JPS6247273B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は原子力施設内において使用済炉心構
成要素を水プール内に貯蔵するための物品貯蔵ラ
ツクに関する。

原子炉から取出された使用済燃料をキヤスクに
入れて所外へ搬出するまでには崩壊熱が十分減衰
するように所定期間の間水プール内で冷却貯蔵す
る必要がある。しかもこの場合に使用済炉心構成
要素（以下「被貯蔵物品」と呼称する）などは一
般に所外搬出輸送用の容器に収納され、かつ所内
移送用の取扱機による吊上げ、吊降しが容易に行
えるように直立姿勢に保持して水プール内に保管
するよう計画、実施されている。この保管手段と
して従来より貯蔵ラツクが採用されている。

かかる貯蔵ラツクは重量物の被貯蔵物品を安全
に支持させるものであることから地震に対する十
分な耐震強度を得るために、一般には貯蔵ラツク
の骨組を構成するラツクフレームに格子梁を溶接
結合した一体構造の構築物として作られており、
かつ水プールの底壁へ強固に固定して据付けられ
ている。また被貯蔵物品は水プールの上方より前
記の格子梁で仕切られた各コラム内に被貯蔵物品
の種類ごとに場所を定めて直立姿勢のまま吊降し
て支持される。

しかしながら従来の一体構築物として成る貯蔵
ラツクでは、格子梁のピツチが予め所定寸法に固
定的に設定されており、このために被貯蔵物品を
収容する容器寸法、形状もおのずと一定の規格品
に限定される。それ故、被貯蔵物品の多重性また
は変更に伴う容器の外形寸法の変更を行うことが
殆ど不可能であるし、強いてこれを行うとすれば
貯蔵ラツクの改造が強いられることになる。しか
もラツク改造のためには貯蔵中の物品を一旦他の
設備へ移す必要があるのみならず、水プールに満
たした大量の水の処理問題、貯蔵ラツク全体の洗
浄問題などが新たに発生するので実際には原子炉
の稼動中にこれを行うことは殆ど実現不可能であ
る。

本発明は上記の点に対処してなされたものであ
り、被貯蔵物品の容器の多様化に伴う容器の外形
寸法、の変更に対し、柔軟に対応して被貯蔵物品
が保管できる物品貯蔵ラツクを得ることを目的と
する。

かかる目的は本発明により、水プール内へ固定
的に据付けたラツクフレームと、それぞれが独立
したフレーム構造体および被貯蔵物の外形寸法に
合せて交換し得るごとく前記フレーム構造体に着
脱可能に取付けられたガイド支持部材との組立体
からなり前記ラツクフレームに敷設した上下方向
のガイドキーに沿つて上下スライドさせラツクフ
レームに装脱可能に支承された複数のラツクセル
と、該ラツクセルの頂部中央に設けたラツクセル
取扱用のハンドリングヘツドとから構成すること
によつて達成される。

以下本発明の構成を図示の実施例に基づいて詳
述する。先ず第１図ないし第３図において、１は
貯蔵ラツクの外枠骨組を構成するラツクフレーム
であり、水プールの底壁であるラツク据付床面２
へ強固に据付けられている。なお図示のラツクフ
レームは略示的に示したものであり、実際には四
隅の柱、水平梁、補強用の中間梁、更には必要に
より設けた筋かいなどを組合せて構築される。こ
のラツクフレーム１に対して多数ブロツクの各独
立構造体として作られたラツクセル３が個々に水
プールの上方より装脱可能に支承されている。こ
のために、第３図に示すごとく各ラツクセル３に
対しその両側に位置して上下方向のガイドキー４
がラツクフレーム１に敷設してあり、このガイド
キー４を介してラツクセル３が上下方向にスライ
ド移動可能に支持される。なお５はラツクセル側
に備えたガイド片、６はラツクセル３に収容支持
された被貯蔵物品を示す。一方、各ラツクセル３
は第４図ないし第９図に示すごとくそれ自身で十
分な剛性を持たせた独立構造体として構成された
セルフレーム７と、該セルフレーム７へ着脱可能
に取付けられた複数組のガイド支持部材８との組
立体として構成されている。更にラツクセル３の
頂部中央にはハンドリングヘツド９が設置してあ
る。かかるラツクセル３のうち、セルフレーム７
は四隅の柱７１と、前述したガイドキーに対向す
るように中間に位置するＵ字形鋼材の補強柱７２
と、上、中、下各段位置で前記の柱の間を連結す
る水平梁７３と、梁７３と面を合せて内方に架設
した十字形の格子梁７４と、頂部中央に位置して
格子梁７４に支持したハンドリングヘツド取付座
７５を組合せ、それぞれの部材の間をボルト締め
ないし溶接接合して構成している。これに対し、
先記した各組のガイド支持部材８は上、中、下の
３個に分割したガイドチユーブ８１，８２，８３
の組合せからなり、各ガイドチユーブ８１，８
２，８３は上下段の各位置で互にセンタを合せ、
かつフランジ８４を介して前記の水平梁７３およ
び格子梁７４の上へまたがつて担持させ、ボルト
８５によりボルト締め固定されている。なお７６
は梁にあけたボルト穴である。図示例では１個の
ラツクセル３について４組のガイド支持部材８が
装備されている。また上、中段配置のガイドチユ
ーブ８１と８２は第８図のように上部がラツパ形
状に開いた筒形ガイドチユーブとして成り、下段
配置のガイドチユーブ８３は底壁を備えた有底ガ
イドチユーブとして成る。更にハンドリングヘツ
ド９は第７図のように取付座７５に固定され、そ
の形状は天井走行クレーンなどの取扱機に吊下げ
たセルつかみ用グリツパに適合した形状に定めら
れている。

