JPS6246115B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は輝度信号および色差信号をおのおの独
立に書き込み、読み出し可能なメモリ装置を備え
たカラー２画面テレビに関するものである。

まず本発明を説明する前にカラー２画面テレビ
の概略について述べる。

本発明は画面の一部に他のチヤンネルの画面を
挿入することができるテレビジヨン受信機
（Picture in Picture；以下PinPテレビと略す）
に関する。近年、テレビジヨン受信機におけるブ
ラウン管の有効活性をはかるために、本来のテレ
ビ画面の一部に他のテレビ番組を縮少して写し出
す、いわゆる子画面挿入（PinP）テレビが発表
されている（日経エレクトロニクス・1977年12月
26日号、第127〜134頁など）。このPinPの考え方
を以下第１図〜第４図により簡単に説明する。

第１図はPinPの概念図であり、１がテレビジ
ヨン受信機、２がブラウン管、３が親画面部、４
が他のテレビ画面を縮少して挿入した子画面部で
あり、親画面、子画面はおのおの独立して選局で
きる形式となつている。

第２図に子画面挿入方法の一例を示す。が縮
少前の子画面、が子画面を挿入した親画面であ
る。画面縮少率を縮少後の走査周期／原信号の走査周期
とすると子画 面の画面縮少率を縦横1/3とした場合、子画面
の画面から走査線を３本に１本抜き取り、かつ水
平周期を1/3に時間軸圧縮して親画面との同期合
せを行なつたあと親画面に挿入する。走査線〜
は縮少前後の走査線の一部を示したものであ
る。

第３図に子画面挿入の状態を時間軸で示す。
は子画面の縮少前の映像信号、は子画面を挿入
した親画面の映像信号である。子画面の映像信号
から、第２図に示したように、３本に１本ずつ
走査線を抜き出してアナログまたはデジタルの輝
度フイールドメモリおよび色差フイールドメモ
リに書き込み、親画面の映像信号の子画面挿
入位置（太線部）で３倍のクロツクを用いて読み
出すことにより、２画面テレビ信号とすることが
できる。この時フイールドメモリ及びはＡ，
ＢおよびＣ，Ｄ各２フイールド分が必要となる。
すなわちメモリＡおよびメモリＣを読み出してい
る時、メモリＢおよびメモリＤには次のフイール
ドを書き込み、メモリＢおよびメモリＤを読み出
している時、メモリＡおよびメモリＣには次のフ
イールドを書き込む。

第４図に本発明に関連した部分の従来例の構成
図を示す。１１はアンテナ、１２は子画面挿入回
路、１３は映像処理回路、１４はブラウン管、２
１は親画面用チユーナ、２２はIF・映像検波回
路、２３は同期分離回路、３１は子画面用チユー
ナ、３２はIF・映像検波回路、３３は同期分離
回路、３４，３５は輝度信号フイールドメモリ
Ａ，Ｂ，３９，４０は色差信号フイールドメモリ
Ｃ，Ｄ，３６は書込用クロツク発生回路、３７は
読出用クロツク発生回路、３８は色復調回路であ
る。

チユーナ３１、IF・映像検板回路３２で得た
子画面用輝度信号と色復調回路３８で復調された
色差信号は同期分離回路３３でタイミングを取つ
た書込クロツク発生回路３６により、例えば輝度
信号はＡフイールドメモリ３４に色差信号はＣフ
イールドメモリ３９に書込まれる。この間Ｂフイ
ールドメモリ３５およびＤフイールドメモリ４０
に書込まれている１フイールド前の輝度信号およ
び色差信号は親画面の映像信号から同期分離回路
２３で分離した同期信号にしたがつて挿入タイミ
ングを決められた読出用クロツク発生回路３７の
クロツクにより読み出され、子画面挿入回路１２
により親画面の映像信号に挿入される。

以上がカラー２画面テレビの概略である。

次に従来のこのカラー２画面テレビのもつ欠点
について述べる。

第１に色差信号は色復調回路３８に含まれる入
力バンドパスフイルタにより帯域制限を受け通常
輝度信号に対して約400nSの遅延を生ずる。従つ
て、輝度信号と色差信号を同一時刻にメモリへの
書き込み及び読み出しを行なつても、圧縮率1/3
の子画面では子画面上で約130nSの色差信号の遅
延を生じ、見かけ上の色ずれ現象となる。

