JPS624703Y2

JPS624703Y2 -

Info

Publication number: JPS624703Y2
Application number: JP1980011926U
Authority: JP
Priority date: 1980-02-04
Filing date: 1980-02-04
Publication date: 1987-02-03
Also published as: JPS56115580U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は水力発電機の電気式調速装置に係り、
特に、電気−油圧変換系を改良して信頼性の向上
及び低廉化を図つたものに関する。

調速装置は、水車が所定の回転数のもとに発電
機の負荷に相当するように水車への入力（流量）
を加減する役目を持つている。即ち、調速装置は
水車の回転数を設定された値に保つて出力を加減
するために、水車への流量を調整する装置であ
り、電気式調速装置は電気的制御系及び電気−油
圧変換系等からなる。第１図及び第２図は電気式
調速装置の一従来例を示し、以下両図について従
来例を簡単に説明する。

第１図及び第２図において、１はコンパータで
あり、制御部１５からの制御信号ａが可動コイル
１ａに印加され、可動コイル１ａは制御信号に比
例して上下動する。２はパイロツトバルブであ
り、そのスプール２ａは連結軸３を介して可動コ
イル１ａに連結されて一体的に上下動する。４は
補助サーボモータであり、圧油源１６及びフイル
タ５を経ての圧油がパイロツトバルブ２により切
換つて上下の室４ａ，４ｂに供給され、パイロツ
トバルブ２の開度に応じてピストン４ｃが上下に
移動する。６は配圧弁であり、そのスプール６ａ
は補助サーボモータ４のピストンロツド４ｄと一
体に上下動する。７は配圧弁６の上下動範囲を規
制する位置制限機構である。８はサーボモータで
あり、圧油源１７からの圧油が配圧弁６により切
換つて左右の室８ａ，８ｂに供給され、配圧弁６
の開度に応じてピストン８ｃが左右に移動する。
９は図示しないガイドベーンを開閉操作するため
のゲートシヤフトであり、連結レバー１０を介し
てサーボモータ８のピストンロツド８ｄに連結さ
れ該サーボモータ８の動作に応じて回転する。１
１はポテンシヨメータであり、サーボモータ８の
動作位置を検出して制御部１５へその位置を示す
電気信号ｂを送出する。１２は水車、１３は発電
機、１４は周波数変位検出部であり、発電機１３
の負荷が変動した場合にその増減を周波数の変化
を介して発電的に検出し、その電気信号ｃを制御
部１５へ送出する。制御部１５はポテンシヨメー
タ１１及び周波数変位検出部１４からの各電気信
号ｂ，ｃを処理・合成して発電機１３の負荷変動
に対応する電気信号即ち制御信号ａを前記コンバ
ータ１へ送出する。なお第１図で１ｂはコンバー
タ１の界磁コイル、１ｃは同バネである。

そしてこの従来の電気式調速装置では、水車１
２の回転速度の偏差に応じた制御部１５からの制
御信号ａに従つてコンバータ１が動き、それと直
結しているパイロツトバルブ２により補助サーモ
４が比例して動き、更にこの補助サーボモータ４
に直結している配圧弁６によりサーボモータ８が
増幅・比例して動き、制御部１５からの制御信号
ａに対応した所定量でガイドベーンが開く。した
がつてパイロツトバルブ２が調速装置の信頼性を
左右するとも言え、これには高精度なものが要求
される。しかし、高精度で且つ信頼性の高いパイ
ロツトバルブ２は非常に高価である。また、パイ
ロツトバルブ２にあつては圧油中に小さなごみが
あるとこれがもとでスプール２ａが動かなくなる
というステイツクが生じやすいため、ステイツク
防止用として圧油を高い清浄度にする必要があ
り、100μ以下のフイルタ５を使用せねばならな
い。

本考案は上記従来技術の問題を解決した信頼性
が高く且つ比較的安価な水力発電機の電気式調速
装置を提供することを目的とし、電気−油圧変換
系にて従来用いられていたパイロツトバルブ２や
補助サーボモータ４を使用する代りに、配圧弁６
を電磁力で直接駆動してサーボモータ８を制御し
ようとしたものである。以下、第３図及び第４図
に示す一実施例とともに本考案を詳細に説明す
る。なお、図面中で従来技術と同一部分には同一
符号を付してある。

