JPS6248738B2 - - Google Patents
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- JPS6248738B2 JPS6248738B2 JP57080561A JP8056182A JPS6248738B2 JP S6248738 B2 JPS6248738 B2 JP S6248738B2 JP 57080561 A JP57080561 A JP 57080561A JP 8056182 A JP8056182 A JP 8056182A JP S6248738 B2 JPS6248738 B2 JP S6248738B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は機械的強度および硬度ならびに耐熱特
性に優れたサーメツト、特にTiN、TaN等の窒化
物を含有するTiC系セラミツクス成分と金属とを
複合せしめて、強靭性および耐熱衝撃性の大きい
サーメツトを製造する方法に関するものである。 従来から各種セラミツクス粉末と金属粉末とを
混合、圧縮成形したうえ焼結を施して得られる複
合材料、即ちサーメツトは、基本的にはセラミツ
クスの耐熱性と金属の強靭性とを兼ね備えた材料
として切削工具あるいはドリル工具のような鑿穿
用、摩擦用の部品に主に用いられて来た。また、
近時、航空機産業から宇宙産業への発展および原
子力利用の発達等に伴なつて、高温強度、耐熱衝
撃性、靭性、耐食性に優れた材料が要求されるに
到り、サーメツトはかかる要求を満たすべき有望
な材料として世上の注目を浴びつつ多くの改良、
研究が続けられて来た。 しかしながら、それらの応用分野が、高度な安
全性を保証するための厳密な品質特性とその耐久
性とを要求するものであるだけに、前記特性のす
べてについて実用に供し得る程度に迄、充分に満
足なサーメツトは殆んど得られていない現状にあ
る。 このようなサーメツトのセラミツクス成分とし
ては、Al2O3、Cr2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化
物、TiC、Mo2C、WC、TaC、Cr3C2等の炭化
物、Cr3B2、TiB2、ZrB2等の硼化物、Mosi2等の
珪化物、TiN、TaN等の窒化物等、多くのものが
知られ、それらに複合される金属成分としては
Fe、Ni、Co、を始めAl、Be、Cr、Zr、Ag、
Mo、それらの合金等々、種々の材料が試みられ
て来た。 それらのうち両成分の結合挙動が、成分間の反
応によつてセラミツクスと金属成分との多原子構
造の固溶体を形成するとされる代表例、即ち
Ni、Co、Fe、Mo、W又はそれらの合金等を金属
成分とするTiC基サーメツトは強度、硬度、高温
低抵抗性、耐候性、腐食抵抗において可成り優れ
ており、就中、TiN等の窒化物を含有したTiC基
サーメツトは窒化物を含有しないものに比して、
卓越した靭性と耐衝撃性とを備え、切削工具、摩
擦用部品としたとき、耐ピツチング性、耐熱的変
形において良好な特性を示す。しかしながら、こ
のような窒化物含有サーメツトは成分材料を混
合、圧縮成形した後、焼結を施す際にTiN等の窒
化物の分解、固溶相の形成によるN2ガスの放出
によりマイクロポアが生成して、硬度および強度
が低下し、もしくはばらつき易いという問題があ
る。 本発明は窒化物を含有するTiC基サーメツトに
付随する上述のような従来の問題点を解消するた
め鋭意研究の末に完成したもので、その目的とす
るところは、実質的にマイクロポアを含むことな
く真密度に極めて近似した相対密度を有し、且つ
窒化物含量が高く強度、硬度、靭性、耐熱衝撃性
耐候性、耐食性に優れたTiC基サーメツトを提供
するにある。 上述の目的を達成するための本発明方法の特徴
とするところは、TiNおよび/またはTaNを10重
量%以上含有するTiC基サーメツト焼結体を窒素
分圧100Kg/cm2以上、温度1150〜1500℃の高温高
圧下でN2ガスを圧力媒体として熱間静水圧プレ
ス(以下HIPと略称する)処理することにある。 本発明方法に適用されるTiC基サーメツト焼結
体はTiNおよびTaNの一方もしくは双方を含有し
