JPS6248096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は手動変速装置のクラツチまたは自動変
速装置のトルクコンバーター内のロツクアツプク
ラツチのような自動車のクラツチの捩れ振動ダン
パー組立体に関する。

自動変速装置の駆動系のトルクコンバーター内
のクラツチ組立体のダンパー作動における引伸ば
された運動量を与える捩れ振動ダンパー組立体は
自動車のエンジンから発する捩れ振動をなくすた
めに望まれており、その１つの形態が本出願人の
米国特許第4279132号に記載されている。しかし
ながら、これらの回転機械における応用面におい
ては、クラツチに生ずる急激な正方向及び逆方向
のトルクの作用すなわちチツプイン及びチツプア
ウト作用を減少させる必要がある。このような急
激な正方向及び逆方向のトルクは運転者が急にア
クセルペダルから足を上げて急激な減速を行う
か、または急にアクセルペダルを踏込んで急激に
加速を行う時に生ずるのである。このような急激
な速度変化は望ましくない前後振動を引起こすの
である。

本発明は上述のような望ましくない急激な正方
向及び逆方向のトルクの作用を減衰させてトルク
の作用を円滑化させるように働く自己附勢遅延装
置すなわち捩れ振動ダンパー組立体を提供するも
のである。

すなわち本発明は自動車のトルクコンバーター
または同様の回転機械のロツクアツプクラツチに
使用するのに適した引伸ばされた運動量を有する
捩れ振動ダンパー組立体の組込式自己附勢遅延装
置を提供することを目的とする。

本発明によるダンパー組立体は、半径方向のア
ームを有するハブ部材と、これらのハブアームに
軸線方向に整合された内方に位置をずらされた入
力すなわち駆動ストラツプを有する前部及び後部
リテーナープレートにより形成されたダンパーハ
ウジングと、このハウジング内の滑動ばね離隔装
置とを含み、それぞれのばね離隔装置が隣接する
ハブアームの間に配置される対をなすダンパーば
ねの組の間に配置されている。それぞれのハブア
ームは比較的巾の広い円周方向のノツチを有し、
このノツチは摩擦遅延プレートを受入れていて、
摩擦遅延プレートはハウジング内に形成されたチ
ヤンネルに、エンジンの回転によつて駆動される
クラツチ及びダンパーの回転により生ずる遠心力
に比例する力で摩擦的に係合する。

本発明のさらに他の目的は、構造が最も簡単
で、能率が良く、経剤的で、組立が容易且つ作動
の確実な上述の捩れ振動ダンパー組立体の組込式
自己附勢遅延装置を提供することであつて、この
ような目的、利点及び能力は以下の説明によりさ
らに明らかになるところである。

本発明の実施例が添付図面を参照して以下に詳
述される。

図面を参照し、第１図及び第２図はトルク入力
部材すなわち取付けリング１１に連結する引伸ば
された運動量の捩れ振動ダンパー組立体１０を示
しており、このものは標準型手動変速装置のクラ
ツチの摩擦プレートまたは自動変速装置のトルク
コンバーターのハウジング内に配置されるピスト
ンプレートに連結され、変速装置の入力軸または
トルクコンバーターのタービンのタービンハブの
ようなトルク出力部材を駆動するように働く。こ
のダンパー組立体は環状のハブリング１４の形状
のハブ部材１３（第３図）を含み、このハブリン
グ１４はトルク出力部材すなわち出力軸１２また
はタービンハブに対する駆動連結のための内側ス
プラインすなわち歯１５を有する。

ハブ部材１３は３つの円周方向に等間隔に配置
された半径方向に伸長する大体Ｖ形のアーム１６
を有し、それぞれのアームは外側に向つて拡大す
る側部１７を有し、これらの側部は円弧状の外縁
１９によつて接続される円周方向にそれぞれ反対
方向に伸長する耳部１８に終つている。この外縁
１９の中間には大体Ｖ形のノツチ２１が形成され
ていて、このノツチがアーム１６を１対のフイン
ガー２２に分割し、それぞれのノツチは大体平ら
な中央のベース２３、大きい角度で外方に拡大す
る係合面２４，２４及び僅かに拡大する端壁２
５，２５を有する。ハブリング１４のそれぞれの
側部にはハブリングを振動ダンパーハウジング２
７内に配置するためのスペーサーリング２６，２
６が設けられている。

