JPS6240031B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はゴルフクラブヘツドの改良に関し、更
に詳細にのべると、積層体から成るボデイの層の
剥離を未然に防止し且つバランスの良好なゴルフ
クラブヘツドに関するものである。

従来、多数の層を垂直方向に重ねて成るボデイ
とこのボデイのソールに取付けられた金属製のソ
ールプレートとから成るゴルフクラブヘツドは知
られている。かかるゴルフクラブヘツドではイン
パクト負荷がソールプレートに伝達されたとき負
荷はソールプレートに隣接する点でボデイに伝達
される。ボデイの層がソールプレートに平行に延
びる場合、負荷はソールプレートの縁に隣接する
２〜３の層に伝達され、特に、隠れた石の如き固
定物に不注意に当つたときには層の剥離が生じる
傾向がある。この問題は、ソールプレートが下方
向に突出するキールを有しこのキールがグラス
（草）又は地面に隠れた物体に当るようにした米
国特許第3761095号に開示されたクラブの型式で
は更に悪化するという欠点があつた。ソールプレ
ートを層にねじ等によつて取付けてもこの問題は
解決しない。これはねじの縁が層内又は層間で破
壊し剥離を促進するからである。

本発明の目的は上述の如き従来技術における剥
離問題を回避することができ且つバランスの良い
改良されたゴルフクラブヘツドを提供することに
ある。

かかる目的を達成するために、本発明ではボデ
イのソールに取付けられるソールプレートにスタ
ツドを設け、このスタツドをボデイの少くとも２
つの層を貫通するように設け、且つこのスタツド
及びボデイのソールに理込まれた重錘をソールプ
レートの中央部に設けられたキールの両側に対称
に配置するようにしたものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

図面、特に第１図を参照すると、改良されたゴ
ルフクラブが符号１３で示され、このゴルフクラ
ブはシヤフト１１とこのシヤフトの下端に取付け
られた本発明に係るゴルフクラブヘツド１０とシ
ヤフトの上端に設けられた通常のグリツプ１２と
から成つている。このクラブ１３はゴルフアー１
４が手で持つてヘツド１０がまさにボール１００
を打つ状態で示してある。第２図に詳細に示すよ
うにゴルフクラブヘツド１０は略上方向に延びて
シヤフト１１を収容するホーゼル１５と、このホ
ーゼルと一体のボデイ１６と、このボデイのソー
ル２０に取付けられたソールプレート２５とを有
する。

ゴルフクラブヘツド１０は図示の実施例ではウ
ツドとして示してある。ボデイ１６はフエース１
７を有し、このフエースは第４図に角度αで示す
ように垂直面に対して所定の角度で傾斜してい
る。このフエースは台形状のインサート３５を収
容する中央の切欠部１８を有する。ボデイ１６は
通常のウツドのようにフエース１７の後方が第３
図に符号１９で示す如く膨出されている。ボデイ
１６のソール２０にはソールプレート２５を収容
する下方の切欠部２１が設けられている。この切
欠部２１はソールプレート２５の輪郭に相応して
このソールプレートがぴつたり嵌合するように形
成されている。この切欠部２１はボデイ１６に対
してソールプレート２５を位置決めるためにボデ
イの中央部に配置された対向する突出部２２を有
している。ソールプレート２５は例えば亜鉛又は
亜鉛アルミニウム合金から作られている。

第２図および第３図に詳細に示すように、ソー
ルプレート２５はボデイ１６のソール２０に設け
られた切欠部２１に嵌合するように形成されてい
る。ソールプレート２５はこのソールプレートが
切欠部２１内に嵌合されたときボデイ１６のフエ
ース１７の延長部を形成する略Ｖ字状の前面２６
を有する。この前面２６は幅が比較的広い。ソー
ルプレート２５は後方に延びてウエスト部２７で
幅がせまくなり、後端部２８で再び拡大されてい
る。ウエスト部２７はボデイの中央に位置決めら
れた対向する突出部２２と合致してソールプレー
ト２５をボデイ１６に対して位置決めるようにし
ている。ソールプレート２５は、このソールプレ
ートとボデイ１６とを互いに結合するエポキシの
如き接着剤によつてボデイ１６のソール２０の切
欠部２１に固定される。

第２図に示すようにソールプレート２５は下面
２９を有し、この下面の中央部にはボデイの前後
方向に延びるキール３０が下方向に突出するよう
にして設けられている。第３図において、このキ
ール３０はゴルフクラブヘツド１０のスウイング
の通路に相応する線に沿つてボデイの前後方向に
延びている。最下位置であるキー３０の底部は、
ボール１００を打つためにクラブが振られたとき
ソールプレート２５の下面２９およびボデイ１６
のソール２０が地面から間隔をあけてボールをイ
ンサートで打撃する前に地面に接触する。従つて
地面との接触部分はキール３０の底部のみであ
る。

