JPS6015342Y2 - 電気音響機能デバイス - Google Patents

電気音響機能デバイス

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JPS6015342Y2
JPS6015342Y2 JP33882U JP33882U JPS6015342Y2 JP S6015342 Y2 JPS6015342 Y2 JP S6015342Y2 JP 33882 U JP33882 U JP 33882U JP 33882 U JP33882 U JP 33882U JP S6015342 Y2 JPS6015342 Y2 JP S6015342Y2
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piezoelectric
electroacoustic
film
polymer film
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JP33882U
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JPS57148864U (ja
Inventor
弘二 大東
令子 茂成
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東レ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高性能にして製造、加工が容易な新規音響変
換素子を用いてなる一次元アレイ型電気音響機能デバイ
スに関するものである。
最近の高分子の研究において、材料をエレクトロニクス
の機能材料として用いることが種々試みられ、そのいく
つかは成功をおさめている。
本考案者らは、高分子の圧電現象について深く研究した
結果、圧電高分子膜が厚み伸縮振動の関与する電気音響
変換素子として実用に供せられるに充分な圧電定数と電
気機械結合定数をもち、しかもこの電気音響変換素子は
高い周波数領域においても動作することを知見し本考案
に到達した。
すなわち、本考案は、ポーリングしてなる一枚の連続し
た圧電高分子膜からなる圧電素子が音波の伝播媒体物質
に接着または密着せしめられてなる電気音響機能デバイ
スにおいて、前記圧電高分子膜の上面には、相互に電気
的に独立した複数個の電極が設けられ、下面には、前記
上面の電極に電気的に対応する電極が設けられ、個々の
対をなす電極間に2MHz乃至120MHzの高周波電
圧を印加せしめることによって電極間に位置する前記圧
電高分子膜の個々の部分を厚み伸縮振動下で共振せしめ
て駆動してなる一次元アレイ型電気音響機能デバイスを
要旨とする。
この圧電高分子膜は、加工容易性、可撓性、大面積のも
のが得られるといった利点をもつので、従来から用いら
れている圧電単結晶や圧電セラミックよりなる電気音響
変換素子の一部を代替し得るとともにこれらでは不可能
であった分野への応用も可能であることが明らかとなっ
た。
最近の研究によれば、ある種の圧電高分子膜を延伸し、
これに直流高電場を加えて高温である時間保った後、高
電場を加えたまま室温に冷却し、その後直流高電場を除
くと(この操作をポーリングという)、mm2の点群に
属する対称性をもつ安定な圧電体となることが明らかに
されている(応用物理38 1133 (1969)、
Japan、J、Appl、Phys、。
8 975 (1969))。
その代表的な高分子はポリフッ化ビニリデン(PVDF
)である。
本考案者らの研究によれば、圧電高分子膜を得るために
は必ずしも延伸操作が必要というわけではなく、無延伸
膜をポーリングすることによっても圧電高分子膜が得ら
れる。
また、本考案者らはポリアクリロニトリル(PAN)を
ポーリングすることによっても圧電高分子膜を得ている
強誘電体の粉末、例えばジルコン酸鉛の粉末を高分子に
混入した膜をポーリングすることによっても圧電膜を得
ることができる。
本考案ではこのように無機粉末を混入した圧電膜をも圧
電高分子膜と呼ぶことにする。
ポーリングして得られるこれらの圧電高分子膜の零でな
いことが期待される圧電定数、例えば圧電歪定数はd3
1、d32、d33Sd15.d24である。
これらのうちで実用的に興味があるのは、はじめの三つ
である。
ここで2回対称軸(膜面の法線)を2軸、二つの鏡映面
と膜面との交線をそれぞれX、Y軸に選んである。
(−軸延伸膜では延伸軸をX軸とする)。
無延伸膜では、d31=d32、d15=d24である
従来のポーリングして得られる圧電高分子膜の研究はす
べて、d31、d32(あるいはこれに対応するg定数
またはe定数)について行なわれたものであって、d3
3 (e33. g33等)およびこれらに関与する性
質については全く知られていない。
本考案者らはポーリングして得られる圧電高分子膜のd
33を準静的に低周波領域で測定する方法を考案すると
ともに、無機圧電物質の圧電定数の測定に用いられてい
る無負荷時の圧電振動子の共振周波数付近での電気的周
波数特性を解析して圧電的諸定数を得る、いわゆる動的