ハウジング２７は前部リテーナープレート２８
及び後部リテーナープレート３７を含んでいる。
前部リテーナープレート２８は環状プレートすな
わちリング２９として形成され、僅かに後方に位
置をずらされた円周フランジ３１及び３つの細長
い円弧状の開口すなわちスロツト３２を有し、こ
の開口３２は外側傾斜リツプ３３及び内側弯曲リ
ツプ３４によつて境界され、僅かに後方に位置を
ずらされた駆動ストラツプ３５がスロツト３２を
分割していて、それぞれのストラツプはフランジ
３１と同じ平面内にあつてハブアーム１６と軸線
方向に整合されている。ストラツプ３５に隣接し
たそれぞれの外側リツプ３３は再凹入斜面（図示
せず）を形成されている。

後部リテーナープレート３７は環状リングの形
状で、外縁が大体軸線方向に伸長する壁部３８に
終つていて、この壁部３８はまたフランジ３１に
当接する円周フランジ３９に終つている。これら
のフランジ３１，３９は例えばリベツト４１によ
るようにして取付けリング１１に適当に固定され
ている。後部リテーナープレート３７は３つの細
長い円弧状の開口すなわちスロツト４２を有し、
このスロツト４２はスロツト３２と軸線方向に整
合され、内方に位置をずらされた駆動ストラツプ
４３によつて境界され、それぞれのスロツト４２
は外側傾斜リツプ４４及び内側弯曲リツプ４５に
よつて境界されていて、外側リツプは駆動ストラ
ツプ４３に向う再凹入斜面４６を有する。

それぞれの対をなす軸線方向に整合された円弧
状スロツト３２，４２内には２つのばねの組４
７，４８が配置され、滑動ばね離隔装置４９が２
つのばねの組の間にある。それぞれのばねの組は
内側ばね５０及び外側ばね５１のような１つまた
はそれ以上の同心的な圧縮ばねより成つていて、
これらのばねはハブアーム１６の縁部すなわち側
部１７に当接している。滑動ばね離隔装置４９は
楔状の本体５２を含み、内方に収縮する縁部５
４，５４がノツチ５３（第２図）を有する内端及
び耳部５６，５６として縁部５４の外端で両方の
円周方向に伸長する巾の狭い円弧状外縁５５に終
つている。リテーナープレート２８，ね３７は円
周方向のチヤンネル５７を形成し、このチヤンネ
ル内にそれぞれのばね離隔装置４９の円弧状の縁
部５５と、それぞれのハブアーム１６の円弧状の
外縁１９と、摩擦遅延プレート５８の円弧状の縁
部６３とが乗つている。このように滑動ばね離隔
装置４９を設けてあるから、ばねの組の圧縮力に
よつて本体５２の内方に収縮する縁部５４，５４
が半径方向に外方に押されて耳部５６，５６に形
成された外縁５５をチヤンネル５７に押圧して摩
擦抵抗を生じさせ、振動を有するエンジンの駆動
力の振動を減衰させて駆動を円滑化させる効果が
得られるのである。

それぞれの摩擦遅延プレート５８はハブアーム
のノツチ２１に対して補完的な形状の平らな板で
あつて、このノツチ２１内に摩擦遅延プレート５
８が受入れられており、この摩擦遅延プレート５
８は平らなベース５９、大きい角度で外方に拡が
る係合面６１、僅かに外方に拡がる側面６２（第
４図）及び６４（第５図）に外周に沿つて面取り
された円弧状外縁６３を有する。