好ましい実施例ではキール３０は下方向に凹状
に形成された側部３１（第２図参照）を有する。
この側部３１は下方向に凸状に形成されたキール
３０とソールプレートの下面２９とに滑らかに連
続して設けられている。これらは、クラブ１３が
空気中を振られ、更にヘツド１０が空気中を通り
キール３０がクラブヘツド１０の前方空気を裂
き、側部３１が空気を外方に向ける際クラブヘツ
ド１０の下面２９およびキール３０上に好ましい
空気流を形成する。空気流のこのパターンは、ヘ
ツド１０がボール１００に接近するとき（第１図
参照）グラス（草）を分け且つ曲げる傾向があ
り、従来の平担な底面のヘツドがグラスを押しつ
ぶしてしまうようなことがない。

上述のゴルフクラブヘツド１０はボデイ１６の
フエース１７の切欠部１８にボール１００の打撃
面を形成するインサート３５を挿入することによ
つて完成される。このインサートは硬いプラスチ
ツク材料から作られ、この材料はボールが繰返し
当つてもへこんだり摩耗したりすることがない。
ボデイのウツドはインサートが設けられていない
場合にはへこむか破損してしまう。このインサー
トは、エポキサイドの如き適当な接着剤によつて
後壁３５ａ（第４図）、側部３５ｂ、および底部
３５ｃ（第２図）がボデイ１６およびソールプレ
ート２５の相応する面に結合される。

第４図に示すようにボデイ１６は略水平で互い
に平行な多数の薄層１６ａを矢印４０で示す垂直
方向に重ねた積層体によつて形成され、これら薄
層は夫々の境界面で互いに結合された木製のシー
トから成る。このためボールのインパクトに対す
るクラブヘツドの強さが高められる。しかしボー
ルを打つ際、インパクトのために最下層１６ａに
応力集中を起す。何故なら時には隠れた石や他の
物体によりクラブヘツドに大きなインパクト負荷
が加わるからであり、これがソールプレートから
このような最下層に伝達され、このためこの層と
ソールプレートとの間で剥離を起すことになる。

本発明によれば、ソールプレートには少なくと
も一つ、好ましくは複数のスタツドが設けられて
いる。このスタツドはソールプレートに一体に設
けられ且つソールプレートの上面２５ｄから上方
に突出している。このスタツドは切欠部２１から
ヘツドの中に上方に延びるようにヘツドに設けら
れた相応する孔の中に延びている。図示の実施例
では複数、即ち、４つのスタツド４１〜４４が設
けられ、これらスタツドはこれらが貫通するヘツ
ドの少なくとも２つの層の結合厚み以上の垂直方
向寸法即ち長さをもつて相応するヘツドの孔４１
ａ〜４４ａ内にぴつたり嵌合している。最良の結
果を得るためにはスタツドは少なくとも約10層を
貫通する。エポキサイド樹脂の如き接着材が符号
４６で示すようにスタツドとこれらを収容する孔
の壁との間に用いられ、このため大きいインパク
ト負荷に応じてこの負荷が切欠部２１の上方の複
数の層に伝達される。従つてこの負荷が層の剥離
を避けるのに十分な程度分散されて剥離が避けら
れる。

第３図は、２つのスタツド４１，４３がキール
３０を２分する垂直平面４７の一側に配置され、
残りの２つのスタツド４２，４４がその平面の反
対側に配置されていることを示す。即ち、これら
スタツドはキール３０の両側に対称に配置されて
いる。平面４７はキールの頂部を通つてヘツドの
前後方向に延びている。又、スタツド４３，４４
は突出部２２から前方に位置決められ、スタツド
４１，４２は突出部２２から後方に位置決められ
ている。このような間隔はヘツドとソールプレー
トに対して平衡状態にクラブヘツド上の負荷を分
配する。ソールプレートの側部のポケツト２２ａ
はこのような突出部を収容している。

第６図は、平面４７の対向側で垂直からある角
度で平面４７から横方向に且つ上方向前方にボデ
イ１６内を延びる２つの追加の開口４８，４９が
設けられていることを示している。このような開
口は切欠部２１の下面を横切り且つ例えば約３mm
である等しい外径のスタツドより大きい内径を有
している。重錘５０，５１が凹部の中に収容さ
れ、これら重錘は通常では第３図および第４図か
ら明らかなように突出部２２を２分する横方向の
上方平面から後方に配置される。これら重錘は典
型的にはそれらの開口の中で固定される。第２図
および第３図は重錘材料を収容するための追加の
円筒の開口５４を示し、この開口は後方に延びて
キールの上方で切欠部１８を横切る位置からボデ
イ１６の中に延びている。平面４７は開口５４を
２等分する。

