JPS6242560B2 - - Google Patents
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- JPS6242560B2 JPS6242560B2 JP55015860A JP1586080A JPS6242560B2 JP S6242560 B2 JPS6242560 B2 JP S6242560B2 JP 55015860 A JP55015860 A JP 55015860A JP 1586080 A JP1586080 A JP 1586080A JP S6242560 B2 JPS6242560 B2 JP S6242560B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N—ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N30/00—Piezoelectric or electrostrictive devices
- H10N30/80—Constructional details
- H10N30/85—Piezoelectric or electrostrictive active materials
- H10N30/857—Macromolecular compositions
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
- Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
- Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
Description
本発明は従来知られている高分子超音波トラン
スジユーサよりも高い性能を有する超音波トラン
スジユーサに関する。 ポーリングにより圧電性となる高分子膜は特公
昭53―26799号公報に開示されているように、そ
の厚み振動モードを利用することによつて、超音
波の発生と受信が可能であり、超音波トランスジ
ユーサとして利用することができる。 高分子圧電材料はそれが可撓性を有し、耐水
性、耐衝撃性に富むのみでなく、その面積、形状
に実質的に制約を受けないので、無機単結晶ある
いはセラミツク圧電材料よりもより多くの利点を
持つ。さらにまた、高分子圧電材料の音響インピ
ーダンスは水、プラスチツク、生体にきわめて近
く、これらの物体への音波の入射、受信に際して
は低いQ値のトランスジユーサとして動作するの
で、広帯域をもつトランスジユーサとなり、これ
らの物体の音響的性質、特に超音波診断用のトラ
ンスジユーサ材料として、無機圧電材料よりはる
かに優れた材料である。 超音波トランスジユーサの電気入力に対する機
械出力の大きさ(あるいは機械入力に対する電気
出力の大きさ)を決める諸要因のうちで、圧電材
料それ自身に依存するのは、主として厚み振動に
関する電気・機械結合係数ktである。従来知られ
ている超音波トランスジユーサ用高分子圧電材料
のうち、最大の性能を有するのはポーリングした
ポリふつ化ビニリデン(以下PVDFと略記する)
である。しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、PVDFのktは、よい条件でポーリングされた
ものでも、現状では0.2程度であつて、圧電セラ
ミツクのktよりもかなり小さく、より大きいktを
もつPVDFを作成することは困難である。さらに
PVDFは、実用上重要な超音波トランスジユーサ
の動作周波数域(〜1MHz以上)において、誘電
損失と力学損失が大きく、電気駆動の際に発熱が
伴うばかりでなく、効率の低下をもたらしてい
た。これらの点からPVDFを用いた圧電超音波ト
ランスジユーサは理想的なものではなく、より効
率の高いトランスジユーサが望まれていた。 本発明者らはPVDFを用いた超音波トランスジ
ユーサよりも、より高性能の高分子圧電超音波ト
ランスジユーサを開発すべく検討を重ねた。その
結果、ふつ化ビニリデン(以下VDFと略記す
る)と三ふつ化エチレン(以下TrFEと略記す
る)の共重合体(以下P(VDF―TrFE)と略記
する)をポーリングして得られる圧電体はきわめ
て大きいktを持つことを知得し、そのシート状圧
電体の厚み振動モードを用いた超音波トランスジ
ユーサはPVDFを用いた超音波トランスジユーサ
よりも、より高性能であることを見い出し、本発
明をなすに至つた。 すなわち、本発明の超音波トランスジユーサ
は、ふつ化ビニリデンとトリふつ化エチレンとが
共重合しており、かつふつ化ビニリデンが65モル
%〜95モル%で、トリふつ化エチレンが35モル%
〜5モル%である共重合体を主成分とする高分子
圧電膜の厚み圧電性に基づく振動モードを利用し
てなるもので、高い電場下での分極によつて良好
な厚み圧電性が付与されたP(VDF―TrFE)の
膜が両面に電極を位置せしめ電気―機械変換素子
となし、この電極を通して高周波電場あるいはパ
ルス状電場を加えて励振させ超音波を目的とする
音響伝播媒体に入射せしめるか、あるいは逆に該
素子に入射された音波を電気信号に変換させるも
