JPS6242419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車・オートバイなどの車輌用計器
の照明装置あるいは表示装置における放熱構造に
関するものである。

第１図は従来装置を示すもので、ここでは車輌
用計器の照明装置を例にして説明する。

同図において、１は車輌に取り付けられる計器
のハウジングであつて、このハウジング１内には
計器本体２が収納固定され、この計器本体２の上
方に文字板３が固定され、計器本体２に設けた指
針４の指示を上記文字板３に施した目盛や数値と
対比して読みとるようにしている。

また夜間照明機構として、上記ハウジング１の
底部には筒体５がハウジング１の内方に向かつて
突設され、この筒体５の空洞部分によつて装着孔
６が形成されており、この装着孔６には照明灯７
を取り付けたランプソケツト８が装着固定されて
いる。

また、照明灯７位置と近接した文字板３箇所は
光量が多いため明る過ぎる嫌いがあり、照明灯７
から掛け離れた文字板３箇所においては光量が減
じ暗くなるという傾向にある。

これを回避するために、局部的に明るい箇所を
遮るように遮光板９を配設し、文字板３の照明を
均一にするようにしている。この場合、遮光板９
の基部側を筒状部１０として形成し、この筒状部
１０をハウジング１の筒体５に嵌め込んで固定し
ている。

第２図は、上記照明機構を液晶計器に使用した
場合の一部断面図を示したものであり、ハウジン
グ１の開口部に表示要素としての液晶素子１１を
配設し、この背後に照明用の導光体１２を配して
照明灯７からの光線を導入照射するよう構成して
いる。

この場合も照明灯７を取り付けたランプソケツ
ト８はハウジング１底部の筒体５に装着固定さ
れ、筒状部１０から伸長屈曲した遮光板９により
照射方向を制御するようにしている。ここでの遮
光板９は表示要素側への局部的な照射を防ぐとと
もに、導光体１２内へ有効に照射光線を導入する
反射部材としての機能も有している。

ところで、このようなランプ式の照明機構では
特に計器ハウジングが密封されている場合、その
発熱によつてランプ近傍の温度が100℃以上の高
温に達することがあり、第１図従来例において
は、近接する合成樹脂文字板３部分やハウジング
１部分に熱変形を生じさせ、第２図従来例におい
ては、近接する基板上の液晶駆動回路に誤動作を
生じさせる危険性を有している。

従来このようなランプの発熱による計器ハウジ
ング内部の温度上昇を防止する手段として、ハウ
ジング底板に外気と連通する通気孔を形成して放
熱する構造が提案されているが、対流による熱放
散を必要とするため、かなり径大な孔を形成する
必要があり、小生物の侵入や照明時の漏光による
計器の視認性低下や誤動作を生じさせる原因につ
ながることがある。

本考案は、上記問題を解消するもので、ランプ
の光線の照射方向を制御する光案内部材を熱伝導
の良好な材料で形成し、この光案内部材と連続し
て熱伝導の良好な材料からなる放熱板を配設し、
この放熱板の少なくとも一部をハウジングの外壁
として形成したことを特徴とするものである。

以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を説
明する。

第３図および第４図はこの考案の一実施例を示
すもので、計器ハウジング２０には筒体２１がハ
ウジング２０の内方に向かつて突設され、この筒
体２１の空洞部分によつて装着孔２２が形成され
ており、この装着孔２２には照明灯２３を取り付
けたランプソケツト２４が装着固定されている。

また照明灯２３からの照射光線を制御する遮光
板２５は、照明灯２３を覆つてハウジング２０の
筒体２１と係着する筒状部２６とともに熱伝導の
良好な金属材料で一体形成され、かつ筒状部２６
の下方には一体に固定脚部２７が突設されてい
る。

また上記ハウジング２０の底面や側壁部分の適
宜箇所に熱伝導の良好な金属材料によつて形成さ
れた放熱板２８が配設され、この放熱板２８と上
記遮光板２５の固定脚部２７とがビス２９により
固定保持されている。

また上記放熱板２８部分と対向した上記ハウジ
ング２０の少なくともその一部分に開口窓３０が
形成され、この開口窓３０と対応した放熱板２８
箇所を外部に露出するよう形成するとともに、こ
の露出した放熱板２８部分をハウジング２０の外
壁として形成している。

上記構成からなる放熱装置によれば、照明灯２
３点灯時の発熱による温度上昇が熱伝導の良好な
遮光板２５、筒状部２６から固定脚部２７を通じ
て放熱板２８へと伝わり、これにより照明灯２３
の周囲の急激な温度上昇を効果的に抑えることが
でき、ハウジング２０内に収納される計器類ある
いは駆動回路への熱影響をなくして、良好な指示
特性を得ることができる。

すなわち、照明灯２３に最も近接する遮光板２
５は、照明灯２３の点灯による周囲空気層の温度
上昇とともにかなりの高温に加熱されることにな
るが、筒状部２６および固定脚部２７とともに熱
伝導の良好な金属材料で形成されるため、固定脚
部２７と一体的に連結した放熱板２８側に極めて
良好に熱を拡散することができ、またハウジング
２０に設けた開口窓３０によつて放熱板２８に伝
播された熱をハウジング２０外部に速やかに放散
することができ、ハウジング２０内部の熱気によ
る指示計器や文字板あるいは表示素子の駆動回路
への熱影響を未然に防止することができる。

また上記放熱板２８の一部をハウジング２０の
外壁として共用することができ、これにより通気
孔を設けることなく放熱効果をもたせることがで
きるとともに、小生物の侵入や照明光線の漏光な
どを防止することができる。

第５図はこの考案の第二実施例を示すもので、
ここでは照明灯２３の照明光線を制御する光案内
部材となる遮光板２５を放熱板２８から一体に折
曲形成したものであり、一実施例と同様に遮光板
２５から放熱板２８へと熱伝播することができ、
これにより一実施例と同様の作用効果を得ること
ができる。

なお、上述したいずれの実施例も計器照明装置
における放熱構造を示したものであるが、計器パ
ネルに装着した表示レンズの後方にランプを備
え、このランプと上記表示レンズとの間を光案内
部材としての筒状導光パイプを配設した警告表示
装置として適用した場合、上記筒状導光パイプを
熱伝導の良好な材料により形成し、このパイプと
放熱板とを一体的に連結し、この放熱板の少なく
とも一部をハウジングの外壁として形成する構造
とすれば、上述した照明装置と同様の放熱効果を
期待し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は光案内部材を備えた計器
照明装置の各従来構造を示す断面図、第３図は本
考案に係る放熱装置の一実施例を示す分解斜視
図、第４図は第３図の組み付け状態を示す要部断
面図、第５図は本考案の第二実施例を示す要部断
面図である。 ハウジング……２０、装着孔……２２、照明灯
……２３、ランプソケツト……２４、遮光板……
２５、放熱板……２８、開口窓……３０。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングに形成した装着孔に照明灯を装着
   し、上記照明灯を覆つて照射方向を制御する光案
   内部材を配設したものであつて、上記光案内部材
   を熱伝導の良好な材料で形成し、この光案内部材
   と連続して熱伝導の良好な材料からなる放熱板を
   配設し、この放熱板の少なくとも一部を上記ハウ
   ジングの外壁として形成したことを特徴とする放
   熱装置。