JPS6239447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気製品におけるプツシユスイツ
チとノブとの隙間を製作時に簡単に補正できるよ
うにした隙間調整機構付ノブに関する。

電気機器においては、製品の精度感を出すため
には、各ノブのストロークを均一化すること、ス
イツチ本体とノブとのガタを少なくするため、隙
間を最小限に揃えることが必要である。しかし、
従来では、組立て時のバラツキ、誤差などで製作
中にその隙間を補正するのが困難であつた。

この考案は、上記の点にかんがみなされたもの
で、プツシユノブの内部に隙間調整用のねじを装
着するとともに、プツシユノブをフロントパネル
またはステーに装着した状態で前面から隙間調整
をできるようにして、製作段階でノブを取り付け
た状態で簡単に隙間を補正できる隙間調整機構付
ノブを提供することを目的とする。

以下、この考案の隙間調整機構付ノブの実施例
について図面に基づき説明する。第１図はその一
実施例の構成を示す断面図であり、第２図は、第
１図の隙間調整機構付ノブにおけるノブにねじを
装着した状態を示す断面図である。さらに、第３
図はこの考案の分解斜視図である。

この第１図ないし第３図において、１はノブ本
体であり、方形状に形成され、その背面（図の右
側）の４隅角部近傍には、ガイド用の桿１ａがノ
ブ本体１と一体的に形成されている。第１図ない
し第３図では、いずれも桿１ａは２本しか示され
ていないが、実際には、ノブ本体１の四隅角部に
それぞれ設けられており、合計４本が形成されて
いる。

ノブ本体１の背面側の中央部には、ハーパ状の
筒体１ｂが形成されている。この筒体１ｂの先端
は、後述するプツシユスイツチを押圧するように
なつている。

筒体１の先端近傍の内周面には、ねじ溝１ｃが
刻設されている。そして、筒体１の先端近傍の内
周面には、段部１ｄが形成されている。段部１ｄ
は、筒体１ｂの内径寸法を小さくすることにより
形成されている。

筒体１ｂ内には、ノブ本体１の前面（図の左
側）からねじ２が挿入され、ねじ溝１ｃと螺合す
るようになつており、第２図に示すように、ねじ
２の頭部２ａが上記段部１ｄと係止するようにな
つている。ねじ２の先端は、筒体１ｂの先端より
突出するようになつている。

ノブ本体１における桿１ａに対応して、フロン
トパネルまたはステー３（以下、ステー３を使用
する場合について述べる）に貫通孔３ａが設けら
れている。この貫通孔３ａに各桿１ａが貫通され
ている。ステー３の中央部には、円孔３ｂが形成
されており、この円孔３ｂに上記ノブ本体１の筒
体１ｂとねじ２が貫通されるようになつている。

ステー３の円孔３ｂを貫通したねじ２の先端に
対応してプツシユ４の接触面４ａが対峠されてお
り、また、ステー３とノブ本体１間において、筒
体１ｂの外周面にはコイルスプリング５が装着さ
れている。筒体１ｂがテーパ状になつているの
で、コイルスプリング１の左端は筒体１の外面の
所定個所で係止され、コイルスプリング５の他端
はステー３の前面側に係止されるようになつてい
る。これにより、コイルスプリング５でノブ本体
１は常時図の左方向に押圧される力を受けてい
る。

ノブ本体１の前面には、装触用のノブのかぶせ
６が被着されている。

次に、以上のように構成されたこの考案の隙間
調整機構付ノブの作用について説明する。まず、
ステー３の貫通孔３ａにノブ本体１の各桿１ａを
貫通させるとともに、ノブ本体１の筒体１ｂの外
周面にコイルスプリング５を装着させた状態で、
この筒体１ｂをステー３の円孔３ｂ内に貫通させ
る。筒体１ｂの先端は、プツシユスイツチ４の接
触面４ａに対峠させる。かくして、ノブ本体１
と、コイルスプリング５と、ステー３と、プツシ
ユスイツチ４とが組立済みの状態となる。

この組立済みの状態で、ノブ本体１の前面か
ら、筒体１ｂ内にねじ２を挿入して、ねじ溝１ｃ
と螺合させながら、ねじ２の先端を筒体１ｂの先
端から突出させ、プツシユスイツチ４の接触面４
ａと対峠させる。

この際、ノブ本体１の筒体１ｂとプツシユスイ
ツチ４の接触面４ａとの隙間をねじ２をまわし
て、長さを調整することによつて補正することが
できる。

このように、隙間を調整した後は、ノブ本体１
の前面にかぶせ６を装着する。

なお、ノブ本体１の材質とねじ２の種類を考慮
することにより、ノブ本体１の筒体１ｂ内のねじ
溝を省略して普通の孔とすることもできる。要は
筒体１ｂ内にねじを挿入して、このねじを回動さ
せることにより、プツシユスイツチの接触面とノ
ブ本体１の筒体１ｂの先端間の隙間を調整できれ
ばよい。

以上のように、この考案の隙間調整機構付ノブ
によれば、ノブ本体をフロントパネルまたはステ
ーに装着した状態でノブ本体内にねじを装着し、
このねじを回動させることにより、プツシユスイ
ツチの接触面とノブ本体との隙間の不均一を補正
するようにしたので、ノブ本体の前面からこの隙
間を調整できるとともに、フアンクシヨンスイツ
チなどの意匠的の形の大きいノブや多数配列され
るノブに使用できる。

また、製作時にステーまたはフロントパネルに
ノブを取り付けた状態で簡単にストロークを調整
できるばかりか、隙間を補正することによつて、
正確なストロークが得られ、製品全体の精度感を
向上できる。さらに、多数配列されたノブのスト
ローク差を均一化することが組立後検査のときに
できるなど、実用上すぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の隙間調整機構付ノブの一実
施例の構成を示す断面図、第２図は同上隙間調整
機構付ノブにねじを装着した状態を示す断面図、
第３図は同上隙間調整機構付ノブの分解斜視図で
ある。 １……ノブ本体、１ａ……桿、１ｂ……筒体、
１ｃ……ねじ溝、２……ねじ、３……ステー、３
ａ……貫通孔、３ｂ……円孔、４……プツシユス
イツチ、４ａ……接触面、５……コイルスプリン
グ、６……かぶせ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ねじ溝または孔を有する筒体を中央部に設けら
   れたノブ本体と、このノブ本体の筒体を貫通させ
   て上記筒体の先端をプツシユスイツチの接触面に
   対峠させるステーまたはフロントパネルと、上記
   筒体の外周面に装着され、上記ステーまたはフロ
   ントパネルとノブ本体間に位置するコイルスプリ
   ングと、上記ノブ本体とステーまたはフロントパ
   ネルおよびコイルスプリングとを組み立てた状態
   で上記プツシユスイツチの接触面と筒体間の隙間
   を調節するために、ノブ本体の前面より筒体を貫
   通されるねじとよりなる隙間調整機構付ノブ。