光管内に、ナトリウム4.5mgと水銀20mg
のほかにクリプトン10%、キセノン90%の混合ガ
スを20Torr封入した400Wランプを試作した。こ
のランプの始動電圧は約1500Vまで低下してお
り、この結果ランプは第2図に示すように、発光
管1に並列に接続した抵抗8とグロースタータ9
(けい光ランプ用と同タイプ)の直列体を外管1
0内に組込むことによつて容易にかつ確実に始動
できた。この場合、第2図の抵抗はグロースター
タが遮断する電流を制限するものであつて、その
値は遮断電流が約1Aになるように規定された。
この結果、グロースタータによつて始動時に電流
が遮断されるときに、シングルチヨーク安定器1
1に誘起されるいわゆるキツク電圧は約2.0KV以
下であつて、本ランプを既設の高圧水銀ランプ用
の管灯回路や灯具を流用したときでもそれらの電
気的絶縁が破壊されるという事故は皆無であつ
た。一方、ランプ効率は、ランプ電力400W、ラ
ンプ電圧102Vでランプ電流4.6Aにおいて123
m/Wの値が得られた。なお、安定器は本ランプ
のために試作した専用安定器を用いた。 さらに、管内径11.5mmで電極間距離が190mmの
発光管を用いて、管内にナトリウム4.5mg、水銀
17mgとキセノン20%、キセノン80%の混合ガスを
20Torr封入した1KWランプを試作した。このラ
ンプの始動電圧も約1.5KVであつて、第2図と同
じような点灯回路によつてランプは容易にかつ確
実に始動できた。また、ランプ効率は約129
m/Wの値が得られた。 実施例 2 管内径7.4mmで電極間距離83mmのアルミナセラ
ミツク発光管内に、ナトリウム4.5mgと水銀20mg
のほかにクリプトン10%、キセノン90%の混合ガ
スを350Torr封入した400Wランプを試作した。
このランプの始動電圧は、単に両電極間に電圧を
印加したときには5.1KVであつた。この値は、キ
セノン100%ガスを350Torr封入した発光管の
8.5KVに比べて大巾に低下しているが、依然とし
て高いレベルであつて、このままの状態でランプ
を始動させることは安定器や管灯回路の保護のう
えから避けねばならない。ついで、第3図に示す
ように、発光管に一方の電極電位に保つた線状の
始動補助導体12を発光管全長に沿つて付着して
設けることによつて、ランプの始動電圧は5.1KV
から2.0KVまで低下することができた。この始動
補助導体の効果はすでに知られているが、ただ
し、キセノン100%ガスを350Torr封入した発光
管では始動電圧は3.5〜4.0KVまでの低下にとど
まり、この値は依然として高いレベルと言える。
本発明にかかる始動補助導体を付設したランプ
は、第3図に示すように、抵抗8と第1のバイメ
タルスイツチ13との直列体を発光管に並列に外
管内に接続した方式によつて容易にかつ確実に点
灯できた。この場合の抵抗は、バイメタルスイツ
チ13が閉じているときにバイメタルスイツチ1
3に流れる電流を制限するものであつて、その値
は電流が約0.8Aになるように規定された。この
結果、バイメタルスイツチ13が開いたときにシ
ングルチヨーク安定器11に誘起されるいわゆる
キツク電圧は3.5KVであつた。なお、実施例1の
グロースタータに比べてバイメタルスイツチ13
によるキツク電圧が大きくなるのは、バイメタル
スイツチ13が真空に排気された外管内に設置さ
れているためである。また、始動補助導体に直列
に接続されている第2のバイメタルスイツチ14
は、始動時には閉じておりランプ始動後に発光管
の放熱によつて開くように設計されており、これ
によつてランプ点灯時に発光管内からのナトリウ
ムの消失が抑制されている。 本発明にかかる400Wランプは、本発明の検討
期間中において既設の高圧水銀ランプ用の管灯回
路や灯具を流用したときでも何らの事故や問題は
発生しなかつた。また、ランプ効率は、ランプ電
力400W、ランプ電圧100Vでランプ電流4.7Aで
135m/Wの値が得られた。なお、上記400Wラ
ンプは一般に専用安定器で点灯されたが、若干の
発光管の設計変更によつて従来の高水銀ランプ
400W用のシングルチヨーク形安定器でも点灯で
きた。ただし、この場合のランプ電力は約360W
まで低下し、ランプ電圧は約130V付近で点灯さ
れた。また、ランプ効率自体は135m/Wの値
がほぼ保たれた。 管内径が4.8mmで電極間距離55mmの発光管を用
いて、管内にナトリウム4.5mg、水銀20mgのほか
にクリプトン10%、キセノン90%の混合ガスを
350Torr封入した150Wランプも、400Wランプと
同じように第3図に示す点灯回路方式によつて容
易にかつ確実に点灯できた。 以上説明したように、本発明は従来のキセノン
単体からなる始動補助用希ガスに代つてキセノン
にクリプトンガスを5〜30%組成範囲内で混合し
たガスを封入することによつて、ランプ効率をあ
まり低下させずに始動電圧を大巾に低下させるこ
とができて、この現象を応用することによつて簡
単な始動装置を外管内に組込んだ信頼性のすぐれ
た新しい高圧ナトリウムランプが実現できる。
ンを混合することによつて始動電圧が特有の現象
によつて低下することが判明した。この場合、本
発明の目的とするランプ、つまり効率をキセノン
