JPS6249954B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、原子炉容器主に高速増殖炉容器の
上蓋を形成するしやへいプラグの改良に関するも
のである。

液体金属冷却増殖炉においては、冷却材が活性
であるため、原子炉燃料体の交換を原子炉容器の
上蓋をとらないままに行う方式が多用されてい
る。このため、原子炉容器の上蓋を形成するしや
へいプラグは、燃料体交換装置を装架したその構
成部分を、しやへいプラグにおいて、原子炉容器
の内部を外部に対し密封したまま回転し、燃料体
交換装置により異なつた位置にある原子炉燃料体
を移動することが要求される。

他方、原子炉運転中に地震が発生した場合に
は、制御棒を炉心に深く差し入れて原子炉の稼動
を安全に停止する必要があり、そのため原子炉の
通常運転中も、制御棒は、しやへいプラグに装架
された制御棒操作装置を介して常に垂直に保つ必
要がある。

前記要求のため、前記の装置などが装架される
しやへいプラグの取付面の水平度、しやへいプラ
グ構成回転部分の回転軸の垂直度などは高い精度
に維持することが要求される。

従来のしやへいプラグを第１図について次に説
明する。

しやへいプラグ２の上板３は、原子炉容器１の
上端面に締結されている。上板３は、円形の外周
と、段部４を備え外周と偏心した円孔５を有して
いる。上板３の水平上面、円孔５の周辺上には、
環状の上板ライザ６が締結され、上板ライザ６の
水平上端面上には、スラスト軸受７が載置されて
いる。回転上板８は、段部９を備えた円板状の外
形を有し、水平上端面外周辺上には、環状の支持
部材１０が締結され、さらに、回転上板８には、
燃料体交換装置、制御棒操作装置などの上部機構
１１が載架されている。支持部材１０は、その上
端に水平のフランジ部１２を一体に備え、フラン
ジ部１２の外周には被動歯車１３が切られてい
る。回転上板８は、上板３の円孔５内に回転自在
に納められ、その重量は、主として支持部材１０
を介しスラスト軸受７に、その若干は上板３の段
部４によつて支承されている。上板ライザ６の内
周面と支持部材１０の外周面間には、シール器材
１４がはさみ込まれ、シール器材１４は、容器内
部１５を外部に対し密封している。駆動装置１６
は、その軸端に備えた駆動歯車１７により、被動
歯車１３を経て回転上板８を回転させる。

前記に説明したしやへいプラグ２においては、
回転上板８とその付帯構造はただ一組であるが、
それが複数組のものも多用されている。

従来から、しやへいプラグの主要強度部材であ
る上板、回転上板は、前記の高精度維持の必要上
十分な剛性を有する形状に形成されているが、原
子炉の大容量化に伴い、しやへいプラグも大形化
すると共に、それに装架される上部機構も大形と
なり重量も増大するため、しやへいプラグのたわ
みも増加する。さらに又、上部機構を載架した１
個又は複数個の回転上板は、上板上に偏心に載置
されているため、荷重の片寄りにより上板のたわ
みは一層大となり、回転上板を回転するときは、
それに装架された上部機構の上板に対する位置も
移動するため、しやへいプラグの設計時にたわみ
量を推定することは困難である。

この発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、前記のたわみが生じても、それを補正して、
回転上板の回転中心線を垂直に、回転平面を水平
に維持して、回転上板に装架される上部機構の取
付関係姿勢を正常に保つことができるしやへいプ
ラグを提供することを目的とする。

前記目的を達するため、この発明においては、
しやへいプラグ上板の段付円孔の段部上に載置さ
れ上面が傾斜している環状の第一ライナと、前記
上板の上端面、その円孔の周辺上に締結された上
板ライザの上端面上に、上面が傾斜した環状の第
二ライナを着脱自在に付設している。