てなるものでなければならず、かかる窒化物の総
含有量は焼結体重量の少くとも10重量%であるこ
とを要する。通常の含有量は10〜30重量%である
が、それよりも少ない量では得られたサーメツト
の強度および靭性が不足し本発明の目的を充分に
達成することができない。 これらの窒化物のうち最も一般的に適用されて
来たのはTiNであるが、TaNも特定の配合成分、
配合比率の下では著しく高い強度を与える。 一方、TiCは焼結体重量の少なくとも約40重量
%となるように配合されることが好ましく、又最
も好ましい配合量は約50重量%であり、更に又、
60重量%まで配合することも充分に可能である。 本発明方法においては、サーメツトの硬度およ
び強靭性を増大するためにセラミツクス成分に例
えばMo2C、WC、TaC等を添加することは効果
的であり、特にMo2Cをサーメツト焼結体重量の
約10〜20重量%含有せしめれば優れた効果を発揮
する。 又、本発明方法を適用するサーメツト焼結体の
金属成分としては、例えばNi、Co、Fe、Mo、
W、インコネル、ハステロイ、ステンレス鋼、バ
イタリウム等の金属単体、混合物および合金が挙
げられるが、就中、焼結体重量の約10〜20重量%
のNiを含有する場合に前記の好ましい諸特性を
備えたサーメツトが得られる。又、更に、約10重
量%のCoを添加した場合に強靭性の一層の増大
傾向が認められ、その傾向は窒化物としてTaNを
用いたときに特に顕著である。 上述したセラミツクスおよび金属成分は、平均
粒径が好ましくは1〜3μm程度の微粉末として
前記配合割合に従つて混合され、常法によつて金
型を用い圧縮成形を行なつた後、得られた成形体
に焼結処理を施しサーメツト焼結体とする。焼結
処理は成分粒子が塑性流動を生じ相互に拡散接合
および成分間の反応によるセラミツクスと金属成
分との多原子構造の固溶体の形成が行なわれる条
件が採択され、通常、真空中で例えば1200℃以上
の高温に30分以上曝すことによつて行なわれる。
かくして得られたサーメツト焼結体は、既述の如
く窒化物、例えばTiNの一部が焼結時に分解し、
又、結合相への固溶によるN2ガスの放出によつ
てマイクロポアが発生して、その相対密度は真密
度のたかだか約90%〜95%にとどまり、硬さおよ
び強度も低く、又不均一なものである。 本発明方法にあつては、上述の如くして得られ
たTiC基サーメツト焼結体に特定の条件でHIP処
理を施す点に最大の特色を有する。 かかるHIP処理はN2ガスを圧力媒体として窒素
分圧100Kg/cm2以上、温度1150〜1500℃の高温高
圧下で通常のHIP炉中にてカプセルを用いること
なく行なわれる。 一般にHIP処理における圧媒ガスとしては、従
来Arガス、N2ガス等の不活性ガスが最も多用さ
れているが、本発明方法においては特にN2ガス
を適用することを必須とする。即ち、N2ガス
は、HIP処理時にTiN等の窒化物の分解を防止
し、又TiCの一部をTiNに転化する作用を掌ると
考えられ、Arガスを用いた場合に到底得られな
い驚くべき顕著な強靭性増大効果を奏するのであ
る。かかる効果は窒素ガス分圧を100Kg/cm2とし
た場合に顕出され、圧力の上昇と共に増長される
が、500Kg/cm2以上では特に優れた強靭性を付与
することが可能となる。HIP処理温度は1150℃未
満であれば焼結体成分材料の塑性流動が不充分で
あり、従つてマイクロポアの消滅が有効に達成さ
れず、又、1500℃を超えると組織の粗大化を来た
し強度の改善が充分に行なわれないため不可であ
る。 更に好ましいHIP処理温度は1250℃〜1400℃の
範囲内にある。かかる温度および圧力条件でHIP
処理を行なう際の処理時間は、通常の金属材料も
しくはセラミツクス材料の緻密化に一般に適用さ
れる時間と特に変わりなく、10〜80分程度の時間
が状況に応じて費される。 以上詳述した本発明方法によれば、TiN、TaN
等の窒化物を10重量%以上も含有するTiC基サー
メツト焼結体に含まれる多数のマイクロポアやボ
イドを、窒素ガスを圧媒とした特定条件のHIP処
理によつて完全に消滅させ、且つ緻密化すること
ができ、98%以上という高い見掛密度を有するサ
ーメツトを得ることが可能であるばかりでなく、
