JPS624297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、縦型の電気掃除機に関し、詳しく
は、集塵ケース内に配設されたフイルタの除塵構
造の改良に係わるものである。

〔従来の技術〕 通常、縦型の電気掃除機は、たとえば実公昭49
−1948号公報に示されているように、吸気口を有
する下ケース内に収塵フイルタを配設する一方、
電動送風機を内装し排気口を備えた上ケースを、
下ケース上に載設する構成になつている。

なお、この場合、収塵フイルタに付着した塵の
除塵は、回転レバーの回転により収塵フイルタの
中央部に回転変形および上下振動を与えることに
より行なわれている。

しかし、前述の構成では、塵埃捕獲用のフイル
タが１個のみであるため、そのフイルタに粗塵お
よび細塵が同時に付着し、フイルタに目詰まりを
生じ、集塵効果がきわめて低い欠点がある。

ところで、横型の電気掃除機においては、たと
えば、実公昭54−21972号公報に示されているよ
うに、粗塵捕獲用のプリフイルタと細塵捕獲用の
メインフイルタとを集塵ケース内に前後に配設
し、集塵効果を高めるようにしたものがあり、こ
の場合のフイルタの除塵は、メインフイルタの内
面を除塵子によりたたいて行なうとともに、プリ
フイルタを駆動軸により回転して行なつている。

そこで、この公報技術を、縦型の電気掃除機に
適用し、集塵ケース内の上部にメインフイルタ、
下部にプリフイルタをそれぞれ配設すれば、この
種のものにおける集塵効果の向上が可能となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、縦型の電気掃除機における集塵ケース
内に、上部にメインフイルタ、下部にプリフイル
タをそれぞれ配設すると、フイルタの除塵、とく
にメインフイルタの除塵の際に、メインフイルタ
から除塵子などではじき落とされた細塵が、その
下側のプリフイルタの上面、すなわちプリフイル
タの集塵室側と反対の内面に落下するため、その
細塵を除去することができない欠点がある。

そこで、この考案においては、集塵ケース内の
上部および下部にそれぞれメインフイルタおよび
プリフイルタを配設した縦型の電気掃除機におい
て、メインフイルタからの細塵も適切に排出し得
る出段を提供することを技術的課題とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、前記の点に留意してなされたもの
であり、有底円筒状の集塵ケースと、前記集塵ケ
ース内の上部に配設され下面が支持板により閉塞
された円筒状のメインフイルタと、前記メインフ
イルタの下側に位置し周縁が前記集塵ケースの内
面に摺接した円板状のプリフイルタと、前記支持
板の中央部に設けられた軸受と、前記プリフイル
タの中央部上に突設され前記軸受に回転自在かつ
上下に摺動自在に支持されたシヤフトと、前記軸
受の端面に形成された凹部と、前記シヤフトに形
設され該シヤフトの回転により前記凹部に嵌合、
離脱し前記プリフイルタに上下の振動を与える凸
部と、前記シヤフトの上端部に連結された回転用
のハンドルと、前記プリフイルタの周縁部上に支
柱を介して設けられ前記メインフイルタの外側に
当接した除塵子と、前記集塵ケースの前記プリフ
イルタの下動位置に形成され前記プリフイルタの
下動位置において前記プリフイルタの周縁との間
に間隙を形成する環状凹部と、前記集塵ケースの
上面に載設され電動送風機を内蔵した本体ケース
とを備えた電気掃除機を提供するものである。

〔作 用〕

したがつて、この考案では、除塵の際、回転用
ハンドルによりシヤフトを回転すると、プリフイ
ルタが回転する一方、シヤフトの凸部が軸受の端
面を摺接するとともにその凹部に嵌合、離脱する
ことによつて、プリフイルタに上下の振動が与え
られ、プリフイルタに付着した粗塵が集塵ケース
内の底部に容易に落下する。

また、プリフイルタの回転時、メインフイルタ
の外側に当接した除塵子もプリフイルタとともに
上下に振動しながら回転移動し、メインフイルタ
に付着した細塵が除塵子によりはじかれて効率よ
く除去され、これがプリフイルタの周縁部上に落
下する。

