JPS6239071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コークス炉の窯口下部に配設した
タールパン状に堆積したコークス除去装置に関す
る。

コークス炉にて製造されたコークスを窯出しす
る際、炉蓋取外し時に崩れて落下するコークス
（以下落骸という）及びコークス押出し後に引き
もどされる押出しビームのラムシユーによつて引
出されるコークス（以下もどりコークスという）
の処理は、窯口下部にバツクステーより突出して
傾斜せしめて配設したタールパンを介し、押出機
あるいはコークガイド車に設置したコークス炉窯
口に沿い、かつタールパン先端より下部に配設し
た搬送装置内に導入し、押出機又はコークガイド
車に設けたホツパーに搬送回収していた。

そして、バツクステーより突出して設けたター
ルパンの形状は炉の形式によつて異なり、一般に
は方形であるが、燃焼室下方にガス供給管が横設
されたガンタイプのコークス炉では該管のぞき穴
が窯口下方両側に配設されており、この部分を解
放するため、第１図に示すように、タールパンの
炉巾方向両側の下部は欠除され、コークスの安息
角以上傾斜して設けられている。

一方、コークス乾留時に炉蓋シール部から漏出
滴下するコールタールは、タールパン上に落下付
着する。このため、落骸、もどりコークス等は、
タールパンがコークスの安息角以上傾斜している
にもかかわらず、タールパンに付着した高粘着性
のコールタールにくつつき、搬送装置内への落下
が阻害される。

この対策としてタールパンクリーナーが設けら
れているが、このクリーナーは、平面上のコーク
スはかき落せるが、タールパン両側の傾斜部に付
着したコークスはかき落せない。このため、炉蓋
装着時に上記傾斜部に付着しているコークスがか
み込み、炉蓋の装着ができなくなつたり、又ガス
漏れの原因となつていた。

この考案は、かかる現状にかんがみ、コークス
炉の窯口下部に突設したタールパンの両側傾斜部
に付着堆積したコークスをタールパンクリーナー
でかき落せる位置までかき落す装置を提案するも
ので、コークス炉の窯口フレーム掃除機に付設
し、フレームシートの掃除をする際に、傾斜部に
付着堆積したコークスを除去することを特徴とす
る。

上記窯口フレーム掃除機は、押出機又はコーク
ガイド車上に載設されるもので、大別して２種類
がある。すなわち、その一つは、シリンダーにて
上下動自在の移動枠にかき刃板が取付けられ窯口
のフレームシートを掃除するものであり（一例と
して実公昭51−48614号公報参照）、他の一つはフ
レームシートに見合う支持枠に無端ローラチエン
を回動自在に配設し、このローラチエンにかき刃
板を取付け、ローラチエンを回動させながら掃除
するものである（一例として特公昭48−4362号公
報参照）。

この考案は、前者の移動枠を上下動させる形式
の窯口フレーム掃除機に付設するものである。

すなわち、この考案は、コークス炉窯口フレー
ム掃除機の上下動自在の移動枠の下端に、窯口下
部に突設した両側に傾斜部を有するタールパンの
両側傾斜部に当接し、傾斜面に沿つて傾転し、上
昇時垂直に復元自在に構成したスクレーパーを枢
着したことを要旨とする。

次に、この考案の実施例を図面について説明す
る。

コークス炉８の窯口フレーム９のシート面を掃
除する窯口フレーム掃除機の上下動自在な移動枠
１の下端両側にブラケツト２を設け、窯口下部に
設置したタールパン７の両側傾斜部１０に付着堆
積するコークスをかき落すためのスクレーパー３
を、上記ブラケツト２に回動自在に取付ける。

上記スクレーパー３は、その背面に取付片４が
直角に固着され、取付片４の上部を枢軸５により
ブラケツト２に回動自在に支持し、ブラケツト２
の端と取付片４の上端との間に設けた引きばね６
によりスクレーパー３の上端がブラケツト２の端
下面に当接し、常に垂直に保持されるようにす
る。

そして、スクレーパー３の先端は、コークス炉
８の窯口下方に突設したタールパン７の傾斜面に
平行する傾斜辺３′となし、移動枠１が下降する
際、スクレーパー３の先端傾斜辺３′がタールパ
ン７の両側に形成されている傾斜部１０の上部に
当接し、下降するに従つて引きばね６のばね力に
抗してスクレーパー３が傾転し、傾斜部１０の傾
斜面に沿つて下降するように構成される。

コークスの窯出時にタールパン７上に落下し付
着したコールタールによつて搬送装置への滑落が
阻害され、タールパン上に残留する落骸、もどり
コークス等は、図示しないタールパンクリーナー
によつて搬送装置内へかき落す。しかし、タール
パンの傾斜部１０に付着堆積したコークスはかき
落すことはできない。

そこで、この考案の実施により移動枠１の下端
にスクレーパー３を設けた窯口掃除機で窯口フレ
ーム９のシート面を清掃する際、傾斜部１０に付
着したコークスをかき落すのである。

すなわち、窯口フレーム掃除機を前進せしめ、
移動枠１に配設したかき刃板１１を窯口フレーム
９のシート面に圧接し、駆動装置により移動枠１
を上下動させ、シート面に付着したコールタール
等をかき取り清掃する。

すると、上記移動枠１の上下動に伴い、その下
降時には、垂直下向きのスクレーパー３（第１図
左側半部を参照）がタールパン７の傾斜部１０の
上端部に当接し、傾斜部１０の傾斜に沿つて傾動
しつつ下降し（第１図右側半部を参照）、その間
付着したコークスをかき落し、タールパン７の中
央へ押し出す。移動枠１が下限に達すると上昇に
転じ、この上昇に伴いスクレーパー３は引きばね
６の力により引きもどされ、傾斜部１０から離れ
ると垂直下向きに復元する。

上記窯口フレーム９の清掃が終ると、移動枠１
が下限位置にある状態で窯口掃除機を後退させ
る。すると、スクレーパー３が傾斜部１０に当接
したまま引かれるため、傾斜部１０の手前に付着
している残りのコークスがかき出される。上記の
ごとく、傾斜部１０に付着しているコークスをタ
ールパン中央にかき落したのち、再度タールパン
クリーナーによつて搬送装置へかき落すのであ
る。

この考案は、上記したように、窯口フレーム掃
除機の上下動自在の移動枠にスクレーパーを付設
するだけの簡単な装置により、しかも該掃除機に
より窯口フレームのシート面を清掃する際、同時
にタールパンの両側傾斜部に付着残留するコーク
スをタールパン中央へかき出すことができ、この
極めて能率的な付着コークスかき落し作業によ
り、炉蓋の装着不能、コークスかみ込みによるガ
ス漏れを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例における要部の作業
状態における説明図で、左半部は移動枠が上限に
ある状態、右半部は移動枠が下限にある状態を示
す、第２図は第１図右半部の側面図である。 図中、１……移動枠、２……ブラケツト、３…
…スクレーパー、３′……傾斜辺、４……取付
片、５……枢軸、６……引きばね、７……タール
パン、８……コークス炉、９……窯口フレーム、
１０……傾斜部、１１……かき刃板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コークス炉窯口フレーム掃除機の上下動自在の
   移動枠の下端に、下降時窯口下部に突設した両側
   に傾斜部を有するタールパンの両側傾斜部に当接
   して傾斜面に沿つて傾転し、上昇時垂直に復元自
   在に構成したスクレーパーを枢着したことを特徴
   とするコークス炉のタールパン付着コークス除去
   装置。