JPS6239635Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばコンバイン或いはバインダーな
どの移動農機に未刈り穀稈を掻込む引起しケース
並びに補助引起しケースを備えた穀稈引起し装置
に関するものである。

従来、実開昭55−69935号並びに実開昭55−
48756号の各公報に示す如く、開閉可能タイン収
納カバーを補助引起しケースに設け、補助引起し
タインが不要なときに該タイン作用部を前記カバ
ーで覆う技術があつた。

しかし乍ら、前記従来技術は、前記カバーをガ
ードパイプフレーム形状に構成していたから、前
記カバーによつて未刈り穀稈の穂先が梳かれて脱
粒し易いと共に、前記カバーで覆つていても補助
引起しタインを不要時に停止させることにより、
該タインの間から補助引起しケース内部に藁屑及
び粉塵が入り込んで詰り易い等の構造上の問題が
あつた。

また実開昭54−115336号並びに実開昭54−
160626号の各公報に示す如く、補助引起しタイン
を完全にタイン収納カバーで覆う従来技術もあつ
たが、比較的大型長尺となる前記カバーの着脱並
びに保管などが面倒であると共に、上記のように
そのカバーを開閉する構造に構成しても、機内側
に開放した場合、開放姿勢のカバーによつて未刈
り穀稈の取り込みが阻害され、未刈り穀稈の掻込
み姿勢が乱れ易く、また機外側に開放した場合、
前記カバーが刈取部外方に突出して隣接の未刈り
穀稈に接触し易い等の構造上の問題があつた。

然るに、本考案は、未刈り穀稈を掻込む引起し
ケース前面に補助引起しケース背面を接合固定さ
せ、補助引起しケース前側部に蝶番を介して２つ
割り形の左右タイン収納カバー基部を回転自在に
連結させると共に、補助引起しタインを内装すべ
く前記各カバー先端部を接隣自在に接合固定さ
せ、また補助引起しタインを突出すべく前記各カ
バーを観音開き開動させて該カバー先端部を引起
しケースに係脱自在に係止固定させるように構成
したことを特徴とするものである。

従つて、前記引起しケース前面に補助引起しケ
ースを固設し、且つ前記タイン収納カバーを２つ
割り形にして単体を小形にしたから、補助引起し
タインを完全に覆う前記カバーを前記引起しケー
スと補助引起しケースとで形成する角隅部にコン
パクトに開放姿勢で支持し得、従来の脱粒又は掻
込み稈姿勢の乱れなど不具合をなくして前記カバ
ーを機能的に着装し得ると共に、前記カバーを観
音開き開動させて引起しケースと補助引起しケー
スとに連結させるから、未刈り穀稈のはかまなど
が引起しケースと補助引起しケースとの接合隙間
に入り込むのを前記カバーによつて防止し得、前
記カバーの両側ガイド作用により未刈り穀稈の案
内を従来よりも良好に行い得、また開放状態に係
止した前記カバーによつて引起しケースと補助引
起しケースを連結補強し得、従来に比べて前記カ
バーの取扱い操作性並びに機能の向上などを容易
に図り得るものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳述
する。

第１図は本考案に係る穀稈引起し装置を具備し
たコンバインの側面図、第２図は同平面図で、図
中１は左右に走行クローラ２，２を装設するトラ
ツクフレーム、３は前記トラツクフレーム１に固
定支持する機台、４はフイードチエン５を左側に
張架し且つ扱胴６を内蔵する脱穀部、７は回動支
点軸８を中心に油圧シリンダ９でもつて昇降させ
る刈取部、１０は排藁チエン１１の送り終端を臨
ませる排藁カツター、１２は前記排藁チエン１１
介し排藁を未処理状態で取出す排藁集束台、１３
は揚穀筒１４上端を臨ませる籾タンク、１５は前
記タンク１３後部に連設する吸気筒１６を備えた
エンジン、１７は運転席１８及び運転操作部１９
を備えた運転台であり、前記刈取部７は刈取フレ
ーム２０と分草板２１，２２，２３と、二条用の
引起しケース２４，２４と、補助引起しケース２
５，２５、刈刃２６と、刈取り穀稈搬送装置２７
とを含み、風などによつて倒伏している穀稈を前
記補助引起しケース２５，２５より突出させる補
助引起しタイン２８…で起立させると共に、分草
板２１，２２，２３間に入り込む穀稈を前記引起
しケース２４，２４より突出させる引起しタイン
２９…で掻込み、その掻込んだ未刈り穀稈を連続
的に刈刃２６によつて刈取り搬送装置２７を介し
て脱穀部４に供給するように構成している。

