JPS6245339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ビデオデイスクレコーダー又はオ
ーデイオデイスクレコーダー等のピツクアツプを
支持するアームの送り装置に関するものである。

ビデオデイスクレコーダーやオーデイオデイス
クレコーダーにおいては、デイスクの回転に応じ
てピツクアツプを支持したアームをデイスク上で
一直線に移動させるようになつている。従来、こ
のアームの往復動は、２本のレール上にブツシユ
等を介したベース上アームを設置し、別に設けた
モーターの回転を減速機を介してロープやベルト
の直線運動に変え、このロープやベルトをアーム
に結合することにより行なつていた。

しかし、このような機構では、機械的な結合が
多く、モーターからベースまでの各結合部分にガ
タツキが存在する。即ち、減速機の歯車のバツク
ラツシユ、ロープやベルトとアームとの結合部分
のゆるみ等のガタツキがあり、これがアームの移
動、ひいてはピツクアツプの移動に悪影響を及ぼ
して適正な記録・再生ができない。

この考案は、モーター等の駆動源を別途に設け
る必要がなく、かつ、ガタツキや振動ノイズのな
いアーム送り装置を提供するものである。

第１図はこの考案の実施例に係るアーム送り装
置の平面図、第２図はアーム送り装置の側面図で
ある。１はビデオデイスク又はオーデイオデイス
ク等のデイスクであり、点Ｏを中心に矢印方向に
回転するようになつており、デイスク１上には、
ビデオ信号又はオーデイオ信号が記録されてい
る。３はデイスク１をはさんで設けられた一対の
レールで、このレール３上にローラー７を介して
アーム５が移動自在に搭載されている。

アーム５には、ほぼ中央の下面にピツクアツプ
９が備えられ、ピツクアツプ９の針はデイスク１
と接触するようになつている（ただし、ピツクア
ツプがオプチカルヘツド等の場合はデイスク１と
の接触はない。）。ピツクアツプ９は、アーム５の
移動によりデイスク１の外周部から中にＯ方向
に、また中心Ｏから外周部の方向に往復動するよ
うになつている。

アーム５の下面で、かつ、ピツクアツプ９の両
側には、間隔D₁，D₂をおいて送り用パツト１１
及び戻し用パツト１３が設けられている。パツト
１１及び１３は適宜の手段により、その先端部が
デイスク１の面に対して離接可能になつている。
パツト１１及び１３は、デイスク１の面と接触し
たとき、これを損傷することがなく、又、後述す
るように適宜の摩擦が得られるような材料を用い
る。

今、例えば第２図に示すように、送り用パツト
１１がデイスク１の面に当接し、戻し用パツト１
３がデイスク１から離れているとする。デイスク
１が矢印方向に回転すると、パツト１１にはベク
トルａで示すような摩擦力が生じる。この摩擦力
は、引張り力ｂとインサイドフオースｃの２つの
成分に分解することができる。そして、デイスク
１の矢印方向の回転によつて生じた上記インサイ
ドフオースｃにより、アーム５はレール３上を移
動し、ピツクアツプ９はアーム５と共にデイスク
１の外周部から中心Ｏに向かつて移動することと
なり、したがつて、ピツクアツプ９はデイスク１
上に記録されているビデオ信号又はオーデイオ信
号を拾うこととなる。

一方、送り用パツト１１が引き上げられ、その
代りに戻し用パツト１３がデイスク１の面に当接
している状態でデイスク１が矢印方向に回転する
と、戻し用パツト１３にはベクトルｄで示すよう
な摩擦力が生じる。この摩擦力は、引張り力ｅと
アウトサイドフオースｆの２つの成分に分解する
ことができる。そして、このアウトサイドフオー
スｆにより、アーム５はレール３上を前記と反対
方向に向かつて移動し、ピツクアツプ９は戻され
ることとなる。

前述のように、ピツクアツプ９をデイスク１の
外周部から中心Ｏに向けて往動させる場合には、
送り用パツト１１がデイスク１と接触し、戻し用
パツト１３はデイスク１から離れている。一方、
ピツクアツプ９をデイスク１の外周部側に向けて
往動させる場合には、戻し用パツト１３がデイス
ク１と接触し、送り用パツト１１はデイスク１か
ら離れている。このようなパツト１１，１３のデ
イスク１に対する離接動作は、それぞれ個別にあ
るいは連動して行なわれる。

送り速度又は戻し速度は、間隔D₁及びD₂を選
択することにより、又は、各パツト１１，１３の
デイスク１の面に対する押圧力を調整することに
より、それぞれ決定することができる。前者にお
ける間隔選択のため、アーム５にスリツトを設
け、パツト１１及び１３の操作を、可撓性の管を
介し空気による押圧・吸引により行ない、任意の
押圧力を得ることができる。

以上のように、この考案によれば、アーム５
（即ちピツクアツプ９）の移動のためのモーター
を別途に設けることなく、既に存在するデイスク
１の回転で生じるインサイドフオースｃ及びアウ
トサイドフオースｆを利用してアーム５の移動を
行なうので、モーターを設置するスペース及び費
用を節約することができる。又、アーム５の駆動
源であるデイスク１とアーム５とをパツト１１又
は１３で直結したので、モーターを設けた場合の
モーターとアームとの間の機械的結合部分をなく
し、その結果この機械的結合部分により生じるガ
タツキをなくすことができ、信頼性の高いアーム
の送り装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図はアーム送り装置の平面図、第２図はア
ーム送り装置の側面図である。 １……デイスク、３……レール、５……アー
ム、９……ピツクアツプ、１１，１３……パツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転するデイスクのデイスク面上に所定の間隔
   をおいて設けられデイスクの外周部と中心の間で
   往復動可能なアームと、アームに支持されてアー
   ムの往復動によりデイスクの径方向に沿つて移動
   するピツクアツプと、アームに支持され前記デイ
   スク面に対して離接可能なアーム送り用接触子
   と、アームに支持され前記デイスク面に対して接
   触可能なアーム戻し用接触子とを備えたことを特
   徴とするピツクアツプ支持アームの送り装置。