JPS6244662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計バンドの止め金具に関する。

従来、金属製時計バンドなどに適用される止め
金具として３つ折れ止め金具が知られている。こ
の３つ折れ止め金具は、底板、上板および上板の
上側に重ね合わされる上箱の端部相互が、これら
板材の長手方向に回動自在に連結されてなり、上
箱の端部に設けられた喰い付き部が底板と上板と
を連結するヒンジピンに係合されることにより３
つ折れ状態が保持され、時計およびそれに一体的
に取り付けられたバンドを手首等に固定し、また
上箱の端部喰い付き部側が上側へ引き上げられる
ことにより係合が解除されて、時計およびバンド
を手首等から取り外すことが可能となるものであ
る。

ところで、この３つ折れ止め金具では、３つ折
れ係止状態において上箱がバンドより突出されて
おり、この突出した上箱に指等が誤つて触れて係
止を解除してしまうおそれがあつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、指
等が触れた場合でも誤つて係止が解除されるおそ
れがなく、係止状態が確実に保持される時計バン
ドの止め金具を提供することを目的とするもので
ある。

以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図を参
照して説明する。

本考案に係わる止め金具は、それぞれ互いに平
行に配置される第１、第２の平板１，２の端部お
よび第２、第３の平板２，３の端部相互が、ヒン
ジ部４，５を介してそれら平板１，２，３の面方
向に回動自在に連結されてなる横３つ折れ金具６
を備え、第１の平板１の自由端側が、該第１の平
板１に直交するピン７および第１の連結部材８を
介して一方のバンド片９に回動自在に接続される
とともに、第３の平板３の自由端側が該第３の平
板３に直交するピン１０および第２の連結部材１
１を介して他方のバンド片１２に回動自在に接続
され、ヒンジ部４，５には円弧状凸部（第１の係
止部）１３，１４がそれぞれ設けられるととも
に、連結部材８，１１には円弧部１３，１４と係
合する円弧状凹部１６，１５がそれぞれ設けられ
た基本構成となつている。

前記第１、第２、第３の平板１，２，３は、そ
れぞれ手首に合致するよう上側が凸状にわん曲さ
れている。第１、第３の平板１，３はともに同形
であつて、横断面略Ｌ字状に形成され、第２図お
よび第３図に示すように重ね合わされたとき、互
いの側壁１７，１８が外側に位置して、それらの
内部に第２の平板２を挾み込むよう互いに対称的
に配置される。第２の平板２は、その幅W₂が第
１の平板１および第３の平板３の幅W₁の２倍弱
に設定され、第３図に示すように横３つ折れ金具
が重ね合わされたとき、両側壁２ａ，２ｂ全面が
第１、第２の平板の内側壁１７ａ，１８ａにそれ
ぞれ当接するようになつている。また、この第２
の平板２は互いに対向する角部が切欠かれてお
り、第１、第３の平板１，３と重なり合つてもヒ
ンジ部４，５が干渉しないようになつている。

第１の連結部材８は、全体が略コ字状に折曲さ
れてなるもので、両側には複数のアジヤスタ孔１
９が長さ方向に等間隔的にあけられており、この
うち任意の孔１７に周知のバネ棒が嵌め合わさ
れ、このバネ棒を介して一方のバンド片９に接続
される。なお、第２の連結部材１１は第１の連結
部材８と同一構成であり、ここでは同一符号を付
してその説明を省略する。

次に、前記構成の止め金具の使用方法並びに作
用について説明する。時計およびこれに一体的に
取り付けられたバンドを手首等に装着する場合に
は、第１、第３の平板１，３を持つて横３つ折れ
金具６をＺ字状に重ね合わせ、同第１、第３の平
板１，３をそれぞれ図中矢印イ方向に回動して、
第２図に示すように円弧状凸部１３，１４を円弧
状凹部１６，１５にそれぞれ係合させる。このと
き、第２の平板２が直状に弾性変形してヒンジ部
４，５間の距離ｌを拡げるため、円弧状凸部１
３，１４を円弧状凹部１６，１５に速やかに係合
させることができる。またこの状態において、第
２の平板２の両側壁２ａ，２ｂ全面が第１、第３
の平板の内側壁１７ａ，１８ａにそれぞれ当接し
ているから、第１、第３の平板１，３のねじれを
防止することができ、もつてヒンジ部４，５にね
じれ力等が加わるのを未然に回避することができ
る。

なお、止め金具を取り外す場合には、上述の操
作と逆に、第２図に示すように第１の平板１をピ
ン７を中心として矢印ロ方向に、また第３の平板
３をピン１０を中心として矢印ロ方向にそれぞれ
回動させて、円弧状凸部１３，１４と円弧状凹部
１６，１５の係合を解除させればよい。

以上説明したように、本考案によれば、第１、
第２、第３の平板端部相互をそれぞれの面方向に
回動自在に連結させてなる横３つ折れ金具を用い
た構成であるから、従来例で示したように３つ折
れ金具を構成する部材がバンドより外部に突出す
ることがなく、従つて不用意に指等が触れて係止
状態を解除させるおそれがなく、係止状態が安定
的に保持される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示し、第
１図はその斜視図、第２図は係合状態を示す斜視
図、第３図は第２図の−線に沿う断面図であ
る。 １……第１の平板、２……第２の平板、３……
第３の平板、４，５……ヒンジ部、６……横３つ
折れ金具、８……第１の連結部材、９……一方の
バンド片、１１……第２の連結部材、１２……他
方のバンド片、１３，１４……円弧状凸部（第１
の係止部）、１５，１６……円弧状凹部（第２の
係止部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ互いに平行に配置される第１、第２の
   平板の端部および第２、第３の平板の端部相互が
   ヒンジ部を介してそれら平板の面方向に回動自在
   に連結されてなる横３つ折れ金具を備え、前記第
   １の平板の自由端側が第１の連結部材を介して一
   方のバンド片に該バンド片の面方向に回動自在に
   接続されるとともに、前記第３の平板の自由端側
   が第２の連結部材を介して他方のバンド片に該バ
   ンド片の面方向に回動自在に接続され、前記第
   １、第２の平板を連結する前記ヒンジ部あるいは
   前記第２、第３の平板を連結する前記ヒンジ部の
   うち少なくとも一方には第１の係止部が設けら
   れ、前記横３つ折れ金具が重ね合わされるとき前
   記第１の係止部が対向する前記連結部材には第１
   の係止部と係合する第２の係止部が設けられてい
   ることを特徴とする時計バンドの止め金具。