JPS6238761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はレコードプレーヤのトーンアーム駆動
装置に関するものであり、その目的とするところ
は簡単な構成で安価なトーンアーム駆動装置を提
供することにある。

一般にトーンアーム駆動装置はモータの回転速
度を歯車列で減速してトーンアームを昇降旋回さ
せたり、ターンテーブルの回転力を利用してトー
ンアームを昇降旋回させるように構成していた。
しかしながら、このような構成のトーンアーム駆
動装置ではモータやターンテーブルを駆動源とす
るために昇降旋回の運動に変換するための歯車機
構やリフト機構が複雑化することになり、それら
機構の組立てがむずかしく、また位置角合せがむ
ずかしくなるという問題があつた。

本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
であり、以下、本発明について実施例の図面と共
に説明する。

第１図および第２図は本発明のトーンアーム駆
動装置の１実施例を示しており、図中１はトーン
アームであり、その先端にピツクアツプカートリ
ツジ９が取付けられ、その他端にバランスウイト
４１が取付けられている。このトーンアーム１は
メインパネル３に取付けたアーム軸受２を中心に
図示矢印イ−ロ方向に回動するように構成されて
おり、また上記アーム軸受２に軸承された回転軸
４の先端に設けた回転架合４２を中心に図示矢印
ハ−ニ方向に回動するように構成されている。つ
まり、上記トーンアーム１は上記回転軸４を中心
に水平方向へ回動し、上記回転架台４２の回転軸
５を中心に垂直方向へ上下動するように構成され
ている。６は上記回転軸４の下端に固定された回
動板であり、その周縁には演奏開始位置および演
奏終了位置用の遮光突片７ａと、レスト位置用の
遮光突片７ｂとが設けられている。上記回動板６
はその中心が上記回転軸４の下端に固定されてお
り、その中心から離れた位置にはリフト部材４３
が設けられている。８はターンテーブル軸４によ
つて回転駆動されるレコードプレーヤのターンテ
ーブル（図示せず）上に置かれたレコード盤であ
り、上記トーンアーム１の先端に設けられたピツ
クアツプカートリツジ９によつてトレースして演
奏される。この時、上記トーンアーム１は上記レ
コード盤８の溝にならつて図示矢印イ方向に回動
し得るようにフリーな回転状態になるように構成
されている。上記リフト部材４３は上記回動板６
に設けたリフトボス１５に上下動自在に軸支され
たリフト軸１０を有し、そのリフト軸１０の上部
には押上げバネ１１によつて押し上げるように設
けられた押上げ片１２と上記リフト軸１０のネジ
部１０ａと係合して上記押上げ片１２の高さを調
整するように内側にネジ部１３ａを持つ高さ調整
キヤツプ１３が設けられており、下端にはクラツ
チ片１４が固定されている。そして、上記リフト
軸１０は常時押し下げるように上記回動板６に固
定されたリフトボス１５の下端との間にバネ１６
を介在して弾性付勢されている。１７は上記回動
板６に設けたレスト位置用遮光突片７ｂに対応し
て配置されたレスト位置検出用の光電スイツチで
あり、上記トーンアーム１が図示していないレス
ト位置に回動復帰して来たときに遮光されて位置
検出を行なうようになつている。１８は上記回動
板６に設けた演奏開始位置および演奏終了位置用
の遮光突片７ａに対応して配置された演奏位置検
出用の光電スイツチであり、上記トーンアーム１
がそれぞれのサイズ（17cm，25cm，30cm）のレコ
ード盤８の外周構の開始位置および内周溝の終了
位置に回動して来たときに遮光解除されて位置検
出を行なうようになつている。そして、上記光電
スイツチ１７，１８はサブパネル２５の上面に固
定させている。１９は上記回動板６と同軸的に対
向配置された昇降回動板であり、その周縁にはリ
フト位置用の遮光突片２０がリング状に突設され
ている。上記昇降回動板１９は上記サブパネル２
５の下面に上記回動板６と同軸的に対向するよう
に配置された駆動装置本体４４に結合されてい
る。つまり、上記昇降回動板１９はその中心部に
取付けたボス２１に上記サブパネル２５を貫通す
る駆動装置本体４４を構成する昇降回動軸２３を
挿通し、ねじ２２を締付けることによつて固定さ
れている。２４は上記昇降回動板１９に設けたリ
フト位置用遮光突片２０に対応して上記サブパネ
ル２５上に配置された光電スイツチであり、上記
トーンアーム１がレスト位置又はレコード盤８上
に降下したときに遮光されて位置検出を行なうよ
うになつている。そして、上記駆動装置本体４４
は回動用コイル３４を備えたオイルタンク３３内
に回動用マグネツト３２を外周部に備えた昇降回
動用の従動部材３１と、これを昇降させるための
昇降用コイル２７とを粘性のオイル３８と共に密
封し、上記従動部材３１に昇降回動軸２３を結合
するように構成されている。

