JPS6241979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、炭素繊維製造用縦型炭素化炉上部入
口部のカーボンシール板に関するものである。そ
のカーボンシール板に、ヒーターを埋込むことに
より、スリツト部へのタールの付着を減少せし
め、よつて優れた炭素繊維を得ることができる。

ところで、本考案に関連する炭素繊維焼成プロ
セスでは、第１図及び第２図に示す如く、耐炎化
繊維７は、本考案に関する開放スリツト５を通
り、500〜1000℃の低温炉１に導かれ、次いで下
部のスリツト部３を通り、800〜2000℃の高温炉
２に導入される。高温炉で処理された繊維は、液
体シール部６を経て、系外に取出される。なお炭
素化本体内の全工程を通して、被処理繊維の走行
方向と入口４から供給される不活性ガス流方向と
は、互に向流している。そして、この不活性ガス
はスリツト５より系外に排出されている。

ところで、この不活性ガスとともに多量の揮発
性成分も、本スリツトを通つて系外に排出されて
いる。この輝発性成分の一部は、タール物質とし
て、スリツト部に付着しやすく、付着したタール
物質に耐炎化繊維が接触して糸切れなどのいろい
ろな障害を生ぜしめる。

炭素化前段の低温炉においては、輝発性成分の
発生が多い。アクリロニトリル繊維やセルローズ
繊維を前駆体とする場合は、耐炎化繊維の40〜50
％減量分に相当する輝発性成分が発生している。
この輝発性成分の一部はスリツト部を通る時、タ
ール物質として凝縮し、スリツトや繊維に付着す
るのである。

そこで、我々は、鋭意検討の結果、第３図に示
すように、カーボンシール板のスリツト附近にシ
ーズヒーターを通し、250〜400℃に保温すれば、
タールがスリツトに付着しないことを見出した。

シール板は、反性のないカーボン材の板がもつ
ともよく、ヒーターの埋込み場所は、スリツト附
近がよく、ヒーターは１本でもまた２本並べても
よいが、スリツト部がうまく250〜400℃にコント
ロールできるようにすることが肝要である。な
お、ヒーター９は、カーボン板が導電性であるた
めシーズヒーターをカーボン板と絶縁するように
したヒーターを用いることが肝要である。また、
スリツト部のスリツト巾は自在にコントロールで
きるようにしておくことが好ましい。

ヒーターを埋込んだカーボンシール板を用いる
ことによつてシール部でのタールの付着がなくな
り、これによつて、糸切れやタールの付着のない
高品質の炭素繊維を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をモデル的に示したもので、第１
図及び第２図は、１：低温炉、２：高温炉、３：
スリツト部、４：不活性ガス供給口、５：スリツ
ト、６：液体シール、７：繊維、８：カーボンシ
ール板をそれぞれ示す。第３図は、８：カーボン
シール板、９：ヒーター、５：スリツトをそれぞ
れ示している。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炭素繊維製造用縦型炭素化炉上部入口部のスリ
   ツト式カーボンシール板において、スリツト部を
   加熱するためにスリツト附近にヒータを埋込むこ
   とを特徴とするカーボンシール板。