単体封入に比べてあまり低下させずに始動電圧を
大巾に低下させたランプを実現するには、キセノ
ンに対するクリプトンの混合組成としては5〜30
%の範囲が好ましい。つまり第1表に始動電圧を
ランプ効率と併せて示すように、5%未満では始
動電圧の低下が少なく、他方30%を越えると始動
電圧が5〜30%のときに比べてあまり変わらない
のにランプ効率の低下が大きくなることがわか
る。 ついで本発明にかかる上記の新しい現象を応用
して実施したランプを説明する。 実施例 1 管内径7.4mmで電極間距離83mmのアルミナセラ
ミツク発光管内に、ナトリウム4.5mgと水銀20mg
のほかにクリプトン10%、キセノン90%の混合ガ
スを20Torr封入した400Wランプを試作した。こ
のランプの始動電圧は約1500Vまで低下してお
り、この結果ランプは第2図に示すように、発光
管1に並列に接続した抵抗8とグロースタータ9
(けい光ランプ用と同タイプ)の直列体を外管1
0内に組込むことによつて容易にかつ確実に始動
できた。この場合、第2図の抵抗はグロースター
タが遮断する電流を制限するものであつて、その
値は遮断電流が約1Aになるように規定された。
この結果、グロースタータによつて始動時に電流
が遮断されるときに、シングルチヨーク安定器1
1に誘起されるいわゆるキツク電圧は約2.0KV以
下であつて、本ランプを既設の高圧水銀ランプ用
の管灯回路や灯具を流用したときでもそれらの電
気的絶縁が破壊されるという事故は皆無であつ
た。一方、ランプ効率は、ランプ電力400W、ラ
ンプ電圧102Vでランプ電流4.6Aにおいて123
m/Wの値が得られた。なお、安定器は本ランプ
のために試作した専用安定器を用いた。 さらに、管内径11.5mmで電極間距離が190mmの
発光管を用いて、管内にナトリウム4.5mg、水銀
17mgとキセノン20%、キセノン80%の混合ガスを
20Torr封入した1KWランプを試作した。このラ
ンプの始動電圧も約1.5KVであつて、第2図と同
じような点灯回路によつてランプは容易にかつ確
実に始動できた。また、ランプ効率は約129
m/Wの値が得られた。 実施例 2 管内径7.4mmで電極間距離83mmのアルミナセラ
ミツク発光管内に、ナトリウム4.5mgと水銀20mg
のほかにクリプトン10%、キセノン90%の混合ガ
スを350Torr封入した400Wランプを試作した。
このランプの始動電圧は、単に両電極間に電圧を
印加したときには5.1KVであつた。この値は、キ
セノン100%ガスを350Torr封入した発光管の
8.5KVに比べて大巾に低下しているが、依然とし
て高いレベルであつて、このままの状態でランプ
を始動させることは安定器や管灯回路の保護のう
えから避けねばならない。ついで、第3図に示す
ように、発光管に一方の電極電位に保つた線状の
始動補助導体12を発光管全長に沿つて付着して
設けることによつて、ランプの始動電圧は5.1KV
から2.0KVまで低下することができた。この始動
補助導体の効果はすでに知られているが、ただ
し、キセノン100%ガスを350Torr封入した発光
管では始動電圧は3.5〜4.0KVまでの低下にとど
まり、この値は依然として高いレベルと言える。
本発明にかかる始動補助導体を付設したランプ
は、第3図に示すように、抵抗8と第1のバイメ
タルスイツチ13との直列体を発光管に並列に外
管内に接続した方式によつて容易にかつ確実に点
灯できた。この場合の抵抗は、バイメタルスイツ
チ13が閉じているときにバイメタルスイツチ1
3に流れる電流を制限するものであつて、その値
は電流が約0.8Aになるように規定された。この
結果、バイメタルスイツチ13が開いたときにシ
ングルチヨーク安定器11に誘起されるいわゆる
キツク電圧は3.5KVであつた。なお、実施例1の
グロースタータに比べてバイメタルスイツチ13
によるキツク電圧が大きくなるのは、バイメタル
スイツチ13が真空に排気された外管内に設置さ
れているためである。また、始動補助導体に直列
に接続されている第2のバイメタルスイツチ14
は、始動時には閉じておりランプ始動後に発光管
の放熱によつて開くように設計されており、これ
によつてランプ点灯時に発光管内からのナトリウ
ムの消失が抑制されている。 本発明にかかる400Wランプは、本発明の検討
期間中において既設の高圧水銀ランプ用の管灯回
路や灯具を流用したときでも何らの事故や問題は
発生しなかつた。また、ランプ効率は、ランプ電
力400W、ランプ電圧100Vでランプ電流4.7Aで
135m/Wの値が得られた。なお、上記400Wラ
ンプは一般に専用安定器で点灯されたが、若干の
発光管の設計変更によつて従来の高水銀ランプ
400W用のシングルチヨーク形安定器でも点灯で
きた。ただし、この場合のランプ電力は約360W
まで低下し、ランプ電圧は約130V付近で点灯さ
れた。また、ランプ効率自体は135m/Wの値
がほぼ保たれた。 管内径が4.8mmで電極間距離55mmの発光管を用
いて、管内にナトリウム4.5mg、水銀20mgのほか
にクリプトン10%、キセノン90%の混合ガスを
350Torr封入した150Wランプも、400Wランプと