第３図及び第４図において、１８はリニアアク
チユエータであり、従来用いられたコンバータ１
が制御信号ａに追従して即ち印加電圧に追従して
それに対応する位置で停止するのとは異なり、印
加電圧が零のときは中立位置に戻り、印加電圧の
正負に応じて単に上側か下側かに向つて移動する
だけの電気・機械変換機構である。このリニアア
クチユエータ１８の可動片１８ａを連結軸３を介
して直接配圧弁６のスプール６ａに連結してあ
る。配圧弁６以下サーボモータ８、ゲートシヤフ
ト９及びポテンシヨメータ１１等の接続は第１図
の従来構造と全く同様である。したがつて、配圧
弁６のスプール６ａは制御部１５からの制御信号
ａの極性に応じて上方又は下方に一気に移動する
ことになる。そこで配圧弁６に位置制限機構７を
取付けて上下いずれかの制限位置までスプール６
ａが移動できるようにしてある。そして水車の回
転速度が変動すると、制御信号ａの印加によつて
サーボモータ８は制限機構７の制限位置設定で定
まるある速度で左方又は右方へ移動し始め、回転
速度の偏差が零となつて制御信号ａが零となれば
リニアアクチユエータ１８が中立位置に戻つて配
圧弁６が閉じる結果、サーボモータ８は所定の位
置で停まりガイドベーンが必要量開く。

ところで上述した制御はON／OFF制御の形式
を採るため、このままでは系の安定度が低い。そ
こで安定度向上のため、第４図に示す如く配圧弁
６のスプール６ａの移動位置を表わす電気信号ｄ
を制御部１５にマイナーループとして帰還（フイ
ードバツク）させてある。この移動位置の検出器
として本実施例ではポテンシヨメータ１９を用い
たが、差動変圧器等任意のものを使用できる。ま
た、更に系の安定度向上を図るため、制御部１５
としては比例、積分及び微分の各要素をもち速応
性の高い微分フイードバツクを有するものを用い
た。

このように本考案の電気式調速装置では電気−
油圧変換系は従来の如きアナログ的動作を必要と
せず、コンバータ１、パイロツトバルブ２及び補
助サーボモータ４等の高精度の部品を使用してい
ないので安価になる。また、リニアアクチユエー
タ１８や配圧弁６はアナログ的動作をさせないの
で動作の信頼性が高い。更にパイロツトバルブ２
を使用しないことから、電気−油圧変換系の油と
してはさほど高い清浄度を要さずフイルタ５は特
に必要ではなくなり、しかも油圧低下が生じても
動作不良とならない。また更に、調速装置の基本
的な動作は従来のものと変らないので、機械的負
加制限装置（図示せず）等所要の付加装置は従来
からある構造のものをそのまま使用できる。

以上具体的に説明したように、本考案の水力発
電機の電気式調速装置は信頼性が高く且つ安価で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来の水力発電機の電気式調速装
置に係り、第１図は構造説明図、第２図はブロツ
ク図である。第３，４図は本考案の一実施例に係
り、第３図は構造説明図、第４図はブロツク図で
ある。図面中、３は連結軸、６は配圧弁、６ａはその
スプール、７は配圧弁位置制限機構、８はサーボ
モータ、８ａ，８ｂはその室、８ｃは同ピスト
ン、８ｄは同ピストンロツド、９はゲートシヤフ
ト、１０は連結レバー、１１はサーボモータ位置
検出用のポテンシヨメータ、１２は水車、１３は
発電機、１４は周波数変位検出部、１５は制御
部、１７は圧油源、１８はリニアアクチユエー
タ、１９は配圧弁のスプール位置検出用のポテン
シヨメータ、ａは制御用の電気信号、ｂはサーボ
モータ位置を表わす電気信号、ｃは周波数の変位
を表わす電気信号、ｄは配圧弁のスプール位置を
表わす電気信号である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

水車の回転速度に対応する電気信号及び配圧弁
のスプール位置を表わす帰還用の電気信号に基づ
いて制御用の電気信号を出力する制御部と、この
制御用の電気信号を入力として配圧弁を操作する
電気・機械変換機構と、この配圧弁に操作されて
水車のガイドベーンに連結するゲートシヤフトを
駆動するサーボモータとからなる水力発電機の電
気式調速装置において、前記電気・機械変換機構
は中立位置を有し制御用の電気信号の極性に応じ
て前後移動するアクチユエータであり、前記配圧
弁はこのアクチユエータに連結軸を介して直結す
ると共に位置制限機構によりスプールの移動範囲
を制限してあり、更にこのスプールの位置を電気
的に検出する位置検出器を設けてその電気信号を
前記帰還用の電気信号として前記制御部に帰還さ
せてあることを特徴とする水力発電機の電気式調
速装置。