のである。 高分子圧電膜の圧電性は、特公昭50―29159号
公報に記載されている。また、P(VDF―
TrFE)の圧電性は特開昭53―26995号公報ある
いは東畑、八木、佐古、応用物理学会(1979.4月
(東京))講演予稿集p325;打出井、岩本、岩
間、田村、同p326;山田、上田、北山、同p326
に記載されている。しかし、これは膜面に平行方
向の伸縮を伴う圧電性(d31)に関するものであ
る。本発明は、この圧電性を利用するものとは全
く異なり、膜面に垂直な方向の変形、すなわち膜
厚の伸縮に関する圧電性(e33)を利用するもので
ある。なお、この厚み伸縮振動が膜自身の電気・
音響的性質と膜の境界条件で決まる環境下におい
て実質的に共振状態にある周波数付近で用いるこ
とが最も有効であるが、場合によつては非共振周
波数でも使用することもできる。 本発明の超音波トランスジユーサに用いられる
P(VDF―TrFE)は、その共重合成分のTrFE
が35mol%以下5mol%以上、好ましくは30mol%
以下15mol%以上、特に好ましくは30mol%以下
20mol%以上であり、一方の共重合成分VDFの他
に、圧電効果に実質的に著しい影響を与えない範
囲において他の成分(たとえば4ふつ化エチレ
ン、ビニリデンクロライド、アクリロニトリル)
を含んでいてもよいことはもち論である。ここ
で、VDFを65モル%〜95モル%とし、TrFEを35
モル%〜5モル%とするのは、次のような理由に
よる。 すなわち、第5図は、VDFとTrFEの量を横軸
とし、膜面に平行方向の上記圧電定数d31と、膜
の厚み方向の振動に関する上記電気・機械結合係
数ktとを縦軸としてこれらの関係を示す図である
が、この図から明らかなように、ktは、TrFEが
約25モル%のときに最大値をとり、TrFEがそれ
よりも増えると急激に小さくなる。ktは、TrFE
が約25モル%より減つても小さくなるが、5モル
%付近からは再び大きくなる。一方、d31は、
TrFEが45モル%付近において最大値を示すが、
この付近でのktは、ほとんど利用できないほど水
さい。また、d31は、ktが最大になる付近で最小
となる。結局、ktがd31よりも大きくなり、厚み
圧電性に基づく振動モードを有効に利用できるの
は、VDFが35モル%から5モル%の範囲であ
る。 本発明の超音波トランスジユーサは、両面に電
極を持つ膜を支持枠に架張した状態でも用いられ
るが、より一般的には、支持基板に保持された状
態で用いられる。この支持基板は、目的に応じて
音波放射(入射)の前面、後面、あるいはその両
面に設けることができ、その材質、形状、厚みは
目的に応じて選択されることはもち論である。 その一例を述べると、後面から前面に向つて、 (a) 高分子基板/電極/圧電膜/電極/付加膜 (b) 高分子基板/反射板/電極/圧電膜/電極/
付加膜 (c) 反射板/電極/圧電膜/電極/高分子ブロツ
ク (d) 金属板(電極兼用)/圧電膜/金属箔(電極
兼用) (e) 電極/圧電膜/電極/高分子基板 等の積層構造がある。 ここで反射板とは高分子の音響インピーダンス
の大きい板であり圧電膜との境界で振動の節に近
いモードが立つ目的で挿入されたものであり、そ
の板の音波波長(使用中心周波数での)よりも十
分厚いか、あるいは略1/4波長のものが好ましく
用いられる。しかし1/16波長程度の薄い板であつ
ても用いることはできる。反射板が金属である場
合には電極を兼ねることもできる。 また付加膜とは、圧電膜の共振周波数を調節す
るために、場合によつては電極の保護を兼ねて設
けられた膜であり、高分子膜や金属薄膜が好まし
く用いられる。 上記の例はその構成の一例であつて、これに限
定されないことはもち論である。 さらに、本発明のトランスジユーサにおいては
P(VDF―TrFE)の圧電振動子単層のみでなく
複数板を分極方向を同一にして、あるいは隣接す
る膜の分極方向を対向させて積層させ、且つ前者
の場合には隣接膜間には電極が挿入されず後者の
場合には挿入された形態で使用され得ることもで
きる。前者の構成は共振周波数の低下、電気イン
ピーダンスの増大に効果があり、後者構成は共振
周波数の低下とインピーダンスの低下に効果があ
る。 本発明のトランスジユーサは、一枚の圧電膜
(P(VDF―TrFE))あるいは積層された一組の
圧電膜に対して対向する電極が一つの場合に限ら
れず、複数対の電極を設けた構造のものも可能で
ある。P(VDF―TrFE)の圧電定数は大きいkt
を持つにもかかわらず、PVDFよりもd31(およ
びd32)が小さいので、k31,k32が小さく、したが
つて、複数対の電極を隣接して設けられた場合に
も、隣接電極間の電気・音響相互作用が少なく、
これに起因する不要信号が抑制できる利点もあ
る。 本発明のトランスジユーサは、一般に、超音波
の受信・発振に用いられるが、特に、非破壊検査
用、中でも、超音波診断用特に生体の診断用のト
ランスジユーサとして好ましく用いられる。トラ
ンスジユーサの形態には種々のものが可能であり
例えば凹面集束型の超音波トランスジユーサ、あ
るいは電子リニヤー走査用のリニアアレイ型トラ
ンスジユーサ、位相アレイ型トランスジユーサ、
フレネル・リング型トランスジユーサ、あるいは