第３図は昇降回動のための駆動装置本体４４を
示しており、昇降回動軸２３を上下摺動自在に挿
通するための中心穴２６ａと巻線部２６およびヨ
ーク部２６ｃ，２６ｄを有する磁性材料から成る
ボビン２６には昇降巻線２７が巻かれており、そ
の昇降巻線２７の始終端２７ａ，２７ｂは電気絶
縁部材から成る端子台２８に設けられた端子２９
ａ，２９ｂに配線されており、その端子台２８の
中心穴２８ａにボビン２６の中央凸部２６ｅが圧
入されるように構成されている。３０はボビン２
６の上部に設けられたオイルもれ防止のためのリ
ングである。

３１は昇降回動軸２３の下端が底部に固定され
たつり鐘形状の磁性部材から成る従動部材であ
り、底部にオイル逃げ用の小穴３１ａが数ケ所に
設けられている。そして、上記従動部材３１の外
周部にはＮ，Ｓ着磁された永久磁石３２が設けら
れている。３３は電気絶縁部材からなるオイルタ
ンクであり、永久磁石３２に磁気的に結合されて
従動部材３１を回動させるための回動巻線３４
ａ，３４ｂがほどこされている。その回動巻線３
４ａ，３４ｂの始終端３５ａ，３５ｂはオイルタ
ンク３３の上部に設けられた端子ピン３６ａ，３
６ｂに配線されている。オイルタンク３３の内側
に形成された回り止め部３３ａは、永久磁石３２
の凹部３２ａと係合して、オイルタンク３３に対
して永久磁石３２が１定量だけ回動出来るように
なつている。３７はオイルもれ防止のパツキンで
あり、粘性オイル３８をオイルタンク３３の内部
に注入後に端子台２８とオイルタンク３３の間に
設けてオイルもれを防止するようになつている。
３９は回動巻線３４ａ，３４ｂの磁力を強くする
ためのシールドリングであり、オイルタンク３３
の外周に設けられている。このシールドリング３
９は上端３９ａと下端３９ｂを内側に曲げて端子
台２８とオイルタンク３３を圧接固定するように
設けられている。また、回動巻線３４ａ，３４ｂ
はオイルタンク３３の外周に設けたボビン４０に
巻装されている。

第４図，第５図は本発明のトーンアーム駆動装
置の動作説明図であり、第２図，第３図，第４図
及び第５図を参照しながら実施例の動作について
説明する。いま、トーンアーム１がレスト位置に
あるとき、光電スイツチ１７，１８は遮光突片７
ａ，７ｂによつて遮光された状態にある。次い
で、昇降巻線２７に通電すると、永久磁石３２に
電磁力が働き、従動部材３１が昇降回動軸２３を
介して昇降回動板１９を上昇させ、リフト軸１０
を介してトーンアーム１がリフト位置から上昇さ
れる。この状態で回動巻線３４ａ，３４ｂに通電
すると、永久磁石３２に電磁力が働き、従動部材
３１が昇降回動軸２３を回動させ、クラツチ片１
４と昇降回動板１９の圧接力により回動板６に回
動力が伝えられ、トーンアーム１がイ方向に回動
する。光電スイツチ１８が遮光突片７ａのスリツ
ト部４６ａ，４６ｂ，４６ｃの各演奏開始位置と
対応する位置まで来たときに回動巻線３４ａ，３
４ｂへの通電が断たれ、トーンアーム１の回動が
停止される。次いで昇降巻線２７への通電が断た
れ、昇降回動板１９がニ方向に降下して光電スイ
ツチ２４が遮光突片２０と対応し光電スイツチ２
４は遮光されてトーンアーム１が演奏を開始す
る。トーンアーム１が演奏終了位置まで回動する
と、光電スイツチ１８は遮光突片７ａからはずれ
て遮光解除となり、昇降巻線２７に再び通電さ
れ、昇降回動板１９がハ方向に上昇し、この位置
で光電スイツチ２４も遮光解除となり、今度は回
動巻線３４ａ，３４ｂに前述の通電方向とは逆方
向に通電がなされ、トーンアーム１がロ方向に回
動される。次にトーンアーム１がロ方向に回動し
てレスト位置にくると光電スイツチ１７は遮光突
片７ｂによつて遮光され、回動巻線３４ａ，３４
ｂへの通電が断たれトーンアーム１の回動が止ま
り、また昇降巻線２７への通電が断たれ、昇降回
動板１９が二方向に降下し光電スイツチ２４は遮
光突片２０によつて遮光されて演奏終了となる。
そして、このような信号処理は既知の回路手段に
よつて行なわれる。また、昇降巻線２７あるいは
回動巻線３４ａ，３４ｂに通電することによつて
永久磁石３２に電磁力が働き、従動部材３１を上
昇回動させるが、この動作は粘性オイル３８によ
つて緩衝されるのでトーンアームの働きをスムー
ズにすることができる。

