JPS6242092B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマンホールの人孔側壁塊にステツプを
取り付ける場合、該ステツプを取り付けるための
インサートの埋設固定方法に係り、上記インサー
トを安全、確実、強固に埋設固定することと、作
業性を向上させることを目的としたマンホールの
ステツプ取付用インサートの埋設固定方法に関す
るものである。

一般にこの種のマンホール内壁には、作業員の
出入に供するステツプが固着されているが、従来
のステツプは、マンホールの成形時に一体的に埋
設して取り付ける方法と、成形後にマンホールの
壁に貫通された孔にステツプを後から取り付ける
方法との２方法が知られている。

まず前者の方法は安全性において何ら問題は無
いが、ステツプを取り付ける部分の型枠が細かく
なり、組み立て作業に多大の時間を要し、コンク
リートを締め固めする際に振動を与えるので型枠
の接合部がズル込み易くなり成形された製品のハ
ダ（肌）にはトロモレ、型枠の接合部のズレ跡
（目違い）が生じ、外観の体裁が悪くなる。

又後者は前者の外観と作業性を解決する為に考
えられた方法であるが、この方法はマンホールの
壁にステツプの脚部径より略大径の貫通孔を穿設
し、この貫通孔にステツプの脚部を直接挿入した
後マンホールの外側から、ボルト・ナツトを締め
付け、この締め付け部の周囲にモルタル等の充填
材を挿入するものである。

この方法は貫通孔の径がステツプの脚部径より
大であるため、ステツプ全体がぐらついて安定保
持の点で不充分であり、外側の充填材にはヒビが
発生し易く、マンホールの内外より漏水事故が起
き、これに起因して有害な酸性化が誘引され、こ
のためステツプが腐食して抜け出るという危険性
があつた。

この様に従来の方法は、安全性、確実性、強固
性及び作業性において種々の欠点が存在してい
た。

本発明の目的は、上述した従来方法の欠点を解
消したマンホールのステツプ取付用インサートの
埋設固定方法を提供することにある。

つぎに本発明の実施例を図面について説明する
と、まずマンホール１６ａ，１６ｂ形成用型枠を
内枠１と外枠１９とで形成し、この内枠１の所定
位置には小孔２を穿設しておき、補強部材３の略
センターには中央孔４を貫通状に形成しておく。
ここで最初の基礎工程により、内枠１の小孔２と
補強部材３の中央孔４とを連通状態となるよう位
置決めして補強部材３を内枠１の表面１ａに熔接
等の手段で固着する。

第４図以下の実施例では、補強部材３を一個だ
け図示しているが、ステツプ１４には二本の脚部
１５が存在するから、これに対応する数のインサ
ート部材９が当然のことながら必要となる訳で、
このことより補強部材３も一対のものが必要とな
るが図面では便宜上その片方のみを示したにすぎ
ない。

ついで差し込み工程により、補強部材３の中央
孔４の内周壁に形成した雌ネジ部５に差し込み部
材６の雄ネジ部７を螺合して、前記中央孔４及び
小孔２を経由して差し込み部材６の先端部６ａを
型枠内部に位置せしめる。この差し込み部材６に
おける補強部材３の手前側に突出する部分には、
スパナ等で差し込み部材６を回動させる際に便利
なようにナツト等を取り付けておくとよい。また
補強部材３と差し込み部材６間にはワツシヤー１
２を介挿する。

つぎに上記差し込み工程で型枠内部に位置せし
められた差し込み部材６の先端部６ａには係合ネ
ジ部８（雄ネジでも雌ネジでも良く、図では雌ネ
ジを例示している）が形成されているので、仮り
止め工程により筒状をなすインサート部材９の係
合ネジ部１０を先端部６ａの係合ネジ部８と螺合
させてインサート部材９を型枠内部の所定位置に
安定保持せしめる。

この状態で型枠内にコンクリートを充填した
後、差し込み部材６を補強部材３及びインサート
部材９より引き離して引き抜き工程を完了し、完
成したマンホール１６ａ，１６ｂより型枠を取り
外して脱型工程を完了する。

本発明は上記の方法によりインサート部材をコ
ンクリート内に埋設固定するので、ステツプ１４
の脚部１５をモルタル、またはミルク性セメント
等からなる充填材１７と共にインサート部材９内
に挿入させると、インサート部材内に予め設けて
ある抜け止め板１１が脚部１５の凹欠段部と係合
して一度挿入したステツプがインサート部材より
抜出することがなく、さらにインサート部材内に
隙き間なく詰められた充填材１７は一部がインサ
ート部材からオーバーフローするので、その外観
よりインサート部材内の充填材の状況が確認で
き、ステツプ１４の脚部１５とインサート部材９
との完壁な固定が可能となる。ステツプの脚部を
インサート部材内に挿入した後は、脚部とインサ
ート部材間の入口部隙間に必要に応じてコーキン
グ材１８を充填して両者の結合を一層強固にする
こともできる。

さらに差し込み部材６には必要に応じて空気抜
き孔１３が形成されるが、これは引き抜き工程の
際、インサート部材内の圧力が低下して差し込み
部材の引き抜きが困難になるのを防止するために
設けられるものであり、また差し込み部材６を引
き抜き容易にするためテーパー付きのものにする
ことも考えられる。

以上詳細に説明したように、本発明によるマン
ホールのステツプ取付用インサートの埋設固定方
法は、インサート部材をマンホールの人孔側壁塊
内の所定位置に安全・確実・強固に埋設すること
ができ、その作業性も著しく良好であり、このイ
ンサート部材に挿入されるステツプは極めて安定
した状態で保持固定されるため、作業員の転落事
故を防止することができる等のすぐれた効果を具
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によりステツプを取り付けたマ
ンホールの縦断面図、第２図はステツプの平面
図、第３図Ａはインサート部材の正面図、Ｂは同
縦断面図、第４図はインサート部材内にステツプ
の脚部を挿入した状態の説明図、第５図は補強部
材とワツシヤーと差し込み部材との分解斜視図、
第６図はインサート部材の斜視図、第７図は本発
明の引き抜き工程直前の状態の横断面図である。 １…内枠、１ａ…表面、２…小孔、３…補強部
材、４…中央孔、５…雌ネジ部、６…差し込み部
材、６ａ…先端部、７…雄ネジ部、８，１０…係
合ネジ部、９…インサート部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 型枠内にコンクリートを充填し、該コンクリ
   ート充填時にステツプの脚部を係止するためのイ
   ンサートをコンクリート内に埋設する埋設固定方
   法において、 内枠の所定位置に穿設した小孔と補強部材の中
   央孔とが連通状態となるよう位置決めして該補強
   部材を内枠の表面に固着する基礎工程と、 前記補強部材の中央孔の内周壁に形成した雌ネ
   ジ部に差し込み部材の雄ネジ部を螺合することに
   より、前記中央孔及び小孔を経由して差し込み部
   材の先端部を型枠内部に位置せしめる差し込み工
   程と、 筒状をなすインサート部材の係合ネジ部を該先
   端部に形成した係合ネジ部と螺合させてインサー
   ト部材を型枠内部の所定位置に安定保持せしめる
   仮り止め工程と、 型枠内にコンクリートを充填した後、差し込み
   部材を補強部材及びインサート部材より引き離す
   引き抜き工程と、 完成したマンホールより型枠を取り外す脱型工
   程とよりなるマンホールのステツプ取付用インサ
   ートの埋設固定方法。