測定法(Proc。
I、R,E、、 45 353 (1957))を圧電
高分子膜(厚み伸縮振動子)にはじめて適用して、高周
波領域における圧電的諸定数を得ることに成功した。
第1表に動的測定法で得られた常温における圧電的諸定
数をポーリングした二軸延伸PVDF膜について例示し
である(24MHzにおける値)。
第1表 圧電高分子(PVDF)膜の 圧電音響的諸定数 縦波音速 Vl 2.565X 103m/sec
弾性スチフネス定数−C31,18X10’N/ボ密度
ρ 1.79X 1(Pkg/ポ周波数定数 fc
1.28X 1o3H8Z、m音響インピーダンス
乙 4.59X108kg/d、sec 電気機械結合定数 kt O,11 圧電応力定数 e337.9x 18−”C/d機械的
Q値 QM 9.5 誘電率 t3/lo5.11 良い条件でポーリングした圧9VDF膜の電気機械結合
定数kj=83a/ (C¥3 t cg )は高周波
領域(〜107H2)では常温で0.10〜0.14で
あり、機械的Q値(QM)は1咀度である( cFx
cま弾性コンプライアンス、ξS′は誘電率、233は
圧電応力定数)。
低温ではktは常温の値に近いが、QMは増加する(−
100℃ではQM = 70)。
このように圧電高分子膜の厚み伸縮振動の結合定数kt
が水晶のそれと同程度であることは実用上きわめて意義
のあることである。
QMが小さいことは挿入損失を大きくし欠点の一つとな
るが、しかし逆に広い周波数帯で動作する電気音響変換
素子として使用できるという長所を持つともいえる。
また、誘電率が小さいので、高い電圧出力係数g33を
持つ。
したがって縦波弾性波の感度のよい受信子となる。
さらに膜の厚さは広い面積にわたってきわめて均一にで
き、指向性のよい、純粋な縦波音波を発生することがで
きるので縦波音波用の電気音響変換素子として使用でき
る。
なお、本考案にいう一次元アレイ型電気音響機能デバイ
スを二方向に配列して、例えばマトリックス状の集積型
電気音響変換素子を作ることもできる。
さらにまた可撓性があるので、無機圧電物質の電気音響
変換素子に欠けているところの耐衝撃性に優れ、かつ、
加工や取り扱いの際に細心の注意を要しない。
また曲面をもつ物体上にも容易に圧電素子を密着するこ
とができる。
ここで縦波音波用電気音響変換素子とは、圧電膜または
圧電板の厚み伸縮振動(Th1cknessexten
sional mode)を利用した、すなわちd33
あるいはこれに対応するe33、g33などの圧電現象
を用いた電気音響変換素子を意味する。
また用いられる電気音響変換素子は複数個であってもよ
く、さらに圧電高分子膜以外の素子と共に用いられるこ
ともあり得る。
以下で本考案による圧電高分子膜を用いた電気音響機能
デバイスを図面に示す実施例を用いて具体的に説明する
実施例 未延伸PVDF膜を70℃において4倍に延伸して厚さ
120μ九の一軸延伸膜を得た。
これの両面にアルミニウム蒸着をほどこし、コロナ放電
を防止するため130℃のシリコンオイル中にこの膜を
浸漬して4,2KVの電圧を加えてポーリングを行なっ
た。
得られた膜の圧電歪定数は110Hzにおいてd31=
20.8X 1O−12C/N、 d32= 1.33
X 10−”℃/N、 d33= 25.6x 1O−
12C/ Nであった。
厚み伸縮振動子の動的測定法から得られた、10MHz
付近での室温における圧電音響的諸定数はkt = 0
.12、輸=8.5X10〜12C/d、 QM=11
、周波数定数fc= 11−25KHz−であった。
図は高分子圧電膜を用いた本考案に係る超音波受信子を
水中駆動した時の概略構成図を示し、上記圧電膜2 (
1077!llX50m7りの上には直径3mの電極3
が用例直線上に配列された圧電高分子膜超音波変換素子
が真鍮円柱4の切断面に接着されている。
この円形圧電膜の上面には導電ペーストでリード線5が
設けられ一次元アレイからなる超音波受信子1が構成さ
れている。
圧電膜2およびリード線5はシリコーン樹脂6でコート
され耐氷性が付与されている。
PZT超音波振動子7より2MHzの超音波を発生させ
た水槽8中の50cmj9れた氷中にこのアレイを置き
10個の電極からの信号をスイッチで切り替えてブラウ
ン管上に書かせたところ出力信号は、−次元アレイの前
に置かれた物体の超音波の影を再現した。
すなわち、本実施例における真鍮円柱4は、従来周知慣
用の圧電体素子の形状保持のための支持体の役目をして
いるとともに、たとえば、日刊工業新聞、昭和41年1
0月31日発行改訂新版「超音波技術便覧」第544−
549頁、第768−774頁に記載のある、従来周知
慣用の単なる反射板の機能を有するものであり、同じエ
ネルギ変換効率を得るに必要な圧電体の厚みを、真鍮円
柱4を用いない場合に比し、これを用いることにより、
約1/2の厚みで済せる作用を有するに過ぎないもので
あり、これ以上の格別の機能、作用を有するものではな
い。
この実施例のように、真鍮円柱4を設けた態様の場合に
は、上述のとおり用いる高分子圧電体の膜厚が薄くて済
むので、本実施例に言う直径3mmという小区画に分割