二次元マトリツクスアレイ型トランスジユーサが
ある。またソコロフ方式による超音波カメラとし
ての用途にも用いることができ、更に超音波顕微
鏡用のトランスジユーサとしても使用できる。本
トランスジユーサの動作周波数は用いる圧電膜の
厚み、構成により異るがこれらを考慮して製作す
ることにより1MHz―100MHzで動作するトランス
ジユーサを得ることができる。低温で動作させる
と100MHz以上の発振・受信も可能である。 本発明のトランスジユーサは高分子圧電材料と
してPVDFを用いたものよりも、約3dB(片道)、
(往復では6dB)の感度(変換損失)の向上が可
能となり、現存の高分子圧電超音波トランスジユ
ーサのいずれよりも高い性能を持つ。 実施例 1 70℃でロール延伸された厚さ34μmのVDF/
TrFE=75/25モル%のP(VDF―TrFE)の膜
の両面にAlを蒸着し電極を形成し、140℃で1時
間熱処理を行つた。次いで、130℃において前記
電極間に1300Vの電圧を加え、1時間保持した後
そのまま室温に冷却することによりポーリング処
理を行つた。 この膜から1cm2の円板を切り出しH.Ohigashi
J.Appl.Phys.47949(1976)に記載の方法に基い
て、圧電厚み自由振動子の共振点付近の電気的挙
動からこのP(VDF―TrFE)圧電体の電気・音
響的性質を測定した。第1図は上記の厚み圧電振
動子素子の音響的に無負荷状態での電気アドミツ
タンスの絶対値とその位相角のそれぞれと周波数
との関係を室温で測定して得られた結果を示すグ
ラフである。第1図の|Y|〜f曲線(曲線)
における共振のピーク、反共振点付近の谷との差
よび位相角φの変化量は、従来知られている高分
子圧電振動子のいかなるものよりも大きい。 第1表は第1図に示した実測曲線を振動子のア
ドミツタンス から期待されるアドミツタンスと位相角とを比較
することによつて得られた諸定数を示している。
ここで、 C0=εsA/t
スジユーサよりも高い性能を有する超音波トラン
スジユーサに関する。 ポーリングにより圧電性となる高分子膜は特公
昭53―26799号公報に開示されているように、そ
の厚み振動モードを利用することによつて、超音
波の発生と受信が可能であり、超音波トランスジ
ユーサとして利用することができる。 高分子圧電材料はそれが可撓性を有し、耐水
性、耐衝撃性に富むのみでなく、その面積、形状
に実質的に制約を受けないので、無機単結晶ある
いはセラミツク圧電材料よりもより多くの利点を
持つ。さらにまた、高分子圧電材料の音響インピ
ーダンスは水、プラスチツク、生体にきわめて近
く、これらの物体への音波の入射、受信に際して
は低いQ値のトランスジユーサとして動作するの
で、広帯域をもつトランスジユーサとなり、これ
らの物体の音響的性質、特に超音波診断用のトラ
ンスジユーサ材料として、無機圧電材料よりはる
かに優れた材料である。 超音波トランスジユーサの電気入力に対する機
械出力の大きさ(あるいは機械入力に対する電気
出力の大きさ)を決める諸要因のうちで、圧電材
料それ自身に依存するのは、主として厚み振動に
関する電気・機械結合係数ktである。従来知られ
ている超音波トランスジユーサ用高分子圧電材料
のうち、最大の性能を有するのはポーリングした
ポリふつ化ビニリデン(以下PVDFと略記する)
である。しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、PVDFのktは、よい条件でポーリングされた
ものでも、現状では0.2程度であつて、圧電セラ
ミツクのktよりもかなり小さく、より大きいktを
もつPVDFを作成することは困難である。さらに
PVDFは、実用上重要な超音波トランスジユーサ
の動作周波数域(〜1MHz以上)において、誘電
損失と力学損失が大きく、電気駆動の際に発熱が
伴うばかりでなく、効率の低下をもたらしてい
た。これらの点からPVDFを用いた圧電超音波ト
ランスジユーサは理想的なものではなく、より効
率の高いトランスジユーサが望まれていた。 本発明者らはPVDFを用いた超音波トランスジ
ユーサよりも、より高性能の高分子圧電超音波ト
ランスジユーサを開発すべく検討を重ねた。その
結果、ふつ化ビニリデン(以下VDFと略記す
る)と三ふつ化エチレン(以下TrFEと略記す
る)の共重合体(以下P(VDF―TrFE)と略記
する)をポーリングして得られる圧電体はきわめ
て大きいktを持つことを知得し、そのシート状圧
電体の厚み振動モードを用いた超音波トランスジ
ユーサはPVDFを用いた超音波トランスジユーサ
よりも、より高性能であることを見い出し、本発
明をなすに至つた。 すなわち、本発明の超音波トランスジユーサ
は、ふつ化ビニリデンとトリふつ化エチレンとが
共重合しており、かつふつ化ビニリデンが65モル
%〜95モル%で、トリふつ化エチレンが35モル%
〜5モル%である共重合体を主成分とする高分子
圧電膜の厚み圧電性に基づく振動モードを利用し
てなるもので、高い電場下での分極によつて良好
な厚み圧電性が付与されたP(VDF―TrFE)の
膜が両面に電極を位置せしめ電気―機械変換素子
となし、この電極を通して高周波電場あるいはパ
ルス状電場を加えて励振させ超音波を目的とする