この発明の一実施例を第１図，第２図について
次に説明する。

第２図には前記付設の第一，第二ライナとそれ
が取り付けられる上板及び上板ライザのみを示
し、しやへいプラグのその他の構成部分は第１図
について前記に説明したものと全く同一であるか
ら、省略し、図示していない。

上板３は第１図に示した上板３と全く同一のも
ので原子炉容器１の上端面上に締結されている。
上板３の円孔の段部４上に、上面が傾斜した環状
の第一ライナ３ａが着脱自在に締結され、その上
面には回転上板８が回転自在に載置される。上板
３上に締結された上板ライザ６の上端面上に、上
面が傾斜した環状の第二ライナ６ａが着脱自在に
締結される。

初めに、しやへいプラグ２を、第一ライナ３
ａ，第二ライナ６ａを除いて、製造工場におい
て、それに装架される上部機構１１と共に、原子
炉容器１上に、又はそれに相当してしやへいプラ
グ２を支承する図示しない架構上に組み立て、回
転上板８を回して、上板３の上面のたわみ量を測
定し、上部機構１１を共にして回転上板８を取り
外す。第一ライナ３ａの斜面の傾斜角が、前記測
定のたわみ量を補正するような角度に第一ライナ
３ａの上面を削成し、第一ライナ３ａを段部４上
に前記補正が行える方向に傾斜方向を合せて締結
し、その上に回転上板８を載置して、上板３の上
面の水平度を測定し、前記たわみの補正がなされ
たか否かを確認する。その結果により、再び前記
工程を繰り返したわみを補正する。次に、前記補
正工程が完了した状態における上板ライザ６の上
端面とフランジ部１２の下面間の各所すき間を測
定し、その測定値に基づいて、第二ライナ６ａ
は、その厚み、傾斜角を形成され、上板ライザ６
の上面に、傾斜方向を調整して締結される。

この発明は、前記のように、従来のしやへいプ
ラグにおいて、その構成部分たる上板の円孔段部
上に上面が傾斜した環状の第一ライナを付設締結
し、上板ライザ上面に上面が傾斜した環状の第二
ライナを付設締結することにより、上板上に直接
間接に取り付けられる部材の水平取付面及び垂直
回転中心線を、上板の水平面におけるたわみを補
正することにより常に正常に維持する効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のしやへいプラグの縦断面図、第
２図はこの発明の一実施例の要部縦断面図であ
る。 １…原子炉容器、２…しやへいプラグ、３…上
板、３ａ…第一ライナ、６…上板ライザ、６ａ…
第二ライナ、７…スラスト軸受、８…回転上板、
１０…支持部材、１４…シール器材、１６…駆動
装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原子炉容器の上端面に締結され、外周が円形
   にして内部に前記外周と偏心した段付円孔を有す
   る上板と、外周が段付円板状にして前記段付円孔
   にはまり込み前記上板上に回転自在に支承される
   回転上板と、前記上板の上面、円孔の周辺上に上
   板に一体に取り付けられた環状の上板ライザと、
   前記回転上板の上面周辺上に一体に取り付けら
   れ、その上端フランジ部周辺に被動歯車を一体に
   有する環状の支持部材と、前記上板ライザ上に載
   置されて前記支持部材のフランジ部を介し前記回
   転上板を回転自在に支承するスラスト軸受と、前
   記被動歯車を駆動する駆動歯車を軸端に一体に有
   し前記上板上面に締結された駆動装置と、前記支
   持部材の外周壁と前記上板ライザの内周壁にはさ
   まれて、前記原子炉容器の内部をその外部に対し
   密封するシール器材とを備えたしやへいプラグに
   おいて、上面が傾斜し、前記上板円孔の段部上に
   着脱自在に締結されてその上面に前記回転上板を
   回転自在に支承する環状の第一ライナと、前記上
   板ライザ上端面上に着脱自在に締結され、上面が
   傾斜し、その上面上に前記スラスト軸受を支承す
   る環状の第二ライナとを付設したことを特徴とす
   る原子炉容器のしやへいプラグ。