同じように第3図に示す点灯回路方式によつて容
易にかつ確実に点灯できた。 以上説明したように、本発明は従来のキセノン
単体からなる始動補助用希ガスに代つてキセノン
にクリプトンガスを5〜30%組成範囲内で混合し
たガスを封入することによつて、ランプ効率をあ
まり低下させずに始動電圧を大巾に低下させるこ
とができて、この現象を応用することによつて簡
単な始動装置を外管内に組込んだ信頼性のすぐれ
た新しい高圧ナトリウムランプが実現できる。
第1図は本発明の高圧ナトリウムランプの発光
管の断面図、第2図は本発明の高圧ナトリウムラ
ンプの一例を示す図、第3図は本発明の高圧ナト
リウムランプの他の例を示す図である。 1……発光管、2,3……エンドキヤツプ、
6,7……電極、8……抵抗、9……グロースタ
ータ、10……外管、13……第1のバイメタル
スイツチ、14……第2のバイメタルスイツチ。
管の断面図、第2図は本発明の高圧ナトリウムラ
ンプの一例を示す図、第3図は本発明の高圧ナト
リウムランプの他の例を示す図である。 1……発光管、2,3……エンドキヤツプ、
6,7……電極、8……抵抗、9……グロースタ
ータ、10……外管、13……第1のバイメタル
スイツチ、14……第2のバイメタルスイツチ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 透光性の発光管内に、ナトリウムと緩衝用ガ
スのほかに、始動補助用希ガスを封入した高圧ナ
トリウムランプにおいて、上記希ガスとしてキセ
ノンとクリプトンとからなる混合ガスを用い、か
つこの混合ガスにおけるクリプトンの組成比を5
〜30%としたことを特徴とする高圧ナトリウムラ
ンプ。 2 発光管に並列に、電流制限用の抵抗とグロー
スイツチまたはバイメタルスイツチとの直列体を
外管内に設けたことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の高圧ナトリウムランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5531478A JPS54146481A (en) | 1978-05-09 | 1978-05-09 | High-pressure sodium lamp |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5531478A JPS54146481A (en) | 1978-05-09 | 1978-05-09 | High-pressure sodium lamp |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54146481A JPS54146481A (en) | 1979-11-15 |
JPS6254231B2 true JPS6254231B2 (ja) | 1987-11-13 |
Family
ID=12995089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5531478A Granted JPS54146481A (en) | 1978-05-09 | 1978-05-09 | High-pressure sodium lamp |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54146481A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL7809055A (nl) * | 1978-09-05 | 1980-03-07 | Philips Nv | Gas- en/of dampontladingslamp. |
JPS5665456A (en) * | 1979-10-31 | 1981-06-03 | Mitsubishi Electric Corp | Metal vapor discharge lamp |
JPS5838450A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-05 | Matsushita Electronics Corp | 高圧ナトリウムランプ |
JPS5838449A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-05 | Matsushita Electronics Corp | 高圧ナトリウムランプ装置 |
JPS595555A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-12 | Japan Storage Battery Co Ltd | 始動器内蔵形高圧ナトリウムランプ |
-
1978
- 1978-05-09 JP JP5531478A patent/JPS54146481A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54146481A (en) | 1979-11-15 |
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