音響伝播媒体に入射せしめるか、あるいは逆に該
素子に入射された音波を電気信号に変換させるも
のである。 高分子圧電膜の圧電性は、特公昭50―29159号
公報に記載されている。また、P(VDF―
TrFE)の圧電性は特開昭53―26995号公報ある
いは東畑、八木、佐古、応用物理学会(1979.4月
(東京))講演予稿集p325;打出井、岩本、岩
間、田村、同p326;山田、上田、北山、同p326
に記載されている。しかし、これは膜面に平行方
向の伸縮を伴う圧電性(d31)に関するものであ
る。本発明は、この圧電性を利用するものとは全
く異なり、膜面に垂直な方向の変形、すなわち膜
厚の伸縮に関する圧電性(e33)を利用するもので
ある。なお、この厚み伸縮振動が膜自身の電気・
音響的性質と膜の境界条件で決まる環境下におい
て実質的に共振状態にある周波数付近で用いるこ
とが最も有効であるが、場合によつては非共振周
波数でも使用することもできる。 本発明の超音波トランスジユーサに用いられる
P(VDF―TrFE)は、その共重合成分のTrFE
が35mol%以下5mol%以上、好ましくは30mol%
以下15mol%以上、特に好ましくは30mol%以下
20mol%以上であり、一方の共重合成分VDFの他
に、圧電効果に実質的に著しい影響を与えない範
囲において他の成分(たとえば4ふつ化エチレ
ン、ビニリデンクロライド、アクリロニトリル)
を含んでいてもよいことはもち論である。ここ
で、VDFを65モル%〜95モル%とし、TrFEを35
モル%〜5モル%とするのは、次のような理由に
よる。 すなわち、第5図は、VDFとTrFEの量を横軸
とし、膜面に平行方向の上記圧電定数d31と、膜
の厚み方向の振動に関する上記電気・機械結合係
数ktとを縦軸としてこれらの関係を示す図である
が、この図から明らかなように、ktは、TrFEが
約25モル%のときに最大値をとり、TrFEがそれ
よりも増えると急激に小さくなる。ktは、TrFE
が約25モル%より減つても小さくなるが、5モル
%付近からは再び大きくなる。一方、d31は、
TrFEが45モル%付近において最大値を示すが、
この付近でのktは、ほとんど利用できないほど水
さい。また、d31は、ktが最大になる付近で最小
となる。結局、ktがd31よりも大きくなり、厚み
圧電性に基づく振動モードを有効に利用できるの
は、VDFが35モル%から5モル%の範囲であ
る。 本発明の超音波トランスジユーサは、両面に電
極を持つ膜を支持枠に架張した状態でも用いられ
るが、より一般的には、支持基板に保持された状
態で用いられる。この支持基板は、目的に応じて
音波放射(入射)の前面、後面、あるいはその両
面に設けることができ、その材質、形状、厚みは
目的に応じて選択されることはもち論である。 その一例を述べると、後面から前面に向つて、 (a) 高分子基板/電極/圧電膜/電極/付加膜 (b) 高分子基板/反射板/電極/圧電膜/電極/
付加膜 (c) 反射板/電極/圧電膜/電極/高分子ブロツ
ク (d) 金属板(電極兼用)/圧電膜/金属箔(電極
兼用) (e) 電極/圧電膜/電極/高分子基板 等の積層構造がある。 ここで反射板とは高分子の音響インピーダンス
の大きい板であり圧電膜との境界で振動の節に近
いモードが立つ目的で挿入されたものであり、そ
の板の音波波長(使用中心周波数での)よりも十
分厚いか、あるいは略1/4波長のものが好ましく
用いられる。しかし1/16波長程度の薄い板であつ
ても用いることはできる。反射板が金属である場
合には電極を兼ねることもできる。 また付加膜とは、圧電膜の共振周波数を調節す
るために、場合によつては電極の保護を兼ねて設
けられた膜であり、高分子膜や金属薄膜が好まし
く用いられる。 上記の例はその構成の一例であつて、これに限
定されないことはもち論である。 さらに、本発明のトランスジユーサにおいては
P(VDF―TrFE)の圧電振動子単層のみでなく
複数板を分極方向を同一にして、あるいは隣接す
る膜の分極方向を対向させて積層させ、且つ前者
の場合には隣接膜間には電極が挿入されず後者の
場合には挿入された形態で使用され得ることもで
きる。前者の構成は共振周波数の低下、電気イン
ピーダンスの増大に効果があり、後者構成は共振
周波数の低下とインピーダンスの低下に効果があ
る。 本発明のトランスジユーサは、一枚の圧電膜
(P(VDF―TrFE))あるいは積層された一組の
圧電膜に対して対向する電極が一つの場合に限ら
れず、複数対の電極を設けた構造のものも可能で
ある。P(VDF―TrFE)の圧電定数は大きいkt
を持つにもかかわらず、PVDFよりもd31(およ
びd32)が小さいので、k31,k32が小さく、したが
つて、複数対の電極を隣接して設けられた場合に
も、隣接電極間の電気・音響相互作用が少なく、
これに起因する不要信号が抑制できる利点もあ
る。 本発明のトランスジユーサは、一般に、超音波
の受信・発振に用いられるが、特に、非破壊検査
用、中でも、超音波診断用特に生体の診断用のト
ランスジユーサとして好ましく用いられる。トラ
ンスジユーサの形態には種々のものが可能であり
例えば凹面集束型の超音波トランスジユーサ、あ
るいは電子リニヤー走査用のリニアアレイ型トラ
