JPS6245277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案はレシート発行機能を持つ販売処理装置
に関する。

こゝで販売処理装置と云うのは商品購入の申込
みを受け、代金を算出し、代金を預金から引落す
ための必要動作を行い、販売記録を作成し、レシ
ートを発行すると云つた動作の幾つかを行う装置
で金銭登録機はその一例である。本考案はレシー
ト発行機能を有する販売処理装置に関し、壁に嵌
め込み或は両側に接して他の種々な物を配置され
るような設置の仕方がなされる場合に適した販売
処理装置に関する。

ロ 従来の技術 上述したような販売処理装置は店員一人が一台
を操作するもので、時間当り多数の客を対象とす
るときは、店員数が多くなり多数台の装置を配置
する必要があるので、スペース効率上壁への嵌込
み型になる（例、特公昭51−4679号）。他方既設
の販売所でこの種の装置を設置する場合、既にあ
る壁面を背にして販売処理装置を並べる他なく、
販売処理装置の裏側に回つて、必要資材の補給等
を行うことができない。所が従来この種の装置は
装置背後から係員がアクセスできると云う前提に
立つたものが普通で、装置両側面は他物でふさい
でしまつてもよいが、背面はあけておかねばなら
ず、装置背面と壁面との間に係員が入れる空間を
とつておく必要があつて、販売所或は精算所の床
面積を圧迫する結果になつている。この点の改善
として、装置の前面板を外して内部に手を入れ得
るようにしたものもあるが、箱内に手を入れて操
作をすることになるので、作業がやり難いと云う
欠点が残つている。

ハ 考案が解決しようとする問題点 本考案は従来の販売処理装置の難点を解消し、
装置前面から容易に係員がアクセスして必要資材
の補給作業等が楽にできるようにしようとするも
のである。

ニ 問題点解決のための手段 装置の前面パネルにおいてレシート発行用プリ
ントの前面になる部分を前開の扉とし、装置箱体
内に設けられた前後方向のレール上に前後方向に
摺動可能に設けられた基板上に上部にレシート用
紙、インクリボン等を保持させたプリンタを取付
け、上記基板両側を上記レールの両側面に垂下さ
せ、この垂下部によつて上記レール側面後部の張
出し下縁を抱いて基板が装置箱体内奥に押入され
た位置で基板の浮上を阻止すると共に、基板をレ
ール前端まで引出したときは上記垂下部が上記張
出しから前方に抜けて基板がレールから持上げ可
能となるようにし、上記垂下部の前端とレール前
端とに基板をレール前端まで引出したとき係合す
る切込みとピンよりなる水平軸線によつて基板が
回転可能な係合手段を設け、前記扉を開き、プリ
ンタを前方に引出したときプリンタが上記係合手
段を支点として前傾できるようにした。

ホ 作用 販売処理装置において、係員が頻繁にアクセス
する必要があるのはレシート発行装置で、レシー
ト用紙インクリボン等の資材を補給しなければな
らず、プリンタは機械部分を有するので、保守、
点検、修理の必要性が高い。本考案はこのように
販売処理装置で、日常係員がアクセスする必要が
高い部分を、装置前面を開いて引出し、かつ前倒
しできるようにしてあるので、筺体内に手を入れ
て作業するより遥かに楽に作業ができることにな
る。

即ちプリンタは装置箱体内に設けられたレール
上を前後摺動可能で、装置箱体の前面パネルでプ
リンタ前面になる部分が開けるので、その扉を開
くとプリンタを手で前方へ引寄せることができレ
ールは箱体内にあるためプリンタは前面が箱体前
面と同一面までしか引出せなくても、プリンタ基
板の両側垂下部の前端とレール前端との係合手段
が係合し、前項で記載したようにこの係合手段は
ピンと切込みよりなつていて基板が水平軸線によ
り回転可能となつているので、この係合手段を支
点としてプリンタを前方へ傾けることができるか
ら、プリンタ上部は装置箱体前面より前方に突上
してプリンタ上方に邪魔がないから、装置の前面
においてレシート用紙、インクリボン等の交換が
容易にできることになる。

ヘ 実施例 図面は本考案の一実施例を示す。第１図は装置
全体の斜視図で、Ａは操作盤、Ｄは表示部、Ｓは
レシート放出口である。この装置は会員制のカー
ド販売組織を対象としたもので、組織の会員がカ
ードを提示すると係員がこの装置にそのカードを
挿入して記載事項を読取らせ、次いで会員の希望
する商品及び数量のデータを操作盤Ａにおける
種々なキーの操作によつて装置に入力する。表示
部Ｄには計算された代金が表示される。次にレシ
ート発行の指令操作を行うとレシート放出口Ｓか
らレシートが放出される。この装置は金銭登録機
と似ているが現金受入をしない。この装置はガソ
リンスタンド等で事務所の外壁等に嵌込みにして
用いられる。或は据置き状態で用いるにしてもそ
の両側には他の色々な物が配置されることが予想
されるから装置の両側面は利用されず又装置内部
点検等のために開くと云うこともできないように
なつている。

第２図は上述第１図における鎖線−におけ
る断面図でレシートのプリンタを示す。Ｒはレシ
ート用紙を巻いたロール紙、Ｐはプリンタ本体、
Ｌはインクリボンである。ロール紙Ｒはプリンタ
本体Ｐの中に案内されたレシート放出口Ｓに送出
される。ロール紙ベアリングＢ、プリンタ本体Ｐ
等は基板１に一体的に取付けられて全体としてレ
シートプリンタを構成している。基板１は両側が
下方に折曲された浅い下向きコ字形になつてお
り、ガイドレール２の上面に乗つている。基板と
ガイドレール２上面との間には減摩用のポリエチ
レンテープ３が介在させてあり、同テープはレー
ル２上面に固着してある。基板１の後端には曲げ
起こし４が設けてある。レール２は販売処理装置
に固定されており、レール後端にはマグネツト５
が固着してあつて基板１の後端の曲げ起こし４を
吸着保持している。