ところで、プリフイルタの上下振動時、その下
動位置において、集塵ケースの環状凹部とプリフ
イルタの周縁との間に間隙が形成されるから、プ
リフイルタ上に落下したメインフイルタの細塵
は、プリフイルタの回転による遠心力と上下振動
力とによつて移動しつつこの間隙より集塵ケース
内底部へ落下し、両フイルタに付着した塵埃が集
塵ケースの底部に集積される。

〔実施例〕

つぎに、この考案を、その１実施例を示した図
面とともに、詳細に説明する。

１は有底円筒状の集塵ケースであり、ペール缶
のように、中間部に補強用のビードによる環状凹
部２が形成された円筒缶よりなる。３は集塵ケー
ス１の周壁下部に形成された吸気口、４および５
は集塵ケース１の自在前車輪および後車輪であ
る。

６は円筒状のメインフイルタ７を保持した保持
具、８は保持具６の底部の支持板であり、メイン
フイルタ７の下面を閉塞している。９は保持具６
の上部周縁に嵌装されたパツキンであり、このパ
ツキン９が集塵ケース１の開口縁に載置され、こ
れによつてメインフイルタ７が集塵ケース１内の
上部に配設される。

１０は軸受、１１および１２は軸受１０に一体
に形成された上部つばおよび下部つば、１３は下
部つば１２に縦方向に形成された切込みであり、
下部つば１２に弾性を付与しており、この弾性を
利用して、支持板８の中央の透孔に下部つば１２
が上方より圧入され、支持板８が上部つば１１と
下部つば１２とによりはさまれ、支持板８の中央
部に軸受１０が固定される。１４は下部つば１２
の下面に形成された複数個の凹部である。

１５は軸受１０に下方から挿入され該軸受１０
に回転自在かつ上下に摺動自在に支持されたシヤ
フト、１６はシヤフト１５の周面に突出して形成
されたカム状の凸部、１７はシヤフト１５の上端
の小径部１８に形成された回り止めのカツト、１
９は上部つば１１上の軸受１０に挿入されたスプ
リング、２０は基部の透孔がシヤフト１５の小径
部１８に嵌合した回転用ハンドル、２１はハンド
ル２０の基部上に当てがわれた座板２２は座板２
１を介してシヤフト１５に螺合したねじであり、
シヤフト１５にハンドル２０が固定される。２３
はハンドル２０の先端に装着されたハンドルつま
みである。

そして、上部つば１１とハンドル２０との間に
介装されたスプリング１９により、シヤフト１５
が持ち上げられてシヤフト１５の凸部１６が軸受
１０の下面に当接し、シヤフト１５の回転によ
り、凸部１６が軸受１０の下部つば１２の凹部１
４に嵌合、離脱し、シヤフト１５が上下に振動す
る。

２４はシヤフト１５の下部に一体に形成された
支枠、２５は支枠２４に張設されたネツトであ
り、支枠２４とネツト２５とにより円板状のプリ
フイルタ２６が形成され、シヤフト１５とともに
回転および上下振動する。この支枠２４の周縁部
２７は下方へ傾斜して形成され、周縁部２７の端
縁が集塵ケース１の内面に摺接するとともに、プ
リフイルタ２６の上下振動時の下動位置におい
て、この周縁部２７の端縁が前記環状凹部２に位
置し、両者間に間隙が形成される。２８は周縁部
２７に立設された支柱、２９は支柱２８の上部に
装着されメインフイルタ７の外側に当接した除塵
子である。

３０は電動送風機３１を内蔵した本体ケース、
３２は本体ケース３０に設けられた電源スイツ
チ、３３は電源コード、３４は集塵ケース１に本
体ケース３０をクランプするクランプフツクであ
り、本体ケース３０の下面周縁が、パツキン９を
介して集塵ケース１に載置されたのち、クランプ
フツク３４により両ケース１，３０が一体化され
る。