ンスジユーサ、位相アレイ型トランスジユーサ、
フレネル・リング型トランスジユーサ、あるいは
二次元マトリツクスアレイ型トランスジユーサが
ある。またソコロフ方式による超音波カメラとし
ての用途にも用いることができ、更に超音波顕微
鏡用のトランスジユーサとしても使用できる。本
トランスジユーサの動作周波数は用いる圧電膜の
厚み、構成により異るがこれらを考慮して製作す
ることにより1MHz―100MHzで動作するトランス
ジユーサを得ることができる。低温で動作させる
と100MHz以上の発振・受信も可能である。 本発明のトランスジユーサは高分子圧電材料と
してPVDFを用いたものよりも、約3dB(片道)、
(往復では6dB)の感度(変換損失)の向上が可
能となり、現存の高分子圧電超音波トランスジユ
ーサのいずれよりも高い性能を持つ。 実施例 1 70℃でロール延伸された厚さ34μmのVDF/
TrFE=75/25モル%のP(VDF―TrFE)の膜
の両面にAlを蒸着し電極を形成し、140℃で1時
間熱処理を行つた。次いで、130℃において前記
電極間に1300Vの電圧を加え、1時間保持した後
そのまま室温に冷却することによりポーリング処
理を行つた。 この膜から1cm2の円板を切り出しH.Ohigashi
J.Appl.Phys.47949(1976)に記載の方法に基い
て、圧電厚み自由振動子の共振点付近の電気的挙
動からこのP(VDF―TrFE)圧電体の電気・音
響的性質を測定した。第1図は上記の厚み圧電振
動子素子の音響的に無負荷状態での電気アドミツ
タンスの絶対値とその位相角のそれぞれと周波数
との関係を室温で測定して得られた結果を示すグ
ラフである。第1図の|Y|〜f曲線(曲線)
における共振のピーク、反共振点付近の谷との差
よび位相角φの変化量は、従来知られている高分
子圧電振動子のいかなるものよりも大きい。 第1表は第1図に示した実測曲線を振動子のア
ドミツタンス から期待されるアドミツタンスと位相角とを比較
することによつて得られた諸定数を示している。
ここで、 C0=εsA/t
【式】
Ψ=Q−1 n =Qe-1
である。但し、A,tは振動子の面積と厚みであ
り、 Qm、Qe;機械Q、と電気的Q、 Ψ 、 ;力学損失正接、電気損失正損、 他の定数は慣習的に用いられている用法に従つ
た。 なお、同様にして求められているPVDFに関す
る定数も第1表に併示してある。また延伸方向の
伸縮に関する圧電定数d31の比較も示してある。 第1表に示されるように、P(VDF―TrFE)
は、PVDFより大きいktをもち、静電損失力学損
失ともにPVDFより小さい。このことは振動子に
入力した電気エネルギー(力学エネルギー)が機
械エネルギー(電気エネルギー)に変換される効
率がよく、また、熱エネルギーに変換されること
も少ないことを意味しており、よい振動子である
ことがわかる。 本実施例で得られた素子をPMMAブロツクA
の一面に接着し、他面に厚さ6mmのPMMA板B
を接着して耐水性の超音波トランスジユーサを作
成した。このトランスジユーサを水中に浸漬し、
トランスジユーサの前方3mmの位置にPMMA板
Bと平行に厚さ1mmの真鍮板を置いた。このトラ
ンスジユーサを短いパルスで励振して超音波パル
スを発生させ、その反射シグナルを同じトランス
ジユーサで受信した。この反射シグナルのうち真
鍮の前面、後面による多重反射からのシグナルか
ら真鍮板の厚みを計測できた。この実施例によつ
て、本トランスジユーサが実用的に十分な強度の
超音波を発信することが確かめられた。
り、 Qm、Qe;機械Q、と電気的Q、 Ψ 、 ;力学損失正接、電気損失正損、 他の定数は慣習的に用いられている用法に従つ
た。 なお、同様にして求められているPVDFに関す
る定数も第1表に併示してある。また延伸方向の
伸縮に関する圧電定数d31の比較も示してある。 第1表に示されるように、P(VDF―TrFE)
は、PVDFより大きいktをもち、静電損失力学損
失ともにPVDFより小さい。このことは振動子に
入力した電気エネルギー(力学エネルギー)が機
械エネルギー(電気エネルギー)に変換される効
率がよく、また、熱エネルギーに変換されること
も少ないことを意味しており、よい振動子である
ことがわかる。 本実施例で得られた素子をPMMAブロツクA
の一面に接着し、他面に厚さ6mmのPMMA板B
を接着して耐水性の超音波トランスジユーサを作
成した。このトランスジユーサを水中に浸漬し、
トランスジユーサの前方3mmの位置にPMMA板
Bと平行に厚さ1mmの真鍮板を置いた。このトラ
ンスジユーサを短いパルスで励振して超音波パル
スを発生させ、その反射シグナルを同じトランス
ジユーサで受信した。この反射シグナルのうち真
鍮の前面、後面による多重反射からのシグナルか
ら真鍮板の厚みを計測できた。この実施例によつ
て、本トランスジユーサが実用的に十分な強度の
超音波を発信することが確かめられた。
【表】
【表】
実施例 2
第2図の図中に示されているように、PMMA
基板、銅板(200μm)、P(VDF―TrFE)(面
積1.32cm2、厚さ80μm)、高分子付加膜(芳香族
ポリアミド、15μm)を順次積層してなる超音波
