JPS6238576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンパクト容器に係り、詳しく
は、蓋体付きの容器本体に該容器本体の収容部を
開閉する中板を設けたコンパクト容器に関するも
のである。

一般に、化粧料などを入れるコンパクト容器で
は、容器本体の一縁にヒンジ結合された蓋体の裏
面に鏡が貼付され、蓋体を開けたときにこの鏡を
利用して化粧ができるようになつている。

しかしながら、従来、このようなコンパクト容
器では、蓋体の裏面に鏡が貼付される構成である
から、蓋体を閉じたときに鏡と化粧料とが向かい
合わせになり、このとき化粧料の微粉末が鏡に付
着して使用の際に不便をきたすという問題があつ
た。

一方、コンパクト容器の軽量化の傾向にあつ
て、硝子製鏡のかわりに合成樹脂製鏡を蓋体に設
けた場合、特に合成樹脂の帯電性から、化粧料の
微粉末の付着は一層顕著なものとなり、鏡が使用
しづらくなるという問題がある。

この考案は、前述した問題点を解決するため提
案されたもので、その目的とするところは、化粧
料の微粉末による付着汚れを防止し得るとともに
鏡によつて装飾効果を一層向上させることのでき
るコンパクト容器を提供しようとするものであ
る。

かかる目的を達成するため、この考案は、容器
本体に該容器本体の収容部を開閉する中板を設
け、この中板の上面に鏡を設けるとともに、蓋体
の少なくとも一部を透光性を有する樹脂により形
成したことを特徴とする。

以下、この考案の第１実施例について、第１図
ないし第４図を参照して説明する。

これらの図において、符号１は角形周壁２を有
する全体が四角形状とされた容器本体、符号３
は、この容器本体１の後壁部２ｂにヒンジ結合さ
れ容器本体１を開閉する蓋体である。また、符号
４は、容器本体１の角形周壁２によつて囲まれた
収容部５を開閉する中板で、この中板は４は、容
器本体１の左右方向に摺動自在に装着され、かつ
その上面に鏡６が設けられている。そして、これ
ら容器本体１、蓋体３および中板４によつてコン
パクト容器が構成される。

前記容器本体１の収容部５の周縁には、左側の
周縁のみを開口したコ字状の縁部７が、容器本体
１の上面よりも上方に突出して形成されるととも
に、容器本体１の前後壁２ａ，２ｂ側に位置する
前後の縁部７ａ，７ｂの内周面には、これら縁部
７ａ，７ｂの長さ方向に沿つてガイド溝８が全長
に亘つて形成され、中板４が嵌め込まれるように
なつている。

また、前記蓋体３は、本出願人が先に提案した
実公昭53ー24478号「装飾板」の技術が準用され
て形成する。すなわち、この蓋体３は、その周辺
部３ａが着色合成樹脂によつて形成され、中央部
３ｂが例えば透明なアクリル樹脂またはスチロー
ル樹脂などで形成されている。そして、この蓋体
３の裏面には、表面側に湾曲してそれぞれ大きさ
の異なる複数個の球面形状をした凹部９が一体に
形成されるとともに、この各凹部９の開口周縁に
図示例では蓋体３の裏面よりも外方に突出した輪
郭凸部１０が一体に突出形成されている。さら
に、この輪郭凸部１０の表面には、蓋体３の周辺
部３ａとは色彩の異なる彩色部１１が例えばホツ
トスタンプなどにて着色されている。また前記凹
部９内には、透明または不透明の着色合成樹脂１
２が充填されている。なお、この着色合成樹脂１
２は、同色であつても、または各凹部９毎に異な
る着色合成樹脂であつても良い。

一方、前記中板４の長さ方向両側部には、前記
容器本体１の縁部７のガイド溝８にそれぞれ嵌合
する係止突条１３が側部の全長に亘つて設けられ
ている。

なお、図中１４，１５はフツク、１６は中板４
を引き出すための切欠き部（引手）である。

次いで、このように構成されたコンパクト容器
を使用する場合について説明すれば、容器本体１
の収容部５内に例えば粉体または固形の化粧料を
収納し、化粧時において中板４を開閉して使用に
供すれば良く、またこの場合、中板４の上面の鏡
６を用いて化粧を行なう。一方、不使用時には、
中板４を閉じて蓋体３を容器本体１に仮り止めし
ておけば携帯に供することができる。