上述した所によつてレシートプリンタ全体がレ
ール２上を摺動可能でマグネツト５によつて販売
処理装置の外筺ｗの奥に押し込まれた位置に保持
されていることが判る。プリンタのこの位置が通
常位置である。ロール紙Ｒの補給、インクリボン
Ｌの交換、その他プリンタの点検修理の必要が生
じた場合、プリンタ前面の扉６を第２図に矢印Ｘ
で示すように前倒しに開き第２図鎖線位置にし、
基板１の前縁を以つてプリンタを前方へ引出す。
第３図はプリンタを前方へ引出した状態を示す。
基板１の両側の下方へ折曲した部分の前端部にＵ
字形の切込み７が設けてあり、この切込みがレー
ル２の前端部側面に立てたピン８に適合し、プリ
ンタはこれより前方には引出せない。この状態で
プリンタＰの頭の辺に手をかけて手前に引くと基
板１は両側の切込み７がピン８と係合しているの
で、ピン８を支点に回転しプリンタ全体が前傾す
る。第４図にその状態を示す。プリンタＰは第３
図に示すように前方に引出しただけでは未だ機構
の主部やロール紙Ｒが外筺ｗの中にあつて手を触
れるのが困難であるが、第４図に示すように前傾
させるとロール紙Ｒを始めプリンタＰの全体が外
筺ｗの外に出る。

基板１の両側の下方曲折部にはリンク９の上端
が枢着してあり、このリンクの下端にははピン１
０が植立してあつてレール２側面にレール２と平
行に設けた溝１１に係合している。基板１を前方
へ引出すときピン１０は溝１１内を摺動している
が、プリンタＰを前傾させるとピン１０は溝１１
の前端まで来て停止しリンク９の下端を拘束する
のでリンク９は基板１を引張り、プリンタＰが第
４図の位置よりも更に前方に倒れてしまうのを阻
止する。

レール２の側面には後の方半分にレール２の上
面と平行に張出し１２が取付けてあり基板１の両
側の下方折曲部の下端は第５図に示すようにこの
張出し１２を下から抱くように内向きに曲げてあ
る。このためプリンタは外筺ｗの奥に収納された
第２図の状態では基板１の側面が張出し１２を抱
いているのでプリンタがレール２から浮上するよ
うなことはない。プリンタを前方へ引出した第３
図の状態では基板１の側面は張出し１２より前方
に抜けているので、プリンタはピン８を支点に前
傾できる。

第４図の状態でインクリボンＬの交換、ロール
紙Ｒの補給或はプリンタＰの点検修理を行い、基
板１を起こして第３図の状態にし外筺ｗの奥に押
込むと第２図のプリンタ全体は第２図の位置に戻
り、基板１の後端曲げ起こし４がマグネツト５に
吸着されプリンタは第２図の位置に保持される。

ト 効果 本考案販売処理装置は上述したような構成で設
置の便宜を考えて壁への嵌込み、両側に接して他
の種々な物を置く場合に備え外筺の両側面及び上
面に開口を設けない構成とした場合でも、レシー
ト発行用プリンタを前開きの扉を開いて前方に引
出し更に前傾できるようにしたから、プリンタは
外筺より充分に露出でき、レシート用紙の補給、
インクリボンの交換、プリンタの点検修理が容易
に行える。即ちプリンタはレシートを装置前面に
排出する必要があるので、資材補給、点検、修理
等は上方からの方が行い易い構造になるが、前傾
できる結果、上方からの作業がやり易くなるので
ある。またプリンタ全体を前方に引出す引出し量
が小さくできるので、摺動機構の機械的構成が強
度面、必要スペース面で大へん楽になる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例装置を示し、第１図は
全体斜視図、第２図は縦断側面図、第３図はプリ
ンタを前方に引出した状態の縦断側面図、第４図
はプリンタを更に前傾させた状態の縦断側面図、
第５図はレール２と基板１との関係を示す正面略
図である。 ｗ……外筺、Ｐ……プリンタ、Ｒ……ロール
紙、Ｌ……インクリボン、１……基板、２……レ
ール、３……減摩用ポリエチレンシート、５……
マグネツト、６……扉、７……Ｕ字形切込み、８
……ピン、９……リンク、１０……ピン、１１…
…溝、１２……張出し。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置の全面パネルにおいてレシート発行用プリ
   ンタの前面になる部分を前開の扉とし、装置箱体
   内に設けられた前後方向のレール上に前後方向に
   摺動可能に設けられた基板上に、上部にレシート
   用紙、インクリボン等を保持させたプリンタを取
   付け、上記基板両側を上記レールの両側面に垂下
   させ、この垂下部によつて上記レール側面後部の
   張出し下縁を抱いて基板が装置箱体内奥に押入さ
   れた位置で基板の浮上を阻止すると共に、基板を
   レール前端まで引出したときは上記垂下部が上記
   張出しから前方に抜けて基板がレールから持上げ
   可能となるようにし、上記垂下部の前端とレール
   前端とに基板をレール前端まで引出したとき係合
   する切込みとピンよりなり水平軸線によつて基板
   が回転可能な係合手段を設け、前記扉を開き、プ
   リンタを前方に引出したときプリンタが上記係合
   手段を支点として前傾できるようにした販売処理
   装置。