トランスジユーサの水中駆動での2種の変換損
失、CLおよびTLの周波数特性をMasonの回
路を用いて求めた。ここでCLは50Ωの電源か
ら利用できる最大電力P0、トランスジユーサから
水中への音響出力をPAとしたときCL=−
10log(PA/P0)で定義される。また、TLは
電源からトランスジユーサに入力される実効電力
をPTとしたとき−10log PA/PTで定義され
る。上記のトランスジユーサの実効面積は1cm2で
あり、銅板は背面電極と音響反射板を兼ねる。P
(VDF―TrFE)膜の表面には対向電極が設けら
れている。P(VDF―TrFE)の物性定数として
第1表の値を用いた。第2図にその結果が示され
ている。最も効率よく動作する共振周波数(〜
6.5MHz)ではCL,TLはそれぞれ約12dB、
5dBであり、同じ構成のPVDF(kt=0.2)を用い
たトランスジユーサよりも3〜4dBの改善がみら
れた。このことは、パルス反射法で使用される超
音波診断では往復6dB以上の感度の増大がみられ
ることとなり、きわめてS/Nのよいトランスジ
ユーサであることを意味する。 実施例1と同様にして得られた膜(厚さ約40μ
m)を2枚、その分極方向を平行に重ね合わせた
積層膜(厚さ約80μm)から第2図に示した構成
のトランスジユーサを作成し、その損失の周波数
特性を水中動作で測定した。その結果は、中心周
波数は0.5MHz以内、TLは3dB以内で第2図に
示された結果と一致した。 実施例 3 第3図に示すように、PMMAの基板1の上
に、半径70mmの曲率を持つ金型で凹面状に成型し
た厚さ100μmの銅板2(半径13mm)を接着し、
片面にAl蒸着電極3を有する厚さ43μmのP
(VDF―TrFE)圧電膜4(直径19mm)を接着
し、さらに接地用金属ケース6によつて圧電膜上
の電極3と電気的接続を行つた後、ポリエステル
フイルム5(厚み15μm)を表面保護および動作
周波数の低下を目的として圧電膜上に接着し、こ
れらをさらにプラスチツク製ケース7に収納し
た。水中動作の場合のこのトランスジユーサの変
換損失TLの周波数特性を銅板電極2に接続さ
れた導線8と接地ケース6の間にバースト状高周
波電力を加えて、パルス反射法で測定した。その
結果を第4図に示す。本実施例に用いられたP
(VDF―TrFE)からなる圧電体はその成分のモ
ル比は75/25であり、70℃でロール延伸された膜
の両面にAlを蒸着後、ポーリング温度133℃、ポ
ーリング電圧250KV/cm、ポーリング時間1時間
でポーリング処理されたものである。自由振動子
のインピーダンスの周波数特性を解析した結果、
kt=0.24であつた。 第4図に示されるように、本トランスジユーサ
の中心周波数10MHzにおけるTLは8.5dBであつ
た。よい条件でポーリングされたPVDFの圧電膜
(kt=0.2)を用いて同様に構成されたトランスジ
ユーサで実験的に得られている最小のTLは
11dBであるので、P(VDF―TrFE)(kt=
0.24)を用いることによつて約2.5dBの改善がな
されたことがわかる。 本トランスジユーサを50Ω電源で効率よく駆動
させるために、マツチングコイル、インピーダン
ス変換トランスからなるマツチング回路を電源と
圧電素子の間に挿入した。その結果、トランスジ
ユーサと電源の間にほとんど反射をなくすことが
できた。このように整合されたトランスジユーサ
の損失(−10logPA/P0)は10MHzにおいて8.5dB
で あつた。
基板、銅板(200μm)、P(VDF―TrFE)(面
積1.32cm2、厚さ80μm)、高分子付加膜(芳香族
ポリアミド、15μm)を順次積層してなる超音波
トランスジユーサの水中駆動での2種の変換損
失、CLおよびTLの周波数特性をMasonの回
路を用いて求めた。ここでCLは50Ωの電源か
ら利用できる最大電力P0、トランスジユーサから
水中への音響出力をPAとしたときCL=−
10log(PA/P0)で定義される。また、TLは
電源からトランスジユーサに入力される実効電力
をPTとしたとき−10log PA/PTで定義され
る。上記のトランスジユーサの実効面積は1cm2で
あり、銅板は背面電極と音響反射板を兼ねる。P
(VDF―TrFE)膜の表面には対向電極が設けら
れている。P(VDF―TrFE)の物性定数として
第1表の値を用いた。第2図にその結果が示され
ている。最も効率よく動作する共振周波数(〜
6.5MHz)ではCL,TLはそれぞれ約12dB、
5dBであり、同じ構成のPVDF(kt=0.2)を用い
たトランスジユーサよりも3〜4dBの改善がみら
れた。このことは、パルス反射法で使用される超
音波診断では往復6dB以上の感度の増大がみられ
ることとなり、きわめてS/Nのよいトランスジ
ユーサであることを意味する。 実施例1と同様にして得られた膜(厚さ約40μ
m)を2枚、その分極方向を平行に重ね合わせた
積層膜(厚さ約80μm)から第2図に示した構成
のトランスジユーサを作成し、その損失の周波数
特性を水中動作で測定した。その結果は、中心周
波数は0.5MHz以内、TLは3dB以内で第2図に
示された結果と一致した。 実施例 3 第3図に示すように、PMMAの基板1の上
に、半径70mmの曲率を持つ金型で凹面状に成型し