高圧の窒素ガス雰囲気に曝された状態で加熱され
るため、TiN、TaN等の分解は抑制され、却つて
TiCの一部はTiNに転化することと相俟つて、強
靭度、および耐熱衝撃性の著しく優れたサーメツ
トが得られる。更に本発明方法の好ましい例とし
てのTiC−Ni系サーメツトは、セラミツクス成分
と金属成分との完全な反応によつて多原子構造の
固溶体を形成し、且つTiN、TaN、Mo2C、ある
いはCo等の硬度、強度、耐ピツチング性、耐熱
衝撃性、靭性、耐食性等の増強作用も湊合されて
優れた物理的、化学的性質を具備したものとな
り、切削工具、鑿穿用、摩擦用部品等に最適であ
り、又、ジエツトエンジン部品、ガスタービン部
品、原子炉材料等への応用の途が拓かれるもので
ある。 次いで、以下に本発明を実施例について述べる
が、本発明がこれら実施例に限定されるものでな
いことはいうまでもない。 なお、実施例中の「%」はすべて「重量%」を
表わす。 実施例 1 市販のTiN、TiC、Mo2C、Niの各粉末(平均
粒径いずれも1〜3μm)をそれぞれ20%、50
%、15%、15%混合し、金型成形後、1350℃の温
度で1hr、真空中で焼結した。この焼結体をアル
ゴンあるいは窒素ガスを圧媒として、所定の圧力
下で1400℃×1hrのHIP処理を施した。 次にこれらの処理材の抗折力を測定した。図は
圧媒としてアルゴンガスを用いた場合と窒素ガス
を用いた場合とについて、それぞれ各HIP処理圧
力に対し得られたサーメツトの抗折力をプロツト
した線図である。 同図から明らかな通り、窒素ガスでHIP処理を
行なつた場合、圧力が100Kg/cm2以上の範囲で抗
折力は著しく改善され、特に500Kg/cm2以上で更
に高い値を示すが、アルゴンガスを用いたHIP処
理では殆んど改善されていない。 実施例 2 市販のTiN、TaN、TiC、Mo2C、Ni、Coの各
粉末を所定の割合で混合し、金型成形後、1350
℃、1hr、真空中で焼結した。この焼結体を窒素
ガス中500Kg/cm2の圧力下、所定の温度で1hrの
HIP処理を行ない、次にこれらの処理材の抗折力
を室温において測定した。 その結果を次表に示す。
性に優れたサーメツト、特にTiN、TaN等の窒化
物を含有するTiC系セラミツクス成分と金属とを
複合せしめて、強靭性および耐熱衝撃性の大きい
サーメツトを製造する方法に関するものである。 従来から各種セラミツクス粉末と金属粉末とを
混合、圧縮成形したうえ焼結を施して得られる複
合材料、即ちサーメツトは、基本的にはセラミツ
クスの耐熱性と金属の強靭性とを兼ね備えた材料
として切削工具あるいはドリル工具のような鑿穿
用、摩擦用の部品に主に用いられて来た。また、
近時、航空機産業から宇宙産業への発展および原
子力利用の発達等に伴なつて、高温強度、耐熱衝
撃性、靭性、耐食性に優れた材料が要求されるに
到り、サーメツトはかかる要求を満たすべき有望
な材料として世上の注目を浴びつつ多くの改良、
研究が続けられて来た。 しかしながら、それらの応用分野が、高度な安
全性を保証するための厳密な品質特性とその耐久
性とを要求するものであるだけに、前記特性のす
べてについて実用に供し得る程度に迄、充分に満
足なサーメツトは殆んど得られていない現状にあ
る。 このようなサーメツトのセラミツクス成分とし
ては、Al2O3、Cr2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化
物、TiC、Mo2C、WC、TaC、Cr3C2等の炭化
物、Cr3B2、TiB2、ZrB2等の硼化物、Mosi2等の
珪化物、TiN、TaN等の窒化物等、多くのものが
知られ、それらに複合される金属成分としては
Fe、Ni、Co、を始めAl、Be、Cr、Zr、Ag、
Mo、それらの合金等々、種々の材料が試みられ
て来た。 それらのうち両成分の結合挙動が、成分間の反
応によつてセラミツクスと金属成分との多原子構
造の固溶体を形成するとされる代表例、即ち
Ni、Co、Fe、Mo、W又はそれらの合金等を金属
成分とするTiC基サーメツトは強度、硬度、高温
低抵抗性、耐候性、腐食抵抗において可成り優れ
ており、就中、TiN等の窒化物を含有したTiC基
サーメツトは窒化物を含有しないものに比して、