第２に、人間の目は色情報に対する応答が純
く、通常のカラーテレビ受信機においては、色差
信号の帯域は輝度信号の帯域に対して狭くて充分
である。

従つて、カラー２画面テレビの場合にも使用メ
モリ容量の削減を計る為に、色差信号と輝度信号
の画素数を変える方法がとられている。この為
に、メモリ入力時のサンプリング点が色差信号と
輝度信号とで異なる為に、同一時刻にメモリへの
書き込みおよび読み出しを行なつても、色差信号
と輝度信号の間には、遅延を生じる。その様子を
第５図に示す。ａはメモリへの書き込み前の輝度
信号、ｂは、色差信号であり、すでに両者にはＴ
_W≒4000nSの遅延を生じている。さらに、色差信
号と輝度信号の画素数差による遅延時間が加わ
り、結局、子画面信号を読み出した時点では第５
図ｃ，ｄに示すようにＴ_Rだけの色差信号と輝度
信号の遅延時間差を生ずる。

通常、この現象をさける為に、メモリへ書き込
む前の、アナログ信号に対してＴ_Rの圧縮率倍の
遅延線を挿入し、遅延時間を逆補正し、Ｔ_R＝０
とし色ずれを防ぐようにする。

ところが、上記遅延線による色ずれ補正の場合
には、画素数変更時などそのたびに遅延量を変更
する必要があり、特殊遅延線の開発を要す。ま
た、通常この遅延量は、Ｔ_Rの圧縮率倍であり、
大きな遅延時間を有する遅延線が必要であり、特
殊品の為製造コストも増加する。

本発明は上記欠点をなくし、遅延線を用いずに
読み出された色差信号と輝度信号とを時間的に一
致させることができる２画面テレビ受信機を砥供
するにある。

まず、本発明の概略について、第６図を用いて
説明する。第６図は先に述べた第４図の回路に輝
度信号フイールドメモリＡ，Ｂと色差信号フイー
ルドメモリＣ，Ｄの書き込み用クロツク発生回路
３６′，４１および読み出し用クロツク発生回路
３７′，４２をそれぞれ独立に構成したものであ
る。

この様な構成により、輝度信号と色差信号のメ
モリへの書き込みまたは読み出しのタイミングを
適当に設定することにより見かけ上の色ずれを補
正することができる。

第１の方法は、第７図ａ〜ｄに示すようにメモ
リへの書き込み前に補正を行ない読み出しは輝度
信号と色差信号とを同時に読み出すものである。

第２の方法は、第８図ａ〜ｄに示すようにメモ
リに輝度信号と色差信号とを同時に書き込み、読
み出し時に補正を行なうものである。

上記２つの方法のうち、いずれの方法を採用し
ても遅延時間の補正は行なえる。

次に、本発明の詳細について第９図を用いて説
明する。なお、ここで述べるカラー２画面テレビ
受信機は以下１〜６の条件を備えたものである。

１ 輝度信号、色差信号独立メモリ方式 ２ デジタルメモリ方式 ３ １フイールドメモリ方式 ４ 色差点順次方式 ５ 輝度信号、色差信号画素数比４：１ ６ 子画面圧縮率1/3 なお、上記機能を有するカラー２画面テレビ受
信機の詳細にいては、特願昭53−113316明細書に
述べられている。

第９図において、親画面アンテナ１で受信され
たテレビ信号はチユーナ・PIF回路２で合成映像
信号に変換され親画面色信号回路３および親画面
遅延線４および親画面偏向回路５に供給される。