た厚さ100μmの銅板2(半径13mm)を接着し、
片面にAl蒸着電極3を有する厚さ43μmのP
(VDF―TrFE)圧電膜4(直径19mm)を接着
し、さらに接地用金属ケース6によつて圧電膜上
の電極3と電気的接続を行つた後、ポリエステル
フイルム5(厚み15μm)を表面保護および動作
周波数の低下を目的として圧電膜上に接着し、こ
れらをさらにプラスチツク製ケース7に収納し
た。水中動作の場合のこのトランスジユーサの変
換損失TLの周波数特性を銅板電極2に接続さ
れた導線8と接地ケース6の間にバースト状高周
波電力を加えて、パルス反射法で測定した。その
結果を第4図に示す。本実施例に用いられたP
(VDF―TrFE)からなる圧電体はその成分のモ
ル比は75/25であり、70℃でロール延伸された膜
の両面にAlを蒸着後、ポーリング温度133℃、ポ
ーリング電圧250KV/cm、ポーリング時間1時間
でポーリング処理されたものである。自由振動子
のインピーダンスの周波数特性を解析した結果、
kt=0.24であつた。 第4図に示されるように、本トランスジユーサ
の中心周波数10MHzにおけるTLは8.5dBであつ
た。よい条件でポーリングされたPVDFの圧電膜
(kt=0.2)を用いて同様に構成されたトランスジ
ユーサで実験的に得られている最小のTLは
11dBであるので、P(VDF―TrFE)(kt=
0.24)を用いることによつて約2.5dBの改善がな
されたことがわかる。 本トランスジユーサを50Ω電源で効率よく駆動
させるために、マツチングコイル、インピーダン
ス変換トランスからなるマツチング回路を電源と
圧電素子の間に挿入した。その結果、トランスジ
ユーサと電源の間にほとんど反射をなくすことが
できた。このように整合されたトランスジユーサ
の損失(−10logPA/P0)は10MHzにおいて8.5dB
で あつた。
第1図は本発明の実施例1に係る超音波トラン
スジユーサのアドミツタンスと、位相角と周波数
との関係を示す図、第2図は本発明の実施例2に
おける二種類の変換損失と周波数との関係を示す
図、第3図は実施例3におけるトランスジユーサ
の構造を示す拡大断面図、第4図は第3図に示し
たトランスジユーサの変換損失と周波数との関係
を示す図、第5図は、TrFEとVDFの量と、膜面
に平行方向の圧電定数d31および膜の厚み方向の
振動に関する電気・機械結合係数ktとの関係を示
す図である。
スジユーサのアドミツタンスと、位相角と周波数
との関係を示す図、第2図は本発明の実施例2に
おける二種類の変換損失と周波数との関係を示す
図、第3図は実施例3におけるトランスジユーサ
の構造を示す拡大断面図、第4図は第3図に示し
たトランスジユーサの変換損失と周波数との関係
を示す図、第5図は、TrFEとVDFの量と、膜面
に平行方向の圧電定数d31および膜の厚み方向の
振動に関する電気・機械結合係数ktとの関係を示
す図である。
Claims (1)
- 1 ふつ化ビニリデンとトリふつ化エチレンとが
共重合しており、かつふつ化ビニリデンが65モル
%〜95モル%で、トリふつ化エチレンが35モル%
〜5モル%である共重合体を主成分とする高分子
圧電膜の厚み圧電性に基づく振動モードを利用し
てなる超音波トランスジユーサ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1586080A JPS56114500A (en) | 1980-02-12 | 1980-02-12 | Ultrasonic transducer |
EP81100836A EP0037877B1 (en) | 1980-02-07 | 1981-02-05 | Piezoelectric polymer material, process for producing the same and an ultrasonic transducer utilizing the same |
DE8181100836T DE3166101D1 (en) | 1980-02-07 | 1981-02-05 | Piezoelectric polymer material, process for producing the same and an ultrasonic transducer utilizing the same |
AU66933/81A AU544447B2 (en) | 1980-02-07 | 1981-02-05 | Vinylidene fluoride and ethylene trifluoride copolymer |
CA000370378A CA1183595A (en) | 1980-02-07 | 1981-02-06 | Piezoelectric polymer material, a process for producing the same and an ultrasonic transducer utilized the same |
