JPS6237104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電弧式電気炉の、主に容量を増大
させる改造に適用する補助炉底の構造に関するも
のである。

従来のこの種の炉の炉底は第１図に見られるよ
うに炉殻鋼板１に耐火物２を内張りしたものであ
るが、炉の使用により耐火物２が、特に炉底の中
央部近傍のものが徐々に損傷してその層の厚さ寸
法が薄くなり、さらに使用を続けると炉殻鋼板１
が損傷して事故を起こすことになる。従つてある
程度耐火物２の層が薄くなつた段階で修理が行わ
れる。その修理の際には、次の修理までの使用期
間がよりいつそう長くなるように考慮して行われ
るのが普通である。また別に、増産のためには、
炉の増設を行うのが普通であるが、短期間でしか
も高価な設備を増設することには問題がある。こ
のような場合に既存の炉の容量を増大する改造が
簡単に行い得るならば非常に好都合である。

そこで、この考案は、簡単に容量の増大が可能
であり、あるいは炉底の長寿命効策としても有効
な電弧式電気炉の補助炉底を提供しようとするも
のである。

以下この考案を図示の１実施例に基いて説明す
る。この実施例は第１図に示した炉底に対して実
施したもので、容量を増大する目的で改造を行つ
たものである。第２図及び第３図において、１０
は第２外殻鋼板、１１は不定形耐火物であり、補
助炉底を構成している。

第２外殻鋼板１０は、底面部１０ａと側面部１
０ｂとからなる円形容器状のもので、底面炉殻鋼
板１に対し全周で溶接してある。図中１２はＨ型
鋼による支持梁、１３は支持梁用ブラケツトで、
上部ロツカー１４に取付けてある。この構成によ
つて第２外殻鋼板１０は強力に支持される。

この第２外殻鋼板１０と炉殻鋼板１との間に
は、不定形耐火物１１が、例えば白マグネシヤが
スタンプ施工され、充填状態である。なお、その
施工は、底面部１０ａの適所に開口部を設けてお
いて、その開口部を介して行い、後で閉塞する。

また、炉底の耐火物２は、その厚さ寸法を中央
部近傍で本来の厚さ寸法ｔよりも薄く形成し、元
の容量が60トンであつたものが100トンになつて
いる。

このように構成された炉底は、補助炉底の存在
により熱的にも重量的にも確実に補強されてい
る。従つて、容量が60トンから100トンに増大し
ていても実際に稼働して全く支障はなかつた。

上記実施例の炉底は炉の容量を増大させる目的
で補助炉底を設けたが、不定形耐火物２を本来の
厚さ寸法に施工して、上記補助炉底を設けると、
炉殻鋼板１が損傷するまで使用したとしても支障
はなく、長期間の連続使用が可能となる効果が得
られる。 以上のようにこの考案によるときは、
きわめて簡単な構成で、短期間で施工可能であ
り、従つて簡単に容量の増大が可能である、ある
いは炉底の長寿命対策として有効な、電弧式電気
炉の補助炉底を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電弧式電気炉の炉底部の１例を
示す縦断側面図、第２図はこの考案の実施例の炉
底部縦断側面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面略
図である。 １……炉殻鋼板、２……内張耐火物、１０……
第２外殻鋼板、１１……不定形耐火物、１２……
梁、１３……梁用ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉殻鋼板に耐火物で内張りされた炉底の中央部
   を包含しかつ上部ロツカー間の大部分の領域につ
   いて上記炉殻鋼板外側に上端周縁で溶接された浅
   い容器状の第２外殻鋼板と、その第２外殻鋼板と
   上記炉殻鋼板との間に充填された不定形耐火物
   と、上記上部ロツカー間に跨つて第２外殻鋼板を
   支持するように設けた支持梁とからなる電弧式電
   気炉の補助炉底。