上述の装置の作動に際し、３対すなわち３群の
ばねの組４７，４８は平行に働き、それぞれの群
のばねの組は、トルクがクラツチに与えられて取
付けリング１１を介して振動ダンパー組立体１０
に与えられた時に直列に働くようになつている。
すなわち時計方向または反時計方向のトルクが取
付けリング１１から振動ダンパー組立体１０に与
えられると、取付けリング１１に固定されたハウ
ジング２７が回転され、ハウジング２７のリテー
ナープレート２８，３７の整合された対をなす駆
動ストラツプ３５，４３に形成された円弧状のス
ロツト３２，４２の一方または反対側の円周方向
端縁がスロツト３１，４２内のばねの組４７また
は４８を押し、それぞれのばねの組４７または４
８を滑動ばね離隔装置４９に対して押圧する。ば
ね離隔装置４９が回転するとばねの組４８または
４７が圧縮され、これがそれぞればねの組４８ま
たは４７に当接するハブアーム１６に働き、ハブ
部材１３及びトルク出力部材１２を回転させるの
である。このようにハブ部材が一方または反対方
向に回転して、摩擦遅延プレート５８がハブアー
ム１６のフインガー２２によつて押される時にチ
ヤンネル５７内で円周方向に滑動するのである。
それぞれのノツチ２１の係合面２４はそれぞれの
摩擦遅延プレート５８の係合面６１と協働して摩
擦遅延プレート５８を外方に押し、ハウジング２
７のチヤンネル５７と摩擦遅延プレート５８の外
周との摩擦接触を増大させ、ハブ部材の回転によ
つて生ずる摩擦遅延プレート５８の遠心力が摩擦
遅延プレート５８の半径方向の外向きの力を増大
させるのである。したがつてハウジング２７に対
する摩擦遅延プレート５８の摩擦接触が摩擦遅延
プレート５８、したがつてハブ部材の運動に対す
る抵抗を与えるが、この抵抗は自動車のエンジン
の回転数により生ずる遠心力に比例する。このよ
うな運動に対する抵抗は正方向及び／または逆方
向のトルクの急激な変化を減衰させて円滑化する
ように働くのである。上述のように浮動する摩擦
遅延プレート５８を設けることによつてばね力に
より与えられるような一定の摩擦力でなく、エン
ジンの回転速度及び係合面６１の係合面２４との
係合作用に関係して与えられる摩擦力によつて振
動的なエンジンの駆動力の振動が減衰されて円滑
化される効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の組込式自己附勢遅延装置を組
込んだクラツチの捩れ振動ダンパー組立体を一部
分破断して示した後部立面図。第２図は第１図の
線２―２によるダンパー組立体の断面図。第３図
はダンパー組立体のハブ部材の後部立面図。第４
図は本発明の遅延装置の摩擦遅延プレートの立面
図。第５図は第４図の右側から見た摩擦遅延プレ
ートの端面図。 １０……捩れ振動ダンパー組立体、１１……取
付けリング、１３……ハブ部材、１４……環状の
ハブリング、１６……ハブアーム、２１，５３…
…ノツチ、２４，６１……係合面、２６……スペ
ーサーリング、２７……ハウジング、２８，３７
……リテーナープレート、３２，４２……スロツ
トすなわち開口、３５，４３……駆動ストラツ
プ、４７，４８……ばねの組、４９……ばね離隔
装置、５０，５１……ばね、５７……チヤンネ
ル、５８……摩擦遅延プレート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ トルク入力部材１１に作動的に連結され、１
   対のリテーナープレート２８，３７を含むハウジ
   ング２７と、トルク出力部材１２に作動的に連結
   され、前記リテーナープレート２８，３７の間に
   相対的に回転可能に配置されて少なくとも２つの
   円周方向に等間隔に配置された半径方向のアーム
   １６を有するハブ部材１３と、隣接するハブアー
   ムの間に配置され、前記ハブ部材と無関係に浮動
   する少なくとも１つのばね離隔装置４９と、前記
   ハブアーム１６とばね離隔装置４９との間に介装