そして、本体ケース３０が集塵ケース１にクラ
ンプされた状態では、シヤフト１５の凸部１６が
軸受１０の凹部１４に嵌合する状態とされ、第１
図実線に示すように、スプリング１９によりプリ
フイルタ２６がシヤフト１５を介して上動してい
る。したがつて、電動送風機３１の駆動により、
吸気口３から吸い込まれた塵埃は、その粗塵がプ
リフイルタ２６により捕獲され、プリフイルタ２
６を通過した細塵がメインフイルタ７に捕獲さ
れ、その表面に付着する。

つぎに、掃除終了後、本体ケース３０を集塵ケ
ース１より取り外し、ハンドルつまみ２３をもつ
てハンドル２０を回転すると、シヤフト１５が回
転し、シヤフト１５の凸部１６が軸受１０の下部
つば１２の凹部１４に嵌合、離脱し、プリフイル
タ２６が回転しつつ上下に振動し、プリフイルタ
２６の下面に付着した粗塵が下方に落下する。

同時に、プリフイルタ２６とともに除塵子２９
が回転しつつ上下に振動し、メインフイルタ７を
たたき、メインフイルタ７に付着した細塵を、プ
リフイルタ２６の傾斜した周縁部２７上に落下さ
せる。

さらに、プリフイルタ２６の上下の振動におい
て、プリフイルタ２６が下降したとき、第１図１
点鎖線に示すように、周縁部２７が集塵ケース１
の凹部２に位置し、周縁部２７の周縁と集塵ケー
ス１の内面との間に間隙が形成されるため、この
間隙からプリフイルタ２６上の細塵が下方に落下
し、集塵ケース１の下部に集められる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案の電気掃除機による
と、プリフイルタとメインフイルタとを備えてい
るため、集塵効果が向上するほか、回転用ハンド
ルの操作によりプリフイルタが回転するとともに
上下に振動するため、プリフイルタから粗塵を除
去でき、かつ、同時に、除塵子がメインフイルタ
の外面を回転するとともに上下に振動するため、
メインフイルタから細塵を効果よく除去でき、そ
の上、除去された細塵が、プリフイルタの上下振
動時の下動位置において形成される間隙から落下
し、粗塵および細塵が集塵ケースの底部に集積す
ることになり、塵埃を容易に排出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の電気掃除機の１実施例を示
し、第１図は切断側面図、第２図は第１図の一部
拡大図、第３図は第２図の斜視図である。 １……集塵ケース、２……環状凹部、７……メ
インフイルタ、８……支持板、１０……軸受、１
４……凹部、１５……シヤフト、１６……凸部、
２０……ハンドル、２６……プリフイルタ、２８
……支柱、２９……除塵子、３０……本体ケー
ス、３１……電動送風機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底円筒状の集塵ケースと、前記集塵ケース内
   の上部に配設され下面が支持板により閉塞された
   円筒状のメインフイルタと、前記メインフイルタ
   の下側に位置し周縁が前記集塵ケースの内面に摺
   接した円板状のプリフイルタと、前記支持板の中
   央部に設けられた軸受と、前記プリフイルタの中
   央部上に突設され前記軸受に回転自在かつ上下に
   摺動自在に支持されたシヤフトと、前記軸受の端
   面に形成された凹部と、前記シヤフトに形設され
   該シヤフトの回転により前記凹部に嵌合、離脱し
   前記プリフイルタに上下の振動を与える凸部と、
   前記シヤフトの上端部に連結された回転用ハンド
   ルと、前記プリフイルタの周縁部上に支柱を介し
   て設けられ前記メインフイルタの外側に当接した
   除塵子と、前記集塵ケースの前記プリフイルタの
   下動位置に形成され前記プリフイルタの下動位置
   に形成され前記プリフイルタの下動位置において
   前記プリフイルタの周縁との間に間隙を形成する
   環状凹部と、前記集塵ケースの上面に載設され電
   動送風機を内蔵した本体ケースとを備えた電気掃
   除機。