JPS6235880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガソリンエンジンにおける燃料蒸発
ガス制御装置に関するものである。

〔従来の技術〕

燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスは、タン
ク内圧を上げ、フロート室の液面を押すことにな
るので、これを大気圧と同じにするため、圧力調
整のため、エアクリーナなどにホース通路によつ
て逃がしていた。この構造では、温度上昇に伴い
多量に発生した燃料蒸発ガスは、上記ホース通路
を経由してエアクリーナ内に充満するため、高温
時にエンジン始動の理想空燃比をくずし、特に、
停止、放置後の再始動性を悪化させる。

そこで、既にエアクリナの外周部に蒸発燃料溜
め室を設けるなどの工夫が、例えば実開昭49−
72817号などでなされている。また、上記ホース
通路の一部にフロート室へのバイパスを設けたも
のが、例えば実開昭48−111709号で知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記先行技術では、いずれも蒸
発燃料をエアクリーナへリークするようにしてお
り、この蒸発燃料を捕捉する部材がなく、エンジ
ン停止時に蒸発燃料がエアクリーナから大気に放
出され、大気を汚染するという問題点がある。

本考案は、上記問題点にもとづいてなされたも
ので、燃料タンク内に発生した燃料蒸発ガスを、
燃料経路とは別に気化器のフロート室に導き、そ
こからインナベントおよびアウタベントへと導出
させる方式にして、理想の空燃比を崩すことな
く、また、エンジン停止，放置後における再始動
性も損わない、ガソリンエンジンにおける燃料蒸
発ガス制御装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的のため、本考案は燃料タンク内の燃料
蒸発ガスを気化器のフロート室に導く構成であつ
て、上記フロート室は、オープンベントおよびイ
ンナベントを具備し、オープンベントにはキヤニ
スタを設置したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して具体
的に説明する。図において、符号１は燃料タンク
であり、その天井部には圧力調整用のホース通路
２の一端が連通されている。一方、気化器のフロ
ート室３には、図示しない気化器ベンチユリ上流
部に連なるインナベント４およびキヤニスタ６に
連なるオープンベント５が設けられており、オー
プンベント５への導出部には、先述のホース通路
２の他端が連通されている。なお、燃料タンク１
からは、図示しない燃料供給通路を経由してフロ
ート室３の頂部に燃料が供給され、フロート７に
支えられたニードルバルブ８を介して燃料が上記
フロート室３に供給される。

このような構成では、エンジン停止中において
は、燃料タンク１内で発生した燃料蒸発ガスは一
度フロート室３に導かれ、フロート室内の燃料蒸
発ガスと一緒にオープンベント５を経由してキヤ
ニスタ６に至る。また、エンジン始動中は、キヤ
ニスタ６からオープンベント５を経由してフロー
ト室３に戻され、そこからインナベント４を経由
して気化器のベンチユリ上流部に流れ、キヤニス
タ６のパージがなされる。このように、燃料タン
ク１内の燃料蒸発ガスは一度フロート室に導かれ
るので、途中で温度降下により液化してもフロー
ト室内にうけ入れられ、キヤニスタへ直接、向か
うのでないから、活性炭が液化したガソリンに触
れることがなく、機能低下がさけられ、しかも、
高温状態での再始動性が損われることがない。こ
れはエアクリーナ内に燃料蒸発ガスが充満される
というような事態がさけられるからである。

〔考案の効果〕

本考案は、以上詳述したように、燃料タンク内
の燃料蒸発ガスを一度、フロート室に送り込み、
そこからオープンベントを経由してキヤニスタに
逃がし、またはインナベントを介して吸気系へと
もたらすので、燃料蒸発ガスによつて高温時にお
けるエンジン始動の理想空燃比を崩すことがな
く、停止，放置後の再始動性を悪化させることも
ないという実用上の効果を奏しうる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断側面図であ
る。 １……燃料タンク、２……ホース通路、３……
フロート室、４……インナベント、５……オープ
ンベント、６……キヤニスタ、７……フロート、
８……ニードルバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク内の燃料蒸発ガスを気化器のフロー
   ト室に導く構成であつて、上記フロート室は、オ
   ープンベントおよびインナベントを具備し、オー
   プンベントにはキヤニスタを設置したことを特徴
   とするガソリンエンジンにおける燃料蒸発ガス制
   御装置。