JPS6239360Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は原子力施設のプール又はタンク、例
えば原子炉炉心燃料交換用プールの壁面に附着し
た放射能を遠隔除染するための装置に関するもの
である。

従来例えば原子炉炉心燃料交換用プールの壁面
に付着した放射能の遠隔除染には、円筒型回転ブ
ラシを真空又は重力の分力を利用して壁面に圧着
しながら掃引する方法がとられている。又最近で
は、プール水面に超音波発振子を浮べ、壁面に沿
つて移動させる方法も試験されている。

しかしながらこれらの方法も、隅部あるいは圧
力水型原子炉プールの壁面数個所に設置された支
持竿に上下にならべて取付けてある照明灯（第４
図）の周囲は除染が困難で平担部と同程度に除染
するには人力を要し、放射能防護上、除染工程、
或いは工数管理上問題がある。

本考案は叙上の問題点を解決すべく考案された
もので、以下実施例について説明する。

１は公知の除染装置である。２は吸着片で、こ
れが円周上に複数個互に少しづつ側縁が重なり合
うごとく配列されている。吸着片２…で形成され
た内部空間は真空ポンプに連通され、この空間を
排気し、真空にすることによつて、除染装置をプ
ール壁面３に吸着させることができる。４は円筒
形の回転ブラシで、壁面３に圧着され乍ら回転
し、壁面３に付着した放射能を除染する。５はモ
ータで、これによる駆動輪６及び同期的に上下す
る補助ワイヤ７を備え、壁面３を上下に掃引す
る。

さて、本考案は上記除染装置の改良に係るもの
で、駆動装置８により駆動される頂角90゜の円錐
形ブラシ９を備え、これによつてプール隅部（第
２図ａ）を除染し易くしている。円錐形ブラシ９
は除染装置の本体にとりつけた支持台１０上を滑
動し得るようにとりつけられ、圧着装置１１によ
りプール隅部ａに対し対角方向に圧着される。

除染装置１を上下動させることにより、垂直壁
面３と直角に交わるプール壁をブラシ９の巾だけ
同時に除染することができる。この際円錐ブラシ
を対角方向に圧着するため、先端部の毛が根本方
向に押されるため隅部の除染効果が劣る場合は、
先端部にスポンジゴム製等の円錐型チツプを取付
ける（第５図a′参照）。さらに第６図のごとく円
錐ブラシ９のみ、あるいは張出し円筒型ブラシ４
と組合せて隅部狭隘部専用としてもよい。又ブラ
シの特性として毛足が長くなれば、可撓性が大と
なるので、第３図の如く、照明灯１２の輪かくに
もよくなじみ従来困難だつた照明灯１２ならびに
その近傍の壁面除染が容易となつた。

なお駆動装置８は独立のモーターあるいは本体
動力を可撓軸を介し取出すものの何れでもよく、
又圧着装置は空圧、油圧、バネ、トルクモーター
等一定圧力で圧着できるものであればよい。さら
に回転ブラシ９の頂角を90゜以外に選ぶことによ
り、90゜に交る壁面以外でも除染できる。又支持
台１０を除染装置１に設けた回転軸のまわりに回
転できるように取付ければ、本体の左右を除染で
きるだけでなく、除染装置１を90゜回転させ、補
助ワイヤ７の取付位置を壁面に変更して左右に掃
引すれば、底面の隅部も除染できる。

以上説明したごとく、本考案は公知除染装置の
本体に、支持台をとりつけ、これに対し摺動可能
かつ圧着力調整可能にとりつけた円錐形の回転ブ
ラシをとりつけることにより、従来不可能であつ
た壁面隅部や照明灯近傍の除染が容易にできるよ
うになり、除染に人手を要しないので安全上きわ
めて好適である。

又、安全上ばかりでなく、自動的に全ての部分
が遠隔操作できるので、除染工程の管理或いは工
数管理上の問題を解決することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る除染装置で垂直壁面を除
染している状態を示す。第２図は第１図の−
矢視図、第３図は円錐ブラシを用いて照明灯の近
傍を除染している状態を示す。第４図は照明灯の
配設状態を示す。第５図及び第６図は円錐形ブラ
シの別の実施例。 図において；１……除染装置、２……吸着片、
３……プール壁面、４……回転ブラシ、５……モ
ーター、６……駆動輪、７……補助ワイヤ、８…
…（円錐形ブラシの）駆動装置、９……円錐形ブ
ラシ、１０……支持台、１１……圧着装置、１２
……照明灯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面上に吸着しつつ駆動輪で走行する除染装置
   において、除染装置内本体にとりつけられた支持
   台上を滑動可能で、圧着装置を備えた円錐型回転
   ブラシを設けたことを特徴とする壁面隅部等を除
   染可能な除染装置。