卓越した靭性と耐衝撃性とを備え、切削工具、摩
擦用部品としたとき、耐ピツチング性、耐熱的変
形において良好な特性を示す。しかしながら、こ
のような窒化物含有サーメツトは成分材料を混
合、圧縮成形した後、焼結を施す際にTiN等の窒
化物の分解、固溶相の形成によるN2ガスの放出
によりマイクロポアが生成して、硬度および強度
が低下し、もしくはばらつき易いという問題があ
る。 本発明は窒化物を含有するTiC基サーメツトに
付随する上述のような従来の問題点を解消するた
め鋭意研究の末に完成したもので、その目的とす
るところは、実質的にマイクロポアを含むことな
く真密度に極めて近似した相対密度を有し、且つ
窒化物含量が高く強度、硬度、靭性、耐熱衝撃性
耐候性、耐食性に優れたTiC基サーメツトを提供
するにある。 上述の目的を達成するための本発明方法の特徴
とするところは、TiNおよび/またはTaNを10重
量%以上含有するTiC基サーメツト焼結体を窒素
分圧100Kg/cm2以上、温度1150〜1500℃の高温高
圧下でN2ガスを圧力媒体として熱間静水圧プレ
ス(以下HIPと略称する)処理することにある。 本発明方法に適用されるTiC基サーメツト焼結
体はTiNおよびTaNの一方もしくは双方を含有し
てなるものでなければならず、かかる窒化物の総
含有量は焼結体重量の少くとも10重量%であるこ
とを要する。通常の含有量は10〜30重量%である
が、それよりも少ない量では得られたサーメツト
の強度および靭性が不足し本発明の目的を充分に
達成することができない。 これらの窒化物のうち最も一般的に適用されて
来たのはTiNであるが、TaNも特定の配合成分、
配合比率の下では著しく高い強度を与える。 一方、TiCは焼結体重量の少なくとも約40重量
%となるように配合されることが好ましく、又最
も好ましい配合量は約50重量%であり、更に又、
60重量%まで配合することも充分に可能である。 本発明方法においては、サーメツトの硬度およ
び強靭性を増大するためにセラミツクス成分に例
えばMo2C、WC、TaC等を添加することは効果
的であり、特にMo2Cをサーメツト焼結体重量の
約10〜20重量%含有せしめれば優れた効果を発揮
する。 又、本発明方法を適用するサーメツト焼結体の
金属成分としては、例えばNi、Co、Fe、Mo、
W、インコネル、ハステロイ、ステンレス鋼、バ
イタリウム等の金属単体、混合物および合金が挙
げられるが、就中、焼結体重量の約10〜20重量%
のNiを含有する場合に前記の好ましい諸特性を
備えたサーメツトが得られる。又、更に、約10重
量%のCoを添加した場合に強靭性の一層の増大
傾向が認められ、その傾向は窒化物としてTaNを
用いたときに特に顕著である。 上述したセラミツクスおよび金属成分は、平均
粒径が好ましくは1〜3μm程度の微粉末として
前記配合割合に従つて混合され、常法によつて金
型を用い圧縮成形を行なつた後、得られた成形体
に焼結処理を施しサーメツト焼結体とする。焼結
処理は成分粒子が塑性流動を生じ相互に拡散接合
および成分間の反応によるセラミツクスと金属成
分との多原子構造の固溶体の形成が行なわれる条
件が採択され、通常、真空中で例えば1200℃以上
の高温に30分以上曝すことによつて行なわれる。
かくして得られたサーメツト焼結体は、既述の如
く窒化物、例えばTiNの一部が焼結時に分解し、
又、結合相への固溶によるN2ガスの放出によつ
てマイクロポアが発生して、その相対密度は真密
度のたかだか約90%〜95%にとどまり、硬さおよ
び強度も低く、又不均一なものである。 本発明方法にあつては、上述の如くして得られ
たTiC基サーメツト焼結体に特定の条件でHIP処
理を施す点に最大の特色を有する。 かかるHIP処理はN2ガスを圧力媒体として窒素
分圧100Kg/cm2以上、温度1150〜1500℃の高温高
圧下で通常のHIP炉中にてカプセルを用いること
なく行なわれる。 一般にHIP処理における圧媒ガスとしては、従
来Arガス、N2ガス等の不活性ガスが最も多用さ
れているが、本発明方法においては特にN2ガス
を適用することを必須とする。即ち、N2ガス
は、HIP処理時にTiN等の窒化物の分解を防止