   された圧縮ばねの組４７，４８と、前記１対のリ
   テーナープレート２８，３７が前記入力部材１１
   に取付けられて前記ハブ部材１３、ばね離隔装置
   ４９及びばねの組４７，４８を実質的に包囲する
   円周フランジ３１，３９を有していることゝ、前
   記リテーナープレート２８，３７に設けられ、内
   方に位置をずらされた駆動ストラツプ４３によつ
   て分離されて前記ばねの組を収容する軸線方向に
   整合された細長い円弧状スロツト３２，４２とを
   含む駆動及び被駆動部材の間でトルクを伝達する
   自動車用クラツチに使用するための捩れ振動ダン
   パー組立体において、それぞれの前記ハブアーム
   １６の外縁に形成されてＶ形に拡がる対向係合面
   ２４，２４を有するノツチ２１と、それぞれの前
   記ノツチ２１内に受入れられて前記係合面２４，
   ２４に補完的に係合可能の係合面６１，６１を有
   し、前記ハブ部材が回転する時に前記リテーナー
   プレート２８，３７と滑動係合状態に外方に押さ
   れるようになされた摩擦遅延プレート５８とを有
   する捩れ振動ダンパー組立体。 ２ 前記リテーナープレート２８，３７が円周方
   向のチヤンネル５７を形成し、このチヤンネル内
   にて前記ハブアーム１６の外縁１９，６３，５
   ５、摩擦遅延プレート５８及びばね離隔装置４９
   が運動するようになつている特許請求の範囲第１
   項記載の捩れ振動ダンパー組立体。 ３ それぞれの前記摩擦遅延プレート５８が反対
   側の両面に面取り６４を施された円弧状外縁６３
   を有する特許請求の範囲第１項記載の捩れ振動ダ
   ンパー組立体。 ４ 前記ばね離隔装置４９が楔状になされてい
   て、巾の狭い円弧状外縁５５が前記円周方向チヤ
   ンネル５７内に受入れられて滑動するようになさ
   れている特許請求の範囲第２項記載の捩れ振動ダ
   ンパー組立体。 ５ 前記ハブ部材１３が環状のハブリング１４を
   含んでいて、それぞれの前記ばね離隔装置４９が
   その内端に前記ハブリング１４の外縁を受入れる
   ノツチ５３を有している特許請求の範囲第４項記
   載の捩れ振動ダンパー組立体。 ６ 前記ハブアーム１６及びノツチ２１が比較的
   巾が広く、それぞれのノツチが平らなベース部分
   ２３、１対の外方に拡がる係合面２４及び１対の
   僅かに外方に拡がる端壁２５を有する特許請求の
   範囲第１項記載の捩れ振動ダンパー組立体。 ７ それぞれの前記ノツチ２１が前記ハブアーム
   １６を前記摩擦遅延プレート５８に働く１対のハ
   ブフインガー２２に分割している特許請求の範囲
   第６項記載の捩れ振動ダンパー組立体。 ８ それぞれの前記摩擦遅延プレート５８及びノ
   ツチ２１の係合面６１及び２４及び前記ハブ部材
   １３の回転がそれぞれの前記摩擦遅延プレート５
   ８を半径方向に外方に前記リテーナープレート２
   ８，３７のチヤンネル５７内に摩擦係合状態に押
   すように働き、前記リテーナープレートに対する
   相対的な前記ハブ部材の回転に抵抗を与えるよう
   になつている特許請求の範囲第７項記載の捩れ振
   動ダンパー組立体。 ９ 前記ハブ部材１３が３つの等間隔に配置され
   た半径方向のアーム１６と、それぞれの隣接する
   対をなすハブアームの間に配置されるばね離隔装
   置４９と、隣接するハブアームの間に受入れられ
   る３対のばねの組４７，４８とを有し、１つの前
   記ばね離隔装置がそれぞれの前記ばねの組のばね
   の間に位置している特許請求の範囲第５項記載の
   捩れ振動ダンパー組立体。 １０ それぞれの前記対をなすばねの組４７，４
   ８が群を形成し、各群が平行に働き、それぞれの
   群のばねの組が直列に働くようになつている特許
   請求の範囲第９項記載の捩れ振動ダンパー組立
   体。