上記構成の貯蔵ラツクにおいて、容器に収容し
た被貯蔵物品は水プールの上方より取扱機の操作
で吊降され、各ガイド支持部材８の内方に直立姿
勢のまま支持される。ここで容器の長さ寸法、直
径が変更される場合には、ラツクフレーム１は水
プール内に据付けたまま、新たな容器の直径に合
せて用意したガイドチユーブ８１ないし８３のみ
を交換することにより容易に異形の容器に対応さ
せることができる。即ち、先ずクレーンなどの取
扱機でハンドリングヘツド９を介して空状態の必
要なラツクセル３をつかみ、ラツクフレーム１か
ら上方へ吊上げて水プール外へ取出す。次にガイ
ド支持部材８を保管すべき容器の寸法に適合した
ものに交換する。例えば容器が小径で長さが短か
いものに変更される場合には、その容器の直径に
適合した小径のガイドチユーブを用意し、更にラ
ツクセル３の中段位置にはガイドチユーブ８２の
代りに小径な有底ガイドチユーブ８３を取付け
る。ガイド支持部材８の交換作業後は、再びラツ
クセル３全体を吊上げ、ラツクフレームのガイド
キー４に沿つて所定の位置まで降ろす。以上で変
更準備が整い、変更された容器を水プール内に吊
下して貯蔵ラツクへ安全に支持し保管することが
できる。

上述のように、水プール内に固定据付したフレ
ームラツク１に対し、独立構造の多数のラツクセ
ル３を装脱可能に組合せ、しかもラツクセル３に
装備した被貯蔵物品のガイド支持部材８を交換可
能なるごとく着脱可能に取付けて構成した本発明
の貯蔵ラツクによれば、被貯蔵物品収容容器の外
形寸法に変更が生じた場合には、ラツクフレーム
１より各ラツクセル３のうち必要な空のラツクセ
ルのみを水プールより抜き出し、水プールの外で
ガイド支持部材を変更することにより、変更容器
を正しく支持して保管することができる。更にこ
の交換作業中は水中に据付けられているラツクフ
レーム１、および既に被貯蔵物品を支持している
他のラツクセル３には全く影響を及ぼさず、まし
てや水プール内の水を抜く必要もないので、貯蔵
ラツクの稼働に支障を与えることがない。また貯
蔵ラツクの各部はフレーム構造体および分割構造
のガイド支持部材で構成されており、水プールの
水による被貯蔵物品の冷却性能を損うこともな
い。しかもラツクセル３はそれ自身で十分な剛性
を備えている独立したフレーム構造体として作ら
れているので、このラツクセルを支えるラツクフ
レーム１は第２図に示すように、貯蔵ラツク全体
の高さＨに対して、それよりもかなり低い高さｈ
まで低減しても十分な耐震強度の保証が可能とな
り、貯蔵ラツク全体の重量軽減化を図ることがで
きるなど、数々の実益が得られる。

【図面の簡単な説明】

各図は本発明の実施例を示すもので、第１図、
第２図は貯蔵ラツク全体の平面および側面略示
図、第３図は第１図における矢視Ｐ部の拡大図、
第４図、第５図はラツクセルの詳細構造を示す上
面図および側面図、第６図はガイド支持部材を除
去したラツクセルの上面図、第７図ないし第９図
はそれぞれハンドリングヘツドおよび各種ガイド
チユーブの縦断面図である。 １：ラツクフレーム、２：ラツク据付床面、
３：ラツクセル、４：ガイドキー、６：被貯蔵物
品、７：ラツクセルを構成するフレーム構造体、
８：ガイド支持部材、８１，８２：筒形ガイドチ
ユーブ、８３：有底ガイドチユーブ、８４：取付
フランジ、８５：固定ボルト、９：ハンドリング
ヘツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水プール内へ固定的に据付けたラツクフレー
   ムと、それぞれが独立したフレーム構造体および
   被貯蔵物の外形寸法に合せて交換し得るごとく前
   記フレーム構造体に着説可能に取付けられたガイ
   ド支持部材との組立体からなり前記ラツクフレー
   ムに敷設した上下方向のガイドキーに沿つて上下
   スライドさせ個々に前記ラツクフレームに装脱可
   能に支承された複数のラツクセルと、該ラツクセ
   ルの頂部中央に設けたラツクセル取扱用のハンド
   リングヘツドとから構成したことを特徴とする原
   子力施設における物品貯蔵ラツク。 ２ 特許請求の範囲第一項記載の物品貯蔵ラツク
   において、ガイド支持部材が互にセンタを合せて
   上下に分割配置され、かつ個々にラツクセルのフ
   レーム構造体へ取付けられた筒形ガイドチユーブ
   および有底ガイドチユーブの組合せより成ること
   を特徴とする原子力施設における物品貯蔵ラツ
   ク。