また、子画面信号は、子画面アンテナ７により
子画面チユーナPIF回路８に供給され、子画面合
成映像信号が得られ、また、子画面色信号回路９
からは、２つの子画面色差信号、たとえばＲ−
Ｙ、Ｂ−Ｙ信号が得られ、子画面偏向回路１１か
らは、子画面同期信号が得られる。この様にして
得られた親画面及び子画面の同期信号は、コント
ロール回路３０に加わり、メモリの書き込みおよ
び読み出しのタイミングを決定する。コントロー
ル回路３０からの信号によりＲ−Ｙ／Ｂ−Ｙ切換
回路２９は、信号切換スイツチ１２を切換え、Ｒ
−Ｙ信号またはＢ−Ｙ信号のいずれかを選定す
る。同様に、輝度／色差切換回路２８は、信号切
換スイツチ１３を切換え、輝度信号または色差信
号のいずれかを選択しＡ／Ｄコンバータ回路１４
に加わり輝度信号および色差信号はそれぞれデジ
タル信号に変換される。このデジタル信号は書き
込みアドレス発生回路２５によりそれぞれ対応し
たバツフアメモリ１５，１６に書き込まれ、ま
た、転送アドレス発生回路２６により転速タイミ
ングをとり輝度信号はバツフアメモリ１６からメ
インメモリ１８に転送される。同様に色差信号は
バツフアメモリ１５からメインメモリ１７に転送
される。このようにメインメモリに書き込まれた
信号は読み出しアドレス発生回路２７により親画
面の同期信号にタイミングをとり、読み出され、
輝度信号は、Ｄ／Ａ信号処理回路２０に加わり、
また、色差信号はＤ／Ａ復調回路１９に加わり、
それぞれにアナログ信号処理が行なわれる。この
様にして、処理された子画面信号はコントロール
回路３０からの制御信号により親子切換回路３１
で、ブラウン管６に表示する信号を切換え、希望
するブラウン管の位置に子画面を表示することが
できる。

ここで述べる具体例では先に述べた２つの補正
法のうち、書き込み時点で補正する第１の方法に
ついてのみ説明する。本具体回路の場合読み出し
側では、表示期間信号や枠作成信号などがあり、
補正量変更時などの修正箇所が多くなることが予
想される為に、第１の方法は第２の方法より適し
ていると考えられる。

第１０図に、輝度信号と色差信号のバツフアメ
モリ１６，１５への書き込み期間のタイミングチ
ヤートを示す。先に述べたように、本具体例では
子画面圧縮率を1/3としたので、各信号のサンプ
リングは３水平走査線に１本の割合でよい。ａ
は、子画面合成映像信号であり、ｂは、子画面水
平同期信号である。ここでの遅延時間補正は、水
平軸での補正であるから垂直同期信号は削除し
た。ｃは、水平同期信号から決定された子画面水
平書き込み開始信号であり、この書き込み開始信
号により、輝度信号は第１０図ｄ斜線の期間書き
込まれ、また、色差信号は第１０図ｅ斜線の期間
書き込まれる。

この様子を輝度信号と色差信号の遅延時間差が
わかるように、色差信号を１水平周期進めて輝度
信号上に位相を合せて第１１図に示す。

ａは、水平書き込み開始信号であり、ｂは、信
号の位置関係を明確にする為の書き込み時間軸で
ある。ｃは、輝度信号用バツフアメモリのアドレ
スを示し、ｄは、そのＲ／信号を示す。ここで
のデータのサンプリングはそのアドレスのＲ／
信号の立下りで行なわれるものとする。ｅは、輝
度信号用バツフアメモリの内容を示す。Ｙは輝度
信号を示し、添字はｂの時間軸を示す。同様にｆ
は色差信号のアドレスであり、ｇは、そのＲ／
信号、ｈは色差信号用バツフアメモリの内容であ
る。（Ｒ−Ｙ）は赤の色差信号、（Ｂ−Ｙ）は青の
色差信号を示し、添字は、同様にｂの時間軸を示
す。このようにしてバツフアメモリに書き込まれ
た各信号は、順次メインメモリに転送される。

第１１図ｉは親画面に位相をそろえられた読み
出し開始信号であり、この信号により第１１図ｊ
に示すメインメモリ読み出し番地を発生する。こ
れに従つて第１１図ｋ〜ｍに示すように輝度信
号、Ｒ−Ｙ信号、Ｂ−Ｙ信号が時間軸上に並べら
れる。図の矢印で示したように色差信号は輝度信
号に対して２添字分遅れる。この遅延が先に述べ
た輝度信号と色差信号との画素数差による遅延時
間差である。この他、実際の場合には、バツフア
メモリ書き込み以前に、色差信号が輝度信号に対
して約400nS遅延して入力される為にさらにこれ
が加わり大きな色ずれ現象となる。そこで、これ
を補正する為に、読み出し後の遅延時間を３倍し
た値をｌとし、その分だけバツフアメモリの書き
込み開始アドレスを色差信号と輝度信号とで切換
える。