された電極に対応する部分の圧電膜は小面積であるにも
拘わらず、電気的インピーダンスが小さくてすみ、素子
とそれに係合される電気回路との電気的エネルギーの授
受がより効率良く行なわれるので、反射板の機能を有す
る真鍮円柱4は、本考案のデバイスにおいては好ましく
用いられる。
他方、従来からも知られている通り、音場の測定用に用
いるハイドロホンの場合は、適当な支持体を用いること
ができ、あるいは、圧電体自体が形態保持性を有してい
る場合には、上述の真鍮円柱4のごとき支持体兼反射板
の機能を有するものに圧電体を貼り付けない方がよいし
、また、その必要性もなく、斯様な真鍮円柱4が無いか
らといって、極めて高い高周波の受信、あるいは、発信
ができないというものではない。
ポーリングによって圧電性となる高分子としてはすでに
述べたものの他に、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル
、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン11、あるいはこれを
主成分とする共重合物が知られている。
また、本考案者らは、シアノ基を含む高分子としてすで
に述べたポリアクリロニトリルの他に、ポリアクリロニ
トリルや、アクリロニトリルと塩化ビニリデンの共重合
物などもポーリングによって良好な圧電体となることを
見いだしている。
本考案者らはこれらの高分子圧電膜のd33はd31の
1倍〜5倍程度の値を持つこと、さらに、これらの圧電
膜がその膜面に平行な伸縮又は屈曲の圧電性、すなわち
、圧電歪定数d31を共振状態で最も効率よく利用でき
るのは低周波領域であり、一方膜の厚み伸縮振動に関す
る圧電歪定数d33が共振状態で利用できるのは、この
ような低周波領域ではなく、はるかに高周波の領域にお
いて駆動してはじめて膜の厚み伸縮振動を有効に利用し
た電気音響変換素子として動作することを見いだした。
本考案者らの見解によれば、高分子がポーリングによっ
て高い圧電性を持つためには、(1)結晶構造に対称中
心のないこと、(2)大きい双極子能率をもつ極性基を
単位格子内に含むこと、(3)高温で分子が動きやすく
、高電場の下で、再配向することである。
PVDFやPAN、あるいは高分子と圧電セラミック粉
末の混合体はこれらの条件を満たしている。
偶数個の炭素原子を主鎖にもつポリアミドや特殊な重合
法で得られるアイソタクチック−PANでは奇数個の炭
素原子を主鎖にもつポリアミドや通常の重合法で得られ
るPAN (アタクチック)と異なり、ポーリングによ
って大きい圧電性は生じない。
これは前者の高分子は(1)、 (2)の条件を満たさ
ないからである。
ポリ塩化ビニルの結晶構造はrrLmrrLに属してい
るので、圧電性は結晶部分による分子配向に起因するも
のと信ぜられる。
この場合圧電性は非晶部のミクロブラウン運動で開始さ
れガラス転移温度で消失するものと予想されるが、これ
は本考案者らの実験事実と一致する。
PVDFや通常の重合方法で得られるPANでは高温、
高電場で配向した微結晶が主として大きい圧電性を与え
ているものと考えられる。
今後より大きい電気機械結合定数をもつ結晶性圧電高分
子が開発され、高分子を機能性材料とする電気音響デバ
イスが積極的に利用されるものと信ぜられる。
なお、本考案の実施例では高分子圧電膜、電気音響変換
素子の動作例として2MHzの例を示したが、本考案者
らは最高120MH2までの動作を観測している。
【図面の簡単な説明】
図は高分子圧電膜を用いた本考案に係る超音波受信子を
水中駆動した時の概略構成図を示す。 1・・・・・・超音波受信子、2・・・・・・圧電膜、
3・・・・・・電極、4・・・・・・真鍮円柱、5・・
・・・・リード線、6・・・・・・シリコーン樹脂、7
・・・・・・PZT超音波振動子。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ポーリングしてなる一枚の連続した圧電高分子膜からな
    る圧電素子が音波の伝播媒体物質に接着または密着せし
    められてなる電気音響機能デバイスにおいて、前記圧電
    高分子膜の上面には、相互に電気的に独立した複数個の
    電極が設けられ、下面には、前記上面の電極に電気的に
    対応する電極が設けられ、個々の対をなす電極間に2M
    H2乃至120MHzの高周波電圧を印加せしめること
    によって電極間に位置する前記圧電高分子膜の個々の部
    分を厚み伸縮振動下で共振せしめて駆動してなる一次元
    アレイ型電気音響機能デバイス。
JP33882U 1982-01-07 1982-01-07 電気音響機能デバイス Expired JPS6015342Y2 (ja)

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JPS57148864U JPS57148864U (ja) 1982-09-18
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