し、又TiCの一部をTiNに転化する作用を掌ると
考えられ、Arガスを用いた場合に到底得られな
い驚くべき顕著な強靭性増大効果を奏するのであ
る。かかる効果は窒素ガス分圧を100Kg/cm2とし
た場合に顕出され、圧力の上昇と共に増長される
が、500Kg/cm2以上では特に優れた強靭性を付与
することが可能となる。HIP処理温度は1150℃未
満であれば焼結体成分材料の塑性流動が不充分で
あり、従つてマイクロポアの消滅が有効に達成さ
れず、又、1500℃を超えると組織の粗大化を来た
し強度の改善が充分に行なわれないため不可であ
る。 更に好ましいHIP処理温度は1250℃〜1400℃の
範囲内にある。かかる温度および圧力条件でHIP
処理を行なう際の処理時間は、通常の金属材料も
しくはセラミツクス材料の緻密化に一般に適用さ
れる時間と特に変わりなく、10〜80分程度の時間
が状況に応じて費される。 以上詳述した本発明方法によれば、TiN、TaN
等の窒化物を10重量%以上も含有するTiC基サー
メツト焼結体に含まれる多数のマイクロポアやボ
イドを、窒素ガスを圧媒とした特定条件のHIP処
理によつて完全に消滅させ、且つ緻密化すること
ができ、98%以上という高い見掛密度を有するサ
ーメツトを得ることが可能であるばかりでなく、
高圧の窒素ガス雰囲気に曝された状態で加熱され
るため、TiN、TaN等の分解は抑制され、却つて
TiCの一部はTiNに転化することと相俟つて、強
靭度、および耐熱衝撃性の著しく優れたサーメツ
トが得られる。更に本発明方法の好ましい例とし
てのTiC−Ni系サーメツトは、セラミツクス成分
と金属成分との完全な反応によつて多原子構造の
固溶体を形成し、且つTiN、TaN、Mo2C、ある
いはCo等の硬度、強度、耐ピツチング性、耐熱
衝撃性、靭性、耐食性等の増強作用も湊合されて
優れた物理的、化学的性質を具備したものとな
り、切削工具、鑿穿用、摩擦用部品等に最適であ
り、又、ジエツトエンジン部品、ガスタービン部
品、原子炉材料等への応用の途が拓かれるもので
ある。 次いで、以下に本発明を実施例について述べる
が、本発明がこれら実施例に限定されるものでな
いことはいうまでもない。 なお、実施例中の「%」はすべて「重量%」を
表わす。 実施例 1 市販のTiN、TiC、Mo2C、Niの各粉末(平均
粒径いずれも1〜3μm)をそれぞれ20%、50
%、15%、15%混合し、金型成形後、1350℃の温
度で1hr、真空中で焼結した。この焼結体をアル
ゴンあるいは窒素ガスを圧媒として、所定の圧力
下で1400℃×1hrのHIP処理を施した。 次にこれらの処理材の抗折力を測定した。図は
圧媒としてアルゴンガスを用いた場合と窒素ガス
を用いた場合とについて、それぞれ各HIP処理圧
力に対し得られたサーメツトの抗折力をプロツト
した線図である。 同図から明らかな通り、窒素ガスでHIP処理を
行なつた場合、圧力が100Kg/cm2以上の範囲で抗
折力は著しく改善され、特に500Kg/cm2以上で更
に高い値を示すが、アルゴンガスを用いたHIP処
理では殆んど改善されていない。 実施例 2 市販のTiN、TaN、TiC、Mo2C、Ni、Coの各
粉末を所定の割合で混合し、金型成形後、1350
℃、1hr、真空中で焼結した。この焼結体を窒素
ガス中500Kg/cm2の圧力下、所定の温度で1hrの
HIP処理を行ない、次にこれらの処理材の抗折力
を室温において測定した。 その結果を次表に示す。
【表】
表中のNo.1〜No.7の試料より、HIP処理の温度
としては1150〜1500℃が有効な範囲で更に好まし
い温度は1250〜1400℃の範囲内にあることが判明
した。1150℃未満ではマイクロポアやボイドの消
滅に有効でなく、1500℃を超えると組織の粗大化
のため抗折力の改善は認められなかつた。 試料No.8〜13より、本発明はTiN、TaN、
TiC、Mo2C、Ni、Co等からなるものに極めて有
効に適用されることが明らかであり、試料No.14
〜17を参照すれば、窒化物の総含量が10%に達し
ない場合は抗折力が殆んど改善されないことが判
明する。
としては1150〜1500℃が有効な範囲で更に好まし
い温度は1250〜1400℃の範囲内にあることが判明
