JPS6237605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主に鋼片スラブ、ブルーム、ビレツト
等の鋼材を剪断する装置に関するものである。例
えば鋳片圧延工程において圧延機で圧延された長
尺熱スラブは所定長さに剪断され、次のパイラ
ー、スラブヤード、加熱炉を介して或いは、直接
鋼板製造用圧延工程に供給される。

該長尺スラブの剪断には一般に第１図に示すア
ツパーカツト式剪断装置が用いられている。

この装置は、スクリユー式昇降装置９により第
１図の如く上刃４を所定高さ位置に固定し油圧式
昇降装置１０により第２図ハの如く下刃５を上昇
移動させてこれら上刃４、下刃５間に位置させた
スラブ３を第２図イ〜ニに示す工程により剪断す
るものであり、スラブ剪断の際下刃側のスラブ上
下面を挟持する鋼材保持具１，２が附設されてい
る。

この鋼材保持具１，２はスラブ上面用鋼材保持
具１と下面用鋼材保持具２とからなり上刃ホルダ
ー７に設けたスラブ上面用鋼材保持具１は昇降用
油圧シリンダー機構６で支持され常に一定の押付
力によりスラブを挟持する構造となつている。
又、下面用鋼材保持具２は下刃５と同一ホルダー
８により固定されており、下面用保持面と上面用
保持面とは平行な関係にあり、かつ鋳片通過ライ
ン（パスライン）に対して平行に位置しているた
め、この鋼材保持具１，２でスラブ３を挟持し下
刃５の上昇と共同すると剪断を終つたスラブ端部
は第２図ハ，ニに示す如く塑性変形が生じる。

このため該剪断を完了したスラブ端部は第２図
ニに示すように下向きとなり、下面の剪断カエリ
部３ａはローラーテーブルRTの該パスライン下
方に位置する結果となる。

次工程に該スラブを供給搬送する際スラブ先端
下面部の剪断カエリ部３ａとローラーテーブルの
ローラー表面との衝突及びこれによる振動によつ
て、 ローラーの破損、 ローラーテーブル基礎の破損、 ローラーテーブル搬送時の搬送音の増加、 等を惹起せしめる等の問題を有していた。

本考案はこの問題を解消したものでその特徴と
するところは、鋼材保持具の鋼材保持面を該被剪
断鋼材の反剪断面方向に下り傾斜せしめたことに
ある。

本考案における保持具の鋼材保持面の下り傾斜
角度はその目的即ち、剪断中に下刃側スラブ端部
を上反りに塑性変形せしめ剪断後の剪断カエリ下
端レベルをローラーテーブルパスラインより上方
に変位せしめるに必要な角度であれば良くスラブ
の厚み、温度、材質、保持面長さ（スラブ長さ方
向）、剪断時の下刃上昇速度等に応じて適宜設定
すれば良い。

本考案の構成は、所定位置に保持した上刃４
と、オーバーラツプ可能に昇降する下刃５と、該
上・下刃４，５のオーバーラツプで鋼材３を剪断
する間、該鋼材３の上・下面を、一方を上刃４側
に昇降可能に設け、他方を下刃５に固定した鋼材
保持具１１，１２により挾持する鋼材の剪断装置
において、前記上・下両側の鋼材保持具１１，１
２の鋼材保持面をそれぞれ被剪断鋼材３の反剪断
面方向に下り傾斜せしめたことを特徴とする鋼材
の剪断装置である。

以下本考案の一実施例を第３図及び第４図と共
に詳細に説明する。

第３図において鋼材保持具の上面保持具１１は
その下面を上刃４の刃先レベルより反剪断面方向
に角度θ_１＝３゜30′傾斜させ、下面保持具１２
は上面を下刃５の刃先レベルより反剪断面方向に
角度θ_２＝３゜30′傾斜させ、これら各部片の傾
斜面は互いに平行関係にして対向配置させてあ
る。

他の部分は第１図と同一にしてあり同一符号を
付しその詳細な説明を省略する。

以下に本考案の剪断装置による鋼片３の剪断過
程を順を追つて説明する。

被剪断材（鋼片３）を搬送し上刃４、下刃５
の摺動的オーバーラツプ線と所定鋼片剪断面Ｃ
とを合せ停止する。第４図イ 上刃４及び上面保持持具１１を所定高さに位
置させる。この時点ではまだ鋼片３と上刃４及
び上面保持具１１の保持面とは接していない。

下刃５の上昇開始、下刃５と鋼片３の下面と
の接触。

上刃４と鋼片３上面との接触（剪断開始）。

上面保持具１１の保持面端部（反剪断面端
部）との鋼片３上面との接触。

下面保持具１２の保持面と鋼片３の下面との
接触。第４図ロ 切断末期。第４図ハ 下刃５の下降。第４図ニ 鋼片３の搬送。

以上が鋼片３の剪断過程を示したものであるが
下刃側の鋼片端部の上反り塑性変形は、該上下保
持具１１，１２の該傾斜保持面による前記，
の過程において生じるものである。

以上の説明で明らかなように本考案は、前記鋼
材保持具の鋼材保持面を被剪断鋼材の反剪断面方
向に下り傾斜せしめたことによつて剪断后の下刃
側に位置するスラブの端部を上反りに塑性変形す
ることができ、その先端下縁に沿つて形成される
剪断カエリ部の高さ位置を搬送ローラーテーブル
のパスライン上方に位置させることが可能となつ
て、ローラーテーブルの各ローラー表面に該剪断
カエリ部を衝突させることなく円滑に搬送するこ
とができる。

このためローラーテーブル及びその基礎等に過
剰な応力と過大な振動を与えることなくそれらの
破損を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側断面説明図、第２図イ
〜ニはスラブの剪断動作順を示す簡略説明図、第
３図は本考案の１実施例を示す側断面説明図、第
４図イ〜ニは第３図装置による１剪断の動作順を
示す簡略説明図である。 １は従来の上面保持具、２は従来の下面保持
具、３はスラブ（鋼片）、４は上刃、５は下刃、
６は油圧シリンダー、７は上刃ホルダー、８は下
刃ホルダー、９はスクリユー式昇降装置、１０は
油圧シリンダー、１１は本考案の上面保持具、１
２は本考案の下面保持具、RTはローラーテーブ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定位置に保持した上刃と、オーバーラツプ可
   能に昇降する下刃と、該上・下刃のオーバーラツ
   プで鋼材を剪断する間、該鋼材の上・下面を、一
   方を上刃側に昇降可能に設け、他方を下刃に固定
   した鋼材保持具により挾持する鋼材の剪断装置に
   おいて、前記上・下両側の鋼材保持具の鋼材保持
   面をそれぞれ被剪断鋼材の反剪断面方向に下り傾
   斜せしめたことを特徴とする鋼材の剪断装置。