次に第３図乃至第６図を参照して本考案に係る
引起し装置について説明する。

前記引起しケース２４，２４は前記支点軸８に
下端を連結させる引起し入力パイプ３０及び刈取
フレーム２０に下端を連結させる引起し支持パイ
プ３１のそれぞれ上端に架設する引起し駆動パイ
プ３２にその上端を連結支持させたもので、スプ
ロケツト３３を介し前記引起タイン２９…、２９
…を駆動させる出力軸３２を、前記パイプ３１内
を挿通させる引起し駆動軸３５にギヤケース３６
内において一対のベベルギヤ３７を介して連動連
結させて引起しタイン２９…、２９…を駆動する
ように構成している。

また、前記補助引起しケース２５，２５は補助
引起しタイン２８…、２８…の突出側つまり引起
し作用側を前面に位置させる如く、前記引起しケ
ース２４，２４に取付けたもので、補助引起しケ
ース２５，２５間を架設する連結パイプ３８内を
挿通させる入力軸３９にスプロケツト４０，４０
を介し前記タイン２８…、２８…を連動連結させ
るように構成している。

そして前記入力軸３９の一端側を入力パイプ４
１を介し伝動ケース４２に臨ませ、前記引起し駆
動軸３５に連動連結する伝動軸４３に該入力軸３
９をスプロケツト４４、チエン４５、スプロケツ
ト４６を介し連動連結させている。前記伝動軸４
３はギヤケース３６に固設する軸ケース４７に支
承させたもので、該ケース４７には前記伝動ケー
ス４２を取付固定している。

一方、前記補助引起しケース２５の左右両側に
蝶番４８，４８を介してタイン収納カバー４９，
４９を取付けるように構成している。該カバー４
９，４９は基端を前記ケース２５側面の前端側に
蝶番４８，４８を介し可揺動に枢支させると共
に、カバー４９，４９先端に折曲面４９ａ，４９
ａを形成して、該カバー４９，４９を前記ケース
２５の左右側面に接合させる如く沿わせるとき該
カバー４９，４９を開放状態とさせ、また該カバ
ー４９，４９を略180度回転させて前記ケース２
５の左右側面前方に延出状態とさせたとき該カバ
ー４９，４９を閉鎖状態とさせ該カバー４９，４
９内にタイン２８…、２８…を収納するように構
成している。

また、前記カバー４９，４９の各先端部には切
欠５０，５０を穿設していて、該カバーの開放時
引起しケース２４側に設ける鉤部材５１，５１を
前記切欠５０，５０に係止させその開放維持を図
るべく構成している。

さらに、前記カバー４９，４９の各先端部には
鉤部材５２及び係止部材５３を設けていて、該カ
バー４９，４９の閉鎖時前記各部材５２，５３を
係合させることによつて、その閉維持を図るべく
構成している。

本考案は上記の如く構成するものにして、補助
引起しタイン２８…を使用して刈取作業を行う場
合には、前記カバー４９，４９を開放状態に維持
させ、補助引起しタイン２８…を補助引起しケー
ス２５前方に突出させた状態にさせて作業を行
う。

