JPS6246798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は団地やマンシヨン等の高層建物の各階
のベランダに取付ける防護柵を利用する梯子付ベ
ランダ用柵に関する。

団地、マンシヨン、ホテル等の高層建物で火災
が発生した場合、梯子も届かない高所で且つ避難
通路も塞がつて逃れられない場合の非常手段とし
ては、避難ロープ、避難梯子、避難袋等種々のも
のがある。これらの装置の中には相当費用を要す
るものもあり、極めて不経済である。特に、梯子
は通常は邪魔で収納場所に困つてしまい、且つ非
常時には役立たないことが多かつた。また、ロー
プは避難者の腕力を必要とするため、途中で力つ
きて落下したり、或いは又、ロープが火で焼き切
れる危険があつた。

本考案はかかる従来の欠点を除去し、通常時は
ベランダの防護柵として使用し、非常時は非常梯
子として使用できる一石二鳥の役目を有する非常
梯子付ベランダ用柵を提供するものである。

以下、本考案の１実施例を図面により説明する
と、５はアルミサツシ、鉄材等の金属製で形成し
た防護柵で、一定間隔ごとに格子８，８を固着し
てあり、高層建物１の各階のベランダ２，２の前
面に落下防止用としてそれぞれ横方向に取付けて
ある。１１，１１は各ベランダ２，２の前面に水
平に取付けた固定柵７，７の任意個所に１又は複
数個を介在させて取付ける可動柵で、それぞれ上
下平行に設けた枠１２，１３の間に、前記固定柵
７の格子８，８と同じ間隔に格子杆３８，３８を
取付けてあり、この固定柵７と可動柵１１とで防
護柵５を形成してある。この可動柵１１の上下の
枠１２，１３の一端にそれぞれ食い違い状に斜係
合部１４，１５を形成し、又、上下の枠１２，１
３の他端にも食い違い状の係合部１６，１７を形
成し、且つこの斜係合部及び係合部の中心にはそ
れぞれピン孔を設けてある。更に、この可動柵１
１の両端と向い合う固定柵７ａの上下端部には、
前記斜係合部１４，１５と重合させて係合する斜
係合受部２０，２１を設けてあり、また、他方の
固定柵７ｂの上下端部には、前記係合部１６，１
７と重合させて係合する係合受部２２，２３をそ
れぞれ形成し、且つ斜係合受部２０，２１及び係
合受部２２，２３の中央にも、前記ピン孔と合致
するピン孔を設けてあつて、それぞれ合致させた
ピン孔に係合ピン２５，２６，２７を係脱可能に
掛止させる。

可動柵１１の下方の枠１３の係合部１７と固定
柵７ｂの係合受部２３との合致させたピン孔にボ
ルト２８を止着し、この可動柵１１がボルト２８
を支点に回動出来るように取付けてある。

第１係合ピン２５の頭部は、固定柵の一方の上
枠７ａの内側に取付けたレバー支持部２９に基部
を取付けた第１レバー３０の中間部に取付け、こ
のレバーの一端に把手部を設けてある。第２係合
ピン２６の基部は固定柵の他方の上枠７ｂの内側
に取付けたレバー支持部３１に基部を取付けた第
２レバー３２の中間部に取付け、このレバーの一
端に把手部を設けてある。第３係合ピン２７の頭
部は固定柵の下枠７ａの内側に取付けたレバー支
持部３３に基部を取付けた第３レバー３４の基部
側に取付けてあり、又、一端に把手部を設けてあ
る。更に、この第３レバー３４には、可動柵１１
の斜係合部１４，１５側の複数本の格子杆３８
ａ，３８ａの下端を係止しているピン３６，３６
の頭部をそれぞれ取付けてあり、可動柵に開口部
３７を設けることが出来るようにしてある。

４０は可動柵の上方の枠１２の係合部１６の内
側に取付けた略コ字型の係止具で、該可動柵１１
がボルト２８を支点に下方へ回動して縦長に位置
したとき、当該ベランダ２の上方に立上がらせて
設けた突起４１と係合できるようにしてある。

この場合、第２図に示す如く、案内杆４２と上
方の枠１２の上端とを鎖又はチエーン６１で連結
しておけば、たとえ枠の係止具４０が突起４１と
係合しない場合でも、ベランダから身をのりだし
たりすることなく、この鎖等を引上げて、係止具
４０と突起４１とを正しく係合させることが出来
るから安全である。更に、ベランダ２から可動柵
１１の格子杆３８，３８に足をかける際、この鎖
６１が手すりの役目をし、安全に可動柵に乗り移
ることが出来るものである。