した。1150℃未満ではマイクロポアやボイドの消
滅に有効でなく、1500℃を超えると組織の粗大化
のため抗折力の改善は認められなかつた。 試料No.8〜13より、本発明はTiN、TaN、
TiC、Mo2C、Ni、Co等からなるものに極めて有
効に適用されることが明らかであり、試料No.14
〜17を参照すれば、窒化物の総含量が10%に達し
ない場合は抗折力が殆んど改善されないことが判
明する。
図はサーメツト焼結体を本発明方法によつて
HIP処理した場合と然らざる場合とについて、得
られたサーメツトの抗折力の値をHIP処理圧力に
対してプロツトした線図である。
HIP処理した場合と然らざる場合とについて、得
られたサーメツトの抗折力の値をHIP処理圧力に
対してプロツトした線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 TiNおよび/またはTaNを10重量%以上含有
するTiC基サーメツト焼結体を窒素分圧100Kg/
cm2以上、温度1150〜1500℃の高温高圧下でN2ガ
スを圧力媒体として熱間静水圧プレス処理するこ
とを特徴とする高強度サーメツトの製造法。 2 サーメツト焼結体がTiCを少なくとも約40重
量%含有するものである特許請求の範囲第1項記
載の高強度サーメツトの製造法。 3 サーメツト焼結体が約10〜20重量%のMo2C
を含有するものである特許請求の範囲第1項また
は第2項記載の高強度サーメツトの製造法。 4 サーメツト焼結体が金属成分として約10〜20
重量%のNiを含有するものである前記特許請求
の範囲各項のいずれかに記載の高強度サーメツト
の製造法。 5 サーメツト焼結体が金属成分として更に約10
重量%のCoを含有するものである特許請求の範
囲第4項記載の高強度サーメツトの製造法。 6 熱間静水圧プレス処理を1250〜1400℃の温度
で行なう前記特許請求の範囲各項のいずれかに記
載の高強度サーメツトの製造法。 7 前記窒素分圧が500Kg/cm2以上である特許請
求の範囲第6項記載の高強度サーメツトの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57080561A JPS58197237A (ja) | 1982-05-12 | 1982-05-12 | 高強度サ−メツトの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57080561A JPS58197237A (ja) | 1982-05-12 | 1982-05-12 | 高強度サ−メツトの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58197237A JPS58197237A (ja) | 1983-11-16 |
JPS6248738B2 true JPS6248738B2 (ja) | 1987-10-15 |
Family
ID=13721746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57080561A Granted JPS58197237A (ja) | 1982-05-12 | 1982-05-12 | 高強度サ−メツトの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58197237A (ja) |
-
1982
- 1982-05-12 JP JP57080561A patent/JPS58197237A/ja active Granted
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
EUR SYMP FOR POWDER METALL=1975 * |
MODERN DEVELOPMENTS IN POWDER METALLUGRY=1971 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58197237A (ja) | 1983-11-16 |
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