また、前記補助引起しタイン２８…の使用を必
要としない作業状態においては前記カバー４９，
４９を閉鎖維持させ、該カバー４９，４９内にタ
イン２８…を収納する状態にさせて作業を行うも
ので、而して各分草板２１，２２，２３間に入り
込んだ未刈り穀稈は分草板２１，２３上端におい
て前記カバー４９，４９に受継ぎされて前記引起
しタイン２９…により円滑に掻込みされるもので
ある。この結果前記補助引起しケース２５の不必
要時においても取外す必要もなく、また装着状態
においてもこのタイン２８…に稈を引掛けて稈切
れなどを起生させる不都合を回避させることがで
きる。

第６図は先の実施例の変形構造を示すもので、
該構成のものは前記カバー４９の先端に傾斜面４
９ｂを介して折曲面４９ａを形成するようにした
もので、該構成の場合前記補助引起しタイン２８
…を必要としないとき一層稈の流れを円滑にさせ
る利点を有する。

該構成のものは前記実施例と同一の作用効果を
奏するものであり、同一構成部分とは同一番号を
付してその詳しい説明は省略する。

以上実施例から明らかなように本考案は、未刈
り穀稈を掻込む引起しケース２４前面に補助引起
しケース２５背面を接合固定させ、補助引起しケ
ース２５前側部に蝶番４８，４８を介して２つ割
り形の左右タイン収納カバー４９，４９基部を回
転自在に連結させると共に、補助引起しタイン２
８を内装すべく前記各カバー４９，４９先端部を
接離自在に接合固定させ、また補助引起しタイン
２８を突出すべく前記各カバー４９，４９を観音
開き開動させて該カバー４９，４９先端部を引起
しケース２４に係脱自在に係止固定させるように
構成したもので、前記引起しケース２４前面に補
助引起しケース２５を固設し、且つ前記タイン収
納カバー４９，４９を２つ割り形にして単体を小
形にしたから、補助引起しタイン２８を完全に覆
う前記カバー４９，４９を前記引起しケース２４
と補助引起しケース２５とで形成する角隅部にコ
ンパクトに開放姿勢で支持でき、従来の脱粒又は
掻込み稈姿勢の乱れなど不具合をなくして前記カ
バー４９，４９を機能的に着装できると共に、前
記カバー４９，４９を観音開き開動させて引起し
ケース２４と補助引起しケース２５とに連結させ
るから、未刈り穀稈のはかまなどが引起しケース
２４と補助引起しケース２５との接合隙間に入り
込むのを前記カバー４９，４９によつて防止で
き、前記カバー４９，４９の両側ガイド作用によ
り未刈り穀稈の案内を従来よりも良好に行うこと
ができ、また開放状態に係止した前記カバー４
９，４９によつて引起しケース２４と補助引起し
ケース２５を連結補強でき、従来に比べて前記カ
バー４９，４９の取扱い操作性並びに機能の向上
などを容易に図ることができる等の実用的な効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る穀稈引起し装置を具備し
たコンバインの側面図、第２図は同平面図、第３
図は要部の側部説明図、第４図乃至第５図は部分
拡大断面図、第６図は変形構造を示す部分拡大図
である。 ２４……引起しケース、２５……補助引起しケ
ース、２８……補助引起しタイン、４９……タイ
ン収納カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 未刈り穀稈を掻込む引起しケース２４前面に補
   助引起しケース２５背面を接合固定させ、補助引
   起しケース２５前側部に蝶番４８，４８を介して
   ２つ割り形の左右タイン収納カバー４９，４９基
   部を回転自在に連結させると共に、補助引起しタ
   イン２８を内装すべく前記各カバー４９，４９先
   端部を接離自在に接合固定させ、また補助引起し
   タイン２８を突出すべく前記各カバー４９，４９
   を観音開き開動させて該カバー４９，４９先端部
   を引起しケース２４に係脱自在に係止固定させる
   ように構成したことを特徴とする移動農機の穀稈
   引起し装置。