しかして、このように構成されたコンパクト容
器においては、中板４の上面に鏡６が設けられて
いるので、鏡６が容器本体１の収容部５内に収納
された化粧料と向かい合わせになることがなく、
化粧料の微粉末が鏡６に付着することを防止でき
る。したがつて、鏡６に合成樹脂製鏡を用いても
化粧料の微粉末が蓋体３を閉じたときに鏡６に付
着することを防止し得て、コンパクト容器の軽量
化を図ることができる。

また、中板４により収容部５を閉じておけば、
収容部５内に収納した化粧料や化粧用具等の落下
を防止し得るので、蓋体３を開けて中板４を閉じ
て使用すれば、コンパクト容器をいわゆる手鏡と
して使用することができ、この場合、あらゆる角
度に容器本体１を傾けても収容部５内のものが落
下することがないのである。

また、蓋体３の中央部３ｂは、透明な樹脂によ
つて形成され、その裏面には、凹部９および輪郭
突部１０が着色され、しかも中板４の鏡６が蓋体
３の透明な部分に臨んでいるので、鏡６の反射
と、凹部９内の着色合成樹脂１２並びに彩色部１
１との相乗的効果が加わり、蓋体３の表面におい
て、レンズの集合体のような模様が現出され、蓋
体３の加飾効果を上げることができる。

なお、この実施例では、凹部９内に着色合成樹
脂１２が充填されて着色されているが、ホツトス
タンピングによつて凹部の表面に目的とする文
字・図柄等を転写するようにしても良い。

第５図は、この考案の第２実施例を示すもの
で、容器本体１に透明な蓋体２０をヒンジ結合し
たものである。この蓋体２０の裏面には、前述し
た実施例と同様凹部９が形成されており、また花
柄の模様２１が刻設され、任意の色彩に例えばホ
ツトスタンピングによつて着色表示されている。
そして、この実施例にあつても前述の実施例と同
様の作用効果を奏することができ、また蓋体２０
全体が透明とされているので、第１実施例とは違
つた加飾効果を楽しむことができる。

第６図は、この考案の第３実施例を示すもの
で、この実施例のコンパクト容器は、容器本体２
５の後壁部２６に蓋体２７と、上面に鏡２８を有
する中板２９とを蝶番３０，３１を介してヒンジ
結合したものである。そして、容器本体２５の円
形の収容部３２には、中皿３３が取り付けられて
いる。

また、蓋体２７は、その周辺部２７ａが着色合
成樹脂によつて形成され中央部２７ｂが、例え
ば、透明なアクリル樹脂またはスチロール樹脂で
形成されている。そして、蓋体２７の裏面には、
表面側に湾曲した凹部３４が縦横等間隔に形成さ
れ、ホツトタンピングによつて任意の色彩に着色
されている。なお、この実施例においても、前述
した第１実施例と同様の作用効果を奏することが
できる。

以上説明したように、この考案のコンパクト容
器は、化粧料と鏡とを向かい合わせにする構成と
し、蓋体を透光性のある樹脂によつて形成したか
ら、化粧料の微粉末による鏡の付着汚れを防止し
得るとともに、合成樹脂製鏡を使用してもその帯
電性による付着汚れを防止できるので、コンパク
ト容器の軽量化を容易に図ることができ、また中
板の上面に設けた鏡の反射を利用してデザイン効
果を向上させることができる等の種々の優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、この考案の第１実施例
を示すもので、第１図は蓋体を閉じた状態の斜視
図、第２図は蓋体を開いた状態の斜視図、第３図
は中板を引き出した状態の斜視図、第４図は縦断
面図、第５図はこの考案の第２実施例を示す斜視
図、第６図はこの考案の第３実施例を示す斜視図
である。 １……容器本体、２……周壁、３……蓋体、４
……中板、５……収容部、６……鏡、７……縁
部、８……ガイド溝、９……凹部、１０……輪郭
凸部、１１……彩色部、１２……着色合成樹脂、
１３……係止突条、２０……蓋体、２１……模
様、２５……容器本体、２６……後壁部、２７…
…蓋体、２８……鏡、２９……中板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 蓋体付きの容器本体に該容器本体の収容部を
   開閉する中板を設け、この中板の上面に鏡を設
   ける一方、前記蓋体の少なくとも一部を透光性
   樹脂より形成し、蓋体の裏面に任意形状若しく
   は模様となる凹凸部を形成したことを特徴とす
   るコンパクト容器。 ２ 前記凹凸部のうち凹部若しくは凸部のいずれ
   か一方の表面が着色されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のコンパ
   クト容器。 ３ 前記凹凸部のうち凹部若しくは凸部のいずれ
   か一方の表面がホツトスタンピングにより加飾
   されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のコンパクト容器。