第１２図にその様子を示す。

本図は、先に述べた第１１図の抜粋であり詳細
な説明は省略する。図において、ａは書き込み開
始信号、ｂは書き込み輝度信号メモリアドレス、
ｃは書き込み色差信号メモリアドレス、ｄは読み
出し開始信号、ｅは読み出し輝度信号メモリアド
レス、ｆは読み出し色差信号メモリアドレスであ
る。この場合には、書き込み側での色差バツフア
メモリのアドレスをｌだけ前よりプリセツトし、
補正を行なうものである。この様にして、輝度信
号と色差信号の遅延時間補正を１画素毎に補正で
きる。ただし、ここでの遅延補正とは輝度信号か
ら色差信号のずれが左右でバランスすることをい
う。

また、この他書き込み開始信号の時間的位置を
輝度信号と色差信号で切換えても同一の補正は行
なえる。

本発明は、上記メモリ入力回路のアナログ遅延
線を削除し輝度信号メモリと色差信号メモリの各
入力、または出力信号に対するタイミングを変え
ることにより、遅延量を１画素ステツプで逆補正
するものである。通常これらのメモリ駆動回路は
論理回路で構成されており、補正量の変更は
PLA（Programable Logic Array）等の採用に
より、容易に行なえる。

本発明は従来のような特殊な遅延線を必要とせ
ず部品の原価低減が計れる。また、論理回路の
PLA化等により、その遅延量も容量に変更で
き、コントロール回路のLSI化にも適する回路方
式である。

また、場合によつては遅延時間の極性も容易に
設定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は２画面テレビ受信機の概要を示す図、
第２図は子画面を圧縮する場合の走査線を抜き取
る様子を示す図、第３図は子画面信号を親画面信
号にはめ込む様子を示す図、第４図は従来のカラ
ー２画面テレビの回路構成を示すブロツク図、第
５図はこの場合の輝度信号と色差信号の遅延を示
す電圧波形図、第６図は本発明によるカラー２画
面テレビ受信機の原理を説明するためのブロツク
図、第７図はメモリへの書き込み側で遅延補正を
行つた場合の信号位相関係を示す電圧波形図、第
８図は読み出し側で補正を行つた場合の信号位相
関係を示す電圧波形図、第９図は本発明による２
画面テレビ受信機の一実施例を示すブロツク図、
第１０図は輝度信号および色差信号がメモリに書
き込まれる様子を示すタイミングチヤート、第１
１図は画素数差による色ずれ現象を説明するため
のタイミングチヤート、第１２図はこれを補正し
た後のメモリアドレスを示タイミングチヤートで
ある。 ３６′……輝度信号書き込み用クロツク発生回
路、３７′……輝度信号読み出し用クロツク発生
回路、４１……色差信号書き込み用クロツク発生
回路、４２……色差信号読み出し用クロツク発生
回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ おのおの独立に書き込みおよび読みだし可能
   な輝度信号メモリ装置および色差信号メモリ装置
   と、前記輝度信号メモリ装置および前記色差信号
   メモリ装置の書き込みタイミングを制御する書き
   込み用クロツク発生回路と、前記輝度信号メモリ
   装置および前記色差信号メモリ装置からの読み出
   しタイミングを制御する読み出し用クロツク発生
   回路を備え、第１のカラーテレビ画面の一部に第
   ２のカラーテレビ画面を圧縮し、子画面として挿
   入する２画面テレビ受信機において、 前記書き込み用クロツク発生回路または前記読
   み出し用クロツク発生回路の少なくとも一方は、
   前記輝度信号メモリ装置用のクロツクを発生する
   第１のクロツク発生回路と、前記色差信号メモリ
   装置用のクロツクを発生する第２のクロツク発生
   回路を備え、前記第１のクロツク発生回路と、前
   記第２のクロツク発生回路は、輝度信号と色差信
   号の遅延時間に応じた位相差を持つクロツクを発
   生することを特徴とする２画面テレビ受信機。