以上のように本発明によれば、磁性部材から成
るボビンに巻回した昇降巻線を中央部に配置し、
その昇降巻線の外周部を取り囲むように配置した
磁性材料から成る従動部材に上記ボビンの中央部
に挿通され摺動自在に設けられた昇降回動軸を固
定すると共に前記従動部材の中央部にＮ，Ｓ着磁
された磁石を固定して回動巻線を備えたオイルタ
ンクの中に粘性のオイルと共に密封し、上記昇降
巻線と上記磁石の間に働く電磁力によつて上記従
動部材を昇降させ上記昇降回動軸にトーンアーム
の昇降のための上下動力を与え、また上記回動巻
線と上記磁石の間に働く電磁力によつて上記従動
部材を回動させトーンアームの旋回のための回動
力を与えるように構成したので、磁石と流体の簡
単な組合せによつて信頼性の高い安価なレコード
プレヤー用トーンアームの昇降，回動のための駆
動装置を提供することが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のトーンアーム駆動装置の１実
施例を示す外観斜視図、第２図は同装置の１部断
面図、第３図は同装置の要部分解斜視図、第４
図，第５図は同装置の動作説明図である。 １……トーンアーム、２３……昇降，回動軸、
２６……ボビン、２７……昇降巻線、２８……端
子台、２９……端子、３０……リング、３１……
従動部材、３２……磁石、３３……オイルタン
ク、３４……回動巻線、３５ａ，３５ｂ……始終
端、３６……端子ピン、３７……パツキング、３
８……粘性オイル、３９……シールドリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁性部材から成るボビンに巻回した昇降巻線
   を中央部に配置し、その昇降巻線の外周部を取り
   囲むように配置した磁性部材から成る従動部材に
   上記ボビンの中央部に挿通され摺動自在に設けら
   れた昇降回動軸を固定すると共に前記従動部材の
   外周部にＮ，Ｓ着磁された磁石を固定して回動巻
   線を備えたオイルタンクの中に粘性のオイルと共
   に密封し、上記昇降巻線と上記磁石の間に働く電
   磁力によつて上記従動部材を昇降させ上記昇降回
   動軸にトーンアームの昇降のための上下動力を与
   え、また上記回動巻線と上記磁石の間に働く電磁
   力によつて上記従動部材を回動させトーンアーム
   の旋回のための回動力を与えるように構成したこ
   とを特徴とするトーンアーム駆動装置。 ２ 回動巻線を備えるオイルタンクにはNS着磁
   された磁石の凹部に係合して従動部材を一定角度
   の範囲内で往復回動させるための回り止め部を設
   けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のトーンアーム駆動装置。 ３ 従動部材は昇降用コイルを巻線したボビンの
   外周囲を取り囲むようにつり鐘形状となし、その
   下端底面に上記コイルボビンの中央を貫通する昇
   降回動軸の端部を結合したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のトーンアーム駆動装置。 ４ オイルタンクの外周部に磁性部材よりなるシ
   ールドリングを設け、このシールドリングにて密
   封のためのキヤツプをオイルタンクに固定したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のトー
   ンアーム駆動装置。