US06/510,687 US4578442A (en) | 1980-02-07 | 1983-07-05 | Piezoelectric polymeric material, a process for producing the same and an ultrasonic transducer utilizing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1586080A JPS56114500A (en) | 1980-02-12 | 1980-02-12 | Ultrasonic transducer |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56114500A JPS56114500A (en) | 1981-09-09 |
JPS6242560B2 true JPS6242560B2 (ja) | 1987-09-09 |
Family
ID=11900547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1586080A Granted JPS56114500A (en) | 1980-02-07 | 1980-02-12 | Ultrasonic transducer |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56114500A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019240170A1 (ja) | 2018-06-15 | 2019-12-19 | 株式会社トライテック | 硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニット |
WO2021049205A1 (ja) * | 2019-09-12 | 2021-03-18 | 国立大学法人 長崎大学 | 硬性内視鏡のカバー、内視鏡ユニットおよび内視鏡ユニットの使用方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59158199A (ja) * | 1983-02-25 | 1984-09-07 | Daikin Ind Ltd | 電気音響変換器 |
JP4734657B2 (ja) * | 2005-06-16 | 2011-07-27 | 国立大学法人 岡山大学 | トランスデューサ及びこのトランスデューサを備えた計測装置 |
JP5734023B2 (ja) * | 2011-02-25 | 2015-06-10 | 三菱重工業株式会社 | 超音波検査方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5029159A (ja) * | 1973-07-17 | 1975-03-25 | ||
JPS5123439A (en) * | 1974-08-22 | 1976-02-25 | Nippon Steel Corp | Kotakumetsukiitano seizohoho |
JPS5269000A (en) * | 1975-12-04 | 1977-06-08 | Daikin Ind Ltd | Highhmolecular dielectric material |
JPS5326995A (en) * | 1976-08-25 | 1978-03-13 | Daikin Ind Ltd | Highhmolecular piezooelectric material |
-
1980
- 1980-02-12 JP JP1586080A patent/JPS56114500A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5029159A (ja) * | 1973-07-17 | 1975-03-25 | ||
JPS5123439A (en) * | 1974-08-22 | 1976-02-25 | Nippon Steel Corp | Kotakumetsukiitano seizohoho |
JPS5269000A (en) * | 1975-12-04 | 1977-06-08 | Daikin Ind Ltd | Highhmolecular dielectric material |
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WO2019240170A1 (ja) | 2018-06-15 | 2019-12-19 | 株式会社トライテック | 硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニット |
WO2021049205A1 (ja) * | 2019-09-12 | 2021-03-18 | 国立大学法人 長崎大学 | 硬性内視鏡のカバー、内視鏡ユニットおよび内視鏡ユニットの使用方法 |
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---|---|
JPS56114500A (en) | 1981-09-09 |
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