４２，４２は防護柵５，５の上方に水平に取付
けた案内杆で、該防護柵を取付けた位置より外側
に突出させてあり、可動柵１１がボルト２８を支
点に下方へ回動した際、枠１２，１３の下部は、
この案内杆４２とベランダ２との間に位置するも
のである。

本考案は上述の如きもので、火災発生時に非常
梯子として使用するには、各レバー３０，３２，
３４を第４，５図に矢印で示すように回動させ、
係合ピン２５，２６，２７を外すことによつて行
う。この場合、先ず、第３レバー３４、次いで第
１レバー３０、最後に第２レバー３２を引くこと
により、安全に操作出来る。この場合、第３レバ
ー３４を回動させることによつて係合ピン２７と
同時にピン３６，３６も外れ、その結果、可動柵
の枠１２，１３からこのピンに下端を係止されて
いる複数本の格子杆３８ａ，３８ａが外れて開口
部３７が出来る。又、ボルト３８を支点に回動す
る可動柵１１の下部は第２，３図に示す如く、ベ
ランダ２と案内杆４２との間に位置するので、人
が格子杆３８，３８に乗つても、この可動柵１１
が外方に大きく動くこともないし、又、内側方向
にはベランダ２により係止されるものである。更
に避難者は可動柵１１の外側をベランダ側をむき
ながら下降するが、この可動柵１１の下方に設け
た開口部３７からベランダ２に降りればよい。更
に下の階に行く場合には、同じ手順を繰り返せば
よい。尚、可動柵１１に設ける開口部３７は必ず
しも必要ではない。

次に第７図について説明すると、第２可動柵５
１の外側に、それぞれ一定間隔ごとに半円状のガ
イド杆５２，５２を取付け、このガイド杆を補強
杆５３，５３で補強することにより避難路５４を
形成し、この避難路５４の一端に、補強杆に連絡
する底杆５５，５５で底部を形成する。而して避
難者はこの避難路５４内を通過中に、恐怖で手を
難しても、この避難路５４外に落下することはな
い。又、避難路５４からベランダ２へは前記開口
部３７を通ることにより行う。

更に又、このガイド杆５２，５２に不透明な不
燃材（図示せず）を取付けておけば、高所恐怖症
の人でも安心して避難することが出来る。その
上、第１０図に示す如く、係合ピン６５はそれぞ
れ頭部に係止環等の取手６６を設け、他端には割
りピン６７を取付ける構造でもよい。尚、レバー
を用いた場合には、通常はこのレバーの把手部を
それぞれ可動柵１１に取付ける何らかのホルダー
６０で止めておくことが好ましい。

以上の如く、本考案は高層建物の各階のベラン
ダに取付ける防護柵の一部を、非常の際には非常
梯子として利用するものであり、避難時には係合
ピンを抜くだけの簡単な操作で非常梯子を構成で
き、下の階への避難やこの非常梯子を利用した上
の階への避難を確実に行うことができるので、安
心して高層建物に居住や宿泊を行うことが出来
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
防護柵としての使用状態を示す一部破断した正面
図、第２図は可動柵を吊下げた状態の一部破断し
た拡大正面図、第３図は第２図Ａ−Ａ線断面図、
第４図は可動柵の取付状態を示す平面図、第５図
は第２図Ｂ−Ｂ線断面図、第６図は可動柵の取付
け状態を示す拡大背面図、第７図は係止具と突起
との係合状態を示す断面図、第８図は可動柵の第
２実施例を示す斜視図、第９図は第８図Ｃ−Ｃ線
断面図、第１０図は係合ピンの他の実施例を示す
拡大半面図である。 ７は固定柵、１１は可動柵、２５，２６，２７
は係合ピン、２８はボルト、４０は係止具、４１
は突起、４２は案内杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高層建物の各階のベランダに取付ける固定柵の
   任意個所に、１又は複数個の可動柵を介在させて
   取付けた防護柵に於いて、可動柵の上方の枠の両
   端と、両側に位置する固定柵の上方の両端及び下
   方の枠の一端と固定柵の下方の一端とをそれぞれ
   係脱可能に係合し、可動柵の下方の枠の他端と固
   定柵の下方の他端とを回動可能に軸着し、可動柵
   の上方の枠の上部に取付けた係止具と係合する突
   起をベランダ上に取付け、更に、吊下がつた可動
   柵の下部を内側に係止するための案内杆を防護柵
   より外方で且つ上方に平行に取付けて成る非常梯
   子付ベランダ用柵。