第７図乃至第９図は鋳造されたソールプレート
を示し、このソールプレートは耳５６，５７を有
し、これら耳は後でボデイ１６の隅部に組立中に
合致するよう切取られ、即ち、トリミングされ
る。又、板部分５８が上記組立中にトリミングさ
れる。中央の細長い凹孔５９が鋳造のため形成さ
れその中に例えばパイプ６０が設けられる。この
凹孔は図示のようにソールプレートの凹状上面６
６を横切つて設けられている。第７図乃至第９図
に示すソールプレートは左きき又は右ききのいず
れのゴルフアーのクラブヘツドにも用いることが
できるよう対称の構造を有している。

スタツド４１〜４４はそれらを収容する孔４１
ａ〜４４ａと共に層の損傷や剥離を防止するため
滑らかな面を有している。

開口４８，４９は突出部２２を通して横方向直
立平面から後方に配置されているが、孔４３ａ，
４４ａから後方に位置して干渉しないようになつ
ている。

本発明によれば、スタツドが少くとも２つの層
を貫通して延びているのでインパクト負荷が分散
できこのため層の剥離及びソールプレートの剥離
を未然に防止でき、又、スタツド及び重錘がキー
ルの両側に対称に配置されているのでバランスの
良いヘツドが提供できるという実益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るゴルフクラブの使用状態
を示す立面図、第２図は本発明のゴルフクラブヘ
ツドを示す正面図、第３図は第２図の３−３線か
ら見た底面図、第４図は第３図の４−４線断面
図、第５図は第３図の５−５線断面図、第６図は
ソールプレートを省略した状態の第３図と同様の
底面図、第７図はトリミング前のモールド状態の
ソールプレートの底面図、第８図は第７図の８−
８線端面図、第９図は第７図の９−９線側面図で
ある。 １０……ヘツド、１３……ゴルフクラブ、１６
……ボデイ、２５……ソールプレート、３０……
キール、３５……インサート、４１〜４４……ス
タツド、４１ａ〜４４ａ……孔、４７……垂直平
面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平方向に配置された多数の層を垂直方向に
   重ねて固定して成りソールに切欠部が設けられた
   ボデイと、前記切欠部内に挿入されたソールプレ
   ートとを備えて成り、該ソールプレートは該ソー
   ルプレートの上面から延びる少くとも一つのスタ
   ツドを有し、該スタツドは前記切欠部から前記ボ
   デイを垂直方向に貫通するように設けられた孔の
   中に挿入され、且つ該スタツドは前記ボデイの少
   くとも２つの層を貫通して延び、前記スタツドは
   該スタツドと前記孔の壁との間に適用された接着
   材によつてボデイに固定されていることを特徴と
   するゴルフクラブヘツド。 ２ 水平方向に配置された多数の層を垂直方向に
   重ねて固定して成りソールに切欠部が設けられた
   ボデイと、前記切欠部内に挿入されたソールプレ
   ートとを備えて成り、該ソールプレートは該ソー
   ルプレートの上面から延びる複数のスタツドと該
   ソールプレートの底面の中央部にボデイの前方か
   ら後方へ延びるように下方向に突出して設けられ
   たキールとを有し、前記スタツドは前記切欠部か
   ら前記ボデイを垂直方向に貫通するように設けら
   れた孔の中に挿入されて接着材によつて固定され
   且つ前記ボデイの少くとも２つの層を貫通して延
   びており、且つ前記スタツドは前記キールの両側
   に対称に配置されていることを特徴とするゴルフ
   クラブヘツド。 ３ 水平方向に配置された多数の層を垂直方向に
   重ねて固定して成りソールに切欠部が設けられた
   ボデイと、前記切欠部内に挿入されたソールプレ
   ートと、前記ボデイのソールに埋込まれた複数の
   重錘とを備えて成り、前ソールプレートは該ソー
   ルプレートの上面から延びる複数のスタツドと該
   ソールプレートの底面の中央部にボデイの前方か
   ら後方へ延びるように下方向に突出して設けられ
   たキールとを有し、前記スタツドは前記切欠部か
   ら前記ボデイを垂直方向に貫通するように設けら
   れた孔の中に挿入されて接着材によつて固定され
   且つ前記ボデイの少くとも２つの層を貫通して延
   びており、且つ前記スタツド及び重錘は前記キー
   ルの両側に対称に配置されていることを特徴とす
   るゴルフクラブヘツド。